少年と犬 の商品レビュー
人間という愚かな種のために 犬は神様だか仏様だかが遣わした生き物 犬は不思議な力を持っていると思う。 タモンは飼い主の春子さんから光を守るようにと メッセージを受け取ったのかもしれない。 役目を果たし。今は大好きな春子さんの側にいて 一緒に光を見守っている。
Posted by
犬の勇敢で一途で凛とした姿に心を打たれた。憧れた。自分もあんな風になれたら。何にも情を入れすぎず、芯をしっかりと持っていて、凛としている。生きるためには臨機応変に対応する。自分のロールモデルにもしたいと思うほどに、魅力的な犬だった。 映画も見にいきたい。忘れたくない話。
Posted by
「多聞」という犬と出会う人々の視点で話が進む連作短編集。似たようなシュチュエーションが続くけれど、中身はどの章も単調になっていないのが良かった。特に、「少女と犬」と表題作でもある「少年と犬」が好き。犬の持つ不思議な力を信じたくなる。
Posted by
普段あまり読まないジャンルの小説ですが、高橋文哉さんと西野七瀬さんがW主演される映画の原作ということで読みました。ネタバレにならない程度に感想を記します。様々な登場人物が犬(多聞)と出会って良くも悪くも変わっていく連作短編で、文体も読みやすいのでサクサク読めました。信頼関係のある...
普段あまり読まないジャンルの小説ですが、高橋文哉さんと西野七瀬さんがW主演される映画の原作ということで読みました。ネタバレにならない程度に感想を記します。様々な登場人物が犬(多聞)と出会って良くも悪くも変わっていく連作短編で、文体も読みやすいのでサクサク読めました。信頼関係のある人と犬の繋がりはとても強いんだなと改めて感じた物語でした。最終章だけでも泣けるけど、それまでの多聞の行動を読んできたからこそ最終章はより泣けました。
Posted by
これ映画化される本と聞いて気になったのでと読んでいました。犬がちゃんと少年(飼い主)が大好きなんだろうなっと思いました。私は、犬好きなので読んでいてすごい面白かったし、感動しました!
Posted by
初読みの作家さん。犯罪小説のイメージがあり避けていたところがあったが直木賞作品ということで読んでみることにした。 多聞が訪れ飼い主になった者は幸せにもなるが不幸にもなる。幸せの上での不幸に見えるのでまあ良いのか。 多聞はただの犬で何の他意もないのだ。 一節毎の結末があまりにあっさ...
初読みの作家さん。犯罪小説のイメージがあり避けていたところがあったが直木賞作品ということで読んでみることにした。 多聞が訪れ飼い主になった者は幸せにもなるが不幸にもなる。幸せの上での不幸に見えるのでまあ良いのか。 多聞はただの犬で何の他意もないのだ。 一節毎の結末があまりにあっさりしているのも新鮮。何で?という感はあったがこのパターンが続くので、瑠衣の話の時に不穏さが漂った。 飼い主が武さんに代わっても大丈夫かとハラハラさせられたが、この話だけはパターンから外れホッとした。罪を犯してない者には何もないのか。 犬が長距離目的をもって移動するのは昔からよく聞く話なので不自然さはなかった。展開がサクサク進みブラックな感はあったが普段読まないジャンルの作家さんの雰囲気が楽しめた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みながら、作者は犬が好きな人なんだろうなぁと思っていたけど、あとがきを読んで納得。 犬って本当に不思議な生き物で、何もかも分かったような顔をすることがある。 これは多聞に救われた人たちの物語だったけれど、多聞はずっと何を思っていたんだろう。犬は喋らないから当然なんだけど、人間目線で話が進んいくので、多聞が何を思っていたのか、それをとても知りたくなった。 出会った人がほとんど死んでしまうってところが、なんでなんだろう?ってちょっと疑問だったけど、そういうものも感じ取る犬だったのかな。 みんな多聞に癒されていたけど、多聞自身は誰かに癒されていたのだろうか。 多聞の欲みたいなものが見えないから余計に、本当に守り神、神様みたいだった。 多聞はずっと誰かに会いたがっていて、それが誰なんだろうって思いながら読んだけど、昔故郷で会ったことがある光に会いたがっていたんだってわかって、正直に言うと微妙に納得いかなかった。もうちょいなんかこう、深い絆がある人なんだろうなって勝手に思ってたから。 でもきっと、多聞には多聞の気持ちがあって、だからこそ出会ってきた誰の犬にもならずに光を探していたんだろうな。何故そんなに光を大切に思っていたのか、多聞の気持ち、知りたかったなぁ。 とか色々考えながら、我が家の犬を撫でています。 犬ってほんとうに可愛い。
Posted by
第163回直木賞受賞作品。 旅する犬・多聞と、その旅の途中に出会った人々の物語。 短編連作で、最後はぐっとくる物語でした。 ■男と犬 東日本大震災後の仙台で、裏社会の仕事で日々を食いつないでいる男が多聞と出会います。 多聞に癒される日々。しかし、大金が必要ということで、外国人窃...
第163回直木賞受賞作品。 旅する犬・多聞と、その旅の途中に出会った人々の物語。 短編連作で、最後はぐっとくる物語でした。 ■男と犬 東日本大震災後の仙台で、裏社会の仕事で日々を食いつないでいる男が多聞と出会います。 多聞に癒される日々。しかし、大金が必要ということで、外国人窃盗団の逃亡の手助けをする仕事に.. その結末は.. ありゃまっていう感じでしたが. ■泥棒と犬 前編の外国人窃盗団の一人が多聞と共に海外への逃亡を図るべく、福島経由で新潟を目指します。 それを追いかけてくるヤクザ。 多聞との逃亡生活から、自らを振り返る男.. しかしその先は.. ■夫婦と犬 泥棒がらみの話は前編で終わって、今度は夫婦のすれ違いの物語。山中で多聞と出会った男とその妻の物語 この男がいい加減の男ですね。 奥さんよく耐えていたよ(笑) こういういい加減な男は嫌いなんだけど.. そんなすれちがう二人をつなぐのが多聞。 そして、ある日、山に行った男は.. ■少女と犬 今度は右足を失った少女が自殺のために訪れた東尋坊付近で多聞と出会います。 多聞との生活で、再び、少女は歩き出そうリハビリに励みます。多聞との出会いが彼女を変えます。 これは、いい話。 ■娼婦と犬 滋賀県まで来ました。 その山中で出会った女と、山中で傷を負った多聞。 多聞を動物病院につ入れていった女は、多聞のマイクロチップから多聞が岩手に住んでいたことを知る。 しかし、元の持ち主には連絡つかず.. さらに女には、秘密が.. ■老人と犬 島根まで来ました。 ここで、猟師をしていた老人と多聞は一緒に暮らすことになります。癌で余命がない老人。 老人は人里に降りてきたクマを駆除するために山に入ります.. ■少年と犬 最終話です。ゴールは熊本でした。 そして、東日本大震災から避難してきた少年に会うために、5年の月日をかけて、多聞は旅してきました。 この章は、目頭が熱くなります。 少年は東日本大震災のショックで笑顔もなくしゃべれない状態.. そこにたどり着いた多聞 多聞と生活により、少年は再び言葉を、笑顔を取り戻します。 しかし、熊本を再び大地震が襲います。 このエンディングには胸が熱くなります。 途中、多聞は死神で、死に行く人や死が近い人と出会う物語なのかと思ってしまった(笑) しかし、そんなことはありませんでした。 人と犬の絆の物語でした。 これは、良かった。 お勧めです。
Posted by
犬とその出会った人との物語で、1匹の犬が様々な人と関係していく物語。犬を飼っているので尚更感情移入ををしてしまった。 読みやすくいい本だと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
東日本大震災で飼い主と離れ離れになった1匹の犬(多聞)と編毎に登場する人物との物語をつづった短編集。 読み進めていくごとにどんな飼い主なんやろう、男性か女性か、年配か若者なのかと想像を掻き立てられていった。すると、飼い主は震災の被害に遭って亡くなっていることが判明した時は衝撃やった。そうやとしたら、多聞は何を目指してある一つの方向を眺めていたのか。震災前に戯れていた光に会いたい一心ということが最終章で明らかになったときも衝撃が走った。多聞と再開できた光が過去のトラウマから少しずつ話せるようになって、笑顔を取り戻せていったときは感動するとともに自然とこっちまで嬉しくなっていく感覚を覚えた。再び震災が訪れ、まさかの多聞は光を助けるべく死んでしまうのだが、光に多聞が死んだことを伝えたときの光の一言に思わず涙がこぼれた。本で泣いたのは初めてかもしれん。良い作品やった。様々な角度で悩んでいる人、苦しんでいる人にたまたま出会った多聞が寄り添って心の支えとなっていく描写が心温まった。終わりが儚い編もあったけど、、
Posted by