52ヘルツのクジラたち の商品レビュー
大学時代好きだった人に教えてもらった本。世の中にはこんな本があるんだと、小説に引き込まれていくきっかけになった本。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ずっと気になっていた作品。文庫化ということで即買いしました。 わかってはいたけれど、またまたネグレクト…。幼児虐待。つらい。 なぜ、そういうお話ばかり読んでいるのでしょう。。そういう題材多いのかな? それとも、子育て真っ只中にある自分自身への何か?? とにかく虐待のシーンは辛かったです。 アンさんの最後の件も辛かった。 虐待されていたキナコが、昔の自分と同じ境遇にあるであろう男の子を救おうと翻弄しながら、過去を再生していくストーリーはグイグイ引き込まれました。 キナコが愛くんを追いかけるシーンは感動しました。 だけど、なんだろう。キナコの人物像がハマらなかった…。あんまり共感できずに終わってしまいました。 幼少期に母の愛を求めて、虐待されながらも健気に生き、家族のために自分を犠牲にしてきた人。 アンさんという心優しい人、高校時代の親友とその彼氏に救われ、自立しようとした矢先、勤め先の上司に見そめられ、DV状態に陥る。 その後、祖母の家にひとり越してきて、ひっそり生きようとするも、田舎の面倒くささに巻き込まれつつ52と出会い、救おうと奔走する。 高校時代は毒舌で、今はお酒大好きの26歳。 なんとなく、強さ、しか感じなかったです。 弱っている時でさえ、強さを感じました。 生きようとする強さ、死のうとする強さ、みたいな。 届かない声を聞いてほしい!聞きたい!強いな。と思いました。 最後はちょっと出来すぎな感じもしましたが、愛くんとキナコが幸せになってくれたらいいな、と思います。 文庫のカバー下の書き下ろしがすごく良かったです。
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本屋で見つけてすぐ買ってしまった!文庫落ちするの待ってた〜!! やっぱり町田そのこさんの作品好きだなあ。読み終わった時に、こちらまで背中を押してもらえた気がする。 キナコや52が受けてきた虐待が生々しく描写されていなくてよかった。というか助かった。読む前、そこが不安だったので…...
本屋で見つけてすぐ買ってしまった!文庫落ちするの待ってた〜!! やっぱり町田そのこさんの作品好きだなあ。読み終わった時に、こちらまで背中を押してもらえた気がする。 キナコや52が受けてきた虐待が生々しく描写されていなくてよかった。というか助かった。読む前、そこが不安だったので…淡々と書かれていても行為の残酷さは変わらないし、どうしたって受け入れることはできないけど。 物語が終わりに近づくにつれて、気づけばキナコと52が優しい人たちに囲まれていて、読んでるこっちまで救われる思いがした。ミハルが本当に良い友達でとても好き。私も一緒にビール飲みたくなる。アンさんとも会ってみたくなったよ。村中もいいやつだったな。 2人の2年後が楽しみ。
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2021年本屋大賞受賞作品の文庫版にあたる今作。 自分は文庫派なので、この時を待って本当に良かった。文庫化、おめでとうございます。 読み終えて一番最初に思ったことは 「愛に怯えていい人なんか、1人もいない」ということ。今作には「孤独」を抱える人が多く登場するけど、特に貴瑚の生い...
2021年本屋大賞受賞作品の文庫版にあたる今作。 自分は文庫派なので、この時を待って本当に良かった。文庫化、おめでとうございます。 読み終えて一番最初に思ったことは 「愛に怯えていい人なんか、1人もいない」ということ。今作には「孤独」を抱える人が多く登場するけど、特に貴瑚の生い立ちや52の言動には何度も心が締め付けられた。 そんな中でも、彼らの声に耳を必死に傾け、孤独のそこから掬い上げようとする人たちのやさしさに触れ、少しずつ変わっていく展開に心がじわりと温かくなる。 人が何かを伝えようとしているときは、きっとその時にできる精一杯のやり方で伝えていると思う。 たとそれが言葉でなかったとしても。 だからこそ、それを全力で感じ取って行動できるひとでありたい。 「ひとというのは最初こそ貰う側やけんど、いずれは与える側にならないかん。いつまでも、貰ってばかりじゃいかんのよ」 肝に銘じます!
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クジラは10から39ヘルツ周波数で広大な海の中で歌う。しかしこの世には他のクジラには聞き取れない52ヘルツで歌うクジラがいる 。「孤独なクジラ」自分の人生を親に搾取されてきた貴湖と親から虐待を受けている少年。孤独ゆえに愛を欲し裏切られてきた彼らが出会い魂の物語が始まる クジラだ...
クジラは10から39ヘルツ周波数で広大な海の中で歌う。しかしこの世には他のクジラには聞き取れない52ヘルツで歌うクジラがいる 。「孤独なクジラ」自分の人生を親に搾取されてきた貴湖と親から虐待を受けている少年。孤独ゆえに愛を欲し裏切られてきた彼らが出会い魂の物語が始まる クジラだけでなく我々人間にも言える事だ 日本だけでも令和4年の自殺者は21861人前年に比べて872人も増加している。助けを求めても弱音を吐いても誰にも届かない52ヘルツ 人間にもそれぞれの周波数がある。だから喧嘩してすれ違うのかもしれない。
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実写でもアニメーションでもいいからすぐにでも映画したいぐらいに情景が目に浮かぶ。 自分がもし映画会社の人間だったらすぐ企画書書いてロケハンしてただろうな。ここまで完璧に映像が頭に浮かんで行間が読み取れると脚本家は楽だろうな。 そう感じてたら映画化がすでに決定しているそうだ。そちら...
実写でもアニメーションでもいいからすぐにでも映画したいぐらいに情景が目に浮かぶ。 自分がもし映画会社の人間だったらすぐ企画書書いてロケハンしてただろうな。ここまで完璧に映像が頭に浮かんで行間が読み取れると脚本家は楽だろうな。 そう感じてたら映画化がすでに決定しているそうだ。そちらも楽しみで仕方ない。 『流浪の月』以上に感動して泣いてしまった。令和を代表する文学作品。本当に良かった。 夜空に泳ぐチョコレートグラミー、コンビニ兄弟と読んできて改めて町田そのこ大好きだと確認。
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入院中に読んだ本。 僕はもともと52ヘルツの届かない声を出していたけど、一人一人振動数は異なるから、相手の振動数をみて、自分の振動数をみせつつ、会話していった。 すると、気がつけば入院していて、それは振動数にばかり着目していて、自分がクジラであることを忘れていたかのようだった。と...
入院中に読んだ本。 僕はもともと52ヘルツの届かない声を出していたけど、一人一人振動数は異なるから、相手の振動数をみて、自分の振動数をみせつつ、会話していった。 すると、気がつけば入院していて、それは振動数にばかり着目していて、自分がクジラであることを忘れていたかのようだった。と今になって思う。 届けたい声は一人一人ある。僕は少しでも多くの声が聞こえるように、今日も振動数を調節する。 今日は52ヘルツに。
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何という物語だろう。 本屋大賞受賞作とはいえ、私は実は、単行本の時はこの作品を敬遠していた。なぜなら、私の苦手なジャンル?モチーフのひとつに、「虐待」が出てくるもの、というのがあったからだ。 子どもが虐待されている、というのは、フィクションだとしても、活字だとしても、目を覆い...
何という物語だろう。 本屋大賞受賞作とはいえ、私は実は、単行本の時はこの作品を敬遠していた。なぜなら、私の苦手なジャンル?モチーフのひとつに、「虐待」が出てくるもの、というのがあったからだ。 子どもが虐待されている、というのは、フィクションだとしても、活字だとしても、目を覆いたくなる辛さがある。いや、むしろフィクションだとしたら、「本当に」虐げられている子どもはいないのだから、何も自分から進んで近づかなくてもよい、と思うくらい、「虐待」が苦手だ。 それ故に読破できていない作家もいる。 しかし、その苦手意識を超えて、本書はとても魅力的な光を放っていた。 タイトルにもなっている「52ヘルツ」の声で鳴くクジラのことも興味深かったし、それを物語でどう扱うのか?ということも、気になった。 そして、この度文庫化され、大々的なプロモーションを見るにつけ、私には「今」が、この作品に触れるタイミングなのではないか、と思った。 まさしく「避けがたく」この作品を読み、深い絶望と、痛みと、光を得た。 クジラは深海でさぞかし寂しかろう。誰かから虐げられるというのは、まさに深海で誰にも声が届かず、それでも声を上げ続けているクジラのようだ。 そして、その声が誰かに届くとき……。深海に光が差し、クジラは、それはそれは綺麗な声で鳴くのだろう。
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☆5 文庫化を楽しみにしていた作品。 読み始めると、続きが気になって…一気読みしてしまいました! 辛くて悲しいお話ではあったのですが、貴瑚と52の幸せを願って読み進めました。 作品に出てくる「魂の番」という言葉が、とても印象に残りました。 そして大切な人の52ヘルツの声は、絶...
☆5 文庫化を楽しみにしていた作品。 読み始めると、続きが気になって…一気読みしてしまいました! 辛くて悲しいお話ではあったのですが、貴瑚と52の幸せを願って読み進めました。 作品に出てくる「魂の番」という言葉が、とても印象に残りました。 そして大切な人の52ヘルツの声は、絶対に聞き逃さないようにしたいと強く思いました。 読んで良かったと思える、素晴らしい作品でした❁⃘*.゚
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本を読める時間が愛おしくてたまらなくなる1冊。 隙間時間にスマホじゃなくてこの本を手に取る。 ぐっと引き込まれてぐさっとくる。かなりしんどい背景や出来事があるけれど、あるのに、読んだ後は温かいものやすっきりしたものを感じる。 優しくなりたいし強くなりたいし、その場限りじゃなくて...
本を読める時間が愛おしくてたまらなくなる1冊。 隙間時間にスマホじゃなくてこの本を手に取る。 ぐっと引き込まれてぐさっとくる。かなりしんどい背景や出来事があるけれど、あるのに、読んだ後は温かいものやすっきりしたものを感じる。 優しくなりたいし強くなりたいし、その場限りじゃなくてその人のことを思ってきついことも言える人になりたい。 村中君や美晴ちゃんみたいになりたい。 日常で「自分がこうやってたら・ああいわなかったらこんなことにはならなかったかな」、とか、「お世話になったし我慢しなきゃいけなかったな」、とか思って苦しくなることがあるけど、そう思うこと自体はきっと全部がダメではないのだろうけど、そうやって自分だけや自分が主に悪いみたいな考えで?呪いで?自分を閉じ込める?思考停止するのはなんか違う、自分にもそういうとこあるなあ。 表紙もタイトルも可愛い本。だけどなかなかヘビーな内容。だけどやっぱり優しいがあふれている本。 町田そのこさんのほかの本も読んでみようと思う。
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