三流シェフ の商品レビュー
料理の世界に「三流」という言葉がこんなにも輝くとは思わなかった。 ぼんやりと未来のことを考える。子供たちの笑顔が浮かぶ一方で、夜も眠れない日々。そんな中で読んだ三國清三氏の「三流シェフ」は、力のない自分が何かを成し遂げられるかもしれないというかすかな希望をくれる。三國シェフは自...
料理の世界に「三流」という言葉がこんなにも輝くとは思わなかった。 ぼんやりと未来のことを考える。子供たちの笑顔が浮かぶ一方で、夜も眠れない日々。そんな中で読んだ三國清三氏の「三流シェフ」は、力のない自分が何かを成し遂げられるかもしれないというかすかな希望をくれる。三國シェフは自分を三流と称しながら、誰もやりたがらない皿洗いや雑用を情熱と覚悟でこなし、その努力が道を切り拓いたという。 彼の姿は、将来に漠然とした不安を抱えながらも、自分に重なる。完璧ではないけれど、一歩ずつ確実に進むこと。彼が経てきた理不尽や挫折の数々が、僕の胸に深く刺さり、今の自分を励ましてくれる。目の前の霧が晴れず、足元の道が見えなくても、やるべき仕事に真摯に向き合う姿勢を思い出させてくれる一冊だ。
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北海道の増毛に生まれる めっちゃ田舎 食べるものはその日に漁で獲ってきたもの 小学校も漁で休みがちだった たまに学校にいくと先生から、漁の方は大丈夫なんかと心配された 中学生になって初めてハンバーグ食べた 今までは食べた肉はあったが全て元が何なのかわかる形だったが、今回はミンチ...
北海道の増毛に生まれる めっちゃ田舎 食べるものはその日に漁で獲ってきたもの 小学校も漁で休みがちだった たまに学校にいくと先生から、漁の方は大丈夫なんかと心配された 中学生になって初めてハンバーグ食べた 今までは食べた肉はあったが全て元が何なのかわかる形だったが、今回はミンチ肉だったので元の形がわからない肉だったのでびっくりした ハンバーグに感動して料理人になることにした 札幌グランドホテルという一番良いホテルで働くことに決めた だけど中卒じゃ働く資格がなかった たまたま見学できるタイミングがあって、その時にこっそり厨房に隠れて見学の列からバレずに1人残った そこで料理長に直接ここで働かせてくださいとお願いした 最初はひたすらパートで皿洗いだった 半年後には社員になった 2年働いたあと、東京の帝国ホテルに行くことに決めた 帝国ホテルではまたアルバイトの皿洗いからだった 数年後、スイスの大使館の料理人で働くことになった 料理なんてほとんど作ったことまだないのに 1週間後にはいきなりアメリカの大使の人との会食があって、12人分の料理を作ることになった 近くのレストランに行って働かせてもらって、何とか1週間で料理を作れるようになって褒められた
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NHKの「最後の講義」を観て興味を持ったので。名前だけは聞いたことはあったが、その物語を読んで、強烈なバイタリティと自ら切り開く精神に感銘を受けた。読後に三國シェフが新たにオープンしたレストランを訪れ、念願の食事を堪能しつつ、サインも頂いた笑
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少し前にテレビで三國シェフの特集を見たのですが、めちゃくちゃ面白かったので改めて文庫本を購入! 北海道の田舎で生まれた三國さんが、東京で人気の『オテル・ドゥ・ミクニ』を開店するまで。幼少期に北海道の田舎で生まれ、中卒で札幌グランドホテルの厨房に入り、そこからなんとか東京の帝国ホテ...
少し前にテレビで三國シェフの特集を見たのですが、めちゃくちゃ面白かったので改めて文庫本を購入! 北海道の田舎で生まれた三國さんが、東京で人気の『オテル・ドゥ・ミクニ』を開店するまで。幼少期に北海道の田舎で生まれ、中卒で札幌グランドホテルの厨房に入り、そこからなんとか東京の帝国ホテルにバイトで潜り込めるも、社員にはなれず。田舎で漁師にでもなろうと覚悟を決めていたところ、スイスの大使専属料理人に抜擢され、そこからフランス本場で名だたるレストランを高級取りとして渡り歩き修行。 日本に戻ってからは、自分の腕試しをしたいと思い、小さな店を開くが、自分の味を追求するあまり、厨房で鬼のように厳しい姿とあまりに美味しい食事が有名となり、メディアに取り上げられる。しかし、あまりにも傍若無人に見えるその態度により、オーナーから辞めさせられてしまい、自身のスキルと、これまでの経験を活かした自身の店を四谷にオープン。 三國さんは現在YouTubeで料理動画を発信したり、70代にして自身のお店を一旦閉め、新しいカウンターだけの自分の店をオープンとのこと。 どこまでも精力的で、自分の仕事を追求する姿勢に引き込まれました。いつか三國に行ってみたい! (39歳ニート時に読了)
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カッコいいな、三流シェフ。圧倒的な技術を磨き上げ、駆け抜けた人生。全てを振り出しに戻し、フレディ・ジラルデとアラン・シャペルという本物の天才に出会ってしまった若き天才シェフ三國は、彼らの才能に圧倒されながら、彼らのように料理に再び向き合おうと宣言する。他のことは何も考えず、ただ食...
カッコいいな、三流シェフ。圧倒的な技術を磨き上げ、駆け抜けた人生。全てを振り出しに戻し、フレディ・ジラルデとアラン・シャペルという本物の天才に出会ってしまった若き天才シェフ三國は、彼らの才能に圧倒されながら、彼らのように料理に再び向き合おうと宣言する。他のことは何も考えず、ただ食材と向き合って料理をやろうとする。誰のためにでもなく、自分のための料理を目指す。新たな出発にワクワクする。
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三國シェフの自伝。 家庭の事情で中学を出て働かなくてはいけなかった少年時代。 何かを成す人は道の切り拓き方が並大抵ではない。頭もかなり良くなくてはならない。 そして努力あっての結果だが、人との出会いに導かれている。彼は出自を言い訳にしないどころか、それがあってこその自分だと言う。...
三國シェフの自伝。 家庭の事情で中学を出て働かなくてはいけなかった少年時代。 何かを成す人は道の切り拓き方が並大抵ではない。頭もかなり良くなくてはならない。 そして努力あっての結果だが、人との出会いに導かれている。彼は出自を言い訳にしないどころか、それがあってこその自分だと言う。 本文中から 苦労する覚悟さえあればどこかに居場所は見つかる。見つけた場所で一生懸命にやれば道は開ける。みんながやりたくないことを機嫌よくやることだ。苦しそうにやっていたら、周りだっていい気持ちはしない。人は人の苦労をそれほど評価しない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この人のことよく知らなかったのであまり面白くなかった オリンピックで銀メダルを取ったのに、わんわん泣いてしまう人が時々いる。嬉し涙ではない。金メダルじゃなきゃ嫌だと泣くのだ。欲しい玩具を買ってもらえない子どもみたいに。ぼくはそういう選手の気持ちが痛いほどよくわかる >わかる 気がつけばぼくもジラルデと同じことをしていた。怒り、わめき、怒鳴り散らし、時には蹴ったり、叩いたり。 つまり悪魔になった。 弁解する気はない。時代のせいにするつもりもない。他に方法はなかったのかといえば、たぶんあった。現に今はしていない。ただ単純な事実として、あの頃のぼくはそうだった。厨房で殴ったり蹴ったりすることを、なんとも思っていなかった。いやなんとも思っていないふりをした。ジラルデの厨房を再現できるなら、それこそ悪魔に魂を捧げたっていいと思っていた。開店して日も浅かった頃、なんで怒ったかもう忘れたが、腹に据えかねることがあったから、厨房にいたスタッフに「おまえらみんな辞めちまえ」と怒鳴りつけたら、ほんとにスタッフ全員にその場で辞められてしまったことがあった。そのときは、夜中にフランス時代の友人の家に押しかけて、叩き起こして、「明日店手伝ってくれ。同じ釜の飯を食った仲間だろ」と泣きついて、なんとか翌日も店を開けることができた。 >こわい、、、、
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編集が良く、夢中になって読ませる作品だった。編集者がとても優秀なのか、三國シェフの原稿が良いのかわからないけれど、とにかく良かった。 三國シェフの生まれから現在までの主要なストーリーが綺麗にまとめ上げられていた。少々削ぎ落とし過ぎてる感じもあるがそのおかげでわかりやすく面白い。 ...
編集が良く、夢中になって読ませる作品だった。編集者がとても優秀なのか、三國シェフの原稿が良いのかわからないけれど、とにかく良かった。 三國シェフの生まれから現在までの主要なストーリーが綺麗にまとめ上げられていた。少々削ぎ落とし過ぎてる感じもあるがそのおかげでわかりやすく面白い。 時代背景、登場人物の熱量、偶然の出来事などが現在の三國シェフを通して語られる。約70年の波瀾の人生だが、三國シェフの明るく前向きで一所懸命な人柄がこの人生を作り上げたと思わせる。ポジティブな人生のお手本のような人だと思った。 暗いところが一切なく明る過ぎるのでは?とも思ったが、まあいい。 読後感がとても良いので、読む人に元気を与えてくれる素晴らしい本。頑張りたい人に是非ともおすすめしたい。 そういえば、三國シェフのYoutubeを観ると愛嬌のある気の良いおっちゃんが料理を楽しんでる感が全面に出ていてこれまた面白い。しかも凄腕。そしてちょっとうっかり感も出ていてチャーミング。まったく気取らない。華々しい経歴はおくびにも出さない。 よくよく何でもないように喋ってる中に文脈とは似つかわしくないほどの含蓄や、経験、世界的な著名人の名が出るのに驚くが、この本を読めば、ああ人柄なのかと納得する。 70歳から80歳までの10年間に新たなチャレンジをされるそうなので心から応援したいと思った。
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2024.12.22 フランス料理そのものが縁遠いし、ましてや筆者が有名シェフだということも知らずに読んだ一冊。味の想像はまったくつかないけど、「三流シェフ」の誕生のプロセスはよくわかった。シェフの料理を食してみたいけど、たぶん敷居が高すぎて味わう余裕ないだろうなとも思う。
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信念を持ち、雑用も全力で取り組めばチャンスは巡ってくる。中卒パートスタッフから、鍋磨きを経て一流シェフになった三國さんの料理人人生を描いた一冊。ぐいぐい引き込まれます。
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