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うちの父が運転をやめません の商品レビュー

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51件のお客様レビュー

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2024/11/09

 都内に住む猪狩雅志は、妻と高校生の息子との3人暮らし。田舎には高齢の父母が健在で、父親は現役で車の運転をしている。高齢者ドライバーによる交通事故のニュースを見て、父親の運転を止めさせたい、と思うが…。  田舎の父母の生活の様子を見たり、雅志自身の同級生たちの話を聞くうちに、自分...

 都内に住む猪狩雅志は、妻と高校生の息子との3人暮らし。田舎には高齢の父母が健在で、父親は現役で車の運転をしている。高齢者ドライバーによる交通事故のニュースを見て、父親の運転を止めさせたい、と思うが…。  田舎の父母の生活の様子を見たり、雅志自身の同級生たちの話を聞くうちに、自分の将来が気になり出して、”田舎の両親と生活する“ために様々な試みを行う。そんな中で、中年となった雅志の『本当の問題』が解決して行く。  羨ましいくらいハッピーエンドの物語だった。

Posted byブクログ

2024/11/06

都会に住む主人公が、田舎に住む高齢の父親の自動車運転を心配して、最終的には田舎に引越して、田舎をまわる移動スーパーを始める話。 私も最近になって、自分の父親と母親の運転を心配し始めている。 私自身は退職をして田舎に戻る選択まではなかなか真似できないと思った。だけど、この本を読ん...

都会に住む主人公が、田舎に住む高齢の父親の自動車運転を心配して、最終的には田舎に引越して、田舎をまわる移動スーパーを始める話。 私も最近になって、自分の父親と母親の運転を心配し始めている。 私自身は退職をして田舎に戻る選択まではなかなか真似できないと思った。だけど、この本を読んで、父親や母親の気持ちも少しわかるようになったと思う。少しでも似た境遇にある方は、サラッと読めるし、読む価値はあると思う。 自動車免許は、現在の高齢者世代にとって(特に男性にとって)家族の中で唯一自分だけが運転できる(た)という「誇りである」というような表現が出てきて、ハッとした。ある意味父親の尊厳だったのだ。そうだったんですね?全然考えたこともなくて、一方的にただただ返納を勧めていた自分を反省。何も寄り添っていなかったな。一方的な主張はただただ反感を強めるだけだ。 あと、若い人は両親が都会に引っ越して来たらいいと簡単に考えがち。しかし、狭い都会のコンクリート生活が、田舎からきた人々にとってどれほど窮屈な思いをさせてしまうものなのか描かれていた。これも考えさせられるエピソードだった。 自分もすぐに高齢者になることを心に留めて、両親の気持ちに寄り添いながら、運転について一緒に考えていく姿勢が大切なのだ。 主人公が移動スーパーを始めて田舎の人たちと交流が深まっていくシーンはたまにほろほろと涙が出た。どんな人でも交流を求めているし、いろんなことを知りたい欲求があるのだ。 高齢者を移動スーパーの助手席に乗せて、仕事をする主人公。いろいろなものを見聞きできて喜ぶ高齢者。助手席に乗る予約をできるノートがある。予約がたくさん入っている。素敵だ。

Posted byブクログ

2024/10/20

都会に住む50代サラリーマンの雅志。 田舎の父が80代を前に事故を起こしかける。 運転せざるを得ない過疎地の高齢者、高校生の息子との不仲等重めのテーマなのにストーリー全体が前向きで面白い。垣谷さんらしい考えさせられるけど暗くならない内容。

Posted byブクログ

2024/10/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

時々ニュースで見る高齢者の運転による事故。公共交通手段が消えていく過疎地域では運転をやめられない現実。離れて住む両親が高齢になった時子どもはどうするか。 またローン返済とある程度の生活水準を保つため共働きする親と、ひとりで過ごす子どもの気持ち。 共感できる点が幾つもあり読み易い。 結末は少し甘いというかそんなに上手くいくことばかりだろうかとついひねくれた考えを持ってしまうが、読み終えてホッとする本だった。

Posted byブクログ

2024/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めて垣谷さんの本を読みました。 ちょうど帰省した際、来年、自分の車を譲ってくれと言われた時、親父にまだ乗るの?と聞いたら、試験に受かったら乗ると答えられたところ。 ナウな話題だと思い、何の気なしに読んでみたらあっと言う間に読破!うちの家はここまで過疎ってないけど、似通ったところはあった。まー少し俺より上の世代かな。けど、それがまたやがて来る将来かと思い、考えさせられた。 主人公は結果的にものすごく柔軟に考えていると思う。人は人と関わることでしか喜びを得られないかもしれない、と何となく思う。 職業柄、こう言う生協のような移動式スーパーがあることは知ってたけど、割と楽しいのかもと思う。先日、知り合ったお客さんが今は福岡で野菜を中心とした販売店をしているけど、それまでは国の第三セクターの管理会社になるためのな提案書を作ったりしていたが虚しくなり辞めたと言う話を聞いた。今は毎日近所の寿司屋などの飲食店、主婦など常連さんと話しながら自分で野菜を仕入れて売っていて楽しいと言っていた。それに近いものを感じた。 自分も食品メーカーで営業をしているが、喜びを感じる時は本当にいいものが出来て、それが人に喜ばれた時。店で販売していた時、差し入れを持ってきてくれた人とか、ずっと作ってくださいね!って言ってくれた人や。。逆にありがとうございます、なんて言われて買ってもらったのになんで?って思う時も。 本を読んで、何だかそんな感覚を思い出した。 きっとそれが正しいことなんだろうなって思う。人間は老人になると子供になると言う言葉は印象的だったな。良い本だと思う。おすすめです。

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2024/07/08

相変わらず垣谷さんの本は面白い。今回もすらすら読めた。高齢ドライバーの問題、自分の親に重ねて読んだ。

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2024/06/24

高齢者ドライバーによる事故多発を受けて、猪狩雅志は田舎住まいの老父に運転免許の返納を促す。だが里帰りして見たのは、車なしでは日常生活に支障をきたすまでに過疎化し高齢化している郷里だった。 ニュースでも取り上げられる「高齢者ドライバーの事故」では、誰もが免許返納を口にする。ワタク...

高齢者ドライバーによる事故多発を受けて、猪狩雅志は田舎住まいの老父に運転免許の返納を促す。だが里帰りして見たのは、車なしでは日常生活に支障をきたすまでに過疎化し高齢化している郷里だった。 ニュースでも取り上げられる「高齢者ドライバーの事故」では、誰もが免許返納を口にする。ワタクシ自身、本書を読むまで安易にそう思っていた。しかし、交通手段が次々と打ち切られ、買い物、通院、些細な娯楽すら困難になっていく地方の現実を提示されて考えさせれた。 本文中で「誰もがいつかは高齢者になる」という息子の言葉に雅志がハッとしたように、高齢化社会を考える全ての人がそのことに気づき、自分事として考えられるようになれば、まったく新しい解決策が生まれるのではないかと思った。

Posted byブクログ

2024/05/28

垣谷さんの本は、明るく前向きに終わることが多くて読んでいて心地よい。今回も田舎ならではの繋がり、主人公の奮闘ぶりなど面白くて一気読み。頑固だけど息子思いの優しいお父さん、気が強いけど義父母のためにあれこれ案を出してくれる妻…他にも登場人物みんなが優しくてほっこり。

Posted byブクログ

2024/05/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うちの義父も運転をやめません。 少し違う部分ですが、 「今までずっと将来のためにと考えて、やりたいことを我慢して生きてきた」 この一文が今の自分に刺さりました。 受験に始まり、できるだけ前に進む道から逸れないようにとなんの疑問も抱かずに、今の今まできていますが、やりたいことをやれるのはいつ?と問われると、体が動きにくくなったあと、なのかもしれない…どうしよう。 免許に関しては、ある程度の年齢になると、必要性や個人の差など関係なく、返納する制度にしてもいいのではないか、それが理想な気がしてますが、現実的にはそうさせて、その穴をカバーでききれるもの、そういうものがない。 若いときには考えもしなかったことに、歳を重ねると気がついたりする。自分がそなの年代になったときはどう思うんだろう。 とまあ、色々共感したり考えたりさせられました。

Posted byブクログ

2024/03/27

タイトル通りの本でラストが綺麗にまとまっているのは小説ならでは。でも、案外現実もそうなのかもしれない。落とし所を見つけ、よく話し合い、その時が来る前から決断して準備を始めないと、と、田舎を持つ人間からすると心がザワザワする本でした。 宮崎本大賞を受賞しているようです。

Posted byブクログ