極楽征夷大将軍 の商品レビュー
いやー長かった。549ページ2段組。 足利尊氏の印象って、室町幕府の初代の将軍でしょ、それしか無かった。正直、興味をひかれる人物でも無かった。 が、極楽征夷大将軍と言うタイトルと帯の【やる気なし使命感なし執着なし】が絶妙過ぎて興味をひかれてしまった(まあ勿論、直木賞受賞と言うこと...
いやー長かった。549ページ2段組。 足利尊氏の印象って、室町幕府の初代の将軍でしょ、それしか無かった。正直、興味をひかれる人物でも無かった。 が、極楽征夷大将軍と言うタイトルと帯の【やる気なし使命感なし執着なし】が絶妙過ぎて興味をひかれてしまった(まあ勿論、直木賞受賞と言うことも大きな理由の1つ)。 読んでみると、幕府を立ち上げた初代将軍とはかけ離れたイメージの人物像で。なんなんだこの人は。本当にやる気ないな、掴みどころのない人だな。これは直義(弟)や師直は大変だな。 でもなぜかとても魅力的。器が大きい、と言うと少し言葉のイメージとは違うような気もするが。少なくとも、大方の人はこう言う風にはなれないからこそ、なぜか神格化されたりもするし、崇めてしまう人達の気持ちもよく分かっててしまう。 しかし反面、生真面目で曲がったことが嫌いで、自分の上司だったら近寄りがたいのかもしれないなと思う直義も、私はとても共感してしまうし、こう言う兄みたいな流されているようでなぜか人望を集めてしまう人がいつも傍にいるって結構しんどいよなあと思ってしまう。 そんな正反対の2人なのに、お互いを大切に思っていることは同じ。だからこそ2人が戦うことになった時には読んでいて辛かった。 何だかまとまりのない感想になってしまったが、とりあえず長かったし、ページをめくる手が止まらなくてすいすい読めてしまうと言う感じの作品ではなかったけど、読みごたえはその分あった。読み終わって、まるで2人と一緒に大変な時代を生きてきたような、そんな感覚になった。
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立板に水のように、ひっかかりも矛盾もなくさらさら読める。が、長い!読み切るのに1週間もかかってしまった。 しかし、そのぶん、内容が濃くおもしろかった。 政治のパワーバランスや人身掌握の妙味などは現代にも通用するものがあり、人物像も多面的に良き面、悪しき面またそのどちらでもない面...
立板に水のように、ひっかかりも矛盾もなくさらさら読める。が、長い!読み切るのに1週間もかかってしまった。 しかし、そのぶん、内容が濃くおもしろかった。 政治のパワーバランスや人身掌握の妙味などは現代にも通用するものがあり、人物像も多面的に良き面、悪しき面またそのどちらでもない面をしっかり描いていて魅力された。尊氏の極楽ぶりには時に笑わせてもらった。血で血を洗う戦の場面は作戦の面白さもあり、手に汗にぎる臨場感があった。
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面白い!けど長い、、、 一人一人の人間描写が非常に上手で なかなかマイナーな時代にフォーカスしてくれてて勉強になる。良作
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足利尊氏側の本を初めて読んだが学びが多く非常に面白かった。 ・単なる戦記ではなく、事がそこに至った経緯やそれぞれの考えがわかりやすく書かれおり学びが多い ・人の世はいつの時代も自分の家族をどう護るかに執着している→尊氏も直義も子をなしてから自分の一存では行動できなくなっていると思...
足利尊氏側の本を初めて読んだが学びが多く非常に面白かった。 ・単なる戦記ではなく、事がそこに至った経緯やそれぞれの考えがわかりやすく書かれおり学びが多い ・人の世はいつの時代も自分の家族をどう護るかに執着している→尊氏も直義も子をなしてから自分の一存では行動できなくなっていると思う ・処罰に情が挟まっておりそれが争いが絶えなかった原因と思う ・向背が激しい
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直木賞受賞作。これも、時代小説なのでしょうか? 足利尊氏の物語です。 そう言えば、足利尊氏のことは、あまり知りません。小説ではもちろん読んだことがないですし、大河ドラマなどでも見ていないです。 足利尊氏は、側室子だったので、家来にもあまり相手にされず、のんびりした子ども時代を...
直木賞受賞作。これも、時代小説なのでしょうか? 足利尊氏の物語です。 そう言えば、足利尊氏のことは、あまり知りません。小説ではもちろん読んだことがないですし、大河ドラマなどでも見ていないです。 足利尊氏は、側室子だったので、家来にもあまり相手にされず、のんびりした子ども時代を過ごす。ところが、正妻の長男が病死し、家督を継ぐことに。しかし、尊氏は、家督を継ぎたく無いと駄々をこねる。面白い人ですね。 尊氏の弟は、頭がキレる有能な人。自分に厳しい分、人にも厳しいので、なかなか上に立っても、人が付いてこないだろうと、本人も自覚している。 途中です。 小さい字で、2段に書いてあるので… 非常に長い。読み終わるのかな? 読み終わりました。 これは、足利尊氏、足利直義、高師直の3人の物語ですね。 政治とは難しいものですね。 足利尊氏・直義の兄弟も、高師直も、自分の為にではなく、周りに突き動かされて、闘い室町幕府を開き、皆が上手くいくようにと、采配したが、仲違いしてしまった。 誰々が、こっちに味方して、ここで戦って…とかは、覚えられません。でも、色々策を弄して、戦に挑んだり、政を司ったり…面白いなぁと思いました。 直義と師直の仲が悪くなっていき、尊氏が勉強し出して50才近くなった頃には、うつけ者ではなく、ちゃんと名将になってきたところが、とても興味深かったです。 歳を取っても学べば、成果はでるのかな?
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かなり長かった…けど面白かったです。 歴史の授業で触れたのみで、腐敗した鎌倉幕府を足利が裏切って討伐した。くらいの認識でしたが、もちろん物語としての脚色は多々あるのでしょうが、解像度を上げると様々なドラマがあるのだなと感じました。 足利一門にしても誰にしても、初めから虎視眈々と自...
かなり長かった…けど面白かったです。 歴史の授業で触れたのみで、腐敗した鎌倉幕府を足利が裏切って討伐した。くらいの認識でしたが、もちろん物語としての脚色は多々あるのでしょうが、解像度を上げると様々なドラマがあるのだなと感じました。 足利一門にしても誰にしても、初めから虎視眈々と自らの栄華を狙っていたというわけではなく、みんながみんなその時々、瞬間瞬間で、自己防衛のための決断を繰り返した結果として、歴史があるのだと感じます。
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腹の底ではお互いに信頼しきっているのに、人はなんでこういう結末になってしまうのだろう…。 『なんだ、やればできるではないか』、すべてこの言葉に尽きる気がする。
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なんとも読み応えのある作品でした。 自分の歴史感の中でも、 まだ未知の世界の「南北朝時代」 終始、戦っているので、始まるまでも長いな~と言う感じで、 足利一族が、兄弟をまつりあげて幕府を作っていき、右腕となる、高一族が後世に残っていないのが、とても気になりながら読んでいました。...
なんとも読み応えのある作品でした。 自分の歴史感の中でも、 まだ未知の世界の「南北朝時代」 終始、戦っているので、始まるまでも長いな~と言う感じで、 足利一族が、兄弟をまつりあげて幕府を作っていき、右腕となる、高一族が後世に残っていないのが、とても気になりながら読んでいました。 権力のシーソーが、あちらに流れたり、こちらに流れたりで、乗っている人も変わってしまうのですね。 直義と師直の袂が分かつ辺りから、引き込まれていきましたが、同時に読んでいてとても辛かった。
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面白かった。鎌倉→室町のことがよくわかるし、尊氏の弟の人となりや不仲になっていく経緯もよくわかった。 また、尊氏の晩年の努力により、様々な難題を解決していく様は考えさせられた。
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足利尊氏が弟と室町幕府を開くまでは戦いの連続だったけれど、なんとも言えないおかしみを尊氏に感じた。歴史の教科書で聞いた人たちも出てきて、こんなことがあったのだなぁと思いながら読めた。しかし、権力を握る立場に登り詰めて行く所で足利兄弟の確執や支えてくれていた人たちに対する冷遇など、...
足利尊氏が弟と室町幕府を開くまでは戦いの連続だったけれど、なんとも言えないおかしみを尊氏に感じた。歴史の教科書で聞いた人たちも出てきて、こんなことがあったのだなぁと思いながら読めた。しかし、権力を握る立場に登り詰めて行く所で足利兄弟の確執や支えてくれていた人たちに対する冷遇など、読んでいて楽しく感じなくなってしまった。歴史好きにはお勧めの本。でも、そうでもない人には全く面白く感じないかもしれない。
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