ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ファスト教養が日本で広く共有される背景とそれと(あえて)抗うにはどうするかがテーマの本。 前半の背景の部分は筆者の綿密な調査もあり、非常に納得させられた。また後半は著者が企業で働いているため身の丈の提言でわかりやすかった。 ネタバレ部分 自身の内発的に ビジネス含む 勉強を通して自身を変えていくこと を胸に留めておきたい
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最近ずっと疑問に思っていたファスト教養について、すごい的確に記された本であった。この本では、ファスト教養を作り出しているプレイヤーのスタンスやファスト教養が流行ってきた背景、ど、この時代にファスト教養と向き合うかという所が記されていた。 スタンスや背景と言うのはすごい納得がいった...
最近ずっと疑問に思っていたファスト教養について、すごい的確に記された本であった。この本では、ファスト教養を作り出しているプレイヤーのスタンスやファスト教養が流行ってきた背景、ど、この時代にファスト教養と向き合うかという所が記されていた。 スタンスや背景と言うのはすごい納得がいった。自分自身もすぐビジネスで役にたつような知識と言うのにすがりついてしまうところはある。ただ、一方で、それを生み出しているプレイヤーに対しての嫌悪感みたいなものが無きにしもあらずというかかなり強かった。中田敦彦の知識が浅いと言うのはすごい感じていて、こないだの松本人志への提言なんかも特にそうだった。実際、中田敦彦計ってファクトチェックをほとんどしていないと言う。ファスト教養は浅く、その分野を理解したいと言う点においてはとても使えると思うが、深く理解したいとなったときに利用するのは良くないと思う。最後の方にも出てきた、ビジネスにおいて、深く役立つようなものに関しては、どんどん活用していくべきだと言うこと。 要は情報の取捨選択が大事なのだと言うこと。それに加えて、自分の好きと言うのを大事にしておくことが重要。麦くんのようにどんどん好きから離れていって社会人になって消耗していく、そしてそれは全てお金につながるものビジネスに役に立つものの発想になってしまうのはとても悲しい。それ以外の発想で生きていくためにも。いろんなものに触れていく事は大事にしておこうと思う。
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ファスト教養というタイトル自体が、この本のメインターゲットとなる(と思われる)ここ10年前後生きづらさを感じている人たちに届きづらいかもなーと余計な感想。 内容は素晴らしいの一言。教養をコンテンツ化し浅く売り歩くインフルエンサーを小馬鹿にして終わるのかなと思いながら読み進めると...
ファスト教養というタイトル自体が、この本のメインターゲットとなる(と思われる)ここ10年前後生きづらさを感じている人たちに届きづらいかもなーと余計な感想。 内容は素晴らしいの一言。教養をコンテンツ化し浅く売り歩くインフルエンサーを小馬鹿にして終わるのかなと思いながら読み進めると見事に裏切られるだけでなくて、それらをビジネス化して売るインフルエンサーとそれを消費するビジネスマン、それを「ナナメ」に見ている自分のような人間も含めて前向きに肯定する処方箋を提示してくれる。 その処方箋は特効薬でもないし、対症療法的にすぐ効く薬でもない。でもじわじわ効く、そんな印象です。 あとがきに若林さんの本が出てきた文脈と共感でとてもエモく読み終わりました。
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名指しされているインフルエンサー達を批判し小馬鹿にする内容を期待して本書を手に取った。目的は大いに達した。しかし当前のことだが名指しされているインフルエンサー達も全員教養が無いわけではなく商業的ニーズに基づいた振る舞いの結果、ファスト教養的なアウトプットを生み出している。 また読...
名指しされているインフルエンサー達を批判し小馬鹿にする内容を期待して本書を手に取った。目的は大いに達した。しかし当前のことだが名指しされているインフルエンサー達も全員教養が無いわけではなく商業的ニーズに基づいた振る舞いの結果、ファスト教養的なアウトプットを生み出している。 また読んでるうちに、自分も職場で結果を残せない同僚や部下を同じような視点(いわゆるファスト教養的文脈)で批判したり笑ったりしたことがあることを思い出す。 「ファスト教養をのぞく時、ファスト教養もまたこちらをのぞいているのだ」早急に解毒が必要と悟る。
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コンテンツ好きとして、『花束みたいな恋をした』からの考察は刺さった。この先社会人になり「ビジネスの役に立つか」という視点でコンテンツをジャッジする、ファスト教養に染まった考え方になりたくないなと思った。 「おわりに」にある、自分の「好き」を見つけ無駄なことに意味を見出しながら、...
コンテンツ好きとして、『花束みたいな恋をした』からの考察は刺さった。この先社会人になり「ビジネスの役に立つか」という視点でコンテンツをジャッジする、ファスト教養に染まった考え方になりたくないなと思った。 「おわりに」にある、自分の「好き」を見つけ無駄なことに意味を見出しながら、自分なりの生き方に対する問いを育んでいくことにシフトできつつあるので、これからもこの姿勢を大切にしていきたい。
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中田敦彦、堀江貴史、ひろゆき、Newspicksなど、なんだか似た空気を感じる感覚を言語化している本。 最近の教養ブームと個人主義・自己責任社会との親和性はフムフムと思った。教養は金になる(先生側の)。エンタメ性や素人でも分かる見せ方は、先生側の成功金儲けメソッドってことかな。 ...
中田敦彦、堀江貴史、ひろゆき、Newspicksなど、なんだか似た空気を感じる感覚を言語化している本。 最近の教養ブームと個人主義・自己責任社会との親和性はフムフムと思った。教養は金になる(先生側の)。エンタメ性や素人でも分かる見せ方は、先生側の成功金儲けメソッドってことかな。 まあ、ファスト教養かどうかはともかく、いろんな本を読むことは楽しい。
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書店に山のように積まれる意識高い系のビジネス書に違和感を感じていましたが、本書がその違和感を見事に言語化して説明してくれました。面白かったのがファスト教養と自己責任論や実力主義とのつながりです。本来は社会に目を向けるのが教養であるはずなのに、新自由主義的な空気の中で、教養が単に他...
書店に山のように積まれる意識高い系のビジネス書に違和感を感じていましたが、本書がその違和感を見事に言語化して説明してくれました。面白かったのがファスト教養と自己責任論や実力主義とのつながりです。本来は社会に目を向けるのが教養であるはずなのに、新自由主義的な空気の中で、教養が単に他人を出し抜くためのツールになってしまっているというのは、なるほど納得です。 そういった教養の捉えられ方はよくない傾向だなと感じながらも、自分が読書をする中でそういう要素がゼロとは言えないな、と反省させられました。ビジネスで役に立つ知識を得て仕事で人より前に出たいとか、人が知らない知識を披露してマウントを取りたいとか、そういうモチベーションが少しあることを否定できません。ファスト教養的な知識は確かに魅力があり、引き込まれがちなことは確かです。 本書はそんなファスト教養から抜け出す処方箋を示してくれます。どうしても仕事でお金を稼いでいる以上、役に立つ知識を得ることは必要です。でもそれに偏ることなく、本当の教養もバランス良く身につけようという中庸の考え方です。ビジネス書を読むにしても、自己啓発系ではなく本質的な知識が得られる本を選ぶ、著者の専門分野について書かれた本を選ぶ。肩透かしなほど真っ当ですが、腑に落ちる内容でした。
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教養の定義もそこそこに、自らの違和感を頼りにしてインフルエンサーを批判してまわり、軽蔑対象であるそれらへのカウンターオピニオンとして教養を再度定義する論述の仕方は明らかに順序がおかしいです。確証バイアスに陥っているかのような批判の手順で非常に偏っており、このような書籍が世間の人が...
教養の定義もそこそこに、自らの違和感を頼りにしてインフルエンサーを批判してまわり、軽蔑対象であるそれらへのカウンターオピニオンとして教養を再度定義する論述の仕方は明らかに順序がおかしいです。確証バイアスに陥っているかのような批判の手順で非常に偏っており、このような書籍が世間の人が持つインフルエンサーへのヘイトを代弁している構造に強烈な嫌悪感があります。 断っておきたいのは、本書で批判されているインフルエンサーは私が嫌う方ばかりで、気に入らない心情は理解できます。ですから、彼らを擁護する気はありません。しかし、気に入らないなら気に入らないと明確に自身の信条に則って嫌いだと表明すればいいだけの話です。その内在するにとどめておくべき嫌悪感を、社会批判というパッケージングで真の教養とは何かという観点から健全を装った批判すること、この方法が非常に浅ましく感じました。 また、本書を一読してもファスト教養(近年隆盛したというトレンドとして)の存在は疑わしいものです。 2000年以降の新資本主義の登場と共にファスト教養の需要が高まったとありますが、であれば茶の湯が武士の嗜みとされ、侘び寂びとは対極に位置する黄金の茶室まで作り自己顕示した秀吉公が生きた時代もファスト教養の時代なのか?いやそもそもキャッチーな出来事があるかないかはさておき時の権力者や耳目を集める人々が教養を軽く扱うことなどありふれている。であれば、ファスト教養なんてそもそも存在しないのではないか? あるいは、ファスト教養と呼ぶべきものが存在したとして、本書で挙げられているような特定分野の概略が掴める書籍や入門書が大量に出回り重宝されることは目の敵にされるほど悪いことなのか? 本書ではそういった著者のもつ違和感の正当性と、これを契機に著者が認知したファスト教養の存在が問われることがありません。ある前提の偏った資料の引用によってそれらの解像度をあげ、都合よく主張が展開されていくため、ファスト教養がない視点での検証はなく、どこまでいっても「で、なんでそんなに批判されるべきことなの?」「そもそもファスト教養自体、存在しないのではないか?」という疑問がぬぐえません。 繰り返しますが、本書の実態は、教養に迫る言論はなく、著者の抱くインフルエンサーへの違和感や反骨を肯定すべく収集された資料集でしかありません。批判対象のインフルエンサーへ嫌悪感をいだく者の慰み程度にしか、本書は機能しないでしょう。
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ファスト教養による弊害が理解出来た。教養ブームにより文化や味わい深いものが無駄なものとして排除されていく社会にもの悲しさを感じる。 お金の為になる教養にしがみつくのではなく自分の知的好奇心を揺さぶるものに時間とお金をかけていきたい。そうする事で豊かさは享受できるのではないだろうか...
ファスト教養による弊害が理解出来た。教養ブームにより文化や味わい深いものが無駄なものとして排除されていく社会にもの悲しさを感じる。 お金の為になる教養にしがみつくのではなく自分の知的好奇心を揺さぶるものに時間とお金をかけていきたい。そうする事で豊かさは享受できるのではないだろうか。 すぐに使えるものはすぐに使えなくなる事を再認識出来た、
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自分自身、本を読むのは好きだし映画もよくみると思うけど、本書の冒頭で出てきたような、成功のため、お金のために本を読んだり、映画を観たり、ということはない。音楽はそもそもあんまり聞かないし。 面接で人事の人に好感を持ってもらうために、その世代にアピールする夏目漱石や三島由紀夫...
自分自身、本を読むのは好きだし映画もよくみると思うけど、本書の冒頭で出てきたような、成功のため、お金のために本を読んだり、映画を観たり、ということはない。音楽はそもそもあんまり聞かないし。 面接で人事の人に好感を持ってもらうために、その世代にアピールする夏目漱石や三島由紀夫、村上春樹・・・くらいの小説は必須として読み、音楽ならフリッパーズギター(だっけ?)くらいは聞いておくのが、社会人として求められる一般教養だ、なんてことを言った人がいるとか。 阿呆かと思うけど、それを言った人もどこまで本気で言っているのか、という気もしないではない。教養を求める層にアピールする言説を、わざと出している面もあるのかもしれない。 就職活動している人は、これをやっておけば大丈夫という安心感はほしいだろうから。 いや、就職活動をしている人だけではない。 先行き不安な世の中だからこそ、今のままじゃダメだ、と何かを求めたくなるのだろうね。 その切迫感のひとつの形が、ファスト教養という形態に現れているのだろう。 ただ、そこから得られるのは、自分の力をつけるというよりも、働く界隈でつながりを得られる手がかりだけのような気がする。そこがかえって、不安じゃないかなぁ。 本書に出てきた『花束みたいな恋をした』という映画は、まったく知らなかった。イラストレーターを志し、カルチャーに対する情熱で恋人となった二人。やがて男の方は就職し、それこそ本書で出てくるファスト教養的なものしか接しなくなっていく。あげく、「そんなものを読んでいても役に立たない」「イラストなんて趣味でいいだろ」みたくなって、ありきたりな男になっていくという展開なのだそうな。 カルチャーとか教養って、ありきたりな人間になりたくなくて、求めて言ったものじゃないんだろうか。それが成功にとらわれたファスト教養にひたるようになった瞬間、もともと忌避していた、ありきたりな大人にかわってしまう。 なんとも、アクロバティックな、というか、考えさせられる話だ。 本書には、ホリエモンとかひろゆきとか、最近話題になっているさまざまな人物もとりあげられている。 その中にサッカーの本田圭佑選手のエピソードがあった。 彼は「成功にとらわれるな。成長にとらわれろ」と言ったとか。あぁ、どこかで聞いたことがある。 次は?次は?とどん欲に成長しようとする姿は、たしかにみる人を鼓舞するかもしれない。 ただ、次を求めなければ生き残れない、という流れ、考え方というのは、どこか不安感も感じてしまう。 そうした流れに対して、本書では渡辺昇一の言葉を紹介している。 「あなたは繰りかえして読む本を何冊ぐらい持っているだろうか。それはどんな本だろうか。それがわかれば、あなたがどんな人かよくわかる。しかしあなたの古典がないならば、あなたはいくら本を広く、多く読んでも私は読書家と考えたくない。」 俺が繰り返し読む本って、あったっけ?
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