無人島のふたり の商品レビュー
お別れの言葉は、言っても言っても言い足りない――。急逝した作家の闘病記。(あらすじより) 余命宣告された作家の日記。闘病記とあるし、本人は逃病記としているが、しっかりとした文学作品だと感じた。 読んでる途中、日記の日付を見ながら「あと少し、もう少し生きてほしい」と祈るように読み...
お別れの言葉は、言っても言っても言い足りない――。急逝した作家の闘病記。(あらすじより) 余命宣告された作家の日記。闘病記とあるし、本人は逃病記としているが、しっかりとした文学作品だと感じた。 読んでる途中、日記の日付を見ながら「あと少し、もう少し生きてほしい」と祈るように読み進めた。読み終わっても、この本のいろいろな言葉やシチュエーションが頭から離れられない。 シンプルなのに表現豊か。淡々としているのに深みがある。 死を目の前にして、こんな文章を綴ることができる山本文緒さんはすごい。 日常を綴っているけれど 死への恐怖や恐れや悲しみや怒りなど負の感情の表現は少なく 本当はもっともっと苦しみがあったと思うけれど、それを表に出さない作家の力を感じる。 とにかく良かった。 そうだ、私は昔から山本文緒さんの文章が大好きだったんだ、と改めて思い出させてくれた。 もしも、もしも私や大切な人が同じ立場になったら、また読み返したい。
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ずっと気になっていた本。読んでは見たものの、読後感をどう言い表していいのかが判らない。ステージ4の告知を受けて「そんなことを急に言われても」って、そりゃそうなるわな…と思ったりした。 だんだん弱っていってしんどいところやできなくなっていく過程も書かれているのに、それでも、日々の暮...
ずっと気になっていた本。読んでは見たものの、読後感をどう言い表していいのかが判らない。ステージ4の告知を受けて「そんなことを急に言われても」って、そりゃそうなるわな…と思ったりした。 だんだん弱っていってしんどいところやできなくなっていく過程も書かれているのに、それでも、日々の暮らしを綴ったり、周りの人たちとのつながりを大切にしているところも書かれていて、全体的には静謐な印象を受けた。 旦那さんの存在も大きかったんだろう。 (何か的外れなことしか書いていないと自分でも思う。)
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私はまだまだ若輩者だけど、死にたいと思うこともあるし、もちろん生きてることに感謝する日もある。 ただ家族より先に死んではだめだという気持ちひとつで日々生活してる。 「うまく死ねますように」という一文を読んで 生き方じゃなくて死に方について考えるきっかけになった。 余命宣告を受...
私はまだまだ若輩者だけど、死にたいと思うこともあるし、もちろん生きてることに感謝する日もある。 ただ家族より先に死んではだめだという気持ちひとつで日々生活してる。 「うまく死ねますように」という一文を読んで 生き方じゃなくて死に方について考えるきっかけになった。 余命宣告を受けて、もうすぐ死ぬけどいつ死ぬか分からない、という生活はどんなものなんだろうと考えてみたけど到底及ばない。 人が死ぬときは大体いつも突然だろうけど、きちんとありがとうとさようならが伝えられないこと、大切な人を遺して去ることは本当につらい。 悔いが残らないように毎日を生きるなんて心に決めたって絶対に実行できないけど 生まれてきた以上死ぬしかないので 私もうまく死ねたらいいなと思った。
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緩和ケアを選んだ後、亡くなるまでの日記。 文章量も少なく、日記なので、たぶん2時間くらいで読めてしまう。 けれど、この本はできるだけ1人で、ゆっくり、一言一言と向き合って読みたい。 文緒さん、よく頑張りましたね。
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これ以上の遺作はないだろうくらいの、命の最後まで作家である山本さんの言葉に最後はぐわーっっと胸にせまるものがあった。 きっと天国でも、続きを書いていると思えて、それは嬉しくもあり、切なくもあり涙が出る。 亡くなると分かって読んでいるのに、文章の中でも余命を予告されるのに、会ったこ...
これ以上の遺作はないだろうくらいの、命の最後まで作家である山本さんの言葉に最後はぐわーっっと胸にせまるものがあった。 きっと天国でも、続きを書いていると思えて、それは嬉しくもあり、切なくもあり涙が出る。 亡くなると分かって読んでいるのに、文章の中でも余命を予告されるのに、会ったこともないのに、それでも辛い。 辛いけど、読んでよかった。 この本を残してくださったことに感謝。
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2021年に58歳ですい臓がんで亡くなった山本文緒さんの日記。抗がん剤治療がつらくて緩和ケアに変えてからの闘病記、ではなく逃病記。 今まで闘病記を読んだことがなかったので、本と向き合うのが怖くて、恐る恐る読み始めるといきなり髪の毛が抜けた日の様子が書かれていて、泣きそうになりま...
2021年に58歳ですい臓がんで亡くなった山本文緒さんの日記。抗がん剤治療がつらくて緩和ケアに変えてからの闘病記、ではなく逃病記。 今まで闘病記を読んだことがなかったので、本と向き合うのが怖くて、恐る恐る読み始めるといきなり髪の毛が抜けた日の様子が書かれていて、泣きそうになりました。 具体的に誰とどういったお別れの言葉を言ったかは書かれおらず、淡々した印象がありますが、行間からは、本当は痛くて悲しくて寂しい気持ちと先に逝ってしまう申し訳なさをひしひしと感じます。 この本を読んだら身内を亡くした友人や病気の同僚の気持ちがわかるのかな、と思って読んだけれど、人それぞれだ、と、思うことにしました。 読んで良かったです。
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余命宣告されてからの日々をほんとうに淡々と短い言葉で一日一日綴られている。「うまく死ねますように」この言葉がこの日記を書いていた山本さんの気持ちすべてなのだろう。 同年代の山本さんのこの逃病記がいつか自分にもやってくる最期までの生きる手引きになってくれるかもしれない。
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残された日々があと僅かとなっても、取り乱すことなく、ご主人やまわりの方々への愛情や優しさをきちんと感じて過ごしていらっしゃったんだなぁ…。先のことはわからないですが、今から私もこんなふうに時間を過ごしていきたいと思います。
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自分の病気について書かれたものをよく「闘病記」というけれど、著者ご自身も作中で触れておられるように、これは「闘病記」じゃない。 どこか俯瞰的な視点が感じられる文章は淡々としてるけれど、でも病気に翻弄される気持ちは切実に伝わってくる。 人は、息を引き取る瞬間まで、一日一日を生き続け...
自分の病気について書かれたものをよく「闘病記」というけれど、著者ご自身も作中で触れておられるように、これは「闘病記」じゃない。 どこか俯瞰的な視点が感じられる文章は淡々としてるけれど、でも病気に翻弄される気持ちは切実に伝わってくる。 人は、息を引き取る瞬間まで、一日一日を生き続けるんだって、当たり前のことをなぜか改めて強く感じた。
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読んでいるうちの3割ぐらいは泣いていました。 でも無人島の地図をもらえた気がしたので、泣いた後はすっきりしました。 自分が無人島に行くことになっても、こんなふうに過ごせたらいいなと思いました。 そして、読み終わってから、ネットで色々な作家さんのコメントを読んでまた泣けてきました...
読んでいるうちの3割ぐらいは泣いていました。 でも無人島の地図をもらえた気がしたので、泣いた後はすっきりしました。 自分が無人島に行くことになっても、こんなふうに過ごせたらいいなと思いました。 そして、読み終わってから、ネットで色々な作家さんのコメントを読んでまた泣けてきました。 今更だけれどまずはエッセイを読んでみよう。 なんだか山本さんが無人島から、ブクログを読んでいるような気がします。
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