クスノキの番人 の商品レビュー
東野圭吾らしい、尾を引かないミステリーっぽさを交えたファンタジーフィクション 重たすぎないハートフルさもあって、読みやすい ナミヤ雑貨店と比較すると、 登場人物の性格や設定を少し持て余した様な気もするけれど。 全体的に良かった。
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東野圭吾、流石読みやすかった。 世界観に引き込むのが上手。 いいなー、急に役割が降ってきて。生まれた環境的に確かに今まで苦労もあったと思うけど、犯罪犯してまだ居場所あるんか!やっぱ小説は甘いな!本当の意味で自分で掴み取った役割じゃないもんなー!とちょっと捻くれて読んでしまった。ただ生まれた環境が悪くても母親や父親恨まなかったり、周囲を純粋にポジティブに捉えられるまっすぐな性格でここまできているのは、えらいよなと思う。結局この先どうしていくかは、描かれなかったし本人も悩んでいるところだから、小説内の人生も甘くないんだな。続編が気になるところ。
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さすが、東野圭吾!面白かった。 クスノキの番人を引き受けることになったきっかけは、どうしようもないという成り行きだったけれど、その裏にある様々な事情を知っていく度に、納得と大きな感動に包まれる。 玲斗の成長も見ていて温かくなる。 来春に続編が出るようだけど、ぜひ読みたい。 20...
さすが、東野圭吾!面白かった。 クスノキの番人を引き受けることになったきっかけは、どうしようもないという成り行きだったけれど、その裏にある様々な事情を知っていく度に、納得と大きな感動に包まれる。 玲斗の成長も見ていて温かくなる。 来春に続編が出るようだけど、ぜひ読みたい。 2023.6.18
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長がった... とにかく長かった。 途中、読み終えられるか?と思ったけど、図書館の返却日までにと粘った。 まず、推理小説では無かった事に気付かず(笑)読み始めてしまったので、いつ、事件が起こるのだろうとモヤモヤしたまま読み続けた。 図書館予約で半年以上待ち、私の後にも何百人の人が待ってる本だけに面白さを理解したくて、ゆっくりでも読み進めた。 長編ストーリーではあるが、結局は一つの物語ではなく、4組(もしくは3組?)の家族の物語が描かれていたが...特にそれが絡み合うことはない。 交互に話が進んでいくのだが、そこにこの主人公の少しずつではあるが成長が感じられる。 私の個人的な感動部分はこの長編の終わり10ページ。この感動を味わうために451ページを読み続けなければならなかったのだ。 よくある名作感動映画のパターンだ。 あれ?これ、失敗だったかな?...で穏やかに時間が流れ、少しずつ、じわじわと、そしてじーんと心が動き、最後にじゅわっと胸に刺さる感じ。 この感動のために読んだのだと。 複数の家族の物語は この気持ちを味わうための伏線だったのか?と... 私のように東野圭吾はミステリーだと思う人には向いてない。でも、私の知っている中では「秘密」(結局、好きな話ではある)が好みの人には楽しめるでしょう。
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東野版ピグマリオンかな。主人公の人間的成長というか、調子の乗り方急速で、若気の至り感が「あちゃー言わなくていいことを」と思ってしまう。シリーズ化できそう。
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誰かのレビューに、大きな事件も起こらずミステリー色もイマイチとあったので、あまり期待せずに読み始めたら、そんな思いは瞬間に吹き飛ばされた。 これだけの物語を作り上げた著者の手腕に敬服。ファンもファンでない読書人も、著者の小説には目が離せないというベストセラー作家の面目躍如たる作品...
誰かのレビューに、大きな事件も起こらずミステリー色もイマイチとあったので、あまり期待せずに読み始めたら、そんな思いは瞬間に吹き飛ばされた。 これだけの物語を作り上げた著者の手腕に敬服。ファンもファンでない読書人も、著者の小説には目が離せないというベストセラー作家の面目躍如たる作品といえる。 人生に希望を持てずにいた主人公玲斗が、伯母だという女性からクスノキの番人を依頼される。 クスノキには不思議な言い伝えがあり、祈念すると何かを得るのだと。 祈願ではなく祈念。 玲斗とともに読者も、その言葉の違いとは何なのか?さらに満月と新月の関係。 著者が仕掛けたミステリアスな設定に、読み進まずにはいられない。 ある場面での玲斗の発言には、クスノキの番人をしてからの玲斗の成長物語との面もある。 玲斗とともに魅力的なのは、伯母の千舟。玲斗にクスノキの番人を託する彼女には、ある秘密が。 来年春にはこのシリーズの第2弾が刊行されるようで、彼ら彼女たちがどうなっているのか、見逃せない一冊になりそう。
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面白くて不思議なクスノキの木があるものだ。人間の念の力とはすごいもので、それは大切な人にもしっかり伝えることができる。人が持つ心というのは素晴らしいものだ。
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初めての東野圭吾作品。 うーん、人気作家だけど、こういう本を書くんだ。 この続き、読んでみたい気持ちが少しだけ。
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主人公と同じようにクスノキの謎が気になり、分かった時はスッキリした。家族とのつながりの大切さを感じる温かい話だった。私もクスノキの番人をして暮らしていきたい...
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2023.6.13 読了 ☆9.2/10.0 『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く、感動エンターテインメント作品。 帯には、そんな言葉がある。 久しぶりの、東野圭吾さんの本格ミステリーではない、ファンタジーなヒューマンドラマ長編作品です。 言葉で伝えようにも、...
2023.6.13 読了 ☆9.2/10.0 『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く、感動エンターテインメント作品。 帯には、そんな言葉がある。 久しぶりの、東野圭吾さんの本格ミステリーではない、ファンタジーなヒューマンドラマ長編作品です。 言葉で伝えようにも、伝わり切らない想いがある そんな、感じていること、考えていること、生きてきた事実……そんな、その人の全てである"念"を後世の人に伝え残すことができる不思議なクスノキ 無念や観念、怨念、邪念、祈念、理念など、託したい想いの橋渡しとなるクスノキの番人を務める千舟とその甥っ子の玲斗。 ラストでは、伝わりきらない想いを繋ぐクスノキの大切な番人をしている彼らが、クスノキに頼らなくても、言葉に託さなくても伝わる想いがあるということが描かれている。 言葉の壁を超えて、彼らの想いは"情念"となって伝播し合う。 じんわりと涙が出てくる、そして不思議な世界にお邪魔したような、そしてこれからも生きていく勇気を与えてくれる、そんな読後感でした。 〜〜〜〜〜〜以下、心に響いた言葉〜〜〜〜〜〜 "自分たちが食べたいと思ったものを、お客様に召し上がっていただく。つまり自分がして欲しいと思うことをお客様にしてさしあげる。それがサービスの基本" p.251 "じゃあ訊くけど、君はミッキーマウスの正体を知ってる? 東京ディズニーランドでミッキーマウスを演じているのはどこの誰か、君は知ってるかって訊いているんだ。知らないだろ?社内ルールで、絶対に明かしてはいけないことになっているからだ。本人だけじゃなく、正体を知っている関係者は全員契約者にサインをさせられ、破った場合は高額な罰金を取られるという話だ。そのルールを破って、ミッキーマウスの正体を明かした人間がいるか?SNSでバラした人間はどう?いないだろ。秘密保持のルールを徹底することは不可能じゃないんだ。 たとえ、うっかり口を滑らせる人間がいたとしても、聞いた人間が信用しなければ噂は広がらない。都市伝説の類だと思われて、それでおしまいだ。この手の話は、実際に関わった複数の人間が証言しない限りは事実と認定されない。" p.273 "あなたの生き方に口出しはしません。 ただ、一つだけアドバイスするならば、この世に生まれるべきでなかった人間などいません。どこにもいません。どんな人間でも、生まれてきた理由があります。そのことだけは覚えておきなさい" p.417 "今の世の中、いいことだけをして生きていけるほど甘くないもんね。家族を養ったり、従業員にお給料を払ったりするためには、人の弱みにつけ込んだり、人を押しのけたりしなきゃいけないこともある。 清く正しく美しく、なんて幻想。" p.424
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