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ある行旅死亡人の物語 の商品レビュー

3.9

236件のお客様レビュー

  1. 5つ

    53

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    53

  4. 2つ

    11

  5. 1つ

    2

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2025/01/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今だに人気なのか予約者が多いので即読む。現在でも何十年も身分を隠して暮らしていた人がいるとは思わなかった。しかも探偵を雇ってもたどり着けなかったぐらい何もない。 2人の記者がわずかな手がかりを頼りに家族を捜しあてるが何故身元が分かるものがなかったのか、全くわからなかった。 部屋に残っていたのがぬいぐるみとベビーベッドにぬいぐるみの服。大切に扱っていたとみられ損傷もしていない。グリコ森永事件に関与していたのか、北朝鮮繋がりなのか。 未解決だけど何を考えて1日を過ごしていたのだろう。死ぬまで何か任務についていたのだろうか。

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2025/01/16

行旅死亡人 初めて聞いたし、読めなかった。 フィクションではない、現実の小説を初めて読んだけど、物語ではないからやっぱり綺麗には終わらないね。 でもそれが現実。 私は結婚する気も子供を産む気もないから、最期はどうなるんだろうとよく考える。看取ってくれる人が居るのかなって。今入院中...

行旅死亡人 初めて聞いたし、読めなかった。 フィクションではない、現実の小説を初めて読んだけど、物語ではないからやっぱり綺麗には終わらないね。 でもそれが現実。 私は結婚する気も子供を産む気もないから、最期はどうなるんだろうとよく考える。看取ってくれる人が居るのかなって。今入院中だからより思う。 この話を読んで、隠し通そうとしても誰かの頭の片隅には覚えてくれてる人がいるかもと思えたら最期が1人でもちょっとは寂しさを減らせるかなとも思えた。

Posted byブクログ

2025/01/07

新聞記者である著者が、官報の行旅死亡人の欄に、気になる記事を見つけたことから本書は始まる。 行旅死亡人とは、身元不明の死亡人のことであり、身元特定のために情報提供を求めて官報に掲載される。 その記事には、70代女性、片手の指が全て欠損、3000万もの大金を現金で保管していたこと...

新聞記者である著者が、官報の行旅死亡人の欄に、気になる記事を見つけたことから本書は始まる。 行旅死亡人とは、身元不明の死亡人のことであり、身元特定のために情報提供を求めて官報に掲載される。 その記事には、70代女性、片手の指が全て欠損、3000万もの大金を現金で保管していたことが掲載されていた。 管轄の警察、相続財産管理人である弁護士に取材をし、亡くなった女性の周辺を地道に取材すること数か月、著者はついに女性の身元を特定する。 身元が特定されたことで、警察や弁護士の仕事は完結するが、著者の仕事は終わらない。 なぜこの女性は、3000万もの大金を現金で保管しながら、質素な生活をしていたのか、住んでいた賃貸物件の借主である男性はどこの誰なのか、何よりもなぜ女性は身元を特定するものを何一つ所持しておらず、身元を隠すように暮らしていたのか、これらの謎を解き明かして初めて著者の仕事は完結する。 しかし、結局明確な答えは分からないまま本書は終わる。おそらく、同棲関係にあった男性が北朝鮮のスパイだったのではないか、という憶測は提示されたが、あくまでも憶測であって真相は分からない。 小説のようなストーリー展開で引き込まれるように読んだが、最終的に未解決のまま終わったため、不完全燃焼で星ふたつ。

Posted byブクログ

2025/01/04

行旅死亡人、初めて聞きました。 この身元不明人だった方は結果的に大金を持っていたから記者の目にとまり身元が分かったけど、そうじゃないと身元もわからず人生がなかったことみたいに喪失してしまったのかな。 核家族化がすすみ、さらに隣人の顔も知らない事が多い現代、そして未来はもっと行旅死...

行旅死亡人、初めて聞きました。 この身元不明人だった方は結果的に大金を持っていたから記者の目にとまり身元が分かったけど、そうじゃないと身元もわからず人生がなかったことみたいに喪失してしまったのかな。 核家族化がすすみ、さらに隣人の顔も知らない事が多い現代、そして未来はもっと行旅死亡人が増えていくのかも知れません。

Posted byブクログ

2025/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネットのニュースで見て気になっていたことを思い出し読んでみた。 とても興味深いし、いろいろと考えさせられる。 身元ってどうやってわかるんだろう。 亡くなったときに身の回りにマイナンバーカードでもあれば大丈夫なんだろうか? 突発的な何かがなく平均寿命まで生きるとすると、私はその頃身内が誰もいないから、すごく考えてしまった。 自分が死んだとき、私のことを覚えている人はいるかなとか。 作中の千津子さんは、(私も含め)皆ドラマチックな人生を想像するけど、たぶん北朝鮮もグリコ森永事件も関係なくて、ただその時その時に一生懸命考えて生きた結果傍から見たら謎だらけみたいになってしまったんじゃないかなと思う。 人の一生を勝手に探ってしまったからか、どうかその人生が千津子さんにとって幸せなものだったらいいなと願わずにはいられない。 孤独死=不幸とは限らないし、思いたくもないからね。

Posted byブクログ

2025/01/03

行旅死亡人という言葉をはじめて知った。年間600〜700ほど官報に掲載中されているという。行旅ということばから、行き倒れで道で倒れてしまった人と思ったけれど、本の中のように自分の部屋の中で死んでも身元がわからないと行旅死亡人ということになるらしい。たしかにその部屋の人とは断定でき...

行旅死亡人という言葉をはじめて知った。年間600〜700ほど官報に掲載中されているという。行旅ということばから、行き倒れで道で倒れてしまった人と思ったけれど、本の中のように自分の部屋の中で死んでも身元がわからないと行旅死亡人ということになるらしい。たしかにその部屋の人とは断定できないのだから、仕方ないのかもしれない。だれにも気に止められずに、だれかも分からずにこの世を去っていく寂しさを思った。一人の人におもいをはせる時間の大切さを想い、生きてきた重みも感じた。

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2024/12/29

記者の方の文章なので読みやすかった。「死者の人生を丁寧に追うのは大切」という言葉が印象的だった。晩年は人との交流が少なかったようだが、かつては家族が居て友達がいて同僚がいて、、、その人は確かに存在してこの世に生きていた。その人に一度会ってみたかった、という記者の気持ちが伝わってく...

記者の方の文章なので読みやすかった。「死者の人生を丁寧に追うのは大切」という言葉が印象的だった。晩年は人との交流が少なかったようだが、かつては家族が居て友達がいて同僚がいて、、、その人は確かに存在してこの世に生きていた。その人に一度会ってみたかった、という記者の気持ちが伝わってくる。

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2024/12/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「事実は小説よりも奇なり」を地で行く物語り。 新しい事実がどんどん見つかり、新しい謎もどんどん出てくる。ミステリ好きは楽しく読めるはず。 テンポよく進むから期待もどんどん高まってしまって、最後は少し物足りなく感じてしまう。千津子さんの人生というパズルを埋めるピースが次々見つかるけど、全てを埋めることはできない。そこはどうしてもモヤモヤしてしまうけど、人生とはそんなものなのかもしれない。 「一人の死者の人生を丁寧に追うって、本当に大切な仕事だと思いますよ。」人ひとりの人生はドラマそのもの。千津子さんの人生をもっと知りたかったな。 あとがきに「この取材では本当に“人”に恵まれた」とある。人々が取材に協力したくなるのは、著者二人の人柄や姿勢が大きかったのではないかと思う。二人の人となり、内面、仕事観、お互いの印象など知りたい。そういったところがもっと盛り込まれていたら、臨場感が高まり読者も一緒に取材しているような気持ちになるのではないかと思う。

Posted byブクログ

2025/01/05

孤独死した身元不明の女性のルーツを調べる話。実話。 事実は小説よりも奇なり、とはいうものの、現実では小説みたいに鮮やかに事件が解決されることはないんだなと思った。

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2024/12/23

行旅死亡人・・・はじめて知る言葉でした。 官報に載っているんですね。 共同通信大阪支社の記者二人(1990年生まれのペア)が、尼崎市のアパートで高額の現金を残して死亡した高齢女性は何者なのかを追う。ミステリー風味のノンフィクション。 この本はノンフィクションなので、登場するのは...

行旅死亡人・・・はじめて知る言葉でした。 官報に載っているんですね。 共同通信大阪支社の記者二人(1990年生まれのペア)が、尼崎市のアパートで高額の現金を残して死亡した高齢女性は何者なのかを追う。ミステリー風味のノンフィクション。 この本はノンフィクションなので、登場するのは、当然実在の人物。 (仮名)とない限りは本名での登場でしょう。 (仮名)はほぼおらず、皆が取材に熱心に協力してくれたことがうかがえます。 女性の身元はわかったものの、わかったことのほとんどは彼女が地元(広島)で過ごしていた時期のこと。 女性が労災給付金を打ち切ったのはなぜなのか?彼女が年齢を11くらい若く言っていたのはなぜなのか?40年くらい暮らしていた尼崎での話がほとんど判明しないのはなぜなのか?賃借人として契約した田中竜次は誰なのか?という謎は残った。 これは、各人の心の中にいる名探偵の血がさわぐんじゃないでしょうか。私の想像も止まらない。私は現実的な人間なので、賃借人が男の名前であったことは、なにか事情があって入籍はできないものの、男が女性のために家を借りたという程度のことだろうと思っている。世の中には、何かの理由で銀行嫌い(信用しない)という人も結構いるので、現金で持っていたこともまぁおかしなことではない。 労災を打ち切ったことと、住民票が消除されるような状況だったのが一番の謎だ。住民票の消除は、その人がそこに住んでいないと役所が判断したときに職権で行うことなので、役所が千津子さんを訪問したりしたときにいないとか、他の人の住民票が同じ住所地に来てしまった・・・などの理由なのだろうか。あるいは、本来は戸籍名である「沖宗」で登録されていたはずだから、「田中」なら別人であり、消除するとなってしまったのだろうか。昔は役所仕事も「手書き」で100%人力でやっていたから、どこかの段階でエラーが生じてしまったゆえのアンラッキーだったのだろうか? 高齢者の独居、孤独死では、いわゆるセルフネグレクトになり、風呂入らない掃除しないゴミ屋敷…というパターンが相応な数あるため、ご本人がセルフネグレクトとなり役所に応対しなかった…などのことも考えるには考えたけど、この千鶴子さんについてはゴミ屋敷という事情はどこにも出てこない(むしろすっきりと暮らしていた?)、歯医者にも通院していたとか、セルフネグレクトの気はなさそうである。 やはり、何かの事情で身を隠すような理由があったのか? いやー、わかんないですね。 仕事で孤独死した方やその周囲の人に関わることがあるけど、孤独死した人が、遺骨が地元に戻れて家族のお墓に入れてもらえるって、実はすごく珍しいと言うか、幸運なことだと思う。 きっと、千津子さんも広島に戻りたかったよね。戻れてよかった。この記者二人の熱意とめぐり合わせ。千津子さんが巡り合わせてくれたのかもしれませんね。

Posted byブクログ