金環日蝕 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
後半は一気読み。ミステリほどミステリっぽくない、新ジャンルの面白さ。 著者が某番組で、ミステリを読み込んでいる人からすると物足りなさがあるのでは、と話していたが、決して物足りなくはない。 むしろその軽さが心地良いのに、一筋縄ではいかない複雑な内容に、最後までハラハラさせられる。 ついつい真相を予想してしまうけれど、的中した後の良い意味での裏切り。 ミステリとしてももちろん面白いけれど、 詐欺加害者の心が、誰もが隣り合わせにあるような、 極めてグレーで境界が滲んでいる曖昧さのような描き方が秀逸。 金塊日蝕のじわじわ広がる、内側が見えない感じ。 結末も、内側が見えない(詐欺事件の本質が解決しない)ところに意味があるように思う。
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序盤は女子大生とイケメン高校生のラブコメ探偵物かあ〜、シリアスな装丁とタイトルとイメージ違うなぁと。突然裏切られて、どんどんキャラ達のイメージ変わるし。びっくりしたわ。
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大学生の春風は、近所で知人の老女がひったくりにあう現場に遭遇…近くにいた高校生の錬とともに犯人を追いかけるも取り逃がしてしまう…。犯人が落としたキーホルダーを手に、2人で犯人捜しをすすめる…。 また大学生の理緒は家族の生活を守るために必死でバイトをしていたが、バイト先で出会ったカ...
大学生の春風は、近所で知人の老女がひったくりにあう現場に遭遇…近くにいた高校生の錬とともに犯人を追いかけるも取り逃がしてしまう…。犯人が落としたキーホルダーを手に、2人で犯人捜しをすすめる…。 また大学生の理緒は家族の生活を守るために必死でバイトをしていたが、バイト先で出会ったカガヤから特殊詐欺の名簿作成のバイトをすすめられ…。 一見関係なさそうに思えたけれど、読み進めるに連れて見事につながります。なんだが、特殊詐欺に身を置かなければならない状況とか、読んでいて苦しくなり感情移入してしまいます。なんだか、悲しいなぁ…何とかしてあげられないものか、考えてしまいました。すべての未来のある若者が、自分の夢を安心して追いかけられる社会になるよう、願わずにはいられません。
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はじめは「なんやこの不自然な展開は」と興醒めしたが尻上がりに面白くなってきた。ひったくり事件に遭遇した女子大生の春風と男子高校生の錬。犯人は2人を振り切って逃走。事件を警察に届けたくないという被害者をよそに2人は協力して犯人を捜査することにする。どうも面白くないなぁ...と流し読...
はじめは「なんやこの不自然な展開は」と興醒めしたが尻上がりに面白くなってきた。ひったくり事件に遭遇した女子大生の春風と男子高校生の錬。犯人は2人を振り切って逃走。事件を警察に届けたくないという被害者をよそに2人は協力して犯人を捜査することにする。どうも面白くないなぁ...と流し読みしていたがある時点から一気に話に広がりが出て食いつき度は激増。ただ軽妙で芝居がかったセリフや文章自体はあまり自分好みじゃなかった。あと渋すぎる題名と装丁が内容と合ってないのも気になる。とはいえストーリーは総じてグッド
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名簿屋、詐欺師、ひったくり犯、それぞれにそうなってしまった背景がありました。そして善の部分、人間味のある部分が見え隠れして、なーんか憎みきれない犯罪者たちが魅力的でした。
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知人の老女がひったくりに会うのを目撃した大学生の春風は、近くに居た高校生の錬とともに犯人を追う。 取り逃がしたが、犯人の落とし物に心当たりがある春風は錬と一緒に探し出すことになる。 ここから物語は始まるが、想定外の面白さ。 クールビュティーで行動力もある春風とイケメンで家族思い...
知人の老女がひったくりに会うのを目撃した大学生の春風は、近くに居た高校生の錬とともに犯人を追う。 取り逃がしたが、犯人の落とし物に心当たりがある春風は錬と一緒に探し出すことになる。 ここから物語は始まるが、想定外の面白さ。 クールビュティーで行動力もある春風とイケメンで家族思いの錬という充分に楽しめるキャラコンビにワクワクしながら読み進める。 だが外見だけで判断できないと痛感することが、次々と。 春風が大学で心理学を専攻するのも過去の出来事に関係している。 錬の父にも重い過去があり、双子の弟の足にも辛い過去があった。 中盤以降、そうであって欲しくないという心の声が響きまくりで、どうなる?状態で一気読み。 誰も親は選べず、貧困に抗うこともできずに犯した罪。 だが断ち切らないと周りを巻き込むことになる。 誰かがそばにいて明るいところへ連れださないと… 思わずにはいられなかった。 錬の父親、謎だが心優しい人だと感じた
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ここのところ凶悪な詐欺事件が世間を騒がしています。この本を読んで、騙されない自信なんて木っ端微塵になりました。個人情報もどれだけ守れるもんなんだか。善意を前提に生きていては、この世の中サバイブできなそうです。
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女子大生と高校生コンビの犯人探しで始まったこの作品。 ライトなミステリーかと思いきや、第二章からは意外な展開に。 登場人物のほとんどが辛い過去を背負っていて、 内容は重め。 実際に世の中で起こっている犯罪を扱っているので リアルな怖さを感じた。 気をつけてても騙されてしまうんだろ...
女子大生と高校生コンビの犯人探しで始まったこの作品。 ライトなミステリーかと思いきや、第二章からは意外な展開に。 登場人物のほとんどが辛い過去を背負っていて、 内容は重め。 実際に世の中で起こっている犯罪を扱っているので リアルな怖さを感じた。 気をつけてても騙されてしまうんだろうなぁ。 ラストはもしかして続編が?と思わせる着地。
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◇◆━━━━━━━━━━━━ 1.感想 ━━━━━━━━━━━━◆ 冒頭からカッコいい高校生が登場してきて、これは、もう、面白いなと、感じさせてくれる作品でしたが、読み進めると想像していた展開とだいぶ違って、なんともいえない感じでした。 すごい、スッキリしない感じです。 なにか...
◇◆━━━━━━━━━━━━ 1.感想 ━━━━━━━━━━━━◆ 冒頭からカッコいい高校生が登場してきて、これは、もう、面白いなと、感じさせてくれる作品でしたが、読み進めると想像していた展開とだいぶ違って、なんともいえない感じでした。 すごい、スッキリしない感じです。 なにか、モヤモヤっとした感じで終わってしまいました。 今回も、親の収入が少ないことで、子どもに迷惑をかけるお話です。またまた、だな、と、感じさせてくれる親が登場してきます。 「人間の顔はひとつではない。天と地ほどの振り幅で、慈愛から残虐までを同居させている。」という、言葉のとおり、登場人物たちの複数の顔がびっくりです。 そのいろいろな顔が、わたしの中の人物像をよくわからない感じにさせてしまい、ほんと、なんだかよくわからない感じになってしまいました。 それでも、先が読めない展開は、面白かったです。 ◇◆━━━━━━━━━━━━ 2.あらすじ ━━━━━━━━━━━━◆ ひったくり事件に遭遇した春風が、事件に巻き込まれていきます。 先が読めない展開は、ミステリー要素がつよくて、春風が突き進んでいくのにあわせて、ドキドキしていく感じでした。 ◇◆━━━━━━━━━━━━ 3.主な登場人物 ━━━━━━━━━━━━◆ 森川春風 はるか、170、髪長い、長身 森川夏夜 なつや はるかの兄 工藤皐月 はるかの友人 北原錬 170ぐらい 北原陽 よう、弟 北原翠 すい、妹 北原由紀乃 ゆきの、母 潤 父 小佐田サヨ子 鐘下実 演劇部 理緒 奈緒 理緒の妹 カガヤ 松園シゲ子 裕福な老婦人 関口 河西すみれ 鐘下の友人
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「白と信じていたものが、次々とひっくり返り、見る間に黒に染まっていく」 舞台は北海道・札幌。 ひったくりにあったおばあさんを助け、犯人を追った2人。女子大生と男子高校生。逃げる際に落としていった、あるストラップを手がかりに犯人を追うところから始まるが… そこから想像していた方向...
「白と信じていたものが、次々とひっくり返り、見る間に黒に染まっていく」 舞台は北海道・札幌。 ひったくりにあったおばあさんを助け、犯人を追った2人。女子大生と男子高校生。逃げる際に落としていった、あるストラップを手がかりに犯人を追うところから始まるが… そこから想像していた方向とは違う展開へ 思わぬ展開に時系列、関係性を何度か読み直して、バラバラのピースが繋がっていく 何というか、人の持っている影、暗闇がどこまでも深く、そして先が読めず。最後はまで読む手が止まらなかった。 最初は、金環日蝕というタイトル、表紙のイメージとストーリーがマッチしていないなーと感じたが、読み進めるうちに、金環日蝕の持つ深ーい意味に納得。いや腹落ちか
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