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イスラエル 人類史上最もやっかいな問題 の商品レビュー

4.1

38件のお客様レビュー

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2024/03/23

イスラエルというか歴史を振り返るのに役立つ一冊…分かり易い解説だけど難しい…『現状はあまりにひどい』…

Posted byブクログ

2024/03/22

かなり詳細なイスラエルとパレスチナの歴史が書かれている。 それぞれの歴史的な事件がどのような背景にあり、どのような了解可能な流れがあったのかについてひとつずつ触れられている。またその中でシオニズムやイスラエル人の中での多様性や格差についても触れている。読むことで、作者の意図通り、...

かなり詳細なイスラエルとパレスチナの歴史が書かれている。 それぞれの歴史的な事件がどのような背景にあり、どのような了解可能な流れがあったのかについてひとつずつ触れられている。またその中でシオニズムやイスラエル人の中での多様性や格差についても触れている。読むことで、作者の意図通り、複雑さを知ることができる(あまりに複雑なので一読ですべてを頭に入れることは難しいが)。 アメリカのユダヤ人とイスラエルのユダヤ人の関係についても紙面をさいて説明されている。また福音派がなぜイスラエルを支援するのかについても記述がある。この点についても、単純な「イスラエルロビーが政治的圧力をかけている」といった理解から一歩踏み込んだ複雑さに触れることができる。 2020年頃までの記述しかなく、ネタニヤフが政権の座をおりたことに筆者が希望を見出しているのが切ない。その後2023年までにどのような流れがあったのかについての記述は、発行年度的に当然ないので、その部分については補完したい。 作者はなるべく一方的に糾弾したり理解不能だとしてどちらかの行動を異化することなく、歴史的な事実をすべて了解可能なものとして説明しようとする。そういった点で、ある程度の中立性という筆者の目標は果たされているように感じた。 一方で、リベラルなユダヤ系のアメリカ人で、幼少期まではイスラエルに憧れを抱いていたという筆者の来歴をそのまま写し取るかのような、「迷い」が文章のあちこちに顔を出すこともあり、パレスチナの惨状を記すことを否認しようとする傾向や、平和や共生についての筆者の感情的な部分が伝わってくることも(そしてアメリカの若いリベラルなユダヤ人についてはもしかすると理想化しすぎているところがあるのかもしれない)ある。しかし本の中で冒頭から、そして至るところで、そういった筆者の来歴について、そして現在のスタンスについて語られており、そういった点でも非常に誠実な書き方であると感じた。

Posted byブクログ

2024/03/21

Can we talk about ISRAEL? https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819332023.html

Posted byブクログ

2024/03/09

斎藤美奈子氏の「世の中ラボ」で紹介されていたので読んでみた。著者はアメリカのリベラルなユダヤ人コミュニティで育ったユダヤ人。1990年代前半にはイスラエルで暮らした。現在はサンフランシスコ在住。パレスチナの紛争は、黒でも白でもなく、グレーだという。 イスラエル-パレスチナ紛争に...

斎藤美奈子氏の「世の中ラボ」で紹介されていたので読んでみた。著者はアメリカのリベラルなユダヤ人コミュニティで育ったユダヤ人。1990年代前半にはイスラエルで暮らした。現在はサンフランシスコ在住。パレスチナの紛争は、黒でも白でもなく、グレーだという。 イスラエル-パレスチナ紛争については長いことイスラエル側の物語に接してきた。しかしパレスチナ人、さらにいえばイスラエル人も代弁はできないが、既存のものよりバランスのとれた細やかなアプローチを示すことができる、との弁。「イスラエルは常に正しい」派、「イスラエルは常に間違っている」派、どちらにも与せず、イスラエルに関して事態は黒でも白でもないと理解する手助けがしたい。要するにグレーである。 数年前、カリフォルニアでユダヤ人主催のキャンプでイスラエルの歴史について語った後、11歳のブランドンが言った「つまり、僕は生まれた時からずっと自分の家で暮らしてきた。ひいお祖父さんもそのずっとずっと昔のまたひい祖父さんも。ある日畑に出て家に帰ってみると、この人(隣に座っていた子)とその家族が僕の家の半分で暮らしている。『僕たちは遠く離れた町を追い出されたんだ。でもここは僕のひいお祖母さんのそのひいお祖父さんがはるか昔くらしていた場所なんだ』・・ってことで、どちらも正しいが、どちらもほかにいくところがない。こんな感じでいい?」・・なるほどこの紛争の核心をついている、と僕はブランドンに言った。 パレスチナ人とは? 最近の研究では、パレスチナ人は何世紀にもわたってパレスチナに存在してきたさまざまな民族や文明が混ざり合って生まれたのであり、そうした民族の中には聖書に登場する古代の住民も含まれている。この土地に住む人々は、時と共に、最も支配的な集団の宗教(土着、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)や言語(ヘブライ語、アラム語、アラビア語)を選んできた。・・対立している当の人々は、つまりユダヤ人の子孫なのである。 パレスチナ・・4世紀から7世紀は大半がキリスト教に。638年にイスラム帝国がパレスチナを征服すると19世紀までにほとんどの住民がイスラム教に改宗しアラビア語が主要言語となる。それ以後パレスチナの住民の多くはアラブ世界の一員とみなすようになった。 特に出エジプトの前はどうだったのか?が分からなかったので歴史の部分を読んだ。この本や他の本によると、旧約聖書の話にもなるが、ユダヤ人は元はメソポタミアの地に住んでいたが、神の声がありカナンの地・パレスチナに移ってきた。が飢饉などがありエジプトに移住した。が力をつけたユダヤ人を恐れたエジプト王に奴隷にされてしまった。そこでモーセが「出エジプト」を行い、再びカナンの地に戻った。  パレスチナではダビデ、ソロモンといった王が出てユダヤ人の王国が栄えた。だがその後バビロニアに攻められ連行された(BC587バビロン捕囚)、その後ペルシアによって戻されるも、ローマ帝国が勢いを増すと、属国となり、反乱をするが(AD66-70)負け、国外追放され、ここから離散が始まった。 斎藤美奈子、世の中ラボ https://www.webchikuma.jp/articles/-/3379 ダニエル・ソカッチ:社会活動家。イスラエルの民主主義を名実共に達成させるためのNGO「新イスラエル(New Israel Fund)」のCEO。同基金は、宗教、出身地、人種、性別、性的指向にかかわらず、すべての国民の平等を確立すること、パレスチナ市民やその他の疎外されたマイノリティの利益とアイデンティティの表現および権利のための民主的な機会の保護、イスラエルが近隣諸国と平和で公正な社会を構築し維持することなどを目標に掲げて活動している。 2021発表 2023.2.25第1刷 図書館

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2024/02/26

人種、民族、宗教、文化、歴史。 あると言えばある。 実態はないと言えばない。 人が集まり、緩く、厳密な定義を持たせないことで、なんとなく成立する物語。 中には、先鋭的に解釈して文字通り人を殺してでも、自らの物語の筋書きを貫くものもいる。 周囲との調和を目指すものもいる。 人は...

人種、民族、宗教、文化、歴史。 あると言えばある。 実態はないと言えばない。 人が集まり、緩く、厳密な定義を持たせないことで、なんとなく成立する物語。 中には、先鋭的に解釈して文字通り人を殺してでも、自らの物語の筋書きを貫くものもいる。 周囲との調和を目指すものもいる。 人は木の股から生えてはこない。 一人で成人することもできない。 親、社会、他者から、言葉を、生活を、文化を与えられて育つ。 それら、全ての偏りから自由には生きることはできない。 なんという不自由さだろう。 幸せなことに、今自分の周囲において、人種だの国家だの文化だのが原因で、殺したり殺されたりの連鎖があるわけではない。 しかし、自分とテロリスト、教条的な信仰などを持つ人の間に、なにか本質的な違いがあるわけではないように感じる。 もう少し考えていくべきテーマなのかな、と思う。

Posted byブクログ

2024/02/06

著者はユダヤ系アメリカ人。少しイスラエル寄りなところを感じさせつつも、かなりバランスよくイスラエル及びパレスチナ問題を解説している。恥ずかしながら本書を読んで、日々のイスラエルに関するニュースは基本的事項を押さえずに聞いていたことが分かった。これからは少し背景知識を持ってニュース...

著者はユダヤ系アメリカ人。少しイスラエル寄りなところを感じさせつつも、かなりバランスよくイスラエル及びパレスチナ問題を解説している。恥ずかしながら本書を読んで、日々のイスラエルに関するニュースは基本的事項を押さえずに聞いていたことが分かった。これからは少し背景知識を持ってニュースを聞くことができそうだ。 興味深かった点を羅列すると、 イスラエルが占領するヨルダン川西岸は、米国を含め(トランプ政権は置いておく)国際社会からその支配は認められていない。 米国のユダヤ人は基本的にリベラルであり、イスラエルの建国当初から支援してきたが、近年は右傾化するイスラエルと思想的に分離が見られる。米国で熱心にイスラエルに肩入れするのはキリスト教福音派。 ベングリオンの三角形:建国の父が、ユダヤ人国家、民主主義、占領地の継続の3つが同時に成り立つことはないとの発言に由来。

Posted byブクログ

2024/01/31

ユダヤ系アメリカ人の著者ができるだけ公平な視点から書くイスラエルの問題。イスラエル、パレスチナの地についての歴史を描く第一部とイスラエルの問題を探る第二部に別れる構成で、著者のユダヤ人バックグラウンドはありながらもどちら側にも肩入れすることなくイスラエルの解決の見えない問題を教え...

ユダヤ系アメリカ人の著者ができるだけ公平な視点から書くイスラエルの問題。イスラエル、パレスチナの地についての歴史を描く第一部とイスラエルの問題を探る第二部に別れる構成で、著者のユダヤ人バックグラウンドはありながらもどちら側にも肩入れすることなくイスラエルの解決の見えない問題を教えてくれる。 知れば知るほど解決などできない問題だと思えてくるがどうなるのだろう。ユダヤ人が迫害を受けた結果として元々パレスチナに住んでいた人々を迫害(と、同じようなこと)するというのは、客観的に見たどうしても愚かとしか思えない。判官贔屓的にパレスチナ国家樹立を支持したくなる部分もあるけど、ファタハとハマスの断絶のように単純な話ではないのだろう。歴史から学ぶことができるのはあくまでも自分の生活に関わらないことだけなのかもしれない。アメリカの福音派キリスト教の薄気味悪さがドナルド・トランプ再選の可能性も含めて怖い。

Posted byブクログ

2024/01/29

ユダヤ系アメリカ人が書いたアラブとイスラエルの関係史。 複雑に絡みあった状況をその歴史、背景から理解できる良書。 自身がアイデンティティに苦しんだリベラルらしく、現状のイスラエルにはかなり批判的。 自由と民主主義を求めて父祖の地に移住(帰還)した民族が、先住者である他民族を差別...

ユダヤ系アメリカ人が書いたアラブとイスラエルの関係史。 複雑に絡みあった状況をその歴史、背景から理解できる良書。 自身がアイデンティティに苦しんだリベラルらしく、現状のイスラエルにはかなり批判的。 自由と民主主義を求めて父祖の地に移住(帰還)した民族が、先住者である他民族を差別し、ましてや人種隔離政策を推し進めようとしている。 全世界のユダヤ人に門戸を開いたため、西欧、東欧・ロシア、中東、アフリカにルーツを持つ人々が住み、国内でも階層化が進んでいること(アラブ(イスラム)系イスラエル人は最下層)、長年密接な関係にあった米国のユダヤ人社会においてイスラエルに対する見方が近年大きく変わって来ていることなどは、あまり知られていないように思う。 歴代保守系政権は1967年の戦争で占領したガザ地区、ヨルダン川西岸地区への入植を推し進める一方で、占領地に住むアラブ人は虐げられてきた。 アラブ/パレスチナとの融和は何度か成立しそうになるが、都度、暗殺やテロによって頓挫する。 四方を敵に囲まれ、建国以来数多くの戦争を経験した自国を守ろうとする決意や、旧約聖書まで遡る民族の自我への拘りが保守派が台頭する背景にはありそうだが、外からは打開策が全くないように見える。(アラブ側にも原因はある) イスラエル建国の父ベン・グリオンは「①イスラエルはユダヤ人が多数を占める国家である、②イスラエルは民主国家である、③イスラエルは新しい占領地をすべて保有する、のうち2つは選べるが、3つすべては選べない」と言った。今のイスラエルは①と③を選んでいるようにみえる。 グリオンはこうも言っている。「確かに、神はわれわれにその地を約束してくれたが、彼ら(パレスチナ人)にしてみればそれが何だというのだろう。反ユダヤ主義、ナチス、ヒトラー、アウシュヴィッツなどが現れたが、それは彼らのせいだっただろうか。彼らが目にしているのはただ一つ。われわれがやって来て彼らの国を奪ったということだ」 2021年に原書が出版された本書ではガザ地区についてはあまり触れられていないが、アラブを含む多民族との融和を願う著者は、今回のガザ紛争に何を思うのか。

Posted byブクログ

2023/12/30

https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000819332023.html

Posted byブクログ

2023/12/29

ニュースで何となく知っている程度だったイスラエル、パレスチナ。最近また戦闘が起きた事をきっかけにきちんと知りたいと思い手に取った。読み応えのある本で、何度か読了を諦めかけたが、何とか最後まで辿り着いた。固有名詞がたくさん出てきたり、詳しすぎたりするために、頭の整理がおいつかなかっ...

ニュースで何となく知っている程度だったイスラエル、パレスチナ。最近また戦闘が起きた事をきっかけにきちんと知りたいと思い手に取った。読み応えのある本で、何度か読了を諦めかけたが、何とか最後まで辿り着いた。固有名詞がたくさん出てきたり、詳しすぎたりするために、頭の整理がおいつかなかったが、なぜこんなに問題がこじれているのかは概ね理解できたと思う。

Posted byブクログ