二人の嘘 の商品レビュー
読み出したら止まらなくて、一気読みしてしまいました。もうあの事件の真相は知ってしまったし、二人の最後も知ってしまった。それでも、もう一度じっくり読みたいな。初回とは違う味わいがありそうです。 東大法学部を主席で卒業した美しいエリート裁判官片陵礼子と彼女が実刑を言い渡した元服役囚...
読み出したら止まらなくて、一気読みしてしまいました。もうあの事件の真相は知ってしまったし、二人の最後も知ってしまった。それでも、もう一度じっくり読みたいな。初回とは違う味わいがありそうです。 東大法学部を主席で卒業した美しいエリート裁判官片陵礼子と彼女が実刑を言い渡した元服役囚蛭間隆也のお話。 礼子の美貌と天才的な成績の良さを強調しすぎな感じはしましたが、礼子自身が無関心なためか、イヤミな感じはありませんでした。他の方のコメントにもあるように、ドラマか映画を見ているような気持ちになります。映画化しないかなー。
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話が現実離れしていて事件の真相もやや強引に進めていく感じはあるのだが、引き込まれた。司法制度や男女の恋愛、幸福感、等々色々なテーマをむしろよく約500ページに盛り込んだと感嘆した。才能のある作家さんだなぁと思う。終わり方は儚かった、隆也さんは天国で奈緒さんと幸せに暮らして欲しい。
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お互い相手のことを思いあって嘘をつく、悲しいラブストーリーでした。 「門前の人」という人のことを初めて知りました。 判事が主人公の話かな?難しそうだなと覚悟して読み始めるが、わかりやすく裁判員制度なども絡めながらミステリーとしても読み応えがあった。 でも、やたらと美しい唇、目、...
お互い相手のことを思いあって嘘をつく、悲しいラブストーリーでした。 「門前の人」という人のことを初めて知りました。 判事が主人公の話かな?難しそうだなと覚悟して読み始めるが、わかりやすく裁判員制度なども絡めながらミステリーとしても読み応えがあった。 でも、やたらと美しい唇、目、まなざし、など美しい〇〇と礼子についての多用が気になった。何かのオマージュ的なモノかな?少しくどいなと思った。 最後の手紙は印象的でした。 悲しい告白で、初めて彼が心情を語り、なんて心優しく強い人なんだろうと思った。そして、辛く過酷な人生でも温かな気持ちになれる時があったのは唯一よかったなと思った。 文庫本では北上次郎氏の書評が! 昨年お亡くなりになり、もう新しい書評は読めないと思っていたので、ここで読めたのが思いがけずとても嬉しかった。
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『おれの手は、いつも間違える』 『わたし、間違えるから。だから、明日も一緒にいてください』 最後まで胸が締め付けられる 悲しいラストだけど 礼子が愛を知り、心を取り戻していく様子は とてもジーンときた 礼子はこの先どんな人生を歩むんだろう? 幸せになってほしい
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読み進めて行くうちに、主人公の裁判官判事の片陵礼子への印象が変わっていく。 へんじん→ ごうまん→はかない→かなしい なんで人は、大事なことを話すとき、横にいるんでしょうか。 むきあってしまえば、目を見てしまう。 目を見てしまえば、真実を語りたくなってしまう。 主人公が元服役...
読み進めて行くうちに、主人公の裁判官判事の片陵礼子への印象が変わっていく。 へんじん→ ごうまん→はかない→かなしい なんで人は、大事なことを話すとき、横にいるんでしょうか。 むきあってしまえば、目を見てしまう。 目を見てしまえば、真実を語りたくなってしまう。 主人公が元服役囚の蛭間隆也と会話するこの言葉が、私はとても心に残っています。 目を見ないからこそ、本当のことをあえて二人は言わない。 そこが本書の良いところであり、悲しいところです。 しかし、裁判官判事と元服役囚が男女の仲になるって、現実離れしているところに、少々冷めました。
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「スノーマン」のときもそうだったが、一雫ライオンの文章は本当に美しい。文章から浮かび上がる情景がとても繊細で、時に淡く時にシャープで、FFで有名な天野喜孝のような世界。そして、自分を塞ぎ生きるための選択を優先する主人公と、この文章が素晴らしく調和する。面白かった。
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人の幸せは、何だろうかと深く考えさせられました。ハイソな生活をしていても、愛情や相手を労わる気持ちがない家庭だったり、生活に生きる価値が見つけられなければ、虚しい生活に過ぎません。 小説の最後は、悲しい結末となりましたが、礼子は人生の中で最高に幸せなひとときを過ごせたのではな...
人の幸せは、何だろうかと深く考えさせられました。ハイソな生活をしていても、愛情や相手を労わる気持ちがない家庭だったり、生活に生きる価値が見つけられなければ、虚しい生活に過ぎません。 小説の最後は、悲しい結末となりましたが、礼子は人生の中で最高に幸せなひとときを過ごせたのではないかと思います。 表面的にはどんなに立派でも、自分の行きたいように生きなければ、人生悔いが残ると感じた小説でした。
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読後感がすっきりしない物語が苦手な私には、後半になればなるほど読んでいて苦しくなる展開だった。 幸せとはなんなのか、金でも豪華な家や服でも、仕事での名誉でもなく、自分の心許せる人と何気ない生活を普通に過ごせること。 今の自分の環境に感謝。 そんなことを考えさせてくれる一冊だった...
読後感がすっきりしない物語が苦手な私には、後半になればなるほど読んでいて苦しくなる展開だった。 幸せとはなんなのか、金でも豪華な家や服でも、仕事での名誉でもなく、自分の心許せる人と何気ない生活を普通に過ごせること。 今の自分の環境に感謝。 そんなことを考えさせてくれる一冊だった。
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淡々と日常を生きる礼子に、ふと訪れた謎が生きる喜びを与える。 金沢での二人が印象的で、だからこそ切ない。
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礼子はまるでロボットみたいと思った。 毎日同じ時間に起きて家事じして通勤をして退社して寝る。 夫にも義実家にも職場にも自分の感情持ち込まないし そもそも持っていない。 こんな人生楽しいのかなと思ったけど、 本人自身がそういう感情がないのなら話は別のなのかもしれない。 でも、元服...
礼子はまるでロボットみたいと思った。 毎日同じ時間に起きて家事じして通勤をして退社して寝る。 夫にも義実家にも職場にも自分の感情持ち込まないし そもそも持っていない。 こんな人生楽しいのかなと思ったけど、 本人自身がそういう感情がないのなら話は別のなのかもしれない。 でも、元服役囚の蛭間の前だと感情をあらわにする礼子。 とても楽しそうで、そして幸せそうだった。 夫も外で女と過ごしているし、 義実家からの扱いもなかなかにひどいし、 この夫婦の本当の形って何なんだろう。 そういうの見れば蛭間といるのが 良いのかな、なんてことを考えてしまった。 寂し間と哀愁がただようこの小説は 今の時期に読むにはぴったりの季節感だと思った。
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