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過ぎる十七の春 の商品レビュー

3.7

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

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2024/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

得体の知れない恐怖と違和感、そして悲劇…… 分からなかったものが分かっていく爽快さがいい! あと猫の三代に何度も癒されました…!! これが30年以上前の作品と言う驚愕。 小野不由美先生のホラーの凄さが詰まっているなと思いました! 今思うと、由岐絵も入れ替わってるのをどこかで察して毎年美紀子の元へ送り出してたのかな……??

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2024/03/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「悪霊」シリーズから小野さんの作品に触れたので、登場人物の誰もが救われないような終わり方をしたことにモヤモヤするな、と感じました。 事件の原因になった彼女が浮かばれていませんよね。 そのへんも含めて、最後までどうなるかわからない、不気味な作品でした。

Posted byブクログ

2024/01/29

小野不由美の十二国記が名作なのはわかったから、とりあえずホラーを読んでくれ…。彼女の真骨頂はホラーだ! 小野不由美先生のホラーはジャンルでいうと心霊ホラーとミステリーのかけあわせ感がある。 怪異にも怪異なりの理屈があるというもので怪異がなぜ起こるのかの突き詰め方は完全にミステリー...

小野不由美の十二国記が名作なのはわかったから、とりあえずホラーを読んでくれ…。彼女の真骨頂はホラーだ! 小野不由美先生のホラーはジャンルでいうと心霊ホラーとミステリーのかけあわせ感がある。 怪異にも怪異なりの理屈があるというもので怪異がなぜ起こるのかの突き詰め方は完全にミステリー小説。 だからひたすらになんかやばいものが出てきてうわー!って感じではなくて、めちゃくちゃ好み。おもしろい。 情景描写の綺麗さと空間に恐怖を湛えさせるのがすっげーうまい。 小野不由美、小説がうますぎる(あまりにも不敬)。 表紙がぱっと見ホラーものに見えなくて切ない青春物っぽく見えるがちゃんとホラーなので…

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2023/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小野不由美は物語の入りの、雰囲気の作り方が上手だと思っているけど、そこに遊び心を加えてくることもあって、ただ惚れ惚れとしちゃう。 まずプロローグが誰かの言葉で3行。 短いプロローグはあるけど、1ページ分ほどはあったりするのが一般的。 3行に込められた切迫した気持ちで始まった後の第一章1ページ目、なんて悠長なんだろう。 状況描写に使われる色。 言葉の選び方の美しさもだし、プロローグと本文が始まるその雰囲気の差の醸し出し方に脱帽するよ。 ↓ネタバレ 直樹と典子の和気藹々とした伯母の家へ向かう様子が、なんだか『屍鬼』の始まりのような雰囲気を感じて、兄妹と姉弟で違いはあるけど、かおり姉弟思い出して、「これから何が起こるんだろう⁈小野不由美さん、どんな話にするんだろう!」とワクワク。 30ページ過ぎまでそうやってほのぼのとした雰囲気で書かれるけど、そのままほのぼの日常を読むだけでも苦じゃないわ。 まるでトトロの世界を目にしているかのようで、それはそれは平和な本で楽しいと思う。 そんな中で忍び寄る怪異。 外側から外側から蝕み始める得体の知れない恐怖。 隆の異変に奮闘する直樹の様子というのは、先にも書いたけれど『屍鬼』におけるかおりを彷彿とさせる。 呪いなのか、お化けなのか、何か得体の知れないものがじわじわと、気付いている人だけは気付いているのに、関係ない人には支障ない様子というのは、屍鬼の正体が知れるまでの様子とも似ている。 屍鬼には物体としての実態があって、この本では物体のない“呪い”であったけれど。 純然たるホラーであって、ただホラーなだけではない余韻を感じる物語は、小野不由美のホラー。 『屍鬼』と似たテイストを求めている方にもお勧めしたいと思いました。

Posted byブクログ

2023/12/04

主人公たちに降りかかって来る災厄から逃れる方法があるのか?災厄の根源を探り当てことが出来るのか?徐々に解き明かされていく。ジワジワと恐さが増していく。そんなホラー、ミステリーです。 母の姉の美紀子と従兄弟の隆の家に遊びに来た、兄の直樹と妹の典子。伯母たちが住む場所はまるで桃源郷...

主人公たちに降りかかって来る災厄から逃れる方法があるのか?災厄の根源を探り当てことが出来るのか?徐々に解き明かされていく。ジワジワと恐さが増していく。そんなホラー、ミステリーです。 母の姉の美紀子と従兄弟の隆の家に遊びに来た、兄の直樹と妹の典子。伯母たちが住む場所はまるで桃源郷。花々が咲き誇り、綺麗で直樹と典子が感動してしまうほど。私も読んでてそんな場所見てみたいと思ってしまう。でも私はあまりにも綺麗過ぎて、逆に何か不吉さを感じてしまった。何か悪い事が起こるだろうと。読み進めてくと、はじめは明るい感じなのに、やっぱりだんだんと不穏な空気が流れてくる。家中でピリピリしてた時に事件が起こる。あとは悪い方向にまっしぐら。何かとは言えないけど、"悪い気配"を感じるっていうのは恐いな。実体が近づいてくるのは目に見えるからまだいいと思うけど、"気配"というのは正体が分からない、見えないから不安と恐怖しかないな。この"悪い気配"に隆と直樹は呑まれてしまうのか…。 キーワードは"17歳"。母親たちの旧姓は菅田。菅田家の長男が"17歳"になる時に起こる謎。この"17歳"の謎を解いていくのが読んでて面白かったな。正直、前半の直樹と典子のやり取りがどうにも嫌だったんだけど、後半にこの謎解きが面白くて気になって気になってしょうがなかった。後半から面白くなった感じ。美紀子の息子への想いが切ない。1人で秘密を抱えて暮らしてたのは辛いな。 私は、隆の飼い猫の三代が好き。直樹と隆の守り神。老猫なんだけど、2人を守る姿は勇ましい。

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2023/11/10
  • ネタバレ

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春になり毎年恒例の伯母と従兄弟の家に遊びに来た直樹と妹の典子。伯母の家は花々が咲き誇る桃源郷のような場所で伯母の美紀子も従兄弟の隆も優しい。だが、今年は何かがおかしかった。 夢幻のような綺麗な里山に住む伯母と従兄弟。いつでも物静かで穏やかで優しい。そこから始まり、それが徐々に崩れていく、何かが伯母を従兄弟をおかしくしていく、だがそれが何かは分からない。徐々に日常を脅かす恐ろしい変化を感じるのに正体が分からない恐怖。その描写を小野不由美先生は実に上手く書く。そして人間の強さと弱さを、幽霊の強さと弱さを丁寧に書く。毎回小野先生の書く作品を読むと感じるが1番怖いのは人間だなと感じる。 個人的にはこの呪い直樹と隆以外に抵抗しようとした人はいなかったのか?200年の間抵抗の形跡がなく家系図しか残っていないのは違和感があった。そして三代、家を守護している描写こそあるがそれだけだ。重要なポジションだけにもう少し三代の事は掘り下げてほしかった。

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2023/10/10

見えないもの,理解できないもの,がヒタヒタと近づき,その存在を現す,不条理を伴う日本古来の恐怖を冷徹に淡々と描く筆致は,確かに小野不由美の著作だ,と瞬時に理解される.し,新作は執筆なさらないのですか….

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2023/08/27

2023.08.27 小野不由美さんのホラーは全部読んでいたと思っていたが、今までなぜかこれだけ読み逃していた。ので文庫が出たタイミングで購入。 恐ろしくはなかったが、さすがはホラーの名手。そしてミステリにも破綻がなく隙がない。

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2023/08/14

2023.8.13読了。 ホワイトハート時代に既に読んでいるものの、現在手元に無かったこともあり購入。 久々に読んでみて、まず最初に描かれる春の花里の描写に驚いた。 最近の小野不由美作品にはみられない、華美な文言のオンパレード。言葉がこれでもかと飾られて溢れるように豪華に盛り...

2023.8.13読了。 ホワイトハート時代に既に読んでいるものの、現在手元に無かったこともあり購入。 久々に読んでみて、まず最初に描かれる春の花里の描写に驚いた。 最近の小野不由美作品にはみられない、華美な文言のオンパレード。言葉がこれでもかと飾られて溢れるように豪華に盛り付けられている。文字の羅列でしかない文章が春の柔らかな空気と咲き誇る花々の色彩を想起させる。 それが仙郷や桃源郷のようだと比喩される百花繚乱な里のイメージに妙に似合っていて小野不由美の文章としては異質なのにこれはこれでアリかとも思える。 とはいえ、ちからの入り方に作者の若さを感じるのも確か。近年の営繕かるかや奇譚のような削ぎ落とされて磨かれて洗練された文章との違いは、30年前の作品だと思えば得心がいく。 しかしながら話の展開や章ごとに挟まれるモノローグ(章を重ねるごとに言葉が増えて形が顕になっていく構成が秀逸。)の使い方、ホラー要素からは30年前の作品だとはとても思えない。 不穏な微かな違和感が徐々に日常を蝕んでいく怖さや登場人物達が呪いを辿り対峙する恐ろしさ、そして呪う側の激しい怨みと深い悲しみが心に残る。 ただ惜しむらくは呪いの引き際がやけにアッサリしていたところか。二百年間何代にもわたって呪っておいて、物分かりが良過ぎるような。 話が通じないからこそ怪異は怖いのだと思う。 小野不由美のホラーは後味が切ない。 読後の余韻は清々しくなく、ほんのり哀しい。 そこが魅力だといつも思う。 親になった今、母親の情も理解できるから余計に胸に迫るものがあった。

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2023/08/11

注意点 ・怖いです。ちゃんと怖いです。ホラー小説が苦手な人は要注意です(回れ右してもOK!) ・1/3まで読めたら怖くても最後まで読むべきです。結末まで面白いので、ホラー小説が苦手な人も満足感を得られるでしょう。 ・小野不由美さんの「十二国記シリーズ」を既に読んでいる場合はホラー...

注意点 ・怖いです。ちゃんと怖いです。ホラー小説が苦手な人は要注意です(回れ右してもOK!) ・1/3まで読めたら怖くても最後まで読むべきです。結末まで面白いので、ホラー小説が苦手な人も満足感を得られるでしょう。 ・小野不由美さんの「十二国記シリーズ」を既に読んでいる場合はホラー小説が苦手でも大丈夫です。「魔性の子」に耐えられたなら何とかなります。

Posted byブクログ