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あんの明日 の商品レビュー

3.9

26件のお客様レビュー

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2024/08/10

時代背景が違うから、悩みの中身も様変わりするけど、女が自分の道を希望を持ってどう切り拓いていくのか、、、岐路に立った時に、どう考えるのか、、、自分の来し方と比べたり、お安のいく末を心配したり、、、どきどきしながらも、いっしょに悲しい思いを味わいながらも、でも、最後には希望の持てる...

時代背景が違うから、悩みの中身も様変わりするけど、女が自分の道を希望を持ってどう切り拓いていくのか、、、岐路に立った時に、どう考えるのか、、、自分の来し方と比べたり、お安のいく末を心配したり、、、どきどきしながらも、いっしょに悲しい思いを味わいながらも、でも、最後には希望の持てる清々しい気持ちになれる、シリーズも7巻まできて、主人公、物語ともに円熟味を増してきた。さらに、日本に新しい料理や素材が入ってきた時の様子が想像できて、そこがまたこの物語を読む醍醐味でもある。

Posted byブクログ

2024/08/01

前回とめ吉をさらって、味噌まみれにした悪党の件は、犯人がお縄になったことで一件落着。 あとはとめ吉の心に傷が残らないよう、おやすと政は見守っている。 しかし事件の背後に、若女将の秘密が隠されていて、それがねじ曲がって若旦那への誹謗中傷が取りざたされる。 口の堅いおやすは、若女将...

前回とめ吉をさらって、味噌まみれにした悪党の件は、犯人がお縄になったことで一件落着。 あとはとめ吉の心に傷が残らないよう、おやすと政は見守っている。 しかし事件の背後に、若女将の秘密が隠されていて、それがねじ曲がって若旦那への誹謗中傷が取りざたされる。 口の堅いおやすは、若女将からも若旦那からもそれとなく話を聞いたけれど、何もできることはないので、自分の心にふたをする。 そんな時おやすの前に現れたのが、渦中の人物である相模屋の女郎・桔梗だった。 彼女は、事件の全貌をおやすに告げ、「あなたの姿は、あたしの明日」と言う。 ここにちょっとぐっと来てしまった。 おやすが誠実に懸命に仕事と向き合っていることを、ちゃんと見ている人がいて、それを評価し、目標としたいといってくれる人がいる。 仕事をしている人間にとって、こんなに嬉しいことはないだろう。 そして今回、おやすは自分の将来について真剣に考えざるを得ない事態に陥る。 平さんが独立することもあり、お勝手女中を新しく雇うこととなり、その指導を政に頼まれる。 たぶん自分よりも年上で経験もあるであろう人を、指導する難しさに、最初から及び腰のおやす。 けれど、この先料理人としてやっていくのなら、人をうまく使えなければならない。 それがおやすのためであり、お勝手女中のためであり、ひいては店のためになるのだから。 そしてもう一つ、結婚話である。 山路一郎の気持ちははっきりとわかっていたけれど、おやすの気持ちが今ひとつわからなかったのだが、双方ともに思いあっていたのだね。 そして双方ともに、自分の一生の仕事としたい大切なものを持っていることが、身分の差以上に二人の結婚を困難なものにするのだった。 ”ここには日々があり、料理する楽しみがあり、とめちゃんやおうめさん、政さんと笑って働く幸せがある。 それもまた、希望、なのだと、やすは思う。 大切な、希望なのだと。” この話はどこで終わりを迎えるのだろう。 おやすが一人前の料理人として紅屋を背負って立つようになってからか、それとも激動の歴史の中で人生が大きく動き、どこかで小料理屋か何かをやって身を立てるのか。 全10巻くらいかな、と思っているのだけれど、まだ続きそうな気もしてきたぞ。

Posted byブクログ

2024/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんだか今回はあれこれたくさんありましたね! 一郎さんのことや獣の肉、政さんに桔梗さんに…お小夜さんのお子ちゃまも心配。 でも桔梗さんの『あなたの姿はあたしの明日』は最強のパワーワードですね。 そして桔梗さん、めっちゃ地に足がついてる強い方。 この本は本当に魅力的な人たちがたくさん出てきますね。元気もらえます。

Posted byブクログ

2024/06/01

あ~~~~、恋愛要素もでますか~~。 そりゃそうよね。幕末の江戸、身分違いの恋を書かずしてどうする。(どうもしない) せやけど、こんなけ史実の人物も作中におりまぜてるんやから(そこがおもしろい)天文方の山路一郎さんも何かしらの人よね…? 読んでて、こういうのが 「あっ」 って...

あ~~~~、恋愛要素もでますか~~。 そりゃそうよね。幕末の江戸、身分違いの恋を書かずしてどうする。(どうもしない) せやけど、こんなけ史実の人物も作中におりまぜてるんやから(そこがおもしろい)天文方の山路一郎さんも何かしらの人よね…? 読んでて、こういうのが 「あっ」 ってならないときに、学校でちゃんと勉強してればよかったと思う。いやほんまに。(知識がないゆえにエンターテイメントの楽しみが半減するなんて)勿体なさすぎる…。 それにしてもみんなストイックすぎて、見習いたいの域を超えてる。 200年くらい前の日本はほんまにこういう暮らしぶりが普通やったんやろうから、わたしってほんま、根性も理想もなくだらだら生きててすいません…、て思ってしまうな…。 面白い本を読んでこういう方向に反省するとは思わんかった。 ストイックというか、丁寧な暮らしというか…? これを丁寧っていうたら当時の人に怒られそうやけど(? 苦労は今よりはるかに多いやろうからな)、わたしの年齢が年齢なので、丁寧な暮らしにはめちゃくちゃ憧れるんやろうね。 目の前のことにちゃんと感謝して、一つずつこなしていこう、と、心の底から思った(どうした)。 人間、素直が一番やな…。 それはそれとして、ほんまに面白い。 著者の本はあれこれ読んでるし、読むたびに、ああ、と、襟を正さなあかんなと思う。 女性目線で語られる本が多いけど、著者ってもしかして…女性…? (男性と思ってた)

Posted byブクログ

2024/03/23

好きなシリーズの第7弾。 いやー、おやすがどんどん大人になっていくなぁ。 人の上に立つことへの悩み 一郎さんへの想い 料理の道で生きる覚悟 敬遠していた食材への挑戦 盛り沢山な巻でした!! 政さんがおやすに説く、頭となって人を使う際の心構えは、職場で中間的な位置にいる自分に刺...

好きなシリーズの第7弾。 いやー、おやすがどんどん大人になっていくなぁ。 人の上に立つことへの悩み 一郎さんへの想い 料理の道で生きる覚悟 敬遠していた食材への挑戦 盛り沢山な巻でした!! 政さんがおやすに説く、頭となって人を使う際の心構えは、職場で中間的な位置にいる自分に刺さりました。 時は幕末で価値観が大きく変わっていく時代だし 時代の変化がきっとおやすにとっても良い流れになっていくと思いたい。 桔梗がいる土蔵相模は高杉晋作や伊藤博文が贔屓にしていたので有名だけど、今後そんな人たちも絡んできたりするのかな?!

Posted byブクログ

2024/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お勝手のあんの第七巻。 江戸で知り合い品川まで通ってきていた天文方の侍、山路一郎に、 一緒になってほしいと言われるが、 結局別れてしまった。 料理人としての道を選んだあん。 悲しむ一方、 苦手だった、ももんじ、豚の角煮にも挑戦したり、 新しい年上の女中に料理を教えたり、 平蔵さんのかわりに板前となる修行に励んでいた。 政さんの江戸行きの話はなくなったらしい。 紅屋の若女将から自分の妹が女郎という話を聞かされるが、 なんかちょっと唐突。 どうもそれがとめ吉が味噌屋の帰りに襲われた遠因だったらしいが。

Posted byブクログ

2023/11/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

江戸時代末期、旅籠で女料理人を目指すおやすの物語、第七弾。お互いに好き合う山路一郎との別れがあり、初めてのももんじ料理・豚肉のトンポーローに挑戦あり。現在当たり前に食べている肉料理、初めて食べるの頃は大変だったんだなあ。

Posted byブクログ

2023/11/04

〈お勝手のあん〉シリーズ第七作。先日第八作の方を先に読んでしまったので先が分かっている部分もあるが、読めて良かった。 シリーズを追いかけている私からすると、第一作では『色が黒くて不器量だった』あんが、花が開くかのように美しくなり、天文方役人の嫡男・山路一郎に求婚されるほど互いに...

〈お勝手のあん〉シリーズ第七作。先日第八作の方を先に読んでしまったので先が分かっている部分もあるが、読めて良かった。 シリーズを追いかけている私からすると、第一作では『色が黒くて不器量だった』あんが、花が開くかのように美しくなり、天文方役人の嫡男・山路一郎に求婚されるほど互いに想い合う仲となり、そして料理人として小僧・とめ吉や新しいお勝手女中・うめを使う立場となり…と確実に成長しているあんの姿に感慨を覚える。 山路一郎からの求婚の行く末については先に八作目を読んでいて知ってはいたものの、その内容が悲劇的なものではなく互いの生き方の違いを認め合ったうえでの前向きなことであることが分かり少しホッとした。とはいえ切ないことであることには違いない。 だがあんにはグズグズと悩んでいる余裕はない。 とめ吉と一緒に新しいうなぎ料理を考えたり、若だんな夫婦の悩みに触れたり、これまで手を出そうとしなかった豚肉料理に挑戦しようと考えたり、お小夜さまの赤ちゃんの体調がなかなか安定せず心配したり。 あんは父親から女衒に売られたところを〈紅屋〉の大旦那に救われた孤独な娘であるが、〈紅屋〉の若女将・おゆうもまた数奇な女性だということが分かった。 新しいお勝手女中・うめも颶風で夫を失い、一人息子を里に預けて一人〈紅屋〉で働いている。 あんの師匠・政もまた家族を失くした孤独な男だし、とめ吉もこの時代当り前とは言え幼くして奉公に来ている。 皆が何かを抱え〈紅屋〉で懸命に働いている。そして〈紅屋〉は彼らが存分に能力を伸ばし発揮できるように、当時としては考えられないほどの社員ファーストな職場として彼らを万全の態勢で支えている。そこが心地良い。 今後の展開としては、いよいよ明治維新を迎えるにあたって〈紅屋〉がどう変化するのか、その変化にあんはどう立ち向かうのかというところが楽しみ。 また、あんの弟・平吉がそのうち何かしらの形で登場するのかも気になる。勘平のように思わぬ形で再会ということがあるだろうか。 『女であるとか若いとか、そんなこと関係なく、自分の足で早く歩いて、自分の腕で生きていきたい』 あんの姿は誰かの希望になっているのが嬉しく、これからのさらなる成長が楽しみとなる作品だった。

Posted byブクログ

2023/10/25

202301/紅屋の人達や立場など恵まれた舞台で都合よい展開もあるけど、前向きにがんばろうと思える暖かい良シリーズ。

Posted byブクログ

2023/10/03

また優しい人たちばかりだな。そして前向きな人たちが多くて、読んでて自然と心が明るくなる。 一郎の決心や、桔梗の本心、おうめさんの過去。苦しいことを経験しても、折れちゃわない人たち。フィクションだし綺麗ごとかもしれないけど、それでもやっぱり優しくて明るい登場人物たちが私は好き。

Posted byブクログ