白ゆき紅ばら の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
行き場のない母子を守る「のばらのいえ」で育った祐希。 大学のボランティアで知り合った志道さんと実奈子さんが運営する家だが、祐希はほとんどの家事をして自由な時間などなく育っていく。 幼い頃に連れて来られた紘果はとても可愛いらしく人形のようで志道に気に入られていた。 高校卒業前に先生の助けを得て逃げ出す祐希。 紘果が一緒に来なかったことが、ずっと気になっていた。 10年後、アパートの家事で逃げ出したところで出会ったのが志道。 そのまま「のばらのいえ」へ戻るが…。 逃げようとした娘と逃げなかった娘この2人の未来は。 先生が言った「良い子は天国へ行く。悪い子はどこへでも行ける。」 このことばがずっと気になっていた。 人生は、自分で決めていけばいいが親ではない人に育てられたという恩があるから逃げ出せないという気持ち。 だが良い子じゃないと思って踏み出せば、いくらでも行けるところはある。 そうじゃないだろうか。 先の見えない暗い気持ちになるような滑り出しだったが、最後は希望が見えた気がした。
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閉鎖された空間で窮地に立つ者同士が生活する難しさ。人の心は閉ざされ、次第に歪みや綻びが生じてゆく『のばらのいえ』…類似本の既読感が拭えず、志道の不快感のみが残る。本筋が霞んでしまった。
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志道が歪み過ぎていて、嫌悪感しかない。 「かわいそうな子どもを救いたい」と始めたのが「のばらのいえ」だったはずだけど、やってることは真逆。 寺地さんの作品とは思えないくらい不穏な物語だった。 ラストで希望の光が見えたのはよかった。
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寺地作品としては、14作目です。ただ…前作も感じたのですが知らない著者の小説を読んでいる様でした。冒頭から鬱な違和感が漂いはじめてて、ページをめくるごとに心に針で刺されている様で辛かった。 今作を描けるのは懐が深いからかもしれませんが、もし初めにこの作品を読んでしまったら寺地はる...
寺地作品としては、14作目です。ただ…前作も感じたのですが知らない著者の小説を読んでいる様でした。冒頭から鬱な違和感が漂いはじめてて、ページをめくるごとに心に針で刺されている様で辛かった。 今作を描けるのは懐が深いからかもしれませんが、もし初めにこの作品を読んでしまったら寺地はるなさんの著書は二度と手に取らなかったかもしれません。
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今まで読んだ寺地さんの作品とはひと味違った内容だな…と、いうのが第一印象。 内容は重いけれど、結果的には幸せに生きていけそうなので良かった。
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良かった…(´;ω;`)ウッ……グスッ…ヒック 途中、辛く苦しい事実が明るみになり嫌だった。 何となく感じていて、何となくありそうと思っていて、でも嫌だと思っていたことがこの話の中の事実として描かれていた。 寺地はるなさんの本は何冊か読んでいて、思う傾向が、今時の世間のセン...
良かった…(´;ω;`)ウッ……グスッ…ヒック 途中、辛く苦しい事実が明るみになり嫌だった。 何となく感じていて、何となくありそうと思っていて、でも嫌だと思っていたことがこの話の中の事実として描かれていた。 寺地はるなさんの本は何冊か読んでいて、思う傾向が、今時の世間のセンシティブな問題点を登場人物の背景にうまく埋め込み劇的な解決はせず向き合うという。 今まで読んだ著作の中でも一番辛い事実だったので、いつもの傾向から解決せず、だったらと思うと許せないと勝手に苛立ってました、が、救われる気持ちで読み終えることが出来ました。 春日先生が好き。 頭の中で外見は勝手に、『これ描いて死ね』の手島先生を思い浮かべてました。 漫画『adabana-徒花-』を途中思い出したり。 罪の意識を持たず、人権を軽視して見下して女の子の心を傷つけ身体を搾取する愚かな男が存在することが嫌だ。 この中で祐希が言う、うぬぼれるな、が爽快。 そういう男は、言葉にしないだろうし自分で認めないだろうけれど不安で自信がなくて仕方ないのだろう。 自分より力がないものをねじ伏せて下に見ないと自分が保てない愚かな生き物。 そんなものに、人生を奪われなくていい。 汚されたと思わなくていい。 女の子がみんな幸せでいられますよう願ってやまない。 男が救う構図ではない所と、 男がちゃんと見張りをしてくれるところが好感持てます。 女が女を救う時代か!
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ひとつの家の中に、縁のない母子が暮らす歪んだ社会。 可愛がられたり、召し使いように働かされたりしながら、自分の大切な人を守るためにそれぞれの胸に決意を秘めている。それがひとつひとつ分かる度に、苦しい気持ちになった。早く読み進めたいけど、知ってはいけない秘密の日記を盗み読みしている...
ひとつの家の中に、縁のない母子が暮らす歪んだ社会。 可愛がられたり、召し使いように働かされたりしながら、自分の大切な人を守るためにそれぞれの胸に決意を秘めている。それがひとつひとつ分かる度に、苦しい気持ちになった。早く読み進めたいけど、知ってはいけない秘密の日記を盗み読みしているような。読み終えて、少し悲しくてほっとした気持ち。
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『大人は子どもを守らなきゃいけない』 主人公、祐希がたびたび口にするフレーズだ。 そういう強い信念をどうして持つことができたんだろう? それが疑問だったけど、 ああそうか、家を出るのを手伝ってくれた先生の存在があったからなんだなと 読み終わって気づいた。
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重…。子どもに世話を押し付け、どこにも逃げられないように囲い込み、自由を奪っていく。ヤングケアラーのよう使いまわされる子どもはどうしたらいいんだろう?裕希は春日先生のおかげで逃げることが出来た。助けてと声をあげてもスルーされるこの世界で、助けられることの奇跡。困っている人がいたら...
重…。子どもに世話を押し付け、どこにも逃げられないように囲い込み、自由を奪っていく。ヤングケアラーのよう使いまわされる子どもはどうしたらいいんだろう?裕希は春日先生のおかげで逃げることが出来た。助けてと声をあげてもスルーされるこの世界で、助けられることの奇跡。困っている人がいたら誰かが手を差し伸べられる世界はなんて幸せなんだと思うし、そうなっていってほしい。紘果と裕希のこれからに幸あれ。
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読んでいて息苦しくて辛くて不穏で胸がザワつく。 それなのに、早く続きが読みたい。 この物語の白ゆきと紅ばら、二人の未来に少しでも明るい未来があって欲しい。 そんな祈るような気持ちで読みました。 「身寄りがないから」「避難する必要がある人を救うため」を目的としたのばらのいえ。 ...
読んでいて息苦しくて辛くて不穏で胸がザワつく。 それなのに、早く続きが読みたい。 この物語の白ゆきと紅ばら、二人の未来に少しでも明るい未来があって欲しい。 そんな祈るような気持ちで読みました。 「身寄りがないから」「避難する必要がある人を救うため」を目的としたのばらのいえ。 でも、目的を理由に、こちらの行為から相手を支配し搾取していく大人。 搾取されていくこどもたち。 春日先生のような人がいてくれて本当によかった。
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