答えを急がない勇気 の商品レビュー
ネガティブケイパビリティ=予想外のことを面白がる余裕というのが、この本を読んだ感想です。 それを思ったエピソードです。 【エピソード】 ある知人Aさんの還暦パーティのプロデュースを知人Bさんが実施していました。Aさんはパーティでやりたいことを次から次に話します。Bさんはそのアイ...
ネガティブケイパビリティ=予想外のことを面白がる余裕というのが、この本を読んだ感想です。 それを思ったエピソードです。 【エピソード】 ある知人Aさんの還暦パーティのプロデュースを知人Bさんが実施していました。Aさんはパーティでやりたいことを次から次に話します。Bさんはそのアイディアをひとつずつアクションアイテムに落とし込み、スプレッドシートにto doで落とし込み、各方面との調整や指示を行います。Bさんがここで発揮しているのは、ある日に向けてプランを実現させるポジティブケイパビリティです。 パーティは大盛況のうちにフィナーレ。事前にAさんから、妻へプレゼントをサプライズで用意していることを告げられていたBさん。会場のレイアウト上、大きいと隠す場所も準備する必要があるので、プレゼントの内容を聴こうとするも、Aさんは大丈夫、大丈夫と軽くあしらう。 そのフィナーレで、Aさんは朝から腰につけていたポシェットの中から、ネックレスを取り出しました。常にAさんはポシェットをしているので、誰も気に留めていませんでした。 還暦に感謝を伝えるべく用意したネックレス。奥さんへの首へつけよう頭からかぶせますが、入らない。首の後ろの留め具を外すタイプ。しかし、老眼のAさんは留め具が見えない。Bさんは心の中で、「Aさん、きちんと練習しないからじゃん」とつぶやく。見かねた長男が、Aさんの代わりに留め具を外します。Aさんは首に着けようとしますが、老眼で留め具が見えない。結果、長男が母につけてあげ、母は長男が大好きだからすごく喜んだ。この光景を見て、Bさんはすごくいい光景だと心が温まり、本番中こらえていた涙が一挙に溢れた。会場も温かい雰囲気と笑いに包まれた。 ここで、Bさんは進行の都合上、Aさんの不手際に対し、怒っても良いし、代わりに私が付けますとしても良いのだが、そこを面白いものとして、何もせずに受け取った。このBさんの態度がネガティブケイパビリティだと思う。 【エピローグ】 一人称の体験を伝えようとしたとき、そのままでは伝わらないので、共通ののものに寄せて伝える。しかし、そうすることで、一般的な話に近くなり、熱が伝わりづらくなる。実は、内容は相手に伝わらないが、熱は伝わるような話が大切じゃないか。その話には、うんとしか言えない。しかし、そのうんと受け止めることが大切な気がする。それがネガティブケイパビリティの初め。 今だけで評価しない。 手袋をこがした。わかっていたけど、そのままにした。 =>先週は燃やしちゃった。 今だけで評価せず、過去からの変化や成長に目を向ける。 相手を信頼し、学びの機会を奪わない。 ネガティブケイパビリティ的な存在がチームに居ることで、 ①別視点の意図的な獲得 ②心理的安全性を担保したうえで、本音を言える場づくり ができると思った。
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ネガティブケイパビリティが自分の具体的な行動などと簡単に結びつけることはできないが、こうした考えを持っておくことだけでも大切 良質な問い、聴くことをもっと大切にしていこう
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今までポジティブケイパビリティ全開で生きてきた中でネガティブケイパビリティが両輪の片割れだという話が斬新だった。合意する必要はなく、「受け容れる」という考えは、最近マイブームの共感と相まって実践に移していきたい。しかし直ぐに答えを出さずに留まるのはかなり勇気がいることで、なんにも拘らずそのままでいることができるのだろうか。フットサルでディフェンスしている時、どっちに行かれても対応できるような状態に近い?
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本書の提唱する「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、何かを「しないでおく」能力だという(p28)。 逆に言えば、何かを「即解決」できそうな時代に合って、そんな時代だから苦しむ人々にとって、目からうろこの逆転の発想といえる。 ただしこれは「諦める」「現実甘受」「思考停止」ではない...
本書の提唱する「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、何かを「しないでおく」能力だという(p28)。 逆に言えば、何かを「即解決」できそうな時代に合って、そんな時代だから苦しむ人々にとって、目からうろこの逆転の発想といえる。 ただしこれは「諦める」「現実甘受」「思考停止」ではない。(p32) 観察、傾聴、辛抱。まさにAIにはできない、人間と人間(複数の)にしかできないことだ。ポストモダンの動物化に抗する一つのヒントになりうる。本書の指摘は、きっとどこかで「ケアの倫理」につながっている。そんな気がする。
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わかった気にさせてくれる本でした。 感覚になんとなく訴える書き方(そして読者が自分で勝手に補って「そうだね」と納得する流れになる書き方)をされているので、ざっと読んで、なっとなくわかった気になります。 でも、よく考えると、「それってちょっと違うんじゃない?」「嘘じゃないけど、そ...
わかった気にさせてくれる本でした。 感覚になんとなく訴える書き方(そして読者が自分で勝手に補って「そうだね」と納得する流れになる書き方)をされているので、ざっと読んで、なっとなくわかった気になります。 でも、よく考えると、「それってちょっと違うんじゃない?」「嘘じゃないけど、そう言い切るのはどうだろう」という点がたくさんあります。 ロジカルに書かれているようで、そうでない箇所が結構あるように感じました。 例えば、言葉をきちんと定義をした上で論を展開しているわけでではないので、解釈によって如何様にでも考えらる箇所が多かったりします。 他者の著作や言葉・主張の引用も、ご自身の論を混ぜて書かれているので、雑な印象でした。どこが元の方の言っていることで、この本の著者のオリジナルなのか、ちょっと不明瞭です。また、元の著者が使っている文脈の意図とは少しずれているような箇所もあったり、著者の解釈を織り込んで取り上げているような箇所もあります。(完全に違うわけじゃないのですが、5%の部分を99%みたいに言ってない?みたいな感じがちらほら。) というわけで、読んでいて、私にはちょっとストレスでした。 箒木先生のネガティブ・ケイパビリティの本も読みましたが、箒木先生の本の方が、この種のモヤモヤ感は少ないと感じました。 ただ、ざっと読んでまぁこんな感じかぁと、なんとなく参考になりました。 書いてあることを文字通りに受け取ってはいけない感じで読むというか、素直に受け取れない感じだったのはちょっとつらかったです。ある意味、ネガティブ・ケイパビリティを鍛えられる一冊でした。
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年末に友人たちと泊まりがけの忘年会に出かけました。温泉入って食事してコタツに入ってごろごろして、なんとなく今年面白かった本談義になった時に、たまたま読んでいた中公新書「ウクライナ動乱」の中で提示されていた「錯綜した亀裂」「オーバーラップした亀裂」の対比図が目鱗だったという話をしま...
年末に友人たちと泊まりがけの忘年会に出かけました。温泉入って食事してコタツに入ってごろごろして、なんとなく今年面白かった本談義になった時に、たまたま読んでいた中公新書「ウクライナ動乱」の中で提示されていた「錯綜した亀裂」「オーバーラップした亀裂」の対比図が目鱗だったという話をしました。いくつかある亀裂がバラバラな時は大丈夫なんだけれど、その線が重なり合うといきなり戦争になる、という指摘です。それって「ネガティブ・ケイパビリティ」に通じるものがあると教えてもらったキーワードです。これほど正解の見えない時代に必要とされている能力のこと、とのこと。全く知りませんでした。で、この本です。いくつか薦められた本の中で一番易しそうなもの,読んでみました。本当に優しい語り口で語っているのでするする読めてしまいますが、そのテーマは深く、広く、重いです。しかし、この能力は、別の語り手を持ってして「聴く能力」とかあるいは「ケアの力」として語られていることとも重なると思います。とても気づきの多い本ですが…今、まさにウクライナのこととかガザのこととか思ってしまうと、ネガティブ・ケイパビリティではなく思考停止してしまう感じにも陥ってしまいます。まあ、急がず慌てず,同じ著者の「システム思考の上手な使い方」でも読んでみようなかな…
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読了!早急な結論、判断や見解に飛びついたり、諦めたり、思考停止しない 持ちこたえる能力、待ち続ける能力をたかめるように、意識して日々過ごしたいと思いました
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「答えを行動を急がされる」「分からないが言えない」学校で特に感じること。 子どもの「ネガティブ・ケイパビリティ」を奪っているのではないか。 私自身、特にこの2年、「聴く」ことができるようになりたいと思い、いろいろと考え動いてきた。 今感じているのは、「“ただ”一緒にいる」その重...
「答えを行動を急がされる」「分からないが言えない」学校で特に感じること。 子どもの「ネガティブ・ケイパビリティ」を奪っているのではないか。 私自身、特にこの2年、「聴く」ことができるようになりたいと思い、いろいろと考え動いてきた。 今感じているのは、「“ただ”一緒にいる」その重要さと難しさ。 今の私の中にあるものはなんだろう。 それをゆっくり見るために春から余白の時間を持ちたいんだな、私は。 ・脳は不確実性を嫌うように進化してきたため、物事が予測・コントロールしにくくなると、私たちは私たちは強い脅威を感じる。脅威を感じると、脳は「闘うか、凍りつくか、逃げるか」というモードになり、モチベーションや集中力、敏捷性、協調性、自制心、目的意識、ワーキングメモリも低下する。 ・意味がわからないと、わかりたいと思うのは心の根本的な傾向。 ・ネガティブ・ケイパビリティとは、事実や理由をせっかちに求めず、不確実性や不思議さ、懐疑の中にいられる能力。 ・何がわかり、何がわからないのかの区別がわからねばならない。本当にわかるためには、まず何がわからないかが見えて来なければならない。 ・“新たな考えのためのスペースを残す”ために、自分が知っていることと、欲していることを忘れ、新しいパターンが展開するのを辛抱強く待て。 ・不安や居心地の悪さかは、つい「逃げ出そう、散らそう」とする衝動が生まれるのは、実は自然なこと。その衝動を否定するのではなく、不安などをそのまま器に容れるようにして、不安や居心地の悪さを認めて同居する、一緒に居続ける。 ・ある人の前提を「保留する」とは、「いわば、『自分の前に吊るし』、いつでも質問したり、観察できるように」しておくことだ。これは前提を捨てたり、抑圧したり、表現するのを避けたりという意味ではない。自分の前提を自覚し、検証するために掲げるという意味なのだ。これは自分の意見を弁護していたらできないことである。また自分の前提に気づかないうちは、あるいは自分の考えが議論の余地のない事実ではなく、前提にもとづいていることに気づかないうちは、やはりできるものではない。 ・素直な心とは、自分の利害や感情、知識や先入観などにとらわれずに、物事をありのままに見ようとする心である。 ・方向性を全部捨てた集中力、何もしないことに全力を傾注する、なんにもこだわらない状態、無為。 ・何もしないこと、ボーッとしていることは、実はすごくエネルギーがいること。
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ネガティブケイパビリティを見出したキーツやビオンの生涯を丁寧に記述していた箒木さんの本に対して枝廣さんのこちらの本はより実践的。個人あるいは組織としてネガティブケイパビリティ的な態度を育ててたり鍛えたりしたいと考えている方にはこちらの方がわかりやすく、使いやすいかと。安易にわかり...
ネガティブケイパビリティを見出したキーツやビオンの生涯を丁寧に記述していた箒木さんの本に対して枝廣さんのこちらの本はより実践的。個人あるいは組織としてネガティブケイパビリティ的な態度を育ててたり鍛えたりしたいと考えている方にはこちらの方がわかりやすく、使いやすいかと。安易にわかりやすさに飛びつくことを諫める態度であるネガティブケイパビリティを解説する本もわかりやすさだけで選ばれるとしたら皮肉なことですが、この本は立ち止まって考えること
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何かとすぐ唯一無二の正解を求めがちな今日この頃。答えを出して自分の手を離れたらあとは自分の責任ではないと思いたい気持ちから性急な動きになっているのではないかという問いかけがされているのではと感じた。すごく胸に刺さる問いかけ。思い当たることがありすぎる。 本文中に何度も出てくるネガ...
何かとすぐ唯一無二の正解を求めがちな今日この頃。答えを出して自分の手を離れたらあとは自分の責任ではないと思いたい気持ちから性急な動きになっているのではないかという問いかけがされているのではと感じた。すごく胸に刺さる問いかけ。思い当たることがありすぎる。 本文中に何度も出てくるネガティブケイパビリティ。ネガティブという単語から否定的なイメージがずっとあったので、そのイメージを抜きながら読み進めた。一度立ち止まって考えてみることの必要性、その場作りなどが記されていた。 要はバランスなので、素早く答えを出すべきところとじっくり考えるところの感覚を磨いていきたい。
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