川のほとりに立つ者は の商品レビュー
その人にはその人の事情があるかもしれない。そう想像できる人間でありたい。天音の言動、行動にはいちいちイライラさせられることも多かったが、そう思ってしまうのは私が清瀬側だから?ちょっと運が良かっただけ。相変わらず寺地はるなさんの本は刺さります。
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図書館本 これは良かった✨ 川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない。 人が心を開き、人への支援に感謝する、そんなしかるべき展開がふつーのことなのか。 否。 手を差し伸べられた人はすべからく感謝し、その支援や配慮を受け入れるべき。これは大きな間違いなんだ。 松木圭太が樹に書いた作文。泣きそうになった。 ディスレクシアの樹が、天音に一生懸命に書いた手紙。その思いが切なかった。 原田清瀬と品川さんの関係性の変化も良き。
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天音さんの放つ言葉が、自分の痛いところを突いていて、かなり刺さった。 ひどい言い方で、もし現実で嫌いな人にそっくりそのまま言われれば、たぶん「嫌な人だなあ」と思うだけでわざわざ真面目に向き合ったりしない。冷たい言い方だけど、トラブルに巻き込まれるのはごめんだし、こんな言い方をする人は、だいたいトラブルになるリスクを抱えまで一緒にいたい相手ではない。 本の中だからこそ、何度も読み返せるからこそ、天音さんの言葉を理解しようと思える。 天音さんが人を利用するのは許せないけど、それは、利用しなくても生きていられる人間だから言える言葉だ。 想像力もなく、見えている事実や偏見だけで勝手に判断し意見を述べてしまうキナコの傲慢さは、客観的に見ていて明らかに人との接し方として間違っている。だけどきっと私も無意識に、これをしてしまっている。想像力や、人と接する中での丁寧さって大事だ。。 あと、「あなたの明日がいい日でありますように」とは、素敵な言葉。誰かの幸せを願えるということこそ、幸せなことだと気付かされた。
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明日が良い日でありますように 「川のほとりに立つものは、水底に沈む石の数を知り得ない。でもキヨちは水底の石がそれぞれ違うことを知ってる。」に辿り着くまでの過程が天晴れ。 後悔しない今日を生きると同時に答えを出せない問題に向き合い待つ辛抱強さ◯ 篠ちゃんの「ほんとうの自分とか、そんな確固たるもん、誰も持ってないもん。」「いい部分と悪い部分がその時のコンディションによって濃くなったり薄くなったりするだけで」の言葉が染み染み(p161
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続きが気になって一気読みしてしまった。 他人に対して遠慮してしまう、だけど自分が正義だと思ってしまってる…分かっているようで、分かってない。 でも、そんな清瀬が少しづつ変わっていく感じが よく分かる小説でした。 いっちゃん、品川さん、天音さんと個性的な人が出てくるけど、みんな...
続きが気になって一気読みしてしまった。 他人に対して遠慮してしまう、だけど自分が正義だと思ってしまってる…分かっているようで、分かってない。 でも、そんな清瀬が少しづつ変わっていく感じが よく分かる小説でした。 いっちゃん、品川さん、天音さんと個性的な人が出てくるけど、みんな悩んで苦しんでいるんだなぁ〜 篠ちゃんかとても良い所で出てきてくれて よかったです
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とてもよかった。 松木の優しいけど不器用なところも、いっちゃんのひたむきさも、清瀬のちょっと傲慢だけど気持ちの有り様とか全部がよかった。 辛い部分もあったけど優しい物語だった。 なんというか、やっぱり見かけや見えてる一部人をで判断するのは良くないなぁと。 篠ちゃんの「いい部分と悪...
とてもよかった。 松木の優しいけど不器用なところも、いっちゃんのひたむきさも、清瀬のちょっと傲慢だけど気持ちの有り様とか全部がよかった。 辛い部分もあったけど優しい物語だった。 なんというか、やっぱり見かけや見えてる一部人をで判断するのは良くないなぁと。 篠ちゃんの「いい部分と悪い部分のコンディションによって濃くなったり薄くなったりする」という話は良かったな。その通りだと思った。 清瀬の天音に対する気持ちはちょっと私には理解出来ないな。 そー考えられればとても素晴らしいと思うけど、私には無理だなぁ。 図書館で借りたけど、手元に置いておきたいな。
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途中までそこらのミステリよりも展開が読めず、ギスギスした雰囲気もあり、読むのが割と苦痛だった。 ただ、それぞれの事情がわかってくると、そういう事情があるかもという想像に至らなかった私は日常生活で誰かの事情や性質を蔑ろにしているのかもしれないと思う。
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しばらく会っていなかった恋人 松木が 意識不明と警察から連絡を受け、 自分が知らなかった松木のことを もっと知ろうと行動する清瀬。 行動するうちに、これまで知らなかった 色々なことが見えてくるというストーリー この場面で、自分ならどうするだろうと問いかけながら読んだ。正直、正解...
しばらく会っていなかった恋人 松木が 意識不明と警察から連絡を受け、 自分が知らなかった松木のことを もっと知ろうと行動する清瀬。 行動するうちに、これまで知らなかった 色々なことが見えてくるというストーリー この場面で、自分ならどうするだろうと問いかけながら読んだ。正直、正解はわからない。 清瀬のように行動するかもしれないし、 しないかもしれない。 無知なる故、無理解なる故、 相手を傷つけたり 相手に気を遣い過ぎて 自分が消化不良になったり 性急に答えや解決を求めがちだけど 不器用ながら、 「簡単に答えを出せない問題に向き合い、待つ」 ことが必要なんだと思った。
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ドラマにあるような劇的なイベントや、驚くような人物がいるわけでもなく、間違いなくその辺にいそうな登場人物。現れる全ての人物に寄り添って読めるような、そんな話でした。
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自分とは違う、自分には分かり得ない部分を、自分の価値観や尺度に当てはめることで"わかったつもり"になることは、自分含め誰しもよくあることなのだろうと思った。そして、よくあること、仕方のないことだからといってその事実から目を背けずに、まずは自覚することから始めてみようと決めた。
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