スター の商品レビュー

朝井リョウ(著者)

2023/06/24

なんだか小難しい話。
すごく頭を使う文章だ。
何を言っているのか私には伝わらない箇所が何箇所かあった。
「あー、分かる分かるこの感じね」と言えるのは一部のセンスあるアーティストだろう。
私はセンスがないようだ。
センスがない私は最後まで腑に落ちなかった。

2023/06/22

多様性が認められることで正しいもの、好きなものがいくつも生まれてきたから、否定しにくい世の中になってきたんだな、自分の父親世代なんかはその時の常識と今が変わりすぎて人を育てるのが大変だろうなとしみじみ。
周りから影響を受けて新しいものを取り入れつつ、自分の信念を貫けるバランスのある人になりたい。

2023/06/20

創作というのは現実世界のすぐ裏側で起きるから面白いのだなと。朝井リョウにこの手の話書かせたら絶対面白いんだよ。優勝。

誰もが発信者になれるプラットフォームが整った今！共感を呼ぶのはこっち側を描いた作品なんだな、と！上手いな〜面白かった。
でもこの話数年後に映像化しても陳腐化しちゃうやつだよね。これは並行してNetflixあたり独占でドラマにしたら良かったよ。キャスティング考えるのが楽しい。

泉おもしれーやつだと思ったら斜め上に行ってしまって個人的にはちょっと残念ではあった。もっとかき回してほしかった気持ちがある。
でも彼も発展途上なんだなと思うと愛しいですね。悩みながら道を探しているのだね。

2023/06/18

細部までこだわり、時間と手間をかけた映画と
再生回数やスピードにこだわるYouTube。
同じスタートラインに立った2人の葛藤が痛いほど伝わってくる。
後輩や彼女の考えも社会を表していて、何を目指して進むべきか考えさせる作品。

2023/06/16

好きな作者で執筆されてきた作品は読んできており、今作品はとても印象的でかつ、自分にとって教訓と思える点が多かったと感じた。

現代は発信する方法が身近になり、受信側も多様な方法で受け取ることができる。それゆえ、今まで満たされてこなかった細分化した欲求に応えられるようになった。
質とは本物とは正解とは正しくないものとは、そういったものは時代と人物によって虚ろぎ変わるもの。
正解も不正解も人の数だけ存在し、それが間違っていると糾弾するのは傲慢さと青さゆえ。青さを克服するには多様な価値観を知ることにあると思う。自分の背景・経験から形成された価値観を持って、今ベストと思えることを尽くしていきたい。

読んで終わりでなく、気づきを与えてくれた良い作品。

2023/06/16

YouTubeと映画。現代で人々から本当に求められ、価値があるのはどちらなのか。終始その問いで揺さぶられますが、いやいや、そうじゃないんだよ、とたしなめられる一冊でした。
朝井リョウさんの描く、主人公の大二病っぽさとか、若さゆえの高くて青いプライドが、最後誰かにすべてを見透かされて論破される瞬間が好物です　笑

2023/06/16

どこにいてもネットに繋がれる世界となった現代、日々情報の渦に巻き込まれている感覚を覚える。しかし、その結果多様性が尊重され、個々の細分化が起こった。

本作品では、この変化が顕著に起こっているエンタメ業界の話。時代に合わせるのか、自分に合わせるのか、何を大切にするのか、、、。一本の軸がなければ、その渦に波に飲まれてしまうぞ！っと伝えるかのように語られる。

2023/06/26

映像好きの若者達が広げる人生のワンシーン。

低品質、高回転のYouTubeやTikTok
高品質、低回転の映画の作成と上映

2人の若者がそれぞれの道に進む、前、中、終、の3部展開で箇所箇所に散りばめられた事象に対する、
的確な言語化に気持ち悪ささえ感じる。

おっさんのいわゆる『最近の若者は』や、
俺より知識も技術もないのにあいつの方が売れているや、
技術をフル活用した高品質より、適当な乱れ打ちの低品質の方が需要があったり
などなど、現代社会におけるモヤッとした霧をうまく昇華させて固体にして目の前に並べてくれる。

作中の好きなフレーズで、
欲求に大は小を兼ねる機能はない種類があるだけ。

この文にこの本の全てが詰まってると感じた。

競うな。なぜなら別物だから。

高級ホテルとビジネスホテル同じホテルだが、
全くの別物であることは認知できるのに、
隣のあいつと比較はしてしまうのはなぜ？

人は別物です。比較はできません。
人間と花瓶を比較してる様な無駄な時間をやめて、
自分を磨きなさい。

2023/06/14

前回エッセイを除くと正欲ぶりの小説。
今回も多様性を取り扱ってる作品でした。

やっぱり朝井リョウ好き、面白い。
中弛みしない人と感情の移り変わりと
言葉の選定、素晴らしい。

主人公2人が、大学卒業から
違うルートで活躍していって、
違う視点で色んな人や作品に触れて
自分の気持ちや、他人との違いに戸惑って。
そのスピード感と、目まぐるしさに
時間を忘れて没入。

YouTuberやインフルエンサーをメインに
サブスク、クラウドファンディングにネットサロン…
現代の流行てんこ盛り。
本当、今の時代流行り廃り早くてついていけない…。

質、価値、評判、経歴、価値観。
人や時代によって揺らぐ評価基準。
何が良い悪いとか無くて、
それは個人の判断だし、白黒つけなくてもいいとも思う。

いつもなにかを選択しなくてはいけなくて、
必ず選ばれたものと選ばれなかったものがある。

何か得るには何か犠牲にする必要があると、
私は思ってる。

あと、鐘ヶ江監督の「寂しい」って言葉は好き。
私も「寂しい」って思ってしまう人間でいたい。

2023/06/13

クリエイティブな発想が求められる仕事をしている自分にとって、突き刺さった物語だった。
人それぞれの「軸」があり、好きなもの、考え方は違う。その中で、時間をかけて自分の感性を積み上げることが大切。

自分の感性を自分で把握する作業を怠ってはいけない
この言葉がとくにお気に入りです。