二人の嘘 の商品レビュー
ここまで孤独なヒロインはいただろうか。 "二人の嘘"というタイトルに惹かれて手に取りました。 タイトル的に「何か2人に嘘をついた話」と 勝手に予測をし読み進めましたが、、 全然違った。 容姿端麗かつ聡明なヒロインである礼子を 性格含めて凄く丁寧に表現され...
ここまで孤独なヒロインはいただろうか。 "二人の嘘"というタイトルに惹かれて手に取りました。 タイトル的に「何か2人に嘘をついた話」と 勝手に予測をし読み進めましたが、、 全然違った。 容姿端麗かつ聡明なヒロインである礼子を 性格含めて凄く丁寧に表現されておりました。 また、礼子の結婚生活と幼少期の家庭環境も つらつらと書かれており、礼子自身の感情が読めてきます。 礼子は純粋に彼が好きだった。 "恋"って原動力にもなると思ったし エネルギッシュですよね、密着し合うシーンなんて すぐ頭の中で想像できました、ドキドキした(笑) ただ、そこがいい表現。彼以外に無頓着な所も良い。 終盤にかけて"彼"の過去もあらわになりますが お互いに悲しいです。本当に。 2人の小旅行はとても幸せな時間だと感じた。 ハッピーな終わり方ではないけども "彼"が選んだ最期はいくつもの葛藤があったと思う。 "ほんとうに、間違っている"と直接伝えてほしかった。 笑顔にはなれない終わり方でしたが とても魅力的な作品でした。
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なんとなく、展開が見えてしまっていたのに、ものすごく苦しくてかなしい 主人公の置かれた環境と、最後の悲劇があまりにもつらくて読み終わったあとも重いきもちを引きずってしまっている
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娘おすすめの初読み作家。お金も名声もあるのに乾いて無機質な生活...そこに僅かに灯った感情に読者も揺さぶられます。元の自分に戻れなくなっても嘘の人生から解放...ラスト実名の礼子宛に届けられた思い出が大きな喪失感のなかの希望でした。
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感情移入して何度か泣いてしまった。人物像が丁寧に描かれていて、説明し過ぎないディーティルで進んで行きある所で丁寧に過去の描写が出て来る。面白かったです。タイトルから恋愛物だと思っていましたが、私の中ではヒットです。
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- ネタバレ
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まず、文章が好き。 プロローグで心掴まれて、最後まで気になりながら読んだ。 家族に恵まれなかった2人の結末が死という形で、終わることがすごく切ない。礼子も死を選ぶんじゃないかと思ってしまった、自分ならと。 けど、最後の夫の伝言「母さんの晩飯は俺がするから気にするな」が、すごく残る。 もしかして、夫は変わろうとしてるのじゃないか。 お母さんとの思い出もそう。夫のことも。 礼子目線で文章が書かれているので、偏りがちだけど、もしかすると、母親との関係も夫との関係も違う運命線もあったんじゃないか。まだ生きてる夫との間は修復可能なんじゃないか。 物語の中で、その部分を匂わせ、感じさせてくれたことがすごくよかった。
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とても愛おしく、とても切ない作品でした。 モラハラ夫や周りの人、自分にさえも、なんの感情も興味も持たない苦しい過去を背負った才色兼備な主人公。読み始めは、なんとも可愛げのない女性だと思った。 本当の愛と人の温かさを知り変わっていく様は、初恋に心を躍らせる少女のようにかわいらし...
とても愛おしく、とても切ない作品でした。 モラハラ夫や周りの人、自分にさえも、なんの感情も興味も持たない苦しい過去を背負った才色兼備な主人公。読み始めは、なんとも可愛げのない女性だと思った。 本当の愛と人の温かさを知り変わっていく様は、初恋に心を躍らせる少女のようにかわいらしく愛おしかった。 人は愛し愛され、自分の存在意義を知ることができるのかもしれない。 不倫、不貞、禁断の恋などと言われてしまうのだろうけれど、そうは思いたくなかった二人の短い幸せな時間、叶わぬ未来を思い描いた時間。 終盤は「どうか二人を幸せにしてください」と願いながら、結末に涙が止まらなかった。
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悲しい結末ですね。年取るとハッピーエンドがいいなあと。 あんなに高スペックなら全て捨てても2人で慎ましく生きていけるでしょうに…。あの2人にとって2人でいること以上に大事なことってあんのかな?と平凡な人生しか送って来なかった生粋の凡人の私なんかは思うわけです。
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唯々悲しく刹那い 心の置き場のない作品だった。 此のての作品は、美男 美女がおきまり 醜男 醜女では、生々しい
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外から見れば全てが美しく完璧。そんな人でも、心のうちでは感情を押し殺したり、夫や姑との複雑な関係があったり… そんな日常に光を照らしてくれた存在との、本来は結びついてはいけない存在との、悲しくも愛おしい関係に読み進めていくうちに惹かれていった。儚くも美しい恋愛小説。
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