口福のレシピ の商品レビュー
主人子は、フリーのSEをしながらを自作の料理の写真とレシピをSNSで発信している留希子。 実家が老舗の料理学校「品川料理学園」を経営していて、幼い頃から学校の後継者としての将来が決まっているような雰囲気を嫌って家を出て、だけども料理は好きだったので自分流のレシピを上げては認知度を...
主人子は、フリーのSEをしながらを自作の料理の写真とレシピをSNSで発信している留希子。 実家が老舗の料理学校「品川料理学園」を経営していて、幼い頃から学校の後継者としての将来が決まっているような雰囲気を嫌って家を出て、だけども料理は好きだったので自分流のレシピを上げては認知度を上げてきた日々。 そんな彼女の日常に、昭和が始まった頃に品川家の台所で女中奉公をするしずえの姿が挟まれて進むお話。 前半、「水曜日の春菊」までは、竹の子をはじめとしておいしそうな料理が次々と出てきながらも、お話としてはややつかみどころがない感じ。 「木曜日の冷や汁」になって、理事長でありながら創業者の流れをくむ女性たちに頭が上がらない姿でそこまで描かれてきた坂崎が焼いた鯵を持って来たところからようやく面白くなってきた。 持参した鯵を使って『本当の冷や汁』を作る坂崎の姿がまず格好いい。加えて芋焼酎を飲みながらの留希子の愚痴に、一度言いたかったと切り込むところがなかなか。 「金曜日の生姜焼き」から、そのレシピを巡って、さらに物語は動き出す。そこまでゆるゆると語られてきた昭和の物語と、留希子の今がつながる描写がとても良い。なかなかほぐれぬ留希子vs.祖母・母の関係の中で、ここでもまた坂崎がいい働き。 終章、「あとしまつの日曜日」ではしずえのその後が満ち足りたものであったことが分かり、後味も良かった。
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昭和初期のしずえと現代に生きる留季子。二人を繋ぐことになった生姜焼きのレシピ。 昭和の初めならしずえのような境遇になる人もいたのかもしれないけど、まあまあ裕福で学もありそういうお商売の人でもないのだから品川の2代目夫妻は罪作りだと思う。留季子のレシピアプリ試したい。 今回もどれも...
昭和初期のしずえと現代に生きる留季子。二人を繋ぐことになった生姜焼きのレシピ。 昭和の初めならしずえのような境遇になる人もいたのかもしれないけど、まあまあ裕福で学もありそういうお商売の人でもないのだから品川の2代目夫妻は罪作りだと思う。留季子のレシピアプリ試したい。 今回もどれも美味しそうな料理がたくさん。で、坂崎さんとは結局どうなるんだろう。
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料理学校に関わる留希子さんとしずえさんの、過去と現在の物語が交互に出てくる展開が徐々に繋がって理解できた。 出てくる色んな料理、美味しそうだった。
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先祖との繋がりを感じる、引き込まれる内容だった 悲しい女性の人生も描かれていたが、悲しいだけでは表現しきれない気持ちになった 面白い小説だった
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江戸時代から続く老舗の料理学校が実家である留季子。と、昭和初期その料理学校に女中奉公に来ていたしずえ。 ふたり時代が行ったり来たりしながら話は進んでいく。 違う仕事をしていたけど、料理好きでSNSで発信したりと料理に関わっている留季子。 しずえは、どのように調理したらおいしく食べ...
江戸時代から続く老舗の料理学校が実家である留季子。と、昭和初期その料理学校に女中奉公に来ていたしずえ。 ふたり時代が行ったり来たりしながら話は進んでいく。 違う仕事をしていたけど、料理好きでSNSで発信したりと料理に関わっている留季子。 しずえは、どのように調理したらおいしく食べてもらえるかを考える日々。 その時代で情景は全く違うけれどふたりに共通点もあり、身の振り方をどうするのか。 大きな決断を迫られた生きる時代が全く違うふたりの物語。 ひ香さんだから、ほんと難しくなく読みやすく、すーっと入ってくる。
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美味しそうなお料理がいっぱい出てきます。 そこは楽しかったです。 戦前の女性は本当に大変だったんだなぁと、切なくなりました。
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留希子が作る料理が、季節感がありどれもおいしそうで、気軽に作れそうな感じだった。 骨酒、竹の子、春菊、冷や汁、生姜焼き、梅仕事、スープなど。 生姜焼きをめぐっての過去の出来事も、順に語られ、その時代の考え方に巻き込まれた女性の在り方が、なんとも言えなかった。しずえさんのような考...
留希子が作る料理が、季節感がありどれもおいしそうで、気軽に作れそうな感じだった。 骨酒、竹の子、春菊、冷や汁、生姜焼き、梅仕事、スープなど。 生姜焼きをめぐっての過去の出来事も、順に語られ、その時代の考え方に巻き込まれた女性の在り方が、なんとも言えなかった。しずえさんのような考え方の人がいて、どれだけの人が助けられたのだろうかと思う。昔の女性の我慢の上に成り立った事柄が、どれほどあったんだろうかということも考えさせられた。
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時代は違うけど2人の視点からお話が進んでいく。 留希子さんとしずえさん。 SNSを駆使し、レシピを公開している留希子さんと、旦那様からの依頼でレシピ作りを始めたしずえさん。 レシピ作りに翻弄されつつも、それに生きがいを感じていく2人。 原田ひ香さんの作品には美味しいものがたーくさ...
時代は違うけど2人の視点からお話が進んでいく。 留希子さんとしずえさん。 SNSを駆使し、レシピを公開している留希子さんと、旦那様からの依頼でレシピ作りを始めたしずえさん。 レシピ作りに翻弄されつつも、それに生きがいを感じていく2人。 原田ひ香さんの作品には美味しいものがたーくさん出てくる。 やっぱりこの作品だと、豚の生姜焼きが食べたい。
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大正昭和を生きるしずえと平成令和を生きる留希子が「料理」を核として繋がっていく物語 2人の女性が交互に描かれて少しずつ重なっていく様は、胸が温かくなる 時代背景や自身を取り巻く環境は全く違うけれど、2人とも料理が好きで、料理にひたむきで、料理に誠実だ 出てくる料理やレシピだけでな...
大正昭和を生きるしずえと平成令和を生きる留希子が「料理」を核として繋がっていく物語 2人の女性が交互に描かれて少しずつ重なっていく様は、胸が温かくなる 時代背景や自身を取り巻く環境は全く違うけれど、2人とも料理が好きで、料理にひたむきで、料理に誠実だ 出てくる料理やレシピだけでなく、それが出来上がるまでの試行錯誤の数々、食べてくれる人への心配り、誰かに料理を作ったことがある人なら共感できるはず しずえの人生は「時代」と言ったらそれまでだけど、もう少しどうにかならないのかと切なくなった でも、そう上手く事は運ばないし、何よりしずえの旦那様と奥様への想いと真っ直ぐな心は癒される
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大量のみじん切りに心が弾み、料理のちょっとした手間を手間とも思わない主人公、羨ましいです! ストーリーとしては、なんとなく物足りなかったのですが(アプリ開発あれでうまくいくのかな?とか、祖母&母との確執の根本は?とか、結局坂崎とうまくいくのねっていうのがみえみえな感じとか)、美味しそうなものがたくさんで楽しく読めました。生姜焼きもつくってみたいと思いましたが、作ったものよりも外で食べたもの…パイアラモードやバターケーキ、卵かけご飯に惹かれました。どこかモデルになったお店あるのかな…行ってみたいです。笑
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