三体0 球状閃電 の商品レビュー
「三体」につながる前日譚。 球電に囚われた主人公と兵器に魅せられた女性の数奇の運命。 三体と同じく難しい科学描写はさらりと読み流し、でもストーリー展開は相変わらずの凄み。 やや哀しいラスト。 三体を匂わす描写が最後に。
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素晴らしいの一言。著者は現代SFの最高峰だ。本来この本は既に完結した三体シリーズの前に出ていた本だが、日本では翻訳が一番後になってしまった三体の前日譚。 量子状態にあるマクロ原子の発見とそれを武器として使う事を研究する陸軍少佐林雲と天才物理学者丁儀を中心に話は展開する。前半は量子...
素晴らしいの一言。著者は現代SFの最高峰だ。本来この本は既に完結した三体シリーズの前に出ていた本だが、日本では翻訳が一番後になってしまった三体の前日譚。 量子状態にあるマクロ原子の発見とそれを武器として使う事を研究する陸軍少佐林雲と天才物理学者丁儀を中心に話は展開する。前半は量子論とマクロ原子なる物への理解を深める内容となっている。量子論については”誰でも解る量子論”的な本をいくつか読んでみたが正直さっぱりだった。しかしこの本を読んで量子と言いうものはこんな性質を有するものなのだとイメージできた。(自分の理解で正しいのか判らんが、具体的なイメージが確立されたのは大きい) そしていよいよそれを武器に転用すべく奮闘するのだが、開発の困難さや、さらには西側諸国と中国の間で勃発した大きな戦争の中で、それを活用するのかしないのか出来るのかという過程も実にドキドキさせられる展開となる。 ラストにかけて、話の帰着が全く見えない中、林雲らによる身を挺した試みや、事態の収拾を巡るストーリには全く感心させられたし、特に子供達との写真には実際に鳥肌が立った程に心に残る場面となった。 三体1を読み始めたのはずいぶん前だし、細かいところは忘れてしまっている。とりあえず丁儀の三体425~427頁にかけての発言を読んでから読みたかった。 また、今年2023年夏には著者の長編第一作目が遂に刊行されるとの事、こちらも楽しみである。
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第一稿が2,000年ということで、三体の作者の長編第二弾が遅ればせながら翻訳されて登場となった本作。「球電」という現象をきっかけに、どんどこ話がデカくなる三体パターンのはしりが見える。呆れるほどの科学的知識を創造力をもって羽ばたかせるそのエンターテインメント性は、作者の真骨頂だろ...
第一稿が2,000年ということで、三体の作者の長編第二弾が遅ればせながら翻訳されて登場となった本作。「球電」という現象をきっかけに、どんどこ話がデカくなる三体パターンのはしりが見える。呆れるほどの科学的知識を創造力をもって羽ばたかせるそのエンターテインメント性は、作者の真骨頂だろう。終盤、おセンチすぎるきらいはあるものの、そこはそれ、お決まりパターンとして許容範囲です。とりあえず三体につながるキャラクターも出てくるので、三体をまだ読んでない方は、こちらから先に読んでもいいかもです。
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2023-02-07 大きな嘘を、山ほどの小さな真実の提示で描ききる、なかなかクラシカルな奇想SF。そして意外なほどロマンチック。 三体に直接繋がる訳では無いけれど、手触りは一緒。スケールが段違いに小さい(地球から出ない)からある意味安心して読める。 衝撃的と言うより思わず笑っち...
2023-02-07 大きな嘘を、山ほどの小さな真実の提示で描ききる、なかなかクラシカルな奇想SF。そして意外なほどロマンチック。 三体に直接繋がる訳では無いけれど、手触りは一緒。スケールが段違いに小さい(地球から出ない)からある意味安心して読める。 衝撃的と言うより思わず笑っちゃう展開にワクワクしました。
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泣いた(༎ຶ⌑༎ຶ) まさか泣けるとは…。 【三体】三部作の前日譚! シリーズ全てを読むと誓い、この作品を1番に読むべし!!߹ㅁ߹)♡ 大好きな【三体】シリーズの前日譚。 『エピソード0』として日本では3部作後に翻訳されましたが、あとがきによると、中国での刊行順は最初の...
泣いた(༎ຶ⌑༎ຶ) まさか泣けるとは…。 【三体】三部作の前日譚! シリーズ全てを読むと誓い、この作品を1番に読むべし!!߹ㅁ߹)♡ 大好きな【三体】シリーズの前日譚。 『エピソード0』として日本では3部作後に翻訳されましたが、あとがきによると、中国での刊行順は最初のようです。 この作品を1番に読んだ方が、シリーズを時系列で読むことができると思います。 また、腑に落ちる点も多々あるかと思います。 ただ、三部作後に読むのはまたそれはそれで楽しみのひとつ!! と感じる方もいるかと思いますので、お好みで♡(*^^*) 例えばこの作品を1番最初に読んだ場合、続編を手に取りやすいかと言われれば、三部作中の一部にはどうしても負けてしまう…。 理由は2つ。 1つは(『球状閃電』の内容がいまいちだと言うことではなく、めちゃめちゃおもしろいけど)この話で完結し、丁儀のスピンオフ作品という要素が強めであると言うこと。 もう一つは『三体』(一作目)もまた、続編に続く描き方(続きが気になりすぎる)により、またずば抜けて面白いと言うこと。 結果、日本ではこの刊行の流れが一番適切だったのでは…と感じました。 話は、陳という青年が主人公で進みます。 彼は幼少期のトラウマから『球電』の虜になり、研究に打ち込みます。 この『球電』が、三体シリーズの一部に出てくるので、知っておきたい要素となります。 陳が研究を進めていくうちに出会う人物が、軍人の林雲と『三体』シリーズきってのイケメン天才物理学者、丁儀⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝♡ その時の社会情勢でこの研究が必要であるかとの葛藤。軍人の林雲は兵器の開発として。丁儀は物理学研究者として。陳は両親を殺されたトラウマとして。 それぞれの想いを内に秘め『球電』を再度目撃すべく試行錯誤し、研究を進めていきます。 アメリカ、中国、ソ連の関係性と当時の情勢も関係してくるので、歴史が絡むと一段と話が面白くなってくる。 SFの魅力の1つです。 『三体II 黒暗森林』では、「フェルミのパラドックス」が少なからずテーマであったのですが、今回は量子力学の「二重スリット実験」を知識程度に調べておく事をお勧めします。 電子は波である。電子は粒である。 どちらとも言えるし、言えない。 それは、観察者の存在で決定する。 この実験、めっちゃ面白いですよ!! 初めて知った時ビビりました(^▽^;) 「シュレイディンガーの猫」も面白い! 箱を開けてみるまでどうなってるか分からないやつです。 私は理系の人ではないので、知識程度でしか知りませんが、本書は知っている前提で話が進んでしまっているので…(・_・; 私の頭では、科学的な事は3部作より難しく感じました(-∀-`; ) ですが劉慈欣の作品は、愛が強めに感じます。 と言うか、SF全般、愛強めでは?と思っています。 普段、偏愛要素強めのミステリばかり好んで読むからでしょうか…。゚(゚ノ∀`゚)゚。 そして読了後…、 今この空間への見方が変わってしまいました…。 ⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝ すごくすごく面白かったです!! シリーズ全部読んで欲しい♡ お勧めします!!!
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2023年2月5日図書館から借り出し。 最初はちょっとだるかったが、半分を過ぎたあたりからは一気読みに近かった。 林雲を巡る登場人物の描き方はやや類型的のような気もするが、ストーリー展開の面白さのほうが勝っている。 訳者あとがきを読むと、「三体」シリーズの前日譚というものであり、...
2023年2月5日図書館から借り出し。 最初はちょっとだるかったが、半分を過ぎたあたりからは一気読みに近かった。 林雲を巡る登場人物の描き方はやや類型的のような気もするが、ストーリー展開の面白さのほうが勝っている。 訳者あとがきを読むと、「三体」シリーズの前日譚というものであり、どう接続するかの種明かしも書かれている。遺憾ながら、その部分ははっきりとは覚えていない。 記憶力減退も甚だしくなっていたので、話の粗筋を記録として残した方がいいのかなぁ。
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球電とは何かを追うというストーリーにおいて、それが引き起こす現象の使い方が上手くSF的部分の上に感情的な部分が見事に乗っている。 三体シリーズとの関係性はそこまで高くはない?
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0にふさわしい内容だった。 三体に続きそうな描写もあり、そこも良かったが、お話として、これ単体でも十分楽しめる内容だった。 球電がまさか筆者の体験がベースになっているとはびっくりした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
球電の正体が判明してからの怒涛のSF設定のオンパレードが楽しかった。 スーパー観察者がすぐにその痕跡を消してしまったのは、黒暗森林仮説とのつながりを匂わせる。 「マクロ物質」と「マクロ世界」をもっと深掘りしてほしい。とても魅力的なSFだ。
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面白い、面白すぎるぞ「三体」シリーズ! 今作は「球電」という不思議な自然現象の謎に挑んだ主人公が辿る数奇な運命と、驚愕の"真実"の物語。前日譚だがこれまた読み応え十分。科学の理論から生まれる果てのない想像力の世界に心が躍るようだった。 三体シリーズの&quo...
面白い、面白すぎるぞ「三体」シリーズ! 今作は「球電」という不思議な自然現象の謎に挑んだ主人公が辿る数奇な運命と、驚愕の"真実"の物語。前日譚だがこれまた読み応え十分。科学の理論から生まれる果てのない想像力の世界に心が躍るようだった。 三体シリーズの"エピソード0"となる本作にはおなじみのキャラも登場し読者を楽しませてくれる。 理論に理論を積み重ね、その度に失敗を繰り返しながら少しずつ"真実"に辿り着こうとするストーリーは、科学に対する基本姿勢そのものだ。冴えわたる演出と、科学への深い憧憬を心の底から味わえた。
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