君に光射す の商品レビュー
優しくゆったりとした話でした。セリフが多め。何か大きな事件が起きる訳ではなく、ただ1人の人間の生活の様を描いている。小野寺さん特有の文章に、あぁこれこれ『ひと』もこの感じだった!と思い出しました。 元教師の警備員の男性の話なのですが、優しいと優柔不断の境目といった感じかな
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最後にうまいこと良いことを言うなあ、と思いました。光射す方に自分から行ける。ここまで偽善的な?教員は実際にはいないだろうが、そういう設定とすることで人としての光と影がよく書かれていました。
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ある事情により小学校教師を辞めて警備員になった男性の話。 舞台は錦糸町〜住吉付近かなと予想。南口と北口で様相が全く違う駅と言えば錦糸町だし、オリナスやアルカキットなど商業施設も多い。高架下のファストフード店はロッテリアを思い浮かべながら読んだ。中盤に出てくる遠足に行った都立公園と...
ある事情により小学校教師を辞めて警備員になった男性の話。 舞台は錦糸町〜住吉付近かなと予想。南口と北口で様相が全く違う駅と言えば錦糸町だし、オリナスやアルカキットなど商業施設も多い。高架下のファストフード店はロッテリアを思い浮かべながら読んだ。中盤に出てくる遠足に行った都立公園というのは、猿江恩賜公園かな。 教師時代と警備員の今のパートが交互に展開するのだが、教師時代のとある保護者からの相談が不穏で続きが気になって読み進めた。ただし、小野寺史宣特有の短い文章の語り口なのでヘビーになりすぎずに読める。主人公がお人好しすぎる感はあるが、自分が辛い幼少期を過ごしたと考えると、相手に感情移入しすぎてしまうのかな。なかなか生きづらい人かもしれないと思った。最後が希望のある終わり方で好き。
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主人公が、かなり優しい人 お人好しすぎて、ちょっと大丈夫かなって心配になるくらいです 誰しも光と陰の部分はあって、ずっと光の中にはいられないし、だからといって陰の中にもずっとはいられない 誰かに優しくしたり、助けたりしても、それが他の誰かにとっては嫌なことだったり、余計なこと...
主人公が、かなり優しい人 お人好しすぎて、ちょっと大丈夫かなって心配になるくらいです 誰しも光と陰の部分はあって、ずっと光の中にはいられないし、だからといって陰の中にもずっとはいられない 誰かに優しくしたり、助けたりしても、それが他の誰かにとっては嫌なことだったり、余計なことをされたって思うかもしれない その人の状況だったり、受け止め方で180度変わってしまうものだから自分が良いって思ったことを信じて自分の周りの大切な人達にそういうことができれば良いのかなって思います 全ての人に対して優しくできたり、助けることができるわけじゃない ちょっと辛い内容もあるのに、さらさらっと読み進められる本でした
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警備員石村32歳、恵まれない環境にいる少女に出逢う。前職は小学校教師。なぜ辞めることになってしまったのか。 淡々と真面目な男性の内面を描く小野寺らしい作品。よく考えるとこんなに真面目な人はいるか?と思わなくもないけど。
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ずっと主人公にイライラしてた。典型的な偽善者。中途半端に介入して児相に相談していいことした気になってる。だったら最初の置き引きから捕まえて警察に渡すか最後まで介入しないかにしなさいよとなった。シングルの女もムカつく。何も出来ないくせに強がって結局警察行って解決ってなんだよ。最初か...
ずっと主人公にイライラしてた。典型的な偽善者。中途半端に介入して児相に相談していいことした気になってる。だったら最初の置き引きから捕まえて警察に渡すか最後まで介入しないかにしなさいよとなった。シングルの女もムカつく。何も出来ないくせに強がって結局警察行って解決ってなんだよ。最初から警察行けバカ。お前のせいで仕事やめた人がいるんだぞ。まあそれも主人公が中途半端に同情して軽はずみなこと言ったせいなんだけどね。小野寺作品の主人公特有の優しさを持った気弱な青年が今回の作品は完全に悪い描かれ方をしたなという感想。
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ある事情で小学校教諭を辞し、警備員に転職した石村圭斗が主人公。この事情は追々語られるが、まあ彼らしいといえば彼らしい。そして仕事は変わっても人の性格は変わらない。小学校教諭時代と同じ目線で、ショッピングセンターの警備をこなす。 主人公は人を恨まないし、羨むこともしない。淡々と現在...
ある事情で小学校教諭を辞し、警備員に転職した石村圭斗が主人公。この事情は追々語られるが、まあ彼らしいといえば彼らしい。そして仕事は変わっても人の性格は変わらない。小学校教諭時代と同じ目線で、ショッピングセンターの警備をこなす。 主人公は人を恨まないし、羨むこともしない。淡々と現在と向き合っている。それでも助けられる人がいれば手を差し伸べてしまう。 基本、いい人なんだろうが、小説として読んだときに少々物足りなさを感じてしまった。
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主人公の素朴でまっすぐな感じに共感が持てた。 さあ、明日もがんばろう!と思える気持ちにさせてくれる本。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
じんわりと染み入る作品でした 小野寺さんの作品は久々でした 元教師の主人公が 警備員をしている日常と なぜ教師になったのか なぜ教師をやめたのかが 交互に描かれています ネグレクトや、ストーカーなど 内容はハードなはずなのに のんびりした雰囲気がするのは なんでしょうね、 小野寺さんの世界観でしょうか 独り言のように進んでいく物語が とても心地よかったです 石村が教師時代にしたことを読むと 先生という仕事の難しさを感じます 生徒を守りたい 生徒を救いたい けど少し手をかけると 問題に発展したりする 教師が勉強を教えることで 問題になるなんてなあ… 教師になる人は 子どもを守りたいという気持ちが 強い人も多いと思うと すごく難しいなーと。。 その後どうなったのかなとか このままなのかなとか 思うところもありますが それも含めて この作品の味かなと思いました(^^)
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小学5年生まで母子家庭で母親からネグレクト同然の家庭環境で育ち、母親の実家の長野に預けられて育った主人公。自分で生きるために教師という資格をとり、小学校の先生として働いていたが、辞めてしまい警備員として働いている(33歳)。 そんな主人公のどこにでもある日常の中、なぜ小学校...
小学5年生まで母子家庭で母親からネグレクト同然の家庭環境で育ち、母親の実家の長野に預けられて育った主人公。自分で生きるために教師という資格をとり、小学校の先生として働いていたが、辞めてしまい警備員として働いている(33歳)。 そんな主人公のどこにでもある日常の中、なぜ小学校の教師を辞めたのかを主軸に語られる、人を助けるとは、あるいは人から助けられるとはを問いかけた作品(だと思います)。 日々一生懸命生きている普通の社会人である主人公が描かれているので、劇的な話ではなく淡々としているので、エンタメ小説として読むと物足りない感じはあるかもしれませんが、だからこそ生々しいというか、主人公を自分自身を重ねやすいなと思いました。 別に教師になって何を志すというわけでもなく、生活していくために何らかの資格であったり公務員になる方なんていっぱいいると思うし、大したスキルなんてないかもしれないですが、仕事についたら相応の責任をもって一生懸命仕事しているうちにその職業のエキスパートや相応しい振る舞い考え方をもつなんていうのもわかる気がしました。 また、特に人を助けようと思ったわけではなく何気なくやったことや、なんともなしに話したことがその人の救いになることもあるし、どんなに助けたくても怖さや関わりたくないなどで助けないこともあるし、助けたつもりが助けになってないということもあります。 人助けというのは結局、偶然、必然であれ「あなたに光が射すかどうか」ということなのかなと思いました。 そして、その光は誰に誰に射してもらってらってもよいし、苦しんで耐えていれば、あるいは助けてと叫べばいつかあなたに光が射すタイミングがくるかもしれない。 そんなことを思った読後でございました。
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