忘らるる物語 の商品レビュー
忘らるる物語 著者 高殿 円 あらすじ 男が女を犯せぬ国があるという。 辺境の王族として生まれ、幸福な結婚をしたばかりの環璃(ワリ)は、突如たったひとりになった。広大な大陸を統べる燦(さん)帝国の次期皇帝を選ぶための籤(くじ)、”皇后星”に選ばれたからだ。一族はすべて皆殺し、...
忘らるる物語 著者 高殿 円 あらすじ 男が女を犯せぬ国があるという。 辺境の王族として生まれ、幸福な結婚をしたばかりの環璃(ワリ)は、突如たったひとりになった。広大な大陸を統べる燦(さん)帝国の次期皇帝を選ぶための籤(くじ)、”皇后星”に選ばれたからだ。一族はすべて皆殺し、産んだばかりの息子を人質に取られ、環璃は候補の王たちと寝るためだけに国々を巡る。絶望の淵に突き落とされた彼女が出会ったのは、触れた男を塵にする力をもつチユギという名の戦士だった……。 女が産み、男が支配する世界を変える「忘れられた物語」とは? 破格のエンタテインメント巨編! 感想 高殿円さんの『トッカン』や『上流階級〜富久丸百貨店外商部〜』が好きで手に取ったのですが、本作はこれらとはまったく異なる世界観で、著者の作品領域の広さに驚かされました。 今回はお仕事小説ではなく、歴史ファンタジーとSF要素が融合したような物語。女性作家ならではの視点で描かれており、設定上は古代風の世界でありながら、女性の社会的立場やジェンダーに関する問題など、現代にも通じるテーマがしっかりと描かれています。 長編であるうえに、独特な世界設定やSF的な展開もあり、1度で物語の全体像を掴むのは少し難しいかもしれません。それでも、単なる異世界ファンタジーとして読むだけでなく、現実世界の問題と重ね合わせて読むこともできる、奥行きのある作品です。 高殿作品のファンはもちろん、骨太な物語やジェンダー観を扱ったフィクションに興味のある方にもおすすめです。
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すごく難しい本だと言うのが第一印象。 人によっては考え方は違うかも。 男尊女卑と言われればそうかもしれないが、なぜそう言われるのかもっと深いところを追及しているような気もする。 私達は繰り返してるんだろうなとは思うし、それはこれから先も変わらない気もする。 それを知るのはカミに選...
すごく難しい本だと言うのが第一印象。 人によっては考え方は違うかも。 男尊女卑と言われればそうかもしれないが、なぜそう言われるのかもっと深いところを追及しているような気もする。 私達は繰り返してるんだろうなとは思うし、それはこれから先も変わらない気もする。 それを知るのはカミに選ばれた者のみって事なのかな。
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男女で大きく感想が異なる作品だと思う。 昨今のフェミニズム運動が内包する怒りを、異世界ファンタジーという形に変えて爆発させたような物語。 主人公は夫を殺され、産まれたばかりの息子を人質に取られ、子を産むためだけに見知らぬ国々をまわる。人権が無い。 あまりにも酷い人々に酷い世界だと思ったが、その背後に「彼らは獣の末裔にすぎず、かつて主人であった人々の真似をしているだけ」という大きな皮肉があった。 貴志 祐介の「新世界より」を読んだときの衝撃を思い出した。 幕引きがさっぱりとしているので少し消化不良だが、新たに主人公が王として君臨するのではなくてよかったと思う。
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世継ぎを生むためにいくつもの国を回る女性の話。 女性が虐げられている憤りを架空の国々での話として前面に表現しているようだった。
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差別について考えるきっかけを与えてくれるファンタジー小説。 主人公の環璃が人質にされた子どもを取り返すために4つ国を廻る強制的に・・・ 4つの国にはルールがあり、それが少し考え方によっては哲学的な気がしました。 ただ、女性への扱いが酷い。 過去(時代を遡る)の女性差別を考える...
差別について考えるきっかけを与えてくれるファンタジー小説。 主人公の環璃が人質にされた子どもを取り返すために4つ国を廻る強制的に・・・ 4つの国にはルールがあり、それが少し考え方によっては哲学的な気がしました。 ただ、女性への扱いが酷い。 過去(時代を遡る)の女性差別を考えると現在の女性の扱いは良くなっているけど、 それでも女性と男性と同じ人間なのに差があるように感じます。 近いうちに少しでもみんなの考え方が改まったらいいです。 今まで差別について深く考えたことがないですが、この小説を機会にいい経験ができました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
どうやら性差別をとりあげ、ガリバー旅行記みたいな装いの風刺小説かなと読み始めた。しかし男女のまぐわいを「犯す」ものと不快な設定。占いで選ばれた皇后星として、次代の帝候補である藩王の子を孕むことを目的に、孕むまで次々と4か国をめぐる。さっぱり理解の及ばぬ設定でしょう。主役の環璃が、その任務に対して喜びとまではいわずとも、それなりに誇りを抱いていればいいけど、愛する実子を人質にとられて従う無念のさだめ。最後はおそらく誰の予想にも違わず神(悪魔です)が憑依してめでたしめでたし。やれやれ。タイトルどおり忘れます。
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2024.4.20 読了 この作家さん こんな話も書けるんだー。 思いっ切り ファンタジー(私の苦手な分野)でした(笑) でも なかなか面白く読めました。 全部理解できたとは思えませんが。。。
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女性として生まれたことの苦しみと力を手にしたときの葛藤、全てを変えようなんて思っていない、ただ誰にも侵されず自分が自分として生きていきたい、誰にも搾取されたくない、支配されたくない、それだけがなんと難しいことか。 世界に翻弄されながらも、力強く生きようとしている彼女に心を揺さぶら...
女性として生まれたことの苦しみと力を手にしたときの葛藤、全てを変えようなんて思っていない、ただ誰にも侵されず自分が自分として生きていきたい、誰にも搾取されたくない、支配されたくない、それだけがなんと難しいことか。 世界に翻弄されながらも、力強く生きようとしている彼女に心を揺さぶられる。 どんな形の世界、社会が平和と呼ぶのか、男にとって都合のいい世界、女にとって都合のいい世界、どちらでもないそんな世界はあるのかな。
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面白いけど「女は奪われ虐げられる性」を強調しすぎててなんだかなー。 でも百合ですよね。 主人公と息子が結局再会せずに遠くから見守るのが良かった。
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ファンタジーに苦手意思があるが、この世界の雰囲気は好みですっと入り込むことができた。面白い部分(果てや各藩の描写)も多かったけど、冗長。説明的な台詞が多くまどろっこしく感じた。
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