死にがいを求めて生きているの の商品レビュー
友人から借りて読みかけのまま2年ほど放置していたので返却前にもう一度最初から読み直し、読了した。海山伝説とか鬼仙島とかどこかで聞いたことがあるなと思ったら、薬丸岳の「蒼色の大地」にも出てきたワードだった。当作はそういえば伊坂幸太郎を中心とした8人の気鋭の作家による螺旋というプロジ...
友人から借りて読みかけのまま2年ほど放置していたので返却前にもう一度最初から読み直し、読了した。海山伝説とか鬼仙島とかどこかで聞いたことがあるなと思ったら、薬丸岳の「蒼色の大地」にも出てきたワードだった。当作はそういえば伊坂幸太郎を中心とした8人の気鋭の作家による螺旋というプロジェクトの一作だったと、ようやく思い出した。 生きがいを求めて、というより自分の存在価値を求めてもがく人々の葛藤は切実でなかなか読み応えがあった。それだけに当作はそこにテーマを絞ってほしかったのが正直な思いだ。海族と山族の対立というプロジェクトのテーマに引っ張られてストーリーの焦点がぼやけており勿体無い。
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何かを成し遂げるって、むりやり何かに立ち向かわなくたって、やりたいことをやり通すことでも成り立つはずだ、という言葉にハッとさせられた 人や物じゃなく自分の中でなにかをやり通すことも、自分だけの価値になりうるはず 冒頭の自動的に日々が過ぎていく感覚にすごく共感する 何もしなくても...
何かを成し遂げるって、むりやり何かに立ち向かわなくたって、やりたいことをやり通すことでも成り立つはずだ、という言葉にハッとさせられた 人や物じゃなく自分の中でなにかをやり通すことも、自分だけの価値になりうるはず 冒頭の自動的に日々が過ぎていく感覚にすごく共感する 何もしなくても続くこの日々に、「今日が何かが変わる前日」と信じる力があれば何かが絶対に変わると思いたかった 絶対という言葉を息をするように当たり前に思いたかった 「自分は生きる意味がある人間で、この人生には価値があるって思いたいだけ」p.300 自分にはなにもないと気づいてしまった時、「価値がない」人生を価値あるものにしなければと思う 誰もが雄介で一洋で弓削だから、朝井リョウの書く物語が好きなのだ この螺旋プロジェクトの海族・山族の設定ふつうにおもしろいし智也のお父さんが書いた本読みたい
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この本のテーマは生きがいと、対立にある 生きがいは、人生の根幹を成すものであり何とするかは人それぞれで、ギターとか料理とか無難なものにするのが1番いいんじゃないかなって主人公たちをみて感じた 対立は、違いがあるからこそ歩み寄れる社会になったら素敵だし、一生向き合っていかなくち...
この本のテーマは生きがいと、対立にある 生きがいは、人生の根幹を成すものであり何とするかは人それぞれで、ギターとか料理とか無難なものにするのが1番いいんじゃないかなって主人公たちをみて感じた 対立は、違いがあるからこそ歩み寄れる社会になったら素敵だし、一生向き合っていかなくちゃいけない課題だと思う
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細やかな表現、時系列的に堀北と南水の関係を子供時代から描きながら、多様な職種・バックボーンの人々を織り交ぜて、結末まで物語を加速させていく、その形が長編529Pにも渡って纏められているのは、朝井リョウさんの滅茶苦茶な才能を感じる。内容としても、ダークで重く、深く、自身と照らし合わ...
細やかな表現、時系列的に堀北と南水の関係を子供時代から描きながら、多様な職種・バックボーンの人々を織り交ぜて、結末まで物語を加速させていく、その形が長編529Pにも渡って纏められているのは、朝井リョウさんの滅茶苦茶な才能を感じる。内容としても、ダークで重く、深く、自身と照らし合わせた時に共感する部分が多くて、若者の「どんより」とした希死念慮,未来への不安みたいな部分を超繊細に描き切っており、感服するしかない。現代小説の良さが強く自身に充てられて、それがほんの少しだけ勇気に変わってくれる、いい本。
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いい意味でノンフィクション味がなく、とても現実的な本だった。その章毎にスポットライトが当てられる人の悩みがとても私にとっては身近で苦しい悩みは私も苦しむほど共感した。悩むもの、その原因が違くても人は生きることに苦しみを感じやすいのかなって思えた。その中でも、人にやりたいことも自分...
いい意味でノンフィクション味がなく、とても現実的な本だった。その章毎にスポットライトが当てられる人の悩みがとても私にとっては身近で苦しい悩みは私も苦しむほど共感した。悩むもの、その原因が違くても人は生きることに苦しみを感じやすいのかなって思えた。その中でも、人にやりたいことも自分がやりたいこともないからただひたすらに対立するものを求め何かを成し遂げる人になりたいって思ってる人が辛そうだなあ、と思った。ほんとに世の中色んな悩みに悩まされなからもみんな、生きているって改めて考えさせられたこれはわりかし難しい気がした...!なんでだろう現実的すぎるからかなちなみに伏線回収も凄かった驚いたよ世間は狭いと思わされる
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ありのままの自分で何もせず過ごすことは難しくて、何かしないと生きがいがないと自分の価値がないみたいに思えて、そんな世の中で必死に生きがいを作ろうともがく若者達。 何故この2人の仲が良いのかと周りからも思われる正反対な堀北と南水の関係が、様々な登場人物の視点で描かれる。 自分の価値を作るために興味もないことに傾倒して生きがいあります!必死に生きてます!と顕示する堀北の姿が、周りから客観的に観察され、その邪な本意が見透かされているのが痛くてしんどかった。 堀北はヤバい奴みたいに描いてるけど結局皆そうでしょ?という意図が伝わってきた。思い当たる節もあるような気もするし、あの子って完全に堀北だよなって思う人がいるような気もするしという感じで、うっすら自分の周りに当て嵌めそうになりながら読んだ(実際にはそこまで詳細にはまだ考えられてないけど)。
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歴史が絡む部分は少し難しいと感じましたが、登場人物の心境が、生きる意味がある人間だって思われたかった見栄っ張りな過去の自分と重なる部分も多く、当時の心境が呼び起こされて胸が痛くなりました。自分を縛り付けているものが少し分かって楽になれたような気がします、読んで良かったです。
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内容は少し難しいけれど、登場人物の行動や考えに共感することが多かった。 リアルに描かれすぎていて、普段気にと留めていなかった感情が言語化されているところがおもしろかった。 もう一度読み返してみたい。
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平成生まれの自分には登場人物に共感するところが多かった。人と違うことをして目立たないと、とか、なにかに没頭して熱中してる人は素晴らしい、自分もそうしないと、って思うことある。「生きてるだけでいい。」そんなこと言われても響かないんだよなぁ。
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螺旋プロジェクトの共通ルールから、このプロットつくれるの、、。 \朝井リョウさん、天才!/ このボタンを心の中で連打しながら無事読了。 生きがいは何か。残念ながら私には生きがいと思えるものはないし、あと数十年生きても答えられそうにないなーと思う。がっつり平成生まれ、オンリーワ...
螺旋プロジェクトの共通ルールから、このプロットつくれるの、、。 \朝井リョウさん、天才!/ このボタンを心の中で連打しながら無事読了。 生きがいは何か。残念ながら私には生きがいと思えるものはないし、あと数十年生きても答えられそうにないなーと思う。がっつり平成生まれ、オンリーワン重視世代だが、すっかりマウントプラットフォームと化したSNSに日々疲弊し、わりにしっかり大手病に罹りアイデンティティと社会ステータスを手に入れるために就活に奔走。会社に勤めるも自分のやりたいことじゃないとぼやき、秀でた才能もないので、手段と目的を逆にしてまで何かのオタクになろうとしたり。自分何がしたいんだっけ?自分らしさってなんだっけ?人生何のためにあるんだっけ?日々、そんな疑問を抱きながら生きている私に、ぐさぐさ刺さる小説でした。さすが朝井リョウ先生。若者がモヤモヤ抱く感情を言語化するのが天才的に上手い。 本作を読んで希望が見えた訳でもなんでも無いんだけど、なんとなく読後はスッキリして不安な気持ちが少しマシになった気がするような。生きがいやアイデンティティはまだ見つかりそうに無いけれど、とりあえず、この永遠のテーマについて考えながら、大切な人たちと楽しいことしてゆるーく生きていこう、と思うのでした。
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