行きつ戻りつ死ぬまで思案中 の商品レビュー
作家のエッセイは、その人の人柄がにじみ出るので好きです。特に自分と同じ価値観だったりすると俄然、親近感がわきます。 編集者の断定的な態度になかなか落ち込みから這い上がれない垣谷さん。 買ったコートの袖詰めを頼んだのに針が持てない店員に不安になり、その場から逃げ出してしまった垣谷...
作家のエッセイは、その人の人柄がにじみ出るので好きです。特に自分と同じ価値観だったりすると俄然、親近感がわきます。 編集者の断定的な態度になかなか落ち込みから這い上がれない垣谷さん。 買ったコートの袖詰めを頼んだのに針が持てない店員に不安になり、その場から逃げ出してしまった垣谷さん。 一人暮らしの高齢女性に送った和菓子を、「数が多すぎたかもしれない」「 糖分取り過ぎになって体を壊すかもしれない」と、くよくよ悩んでしまう垣谷さん。 なんだか自分を見ているようで驚き、また嬉しくなりました。 『疲れ果て、 子供を理不尽に叱った日々』のお話では「私もです‥」と頷き、『娘が大きくなってから謝った』には「おんなじことをしてる人がいた!」と共感を超えた仲間意識すら感じます。 事件や事故の凄惨なニュースを見るといつまでも頭から離れず眠れなくなる垣谷さん。私もです‥。ロルフ・ドベリ氏の『News Diet』に一理あると紹介していたので私も読んでみようと思います。 70あるお話のどれも、地に足をつけて生活や子育てや会社勤めをしてきてた女性ならではの、哀感や疑問や怒りや反省が読み取れ「人間、垣谷美雨」を感じることが出来ます。 『私たちは日頃から あらゆることに気を遣い、 我慢を重ねている。自分が傷つけられているのに、自分を傷つけた相手を気遣ったりしている 。その結果ストレスが溜まりまくる。 お人好もいい加減にしろ、 バカじゃないのかと自分に突っ込みを入れたくなる』 そんな垣谷美雨さんだからこそ、面白い作品が書けるのですね。腑に落ちるエッセイです。
Posted by
垣谷さんの本はなんというか、前向きになれると言うか、解決策を見出せる本だと思う。 暮らし、人付き合い、老後、などなど。 日々の暮らしを前向きに、楽しく感じたい人にぜひ読んでもらいたいエッセイ本です。
Posted by
筆者の日頃おもっているこもとが書かれたエッセイ。 どれも短く読みやすかった。 特に年齢を重ねて、60を過ぎた際に感じた言葉には、 今働いているときには感じえない感情も知れた。 定年後の楽しみを先延ばしにするより、今を楽しむ。 ニュースやテレビで気分が落ちるなら、見ない(見なくても...
筆者の日頃おもっているこもとが書かれたエッセイ。 どれも短く読みやすかった。 特に年齢を重ねて、60を過ぎた際に感じた言葉には、 今働いているときには感じえない感情も知れた。 定年後の楽しみを先延ばしにするより、今を楽しむ。 ニュースやテレビで気分が落ちるなら、見ない(見なくてもタイシテ問題でない。)など言われて共感する内容があった。
Posted by
垣谷さんの小説が好きで、何冊か読んでますが、そのままの垣谷さんがこの本にはあって、時には毒舌だったり、スパッと世の中を切ってくれたり、背伸びしてない著者の姿や思考をみられて、ますますファンになりました。 著者が常日頃から勉強されているのは、「漢字を捨てた国」「英語ペラペラになりた...
垣谷さんの小説が好きで、何冊か読んでますが、そのままの垣谷さんがこの本にはあって、時には毒舌だったり、スパッと世の中を切ってくれたり、背伸びしてない著者の姿や思考をみられて、ますますファンになりました。 著者が常日頃から勉強されているのは、「漢字を捨てた国」「英語ペラペラになりたかった」を読めばわかります。 個人的には「下手すぎる菓子折の包み方」が好き。
Posted by
年齢的にも近いし、経験してきた事、生きてきた時代なんかも共感できて、そうそうと思いながら読みました。子供時代からコロナ禍まで幅広く書かれていて興味深かったです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
垣谷美雨さんの小説は、何冊か読んでいて好きだけれど、エッセイは初めて。ズバズバと斬りまくる人なんだと、ちょっぴり意外。 感受性がとても豊かな人。ひとつ考えるとそこから良くも悪くもどんどん膨らんでいってしまうタイプ。 こんまりさん、ひろゆきさん、ホリエモン、厚切りジェイソンなどの考え方にも言及していて(そう言った話題のアンテナセレクトが私と似ているけれど「無責任」とかそこまで言っていいの?)、毒舌とまではいかないけれど、人の考えに対する自分の考えを正直にズバズバものを言うし、受信アンテナが強く、インプットアウトプット能力、自分で考えてすぐ行動に移せたり、「考え過ぎ症候群」的なところは、私に似通ったものがあり、生き辛いことも多いのでは、と思ってしまう。 アスペルガーの私が思うには、もしかして、垣谷美雨さんもアスペルガーなのでは?と勘繰ってしまう。 「生活環境の違いで話が合わないことはとても多い。 例えば、裕福か金欠か、既婚か未婚か、子どもがいるかいないか、老親の介護をしているかどうかなど、色々ある。 だが、それ以上に、多忙か暇かでも生活環境を共有出来ない。」 「多忙で頂き物のお礼の電話ひとつも出来なく、むしろ面倒なものを送りつけてと腹が立った」くだりでは、まさに私そのもの。 そして、それらを全部言葉を選ばずエッセイに書いてしまうこと。 アスペルガーあるある。考え過ぎ症候群なのに、これを書かれた人の気持ちや読者の気持ちを察することが大の苦手。 ただ、良くも悪くもこれが人間で、とても人間らしい人だなぁと思ったし、真っ直ぐで正直であることは明らかで、嘘や忖度のない信用のおける人だなと言うことは伝わってきた。
Posted by
著者は普段からアンテナを張って生活しているんだと思う。そして人に興味がないと、あのような小説は書けないんだろうな。 このエッセイが書かれたのがちょうどコロナ禍に入ってからの時期だったらしく、当時のモヤモヤを思い出した。
Posted by
垣谷さんの小説、たくさん読んでいるけれど、そういえばエッセイ読むのは初めてだ! 小説のイメージで読み始めたので、最初は、イメージと違うことが多くてイマイチのれなかったのだけれど、読み進めるうちに、だんだん面白くなってきた。 小説ほど完成されているわけでなく、いやに毒舌なところもあ...
垣谷さんの小説、たくさん読んでいるけれど、そういえばエッセイ読むのは初めてだ! 小説のイメージで読み始めたので、最初は、イメージと違うことが多くてイマイチのれなかったのだけれど、読み進めるうちに、だんだん面白くなってきた。 小説ほど完成されているわけでなく、いやに毒舌なところもあり、そうかとおもえば、ウジウジしているところもあり。 人間って、こんなふうに多面的な生き物なんだよなぁ・・・と思うわ。 好きな歴史上の人物で「北京原人」ってところが好き。
Posted by
ベストセラー作家の初エッセイ。 気になる作家ではあったが、なぜか今まで一冊も読んだことがなかった。 文体は読みやすく、老後、親子関係、フェミニズム問題など内容は非常に共感できた。 今度は小説を読んでみます。
Posted by
今の連続が現在。人生はまとめて楽しむものではない。将来のために、老後のために、今、我慢することはないという悟り。学生時代にもっと楽しく歴史や地理を教えてくれる先生がいたらと思ったり、人生の半ばを過ぎ、何度やり直したって人生こんなものだよと暗くなりがちな自分を奮い立たせたり。年が近...
今の連続が現在。人生はまとめて楽しむものではない。将来のために、老後のために、今、我慢することはないという悟り。学生時代にもっと楽しく歴史や地理を教えてくれる先生がいたらと思ったり、人生の半ばを過ぎ、何度やり直したって人生こんなものだよと暗くなりがちな自分を奮い立たせたり。年が近いだけに共感しまくりでした。
Posted by