犬小屋アットホーム! の商品レビュー
お人好しだと自分が損をしたり心が壊れたりする、そこから逃げると弱虫、卑怯者のように思えてまた心が病む。そんな私でも手を差し伸べてくれる人が必ずいる。それに気がつけるか弱い自分を認め許し前に進めるかが大事、その事に気づかせてくれた本だった。
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若い人は働くけど年寄りはお金も要らなく食堂も部屋も全て無料で入れる施設ニーシャシャン、たったひとつの条件は犬と暮らすことだなんて幸せでしかない。余命わずかな人、騙してばかりの女、元ヤクザなどマダムがこの人は、と思う人たちが支配人の横須賀に連れて来られるのだけど、みんな一筋縄ではい...
若い人は働くけど年寄りはお金も要らなく食堂も部屋も全て無料で入れる施設ニーシャシャン、たったひとつの条件は犬と暮らすことだなんて幸せでしかない。余命わずかな人、騙してばかりの女、元ヤクザなどマダムがこの人は、と思う人たちが支配人の横須賀に連れて来られるのだけど、みんな一筋縄ではいかない人ばかり。どんなに嫌な人が出てきても犬と暮らすことによって変わっていく姿に、気持ちに、思わず涙が出てしまう。人の心も病気も変えてしまう犬って本当にすてきで愛おしい存在。マダムや横須賀にも悲しい過去があるからこその優しい施設。
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人に人生があるように、犬にも人生がある。ただ、悲しいのは、犬の幸せは飼い主による事。 動物愛護センターに連れ込まれた犬を引き取る横須賀。そんな犬と人生の荒波を超えた人達との暮らしが、ニーシャシャンで。 犬も人間も等身大で触れ合うって素晴らしい。 ①ヤクザの息子を庇って服役後に出所...
人に人生があるように、犬にも人生がある。ただ、悲しいのは、犬の幸せは飼い主による事。 動物愛護センターに連れ込まれた犬を引き取る横須賀。そんな犬と人生の荒波を超えた人達との暮らしが、ニーシャシャンで。 犬も人間も等身大で触れ合うって素晴らしい。 ①ヤクザの息子を庇って服役後に出所したら、組は無くなっていた。ヤクザの息子は議員に。弟分は父に。72歳になって前科持ち何ができるとくさる正丸に犬のサクラや、ニーシャシャンのメンバーは受け入れてくれる。 ②ブリーダーから生まれたが繁殖用にも販売にも向かない子犬は捨て置かれた。助かった時には、脳や骨に障害があり、歩けないし、口も閉じない。そんなチェルシーには、末期がんの七村が飼い主に。 感情も無くなったチェルシーは外部との交流を通して刺激をもらい成長していく。七村の明るさとチェルシーはいいコンビ! ③ピアノの前にずっとたたずむ犬は、まえの飼い主を思ってか?この犬と関わる事で、逃げていた感情に向き合うことが出来た、清掃員3人。娘を亡くした夫婦と、ピアノが弾けなくなったピアニスト。 ピアニストが最後海外留学できたのは良かった! ④闘犬として育てられた犬。人間に打たれて、傷つけられてきた。そんな飼い主は性格の悪いマダムの幼馴染。二人は、お似合いのコンビ。 ⑤支配人の横須賀が、ニーシャシャンにたどり着いたのは、過去犬が行方不明になった公開や、医学部の挫折、動物愛護センターで動物を殺し続けて心を病んだ事がある。避けていた家族。でも、その家族の優しさに父が亡くなってから気づく。
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最初の出所したての元ヤクザの話が好きでした。 「悪い人を許さないんです。厳しい犬です。だからサクラのパートナーはきれいな人だとみんなわかっているので」 いい人、とかじゃなく「きれいな人」という表現にグッと涙腺が、、、。 人生の後半に ニーシャンシャンみたいなとこで暮らせたら幸せだろうなぁ
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丘の上の白い建物、ニーシャシャン(犬小屋)は行き場を失った人が暮らすホーム。唯一の入居条件は犬とペアになること。 余命宣告を受けた男性や出所したての元ヤクザなど、人の人生も色々だけど、犬にも犬のドラマがある。ホームのマダムと支配人の横須賀にも飼い犬との悲しい過去がある。 飼い...
丘の上の白い建物、ニーシャシャン(犬小屋)は行き場を失った人が暮らすホーム。唯一の入居条件は犬とペアになること。 余命宣告を受けた男性や出所したての元ヤクザなど、人の人生も色々だけど、犬にも犬のドラマがある。ホームのマダムと支配人の横須賀にも飼い犬との悲しい過去がある。 飼い犬は家族の一員。毎日癒しを与えてくれる存在なので離れ離れになってしまうなんて考えられません。そして辛い過去を背負った犬たちがこのホームで生き生きと新しい生活を送っている姿はホットします。 長年家族として暮らしていても飼い主が高齢になり里親探しをする事もある中、実際に飼い犬と暮らせるホームがあるらしいですね。動物アレルギーの人もいると思うので、どこの施設でも同様に出来ないとは思いますが、人間にとってもわんこにとってもそんな施設はありがたいです。 私もわんこを飼い始めて1年ちょっと経ちましたが、こんなに癒やしを与えてくれる存在になるとは想像してませんでした。この小説を読んだら、ますます長く一緒に楽しい時間を過ごしたいなと思いました。
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2024/5/23 え、私ここに入る。入れてくれ。 最高の老人ホームじゃないの。 犬より先に死んでも心配しなくていい。 自分がボケたり寝たきりになってもおそらく大丈夫。 その時持ってる財産全額寄付するわ。 遺言も書くわ。 将来こういう施設ができてるといいね。 でも初代の尊い意志を二代目三代目に引き継ぐのが大変なんよなー
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さまざまな環境で苦労してきた人と犬がパートナーになって、ともに生きていく施設のお話。 「あずかりやさん」シリーズしか読んだことがないのですが、穏やかで品のよい印象を与えるところが似ていて好きでした。 サクッと動物虐待や悪徳ブリーダー、殺処分を書かれていて、途中からは 人間は何様...
さまざまな環境で苦労してきた人と犬がパートナーになって、ともに生きていく施設のお話。 「あずかりやさん」シリーズしか読んだことがないのですが、穏やかで品のよい印象を与えるところが似ていて好きでした。 サクッと動物虐待や悪徳ブリーダー、殺処分を書かれていて、途中からは 人間は何様なんだ!と思ってしまいました。 人間のせいで他の動物や植物、自然が犠牲になることまで深読みできる作品です
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「寄り添う」ってことをこんなにうまく表現してる物語ってないんじゃない?なんて思ってしまいました。ストーリーと、それを表現する文章もぴったり寄り添ってる。
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本当にこんな施設があったらいいのに!と思ってしまうような、夢の『犬小屋』のお話でした。 その建物は、マダムの夢の施設。 行き場をなくした人が安心して入れる『犬小屋』。 そこにいるのは、これまた行き場を無くした犬たち。 入居費用はかからない。 食事も、入浴も、光熱費も...
本当にこんな施設があったらいいのに!と思ってしまうような、夢の『犬小屋』のお話でした。 その建物は、マダムの夢の施設。 行き場をなくした人が安心して入れる『犬小屋』。 そこにいるのは、これまた行き場を無くした犬たち。 入居費用はかからない。 食事も、入浴も、光熱費もかからない。 素性の調査も、保証人の手配も必要ない。 そんな冗談みたいな施設に入るためにあるのは、たった一つの条件だけ。 パートナーとなる犬と、一緒に暮らすこと。 入居する人も、そこにいる犬も、みんな何かしらの『訳アリ』で、厳しい規則がないからこそゆるやかなつながりを持ってホーム・ニーシャシャンで生活をしています。 人と犬、そのどちらもの視点で進む話は、厳しい人生(犬生)を生きてきた彼らが、あたたかくて優しいものと出会う物語のようで、読後はほっこりとあたたかい気持ちになれます。 こんなホームが、本当に現実にあったらいいのに、と何度も思いました。 殺処分されてしまう犬や猫が、こんな優しい場所に引き取られていけたなら。どこにも行き場のなくなった人が、優しくて小さくて人の言葉を離せない生き物に触れて幸せを感じることができたなら。 人が犬を癒して、犬が人を癒す。そんな素敵な場所があったなら、私もそこに行ってみたい。そう思わせるような素敵なお話でした。 どのお話もとても素敵なお話でしたが、プロローグ前の最後の章、支配人の横須賀の視点で進むお話が一番好きです。 どこか人間離れした菩薩か何かのように見える横須賀の、人間らしい姿を見ることができたようでした。 人も、犬も、社会のコミュニティの中で生きていく動物だからこそ、一人で閉じこもるのではなく、こんな優しい場所があってもいいんじゃないかと、思います。 優しい気持ちになりたいときに、読み返したい一冊です。
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老人ホームと思いきや、犬と人がペアになり穏やかに過ごせるユートピア。辛い目にあった犬も、上手くいかないことの多かった人間も、新しい出会いで心が満たされていく。ワンコの気持ちの描写が良かった。
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