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街とその不確かな壁 の商品レビュー

3.9

559件のお客様レビュー

  1. 5つ

    153

  2. 4つ

    202

  3. 3つ

    122

  4. 2つ

    32

  5. 1つ

    8

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2023/06/01

とても良かった。 不思議な話だがするすると物語が入ってきて、読んでいる間ずっと心が安らかだった。 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」はまだ読んでいないので、読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2023/06/01

数ある本は物語に起承転結というわかりやすい始まりと終わりがあり、読後何かしらの想像力と満足感を得られるが、この作品は、この作品の世界にまるで取り残されている感覚だった。林檎の香りやブルーベリーマフィンを感じる度に、またこの感覚に戻ってくるだろう。 総じて、 「村上春樹」の40年を...

数ある本は物語に起承転結というわかりやすい始まりと終わりがあり、読後何かしらの想像力と満足感を得られるが、この作品は、この作品の世界にまるで取り残されている感覚だった。林檎の香りやブルーベリーマフィンを感じる度に、またこの感覚に戻ってくるだろう。 総じて、 「村上春樹」の40年を覗き見しているような感覚を与えてくれた。

Posted byブクログ

2023/05/31

福岡へエロチックな香港映画を見に行った日 上映までの待ち時間に通りすがった地下の書店にて、数分悩んだ末購入した新刊。危惧していたとおりにハードカバーのこの本は重たく、脚が疲れた でもその日の私の選択は正しかった。 気になっていたジャズ喫茶のカウンターでアイスコーヒーを啜りながらす...

福岡へエロチックな香港映画を見に行った日 上映までの待ち時間に通りすがった地下の書店にて、数分悩んだ末購入した新刊。危惧していたとおりにハードカバーのこの本は重たく、脚が疲れた でもその日の私の選択は正しかった。 気になっていたジャズ喫茶のカウンターでアイスコーヒーを啜りながらするりと読み進めていった。隣の扇風機の風が強く、煙草の煙が急いで過ぎてゆく。巨大なスピーカーから流れるジャズの音量はかなり大きめで、でもそんなことお構いなしになってしまうほどには冒頭の恋愛描写に惹かれていた。彼との小旅行について思い巡らさずには居られなかった。川辺で戯れあった午後。手紙を何度も書いたことや幾つかのキスについても。どうしても触れて欲しくなってしまう、頬杖をついてグラスの水滴をみつめるチャイナドレスを着たわたしは、すこし疲れていて、素敵だったと思う。誰にも会わない日のお粧しに限って上手くいく。村上春樹の性描写は正直病みつきになってしまう。苛々してしまう。とてもずるいとおもう。彼の小説に出てくるワンピースを着た清潔な少女のようにうつるといい、私の恋人の眼に。こんなにも、いとも容易く自然に物陰でのキスを済ませてしまう小説の中の少年少女が心から羨ましい、カラオケにでも行かないと私はおねだりひとつできやしないのだ。物語はロマンチックで、呆気なくて、でもおわりにはひとつの安堵が置かれていてとても満足のいく作品だった。ひとたび別の世界に身を置いたとしても、自らが自身を受け止めることができれば現実に戻ってこれるのだ。待っていてくれる人が居るのかしら、なんて思わなくていい。影は私で私は影なのだから。でも、薄荷入の煙草を燻らせてすきなひととお酒入りの会話をしたい。読みきれないほど長くってでもほんとうの生活や思想を書いた手紙を貰ってみたい。習慣を巡るつまらなくて正しい大人になってみたい。便利なこの時代にロマンティックなことをしてみたい。新鮮なブルーベリーマフィンを誰かの為に焼いて待っていたい。自分のことを誰も知らない町に住んで仕事をしてみたい。幾つもの素敵で不所持な事項が散りばめられていた。そんなのやっぱりどうでもいいからはやくキスして欲しいほんとうは

Posted byブクログ

2023/05/31

村上春樹らしい世界観と表現方法は圧巻でした 相当な読解力があれば物語として楽しめるのかもしれませんが、村上春樹作品を初めて読む人には訳がわからないくだりが多過ぎて途中で挫折する危険ありなので注意が必要だと思います 海辺のカフカや1Q84などは後半になるに連れて謎が解けていく感...

村上春樹らしい世界観と表現方法は圧巻でした 相当な読解力があれば物語として楽しめるのかもしれませんが、村上春樹作品を初めて読む人には訳がわからないくだりが多過ぎて途中で挫折する危険ありなので注意が必要だと思います 海辺のカフカや1Q84などは後半になるに連れて謎が解けていく感覚があったが今作品は謎が多く残った。 (自分の読解力がないだけだと思うのでもっと多くの本を読んだ後でもう一度読みます)

Posted byブクログ

2023/05/31

学生の頃から村上春樹を愛読してきたアラフォーです。  今回のは、内容が昭和だし、古くさい。なにも面白くない。読者のために書いた小説でなく、作家の未完了の物語に付き合わされた感じ。ネトフリで映像化されたら、なんかシリーズものでヒットしそうだけど。

Posted byブクログ

2023/05/30

暗喩、たゆたう、黒い宝石のように透明なのに暗い、抑揚のない、感情を抑えた、ファンタジーとは一線を画す架空世界などなどさまざまな所感を持ちつつ、上手く感想を綴れないのは、村上春樹作品にあまり触れていないせいなのてしょうか。読書に娯楽を求める人にはオススメしません。後書き抜き655ペ...

暗喩、たゆたう、黒い宝石のように透明なのに暗い、抑揚のない、感情を抑えた、ファンタジーとは一線を画す架空世界などなどさまざまな所感を持ちつつ、上手く感想を綴れないのは、村上春樹作品にあまり触れていないせいなのてしょうか。読書に娯楽を求める人にはオススメしません。後書き抜き655ページ、長いです。私は何度も寝落ちしました。村上春樹ワールド愛がある人はたっぷり浸れて幸せになれそうな内容。性行表現はほぼなしですが、多少あるので、中学から。 文章や形作っているものの美しさと、話題性がなければ、私には読み上げられなかったかも。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の世界観と被っているそうなので、そちらを読んでからこの本を読んだ方が、壁の世界の理解に役立ちそうです。村上春樹の作品からは透明感を感じることが多いのですが、宮沢賢治や星野道夫から感じる透明感とは異なっていて、その違いは物質的無欲から生まれるか、文章や精神の研ぎ澄ましから生まれるかの差?ああ、なんか感想もぼんやりしてしまいます。 良く言われていることですが、音楽と食べ物、お酒の表現は多いですね。そこはなんかスゴく現実的っていうか、読みやすい部分です。でも、女の人目線とは表現の仕方が違うというか、人生の美しいツールとして著されている印象です。ブルーベリーマフィン食べたくなるっていう感想多かったけど、私はシーフード系パスタとシャブリかな~。

Posted byブクログ

2023/05/29

今回の長編小説はなんとか読みこなせたという感じで、大切な小説を読む時にある、読んでいて胸躍る感覚やページをめくる手が止まらない感覚などは感じられなかった。村上春樹の小説は、今回の『街とその不確かな壁』の元となっている未出版の中編小説「街と、その不確かな壁」を除いてすべて読んできた...

今回の長編小説はなんとか読みこなせたという感じで、大切な小説を読む時にある、読んでいて胸躍る感覚やページをめくる手が止まらない感覚などは感じられなかった。村上春樹の小説は、今回の『街とその不確かな壁』の元となっている未出版の中編小説「街と、その不確かな壁」を除いてすべて読んできた。しかし、やはり2000年以降、徐々に村上春樹の長編が精彩を欠くものになってきているのは疑いないだろう。そもそも「街と、その不確かな壁」はその後『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で一応の決着をつけているはずなのに、改めて書き直す必要があったのだろうか…と考えてしまう内容だった。 まず、物語にドライブ感がなかった。次に何が起きるんだろうというワクワクがなく、いつも通りの定型を抜け出すことのない人物たちとの交流が淡々と描かれていく。特に後半に出てきた喫茶店の女性などは、なぜ登場したのか必然性も感じられないし、彼女との出会いが16歳のきみとの別れを上書きするものなのかも分からぬままフェードアウトしていく。イエロー・サブマリンの少年も突然出てきて主人公の心に触れぬまま突然失踪してしまう。例えば『スプートニクの恋人』に出てくるにんじんを思い出せば、今回のイエロー・サブマリンの少年が上滑りしていることが感じられるだろう。子易さんの造形だけは良かった。 壁や街が結局なんであるかというのもモヤッとしたままだったようには思う(特に第三部)。明らかになったのは街が少女と僕が作り上げた心象世界であるということだが、やたら簡単に行き来できる割に、そこを行き来することの意味がなんなのか今一歩わからないまま物語が唐突に終わった。 正直に言って、この本を読むよりも『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読む方が意味のある読書なのではないかと思った。

Posted byブクログ

2023/05/28

たまたま『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を昨年読み、先日、『スプートニクの恋人』を読み終えたタイミングで、村上の新作が出たとのことで、ゴールデンウィークのタイミングもあり購入。なんだかんだ、ダラダラと2週間くらいかけてちびちび読んでいったのだが、『世界の終わりと〜』...

たまたま『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を昨年読み、先日、『スプートニクの恋人』を読み終えたタイミングで、村上の新作が出たとのことで、ゴールデンウィークのタイミングもあり購入。なんだかんだ、ダラダラと2週間くらいかけてちびちび読んでいったのだが、『世界の終わりと〜』の記憶もまだあったので、まさか40年経ったとは感じることなく、夢中で読んでしまった。それにしても『世界の終わりと〜』を読んでたのは偶然だったし、新作がその話とも知らずに読み始めたので、はて一角獣、はて図書館とは、デジャブなのかと思ってしまった。 個人的には一貫した村上のテーマを感じたような、相変わらずファンタジーでSFの味わいがありながら、ロマンチックで、アドベンチャーないつもの楽しみをしながら、自分がより主人公の年齢に近づいたせいかしらん、とても共感を覚えた。失恋でも、転職でも、あるいはどこかの国での生活でも、一度精神的な死を経験、あるいは生まれ変わる経験を少なからずしてきたからかもしれないなと思った。 最近は種明かしだったり、はっきりした結論がないとなんだか落ち着かない話が多く、で、どうなったの、こんなのありえないと思うところも正直あるのだが、そこも含めて楽しいのだと思う。調べたらいるんだろうけど、自分の周りにも煙のように(自分の前から)姿を消す人っているけど、やっぱりあるあるで、それが自分の大事な人だったら、やはり大事件なんだろうな。 美味しいブルーベリーマフィンに出会ったことはないが、今度街で見かけたら絶対に食べるんだろうな。

Posted byブクログ

2023/05/28

村上春樹はずっと追いかけて来た作家だ。 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も大学のとき、発売されるやいなや購入して読んだ。あれから40年弱経つのか…。春樹と歩いた(ちょっと大袈裟か)人生だったな、と感慨深さを感じながら読んだ。 わけが分からなすぎる。「世界の終わりと...

村上春樹はずっと追いかけて来た作家だ。 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も大学のとき、発売されるやいなや購入して読んだ。あれから40年弱経つのか…。春樹と歩いた(ちょっと大袈裟か)人生だったな、と感慨深さを感じながら読んだ。 わけが分からなすぎる。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の方が(分かる分だけ?)私は好きかな。 何にしても、春樹の新作が読めただけで嬉しい。年齢を考えればもういくつも書くことはないだろうから。

Posted byブクログ

2023/05/28

ハルキも異世界転生モノを書き始めたのか!? と戸惑いつつ読み進めるとどうやら違うらしい。 しかし全く意味が分からない不思議な作品。 あとがきを読むと、デビュー直後の中編を時を経て大幅加筆修正したもののようだが、まあ、本人が納得してるなら、いいか。

Posted byブクログ