ボーダー 移民と難民 の商品レビュー
◆首藤淳哉: 『ボーダー 移民と難民』私たちの内なる境界を考える(HONZ 2022年12月14日) https://honz.jp/articles/-/52663
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待ちに待った新刊。 「紙つなげ」も記憶に新しいと感じていたのだが それでもすでに読み終えてから8年ほど経っていたのに驚く。 今作も骨太で読み応えあり。 著作に一貫されている表舞台では輝かないスターへの愛あるスポットが感動的でキャラクターも想像しやすく描かれている。 改めて移民と...
待ちに待った新刊。 「紙つなげ」も記憶に新しいと感じていたのだが それでもすでに読み終えてから8年ほど経っていたのに驚く。 今作も骨太で読み応えあり。 著作に一貫されている表舞台では輝かないスターへの愛あるスポットが感動的でキャラクターも想像しやすく描かれている。 改めて移民と難民について普段意識することなどなく全く無知であったことに気づかされて愕然とする。 たまにニュースでチラ見する程度で当事者意識など微塵も無いに等しい。 他の先進国との難民認定数の差に驚き憤りを覚えるが現在の世界情勢を鑑みると今やいつ私たち日本人が他国へ亡命しなければならなくなるかは現実問題として直面する時期がすごそこまで来ているのではないかと考えると全く時代錯誤な入管政策を続けているのだなとなんだか滑稽に思えてくる。 文中にあるように「情けは人のためならず」 明日は我が身と考えて人に接することの大切さが問われているように思います。 次回作はどんな地上の星を見せてくれるのか。 首を長くして待っておきます。
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佐々さんの本は『エンドオブライフ』『エンジェルフライト』『紙つなげ』に続いて4作目。しかしこれまでとは少し違う印象を受ける本だった。 難民と聞くと世界のどこかの話に思えてしまう。 でも少し考えればわかることだった。日本にも難民が来ないはずはない。 本書では、 ・日本の難民認定...
佐々さんの本は『エンドオブライフ』『エンジェルフライト』『紙つなげ』に続いて4作目。しかしこれまでとは少し違う印象を受ける本だった。 難民と聞くと世界のどこかの話に思えてしまう。 でも少し考えればわかることだった。日本にも難民が来ないはずはない。 本書では、 ・日本の難民認定について ・技能実習生の実態について ・日本で困っている移民難民の方々をサポートする組織について 佐々さんの取材を通じて知ることができる。 本書で私がハッとさせられたのは次の2点だ。 ・日本人の差別意識が無自覚にとんでもなく高いこと ・日本の入管について、移民、難民について自分が驚くほど無知であったこと ・日本人の差別意識が無自覚にとんでもなく高いこと 昨今"Black lives matter"が取りざたされているように、アメリカにおける黒人差別問題は世界的に知られている。しかし、日本人に「あなたは日本で人種差別があると思いますか」と問えば、あまりない、とかわからない、という感想を抱く人が多いのではないかと推測する。 しかし、少し立ち止まって、ゆっくり考えてみてほしい。 近所にベトナム人の技能実習生が複数人で引っ越して来たら、日本語の不自由そうな大きな黒人がコンビニのレジに立っていたら。ハーフの人が日本代表として代表選手に招聘されたら。一抹の不安や違和感のようなものを抱かないと言い切れるだろうか。ただ単に、他国と比べて人種の多様性が低いだけで、少しでも接点があろうものなら排除してしまいたいという気持ちを持ってしまう人も少なくないのではないかと思ってしまう。(もうこの考え方自体が一種の差別なのかもしれないが・・・) ・日本の入管について、移民・難民について驚くほど無知であったこと 日本の難民認定のハードルは理解不能なレベルで高い。UNHCRが書面で「この人は自国で迫害の危険にさらされています、保護してください」という依頼を発行しているのに、難民とは認められない。では、一体誰が難民として認められるというのだろうか。それに入管での人の扱いは本当にひどい。現在の日本で実際にこんなことが起こっているとはにわかに信じがたい。 自分はまだまだこの問題を知らない。わかっていない。 これを機にもう少し勉強しなければと感じた。
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あの治安維持法でさえ拘禁するには裁判所の決定が必要で最長二年までだったにも関わらず、入管は独自の判断で無期限に拘禁している実態。拘禁されているのは、なんらかの理由で母国に帰ることを拒否している人たちだ。特に母国に帰れば殺害されてしまう危険がある人も相当数いるという。それでも入管は...
あの治安維持法でさえ拘禁するには裁判所の決定が必要で最長二年までだったにも関わらず、入管は独自の判断で無期限に拘禁している実態。拘禁されているのは、なんらかの理由で母国に帰ることを拒否している人たちだ。特に母国に帰れば殺害されてしまう危険がある人も相当数いるという。それでも入管は難民と認めない。 そんな入管(国家)と戦う児玉弁護士の活躍を軸に、著者が出会った関係者への取材が描かれている。この問題に関しては「怒り」しかない。ほんとに恥ずかしい国だ、日本は。
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「入管」 ニュースで耳にしたことがある言葉 そして、入管について、ウィシュマさんの報道で「知らなくてはいけないことがある」と思っていはいたが、日々の生活とかけ離れていて、なかなか報道以上のことを知ることは、知ろうとすることはなかった。 この本を読み、ウィシュマさんは氷山の一角であ...
「入管」 ニュースで耳にしたことがある言葉 そして、入管について、ウィシュマさんの報道で「知らなくてはいけないことがある」と思っていはいたが、日々の生活とかけ離れていて、なかなか報道以上のことを知ることは、知ろうとすることはなかった。 この本を読み、ウィシュマさんは氷山の一角であることを知る。 これはすべてにおいて言えることだけど、やはり「知ることから始まる」。 読みやすく構成された本なので、中高生にも読めると思う。 おすすめ。
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