台湾漫遊鉄道のふたり の商品レビュー
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シスタフッドや百合+グルメ小説としてすらすら読み進め、完全に油断していたが、終盤にかけて『なんだかそんな簡単な話ではない…?』と思いはじめ、後書きのやり取りに呑み込まれ、まんまと大感動。 著者(たち)の後書きも含めた構造的仕掛けにきっちりはまってしまったのだが、グルメ、歴史文学、鉄道、百合と、双子ならではの感性の詰まり具合にお腹いっぱいになりました。 他の作品も是非読んでみたい!
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フィクションなんだから何とかならないかなぁと思いつつ、大変素晴らしい最後だった。あとがきも読むとなおぐっとくる。
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舞台は昭和13年の台湾。講演旅行に招かれた日本人作家と台湾人通訳。料理を通じて2人は心を通わせたように思われたが…支配する者される者、微妙な関係を描いた細部まで時代を再現した傑作。 「神は細部に宿る」というが、まえがきからあとがきまで、復刻した作品と間違えそうな素晴らしき虚構の...
舞台は昭和13年の台湾。講演旅行に招かれた日本人作家と台湾人通訳。料理を通じて2人は心を通わせたように思われたが…支配する者される者、微妙な関係を描いた細部まで時代を再現した傑作。 「神は細部に宿る」というが、まえがきからあとがきまで、復刻した作品と間違えそうな素晴らしき虚構の世界に感嘆。各章で取り上げられる台湾料理の描写も素晴らしい。 これは傑作。
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翻訳とは思えないほど読みやすかったです。 だからあまりにも屈託なく無神経な千鶴子の物言いに 読んでるこっちがヒヤヒヤして、早く この女に鉄槌を!って思ってたら ガッツリ肘鉄喰らわされてホッとした笑 ただガツンと喰らわせるのが美島さんで驚いたけれど あんな無神経女のお世話、大変だったろうな〜 千鶴から「この花は私だと思う、 偽人参には偽人参で生きていく覚悟がある」って 聞いても千鶴子はよく分かんないけど貴方が好きならって この花を抜かないで愛でる、ということしかしない。 当然彼女は千鶴に失望されて去られる。 戦後千鶴子がずっと彼女を探し続けたのに対して 千鶴の過去は振り返らない態度、立派でした。 しかし百合テイスト、必要? 口についてたの指で拭われてペロリされて 赤面とか必要〜? あと九州女児って言葉初めて聞いた笑 男尊女卑の日本にそんな言葉、多分ない。
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途中までは台湾の文化や風土、美味しそうな料理たちを知れる楽しさでいっぱいだったが千鶴子の他人を思い遣っているようで実際は自分本位で傲慢な言動に苛立ちを覚えるようになった。 立場が違うからこそ仕える者は不要なことは口にしないし聞かれもしない自分のパーソナルな部分は語らず求められるま...
途中までは台湾の文化や風土、美味しそうな料理たちを知れる楽しさでいっぱいだったが千鶴子の他人を思い遣っているようで実際は自分本位で傲慢な言動に苛立ちを覚えるようになった。 立場が違うからこそ仕える者は不要なことは口にしないし聞かれもしない自分のパーソナルな部分は語らず求められるままに尽くすということは職場で、親戚間で、近所で、どこかしこで起こり得る。 見えない部分を自分の都合の良い想像で補いお互いが大切な存在だと思い込むことの怖さがよく分かった。 日本人と台湾人の歴史観・価値観の違い、女と女の友情と呼ぶには甘すぎる関係など食べ物だけではなく様々な事情が絡み合い複雑で一筋縄では行かない物語だった。
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通訳千鶴さんの考えていることは、わたしも青山先生同様、台中市役所美島さんに説明されるまで、うまく推察できませんでした。本島人と内地人の関係性は、阿盆師が登場し「日本人のために料理しないよ」(250頁)のセリフと、賭けで負けた時のルールは守り、手のこんだ12品の宴席料理を完璧に提供...
通訳千鶴さんの考えていることは、わたしも青山先生同様、台中市役所美島さんに説明されるまで、うまく推察できませんでした。本島人と内地人の関係性は、阿盆師が登場し「日本人のために料理しないよ」(250頁)のセリフと、賭けで負けた時のルールは守り、手のこんだ12品の宴席料理を完璧に提供したあたりで汲み取れても良かったように思いました。美島さんの「この世界で、独りよがりな善意ほど、はた迷惑なものはございません」(311頁)あたりで、大変面白く読んできた青山先生の台湾滞在記は、ハラスメントへの気付きとその後悔、それでも残る思い出でいっぱいの話に受け止め方が変わりました。
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あとがきまで一気に読み終えた。 昭和13年の台湾を舞台に日本女性作家と通訳の若い女性との交流が前編、食べ物をメインに明るく享楽的で読んでる間中空腹感に苛まされる。一転後半は日台の重苦しい実情が描かれる。が私は後半の方を好ましく読んだ。しかも次の世代迄を描く事で読後感もとても良かっ...
あとがきまで一気に読み終えた。 昭和13年の台湾を舞台に日本女性作家と通訳の若い女性との交流が前編、食べ物をメインに明るく享楽的で読んでる間中空腹感に苛まされる。一転後半は日台の重苦しい実情が描かれる。が私は後半の方を好ましく読んだ。しかも次の世代迄を描く事で読後感もとても良かった。
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途中から流れは不穏になり、重いものとなっていく 私は千鶴子の傲慢さにあまり気付けず(関係の歪みには気が付いていたものの)、気付けば千鶴子と共におろおろし、打ちのめされていた 好き嫌いで帝国を批判するというのはかなり胸に突き刺さる言葉だ 少しだけ王千鶴のあとがきには救われたけれども 苦々しく、口の中に何か残っているような気持ちで今いる
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食べ物の描写が多いので読んでるうちに自分まで満腹感を感じ常に満腹状態。 そして通訳の千鶴ちゃんとの主従を超えて友達になりたい青山さんとの友情関係のお互いの心情や千鶴ちゃんが仕事としての関係を保ちたい気持ち、本島と内地の生活、考え方の違いなどあっさりとした文章なのに考えさせられる内...
食べ物の描写が多いので読んでるうちに自分まで満腹感を感じ常に満腹状態。 そして通訳の千鶴ちゃんとの主従を超えて友達になりたい青山さんとの友情関係のお互いの心情や千鶴ちゃんが仕事としての関係を保ちたい気持ち、本島と内地の生活、考え方の違いなどあっさりとした文章なのに考えさせられる内容で、しかも翻訳本なのに違和感なく続きが早く読みたいと本の中のふたりの生活を堪能し、居心地いい時間を過ごす事ができた。
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1938年の台湾を旅する女性作家とその通訳が、講演旅行先の出会う美食を堪能する様子を随筆仕立てで描いた物語。現在も残る、或いはお目にかかるのも難しくなった台湾ローカルフードについての描写の面白さは食欲をそそるが、統治時代後期の台湾の雰囲気と当時の女性が直面する問題も同じ熱量で書か...
1938年の台湾を旅する女性作家とその通訳が、講演旅行先の出会う美食を堪能する様子を随筆仕立てで描いた物語。現在も残る、或いはお目にかかるのも難しくなった台湾ローカルフードについての描写の面白さは食欲をそそるが、統治時代後期の台湾の雰囲気と当時の女性が直面する問題も同じ熱量で書かれていて、その点も読み応えがある。「百合小説」と称されているとのことが、その枠を超えたスケールを感じる。
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