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法廷遊戯 の商品レビュー

4

205件のお客様レビュー

  1. 5つ

    54

  2. 4つ

    89

  3. 3つ

    47

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

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2024/02/20

Critical Hit!!

2024年2月読了。
少し前に映画化され、世間を賑わすヒットでは無かったが、桐谷さんの「これはスゴい!」と云う感想を聞いてw、興味を持ち読んだ。
感想としては「法律をど真ん中の基軸に置いた、スピード感の有る優れたミステリ」だった。
既存の『法律を扱ったミステリ』...

2024年2月読了。
少し前に映画化され、世間を賑わすヒットでは無かったが、桐谷さんの「これはスゴい!」と云う感想を聞いてw、興味を持ち読んだ。
感想としては「法律をど真ん中の基軸に置いた、スピード感の有る優れたミステリ」だった。
既存の『法律を扱ったミステリ』自体は多いが、冗漫で感情的な人間関係の展開や、ゲームの様な有り得ないプロットの物が多く、正直あまり素直に「面白い」と思える作品は多いとは言えない。

その点で本作は、確かな法律知識で優れた構成の優良ミステリだと思う。こういう良作に『人間が描けている、いない』のレベルのケチを付ける人は、単なる『意地悪』でしか無いだろう。
小説全体に漲るスピード感と過不足の無い法律説明は、著者の強い『武器』にも成っている。これは例え「本職の人だから」といって簡単に出来ることでは無い。
現に、昔々『本職弁護士でミステリ作家』を名乗っていた或る「大御所先生」は結局『断崖絶壁で決着付ける』様な作品ばかりを書き、2時間ドラマ等で著作権料を稼ぐ様に成ったら、傲慢な態度と多数のゴーストライターを抱えた事でしか有名に成らなかったものだ。

ただ、敢えて「意地悪」を言わせて貰えれば、肝心の主役とヒロインの二人に、もう少し人物や性格の描写を加えていれば、歴史に残る大傑作に成ったと思う。アクロバティックな展開には『重石』と成る「人間性」が相対的に不可欠だからだ。

左衛門佐

2024/06/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文体(特に会話の部分)があんまり好みじゃなかったので☆4つにしましたけど、ストーリーはとても面白く、興味深い内容でした。かなり難しい法律用語も出てくるけど、それも含めて読み応えあります。 ↓ネタバレです。 舞台はあんまり偏差値が高くないロースクール。児童養護施設の出身で、過去に美人局的なことをやってお金を稼いでいた男女が、過去の罪を暴かれそうになる。 二人は、電車で痴漢の被害者を装い、サラリーマンからお金を巻き上げていたのだ。 ロースクールでは、わざと犯罪に近いことをしてその罪を裁くっていう「無辜ゲーム」が開催されていた。この辺はちょっと設定に無理がある感じがした。みんなロースクールの同級生のはずなのに、審判を下す役割の「かおる」に大きな権限があるところが不自然だし、私は最初からこの人怪しいな、と思っていたよ・・・。 果たして、二人の過去が暴露されたり、女性の方「ミレイ」が嫌がらせをされてりして、謎が残ったまま二人は卒業。司法試験に合格して、セイギは弁護士になる。ある日ロースクールの模擬法廷に呼び出されたセイギは、胸にナイフを刺されて死んでいるかおると、血まみれのミレイを発見する。その裁判の中で、予想もしなかった過去と、カオルが本当は何をしようとしていたのかが明かされる。 実は、カオルはセイギとミレイが過去に痴漢の罪を押しつけたえん罪被害者の息子だったのだ。(罪を着せられた父親は、実刑判決を受け、その後自殺していた)。 しかしカオルは、単に二人に復讐をしたかっただけではない。えん罪を見抜けなかった検察、裁判でも真実を明らかにできなかった司法の制度、国家そのものに意義を申し立てるための壮大な計画だったのだ・・・。 最近、痴漢えん罪が題材になっているもの多い気がするな。痴漢って、本当にでっち上げられたら、「やっていないことを証明する」のが困難らしい。「やった」ことは証明できても「ない」ものは証明できない。恐ろしい。 墓に住んでいるホームレスの人のストーリーは、その部部だけでも良い物語だと思った。

Posted byブクログ

2024/06/04

かなり難しくはあったが、物語に引き込まれていって最後まで面白かった。薄々気づくことが多く、大どんでん返しという感じではなかったが、伏線回収はできたかなーといった感じ。他の本も読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/06/04

細かい法律の説明が難しかったけど、大まかにとらえたら面白かった!どんでん返し系だし、意外な結末で。馨の覚悟が辛かったな。法が担う役割って?正しい在り方って?考えさせらてた

Posted byブクログ

2024/05/31

この作品はミステリー要素もありつつ、法律や司法、罪と罰、冤罪などについて考えさせられるものだった。 作者自身が弁護士であるからこそ感じた問題点や疑問なのかもしれない。 だからリアリティがとてもあった。 私自身、今年思いもよらずに被告人になり、簡易裁判をした経験があり その時に少...

この作品はミステリー要素もありつつ、法律や司法、罪と罰、冤罪などについて考えさせられるものだった。 作者自身が弁護士であるからこそ感じた問題点や疑問なのかもしれない。 だからリアリティがとてもあった。 私自身、今年思いもよらずに被告人になり、簡易裁判をした経験があり その時に少し法律を勉強し、生きていく中で無知は損をしてしまう可能性があると感じた。 戦うためにはそれ相応の知識は絶対に必要である。 もう少し早い年齢でこの経験をしていたら、私も弁護士を志していたかもしれない。 ミステリーをうまくからめつつ、法律について、生きていくことについて考えるきっかけになる作品だと思う。

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2024/05/26

多少法律に関する業務をしているため、おもしろく読めた。若干、予想できる部分もあったけど、なるほど〜となるストーリーだし、社会の根底である「法律」と、「司法」に関する問題提起という意味でも興味深く読めた。

Posted byブクログ

2024/05/21

タイトル通り罪を裁くことが中心で、罪とはなにか、罰とはなにかを考えさせられる良作。 解説にもあったけれど、法律用語など少し理解が深まってから読むとさらに面白そう。 正義とは何かに苦しむ人がいたりで多角的に罪と罰の問題に挑んでいるような気がする。

Posted byブクログ

2024/05/06

最初から最後まで一気読みできるとても面白い作品だった。 法廷という言葉がタイトルについている通り、裁判や法律についての話であったが説明がしっかりついていて読んでいて理解できない部分はなかった。 正当な報いとは誰が与えるものなのか、それが問われている作品

Posted byブクログ

2024/05/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

メフィスト賞。 法廷が舞台のミステリというのは逆転裁判みたいで珍しい。結局は全て馨に仕組まれていたということで、ロースクール在学中に既に司法試験に受かっている天才という伏線もあり良くできている。 会話も文章もソツはないのだがやや淡々としている。

Posted byブクログ

2024/05/04

無辜(むこ)とは、何らの罪も犯していない人を意味する 人が人を裁くルール作りは難しい よく事実と真実は違うとあるが、無辜は如何!? 法定用語で教養になったが、これはミステリーなのか? 変化球の裁きでなく直球で裁けばよいのになと言う感想 うーん難しい

Posted byブクログ