老害の人 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
友達が貸してくれた本。 ホームドラマを見ている気分になった。 昔、親が見ていた「渡る世間は鬼ばかり」みたいなドラマ。(そういえば今ってホームドラマないね) 老人には「きょういく」と「きょうよう」が必要らしい。 教育と教養ではない。 「今日、行く」と「今日、用」つまり、出かける約束があり、やるべき用事があるってこと。 なるほどね。たしかにそうだわ。出かけるとなれば身なりを整えるし、人と会うのは脳の活性化。 なかなか面白い言葉があった。 「先々のことなど考えないから若者なのだ。 先々がないから昔のことばかり言うのが老人 なのだ。」 「老人と若者は似ている。先がないから突っ走 るか、先を考えずに突っ走るかの違いだ。」 85歳の福太郎は、会社を娘婿の純市に譲り引退したはずなのに、社内に専用の部屋をもらい、老害を撒き散らしていた。 老害Quintetの友人たちと、その部屋でカフェをすることになる。その名も若鮎カフェ。 コロナ禍に翻弄されながらも、カフェは開店する。 カフェの準備をしたり、新しいゲームのアイデアを出していると、老害が消えるのに驚く。 人って、誰かの役にたとうと行動してるときが、 1番幸せで活力が出るんだなあと思う。 ◯◯のため、ってのは最強だ。 けして自分のためではないんだな。 娘の明代は、友達の孫自慢を老害だと思って嫌がってたけど、自分に孫が出来たらその可愛さを話したくてたまらず、初めて気持ちがわかった。 明代の息子の俊が、バイト先の松木ファームを継いで農業をやると言い出したり、 カフェメンバーの吉田夫妻の妻桃子が急死したり、 夫の吉田が行方不明になったり、 それぞれの出来事に、みんなが集まって手助けするあたり、まさにホームドラマ。 私は、わりとサキさんが好きかも。めんどくさい人だけど。笑 関わりたくないほどのクレーマーだったサキを、仲間に誘った福太郎はすごいな。 こいつも老害だ、俺が面倒見てやるって感じかな? 私も健康で活気ある老人になりたいと思った。 それと、やっぱり友達は必要だなあと。。。
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老害と呼ばれる人とその相手をしない若者のどちら視点も書いてる。人のために行動すると活き活きするのは分かる。いつまでも若者の気持ちを忘れたくないけど、そう思って行動してる老害も迷惑なんだろうなぁ。老いることについて考えさせられた。
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「うつし世は夢、夜の夢こそまこと」 「老害」 8050問題にも通底するのかもしれませんが、「老害」をまき散らす80代の福太郎に、ついにキレた50代の娘。自らの老害っぷりを自覚した福太郎は、しおらしく反省したかに見えたのですが、実は……。 いずれ行く道でもある、老後の話。「老害...
「うつし世は夢、夜の夢こそまこと」 「老害」 8050問題にも通底するのかもしれませんが、「老害」をまき散らす80代の福太郎に、ついにキレた50代の娘。自らの老害っぷりを自覚した福太郎は、しおらしく反省したかに見えたのですが、実は……。 いずれ行く道でもある、老後の話。「老害」と呼ばれ、もはや不要かつ厄介者として扱われる。先はないのに、先は長い。でも、厄介者扱いされる側にも、ちゃんと思いや望みもあるわけですよ。わきまえて遠慮しとけって言いたくなりますけどね。 本作の主人公福太郎は、「老害」上等ってかんじで、娘婿に譲った自分の会社の一室を分捕って、老人サロンを作っちゃうんです。度重なるコロナの自粛要請にもめげず。婿や娘の迷惑当惑顧みず。 他人におしつけられた趣味とか自分磨きとかじゃ、ダメってことで。誰かの役に立ってるという実感だけが、老害を防げる。それが若いもんたちの迷惑であっても。 「老害は若いヤツらには毒だ。だけど老人には薬なんだよ。」この境地に至ってしまった福太郎。きっとこのまま、充実した幸せな日々を過ごしていけることでしょう。この内館牧子氏の老後シリーズ全体に共通するんですが、基本、経済的にかなり恵まれた老人たちなんです。本作の主人公福太郎にしても、雀躍堂という玩具会社の元社長だし。この立場あってこその物語で、ニコ的には、若干現実感が乏しい側面もあります。が、やっぱこの階層で老後を迎えることを目指すべき、なんでしょうかね。
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終わった人が面白すぎて、それと比較するとインパクトに欠けました。 でも老後をどう備えるかについて色々と、考えさせられました。
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これは読んでてツラい本。 でも、ほんとにアルアルなんだよね。。 義父のくだりとか、ほんとに、なんとも、ツラい。。
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冒頭から繰り広げられる「老害」に、うへーこれはツラい!読むのきつい!と毒気にやられる。 「老害」に嫌気がさしてあたりがキツくなってしまう現役世代の登場人物たちの気持ちになって読む。 そして、自分が「老害」ならないようにするにはどうしたらいいんだ!と考えてしまう。 老人になったら...
冒頭から繰り広げられる「老害」に、うへーこれはツラい!読むのきつい!と毒気にやられる。 「老害」に嫌気がさしてあたりがキツくなってしまう現役世代の登場人物たちの気持ちになって読む。 そして、自分が「老害」ならないようにするにはどうしたらいいんだ!と考えてしまう。 老人になったら制御きかずに自慢話、昔話、クレーム垂れ流しになるかもしれないなんて、想像するとゾッ。 でも「老害」なんて言われ、家にいるとあからさまに迷惑がられ、とはいえ仕事は引退していたら行き先はなく、とりあえず散歩に出るなんて切ないなぁ。 姥捨山ならぬ、ジジババ回収車なんて笑ったけど、よく考えると笑えない。 登場する「老人クインテット」のみなさんは仲間がいて、集まれる場所もあり、リーダー的要素の人がいるからよいものの、そうでない老人たちの方が圧倒的多数だろう。長生きなんてするもんじゃないのかも。少なくとも私は不老不死の薬はいらないな、うん。
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先のない高齢者が老害を撒き散らすだけではなく、コロナ禍で何度も非常事態宣言で気が削がれる中、老人たちを元気づける「若鮎サロン」を立ち上げようと奮闘する。世代間の葛藤を上手く切り取った群像劇。内舘さんの人物描写の巧みさにいつも脱帽です。
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内館さんの老人ものの中で、老害の何が悪いって一番開き直った作品。読み終えた後、思わずコミュニティカフェの立ち上げ方の本を手にした。
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本屋さんで目立ってたから読んでみた。 いつか自分も周りも死んでこの世からいなくなるっていうのは当たり前のことだけど、その未来がまだ遠い(平均寿命まで生きれたらの話)から、死を他人事のように思ってしまう。
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その世界に浸りたいから小説を読むので、あまりリアルな出来事を取り込まれると興味を失っていました。でも本書はコロナで緊急事態宣言の時に老人たちはどう思ったか、どう行動したか等自然に描かれていたので嫌な気分はしませんでした。 「聞かれてもいないのに延々と話し続ける」と言う苦情をたま...
その世界に浸りたいから小説を読むので、あまりリアルな出来事を取り込まれると興味を失っていました。でも本書はコロナで緊急事態宣言の時に老人たちはどう思ったか、どう行動したか等自然に描かれていたので嫌な気分はしませんでした。 「聞かれてもいないのに延々と話し続ける」と言う苦情をたまに聞きますが、聞かれたことだけしか話さないのは会話のキャッチボールにはならないと思っています。でも孫のいない人に孫の可愛さを話し続けたり、自分の過去の自慢話ばかりするのはマナー違反なので、本当に気をつけようと本書を読んで改めて思いました。 今後タメになるかわかりませんが自分も老害にならないように気をつけよう、と思いました。
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