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ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち の商品レビュー

3.9

101件のお客様レビュー

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2023/09/06

ファスト教養は、「ビジネスに直接、あるいは、すぐに役に立つ知識」と定義されているといってよいと思います。 同じ「教養」という表現が使われてはいますが、従来の教養とは異なるファスト教養について、その発生から現在に至るまでの過程を考察するとともに、ファスト教養と共存しつつ、従来の教養...

ファスト教養は、「ビジネスに直接、あるいは、すぐに役に立つ知識」と定義されているといってよいと思います。 同じ「教養」という表現が使われてはいますが、従来の教養とは異なるファスト教養について、その発生から現在に至るまでの過程を考察するとともに、ファスト教養と共存しつつ、従来の教養を復活させるための提案を行っているのが、本書の内容、といってよいかと思います。 ちなみに、この本では、ファスト教養を率いるリーダーといえる人たちが何人も紹介されているのですが、いずれも文系の人たちなのが、気になりました。 戦前、旧制高校(ナンバースクール)では、理科(理系)の人たちは、文科(文系)の人たちから、「数学や理科ばかり学んで、古典を読まず、教養がない」と馬鹿にされていたらしいのですが、文科の系譜を引き継ぐ人たちが、教養が矮小化した形ともいえるファスト教養の普及に努めているのは、何とも皮肉な気がしました。 著者は、従来の教養の復権を願っており、そのための提案もしているのですが、子どもの教育を担う学校の先生が教養を身に付けないと、教養の復権のための土壌が整わないかも、と思っています。 少なくとも、自分が学んできた環境では、教養のある先生は、すでにかなり少数派でしたし、長女が通った小中高にも、教養を感じさせる先生は、ほとんどいなかったように思います。 とはいえ、嘆いているだけでは何も解決しないので、まずは自分ができることから手を付けたいと思います。 大きなことをするのは難しいですが、打ち手はいろいろあるはず、とは思っています。

Posted byブクログ

2023/08/29

問題はファストに知識を得ようとする意識ではない。 全ては金儲けのためにやっているんだ。 金儲けに繋がらないことは意味が無いんだ。 金を儲けられない奴はバカにして良いし、価値は無いんだ。 そんな短絡的で一面的な思想を持った者が危険なんだ、と示唆される一冊。

Posted byブクログ

2023/08/20

自分の学びのためという理由で色々なものに触れていくことに問題提起している本。その目的を深掘りしていると儲かるか、そうでないか、役にたつか役に立たないかというところに行きつく。 もちろん、学びそのものを楽しめること自体素敵なことである。お金になるから、役に立つからという価値基準自体...

自分の学びのためという理由で色々なものに触れていくことに問題提起している本。その目的を深掘りしていると儲かるか、そうでないか、役にたつか役に立たないかというところに行きつく。 もちろん、学びそのものを楽しめること自体素敵なことである。お金になるから、役に立つからという価値基準自体に嫌悪感を感じ、何もしない学ばない。結果的になにも吸収しない人より、目的はどうであれ吸収できる人になりたいと思うし、そういう人の方が人生が充実していると思える。 個人的には、ゲームがダメであるとか動画であるとかコンテンツに難癖をつけたりしている人たちの姿勢が好ましくないと思う。どんなものから学ぼう、吸収しようという姿勢を持ちたい。

Posted byブクログ

2023/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ファスト教養が日本で広く共有される背景とそれと(あえて)抗うにはどうするかがテーマの本。 前半の背景の部分は筆者の綿密な調査もあり、非常に納得させられた。また後半は著者が企業で働いているため身の丈の提言でわかりやすかった。 ネタバレ部分 自身の内発的に ビジネス含む 勉強を通して自身を変えていくこと を胸に留めておきたい

Posted byブクログ

2023/08/14

最近ずっと疑問に思っていたファスト教養について、すごい的確に記された本であった。この本では、ファスト教養を作り出しているプレイヤーのスタンスやファスト教養が流行ってきた背景、ど、この時代にファスト教養と向き合うかという所が記されていた。 スタンスや背景と言うのはすごい納得がいった...

最近ずっと疑問に思っていたファスト教養について、すごい的確に記された本であった。この本では、ファスト教養を作り出しているプレイヤーのスタンスやファスト教養が流行ってきた背景、ど、この時代にファスト教養と向き合うかという所が記されていた。 スタンスや背景と言うのはすごい納得がいった。自分自身もすぐビジネスで役にたつような知識と言うのにすがりついてしまうところはある。ただ、一方で、それを生み出しているプレイヤーに対しての嫌悪感みたいなものが無きにしもあらずというかかなり強かった。中田敦彦の知識が浅いと言うのはすごい感じていて、こないだの松本人志への提言なんかも特にそうだった。実際、中田敦彦計ってファクトチェックをほとんどしていないと言う。ファスト教養は浅く、その分野を理解したいと言う点においてはとても使えると思うが、深く理解したいとなったときに利用するのは良くないと思う。最後の方にも出てきた、ビジネスにおいて、深く役立つようなものに関しては、どんどん活用していくべきだと言うこと。 要は情報の取捨選択が大事なのだと言うこと。それに加えて、自分の好きと言うのを大事にしておくことが重要。麦くんのようにどんどん好きから離れていって社会人になって消耗していく、そしてそれは全てお金につながるものビジネスに役に立つものの発想になってしまうのはとても悲しい。それ以外の発想で生きていくためにも。いろんなものに触れていく事は大事にしておこうと思う。

Posted byブクログ

2023/08/09

ファスト教養というタイトル自体が、この本のメインターゲットとなる(と思われる)ここ10年前後生きづらさを感じている人たちに届きづらいかもなーと余計な感想。 内容は素晴らしいの一言。教養をコンテンツ化し浅く売り歩くインフルエンサーを小馬鹿にして終わるのかなと思いながら読み進めると...

ファスト教養というタイトル自体が、この本のメインターゲットとなる(と思われる)ここ10年前後生きづらさを感じている人たちに届きづらいかもなーと余計な感想。 内容は素晴らしいの一言。教養をコンテンツ化し浅く売り歩くインフルエンサーを小馬鹿にして終わるのかなと思いながら読み進めると見事に裏切られるだけでなくて、それらをビジネス化して売るインフルエンサーとそれを消費するビジネスマン、それを「ナナメ」に見ている自分のような人間も含めて前向きに肯定する処方箋を提示してくれる。 その処方箋は特効薬でもないし、対症療法的にすぐ効く薬でもない。でもじわじわ効く、そんな印象です。 あとがきに若林さんの本が出てきた文脈と共感でとてもエモく読み終わりました。

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2023/07/29

名指しされているインフルエンサー達を批判し小馬鹿にする内容を期待して本書を手に取った。目的は大いに達した。しかし当前のことだが名指しされているインフルエンサー達も全員教養が無いわけではなく商業的ニーズに基づいた振る舞いの結果、ファスト教養的なアウトプットを生み出している。 また読...

名指しされているインフルエンサー達を批判し小馬鹿にする内容を期待して本書を手に取った。目的は大いに達した。しかし当前のことだが名指しされているインフルエンサー達も全員教養が無いわけではなく商業的ニーズに基づいた振る舞いの結果、ファスト教養的なアウトプットを生み出している。 また読んでるうちに、自分も職場で結果を残せない同僚や部下を同じような視点(いわゆるファスト教養的文脈)で批判したり笑ったりしたことがあることを思い出す。 「ファスト教養をのぞく時、ファスト教養もまたこちらをのぞいているのだ」早急に解毒が必要と悟る。

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2023/07/16

コンテンツ好きとして、『花束みたいな恋をした』からの考察は刺さった。この先社会人になり「ビジネスの役に立つか」という視点でコンテンツをジャッジする、ファスト教養に染まった考え方になりたくないなと思った。 「おわりに」にある、自分の「好き」を見つけ無駄なことに意味を見出しながら、...

コンテンツ好きとして、『花束みたいな恋をした』からの考察は刺さった。この先社会人になり「ビジネスの役に立つか」という視点でコンテンツをジャッジする、ファスト教養に染まった考え方になりたくないなと思った。 「おわりに」にある、自分の「好き」を見つけ無駄なことに意味を見出しながら、自分なりの生き方に対する問いを育んでいくことにシフトできつつあるので、これからもこの姿勢を大切にしていきたい。

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2023/07/01

中田敦彦、堀江貴史、ひろゆき、Newspicksなど、なんだか似た空気を感じる感覚を言語化している本。 最近の教養ブームと個人主義・自己責任社会との親和性はフムフムと思った。教養は金になる(先生側の)。エンタメ性や素人でも分かる見せ方は、先生側の成功金儲けメソッドってことかな。 ...

中田敦彦、堀江貴史、ひろゆき、Newspicksなど、なんだか似た空気を感じる感覚を言語化している本。 最近の教養ブームと個人主義・自己責任社会との親和性はフムフムと思った。教養は金になる(先生側の)。エンタメ性や素人でも分かる見せ方は、先生側の成功金儲けメソッドってことかな。 まあ、ファスト教養かどうかはともかく、いろんな本を読むことは楽しい。

Posted byブクログ

2023/06/24

書店に山のように積まれる意識高い系のビジネス書に違和感を感じていましたが、本書がその違和感を見事に言語化して説明してくれました。面白かったのがファスト教養と自己責任論や実力主義とのつながりです。本来は社会に目を向けるのが教養であるはずなのに、新自由主義的な空気の中で、教養が単に他...

書店に山のように積まれる意識高い系のビジネス書に違和感を感じていましたが、本書がその違和感を見事に言語化して説明してくれました。面白かったのがファスト教養と自己責任論や実力主義とのつながりです。本来は社会に目を向けるのが教養であるはずなのに、新自由主義的な空気の中で、教養が単に他人を出し抜くためのツールになってしまっているというのは、なるほど納得です。 そういった教養の捉えられ方はよくない傾向だなと感じながらも、自分が読書をする中でそういう要素がゼロとは言えないな、と反省させられました。ビジネスで役に立つ知識を得て仕事で人より前に出たいとか、人が知らない知識を披露してマウントを取りたいとか、そういうモチベーションが少しあることを否定できません。ファスト教養的な知識は確かに魅力があり、引き込まれがちなことは確かです。 本書はそんなファスト教養から抜け出す処方箋を示してくれます。どうしても仕事でお金を稼いでいる以上、役に立つ知識を得ることは必要です。でもそれに偏ることなく、本当の教養もバランス良く身につけようという中庸の考え方です。ビジネス書を読むにしても、自己啓発系ではなく本質的な知識が得られる本を選ぶ、著者の専門分野について書かれた本を選ぶ。肩透かしなほど真っ当ですが、腑に落ちる内容でした。

Posted byブクログ