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名探偵のいけにえ の商品レビュー

3.8

221件のお客様レビュー

  1. 5つ

    57

  2. 4つ

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  3. 3つ

    57

  4. 2つ

    19

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2024/05/20

テンポの良い多重推理が楽しめる一冊です。 [奇跡を信じる信者]の目線での推理 [奇跡を信じない、余所者]の目線での推理 閉鎖された環境では、その2つのロジックが必要とされ その2つのロジックが絡み合っていくのも 読んでいて面白いポイントでした。 名探偵のはらわた との共通点...

テンポの良い多重推理が楽しめる一冊です。 [奇跡を信じる信者]の目線での推理 [奇跡を信じない、余所者]の目線での推理 閉鎖された環境では、その2つのロジックが必要とされ その2つのロジックが絡み合っていくのも 読んでいて面白いポイントでした。 名探偵のはらわた との共通点が多く(同じ名称のお店が出てきたり、過去の名探偵も名前でのみ登場したり) 本編には大きく関わりがないですが、先にはらわたの方をよんでいれば 最終章で思わず嬉しい気持ちになれます。

Posted byブクログ

2024/05/11
  • ネタバレ

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面白かった!! 大塒の推理が2パターンもあり長いな…と思っていたら、ジムに2択を突きつける布石だったんだと、と痺れました…!

Posted byブクログ

2024/05/08

何かのお薦めで紹介されて読んでみた。 横溝正史どころではない荒唐無稽も程がある設定と、そこに完璧な辻褄を合わせる推理の緻密さに感心。まったく想像もつかない奇妙な殺人現場に相対して、仮説を立てるだけでもものすごい推理力が必要なのに、裏をかいてそのまた裏をかいて... と解決編は驚...

何かのお薦めで紹介されて読んでみた。 横溝正史どころではない荒唐無稽も程がある設定と、そこに完璧な辻褄を合わせる推理の緻密さに感心。まったく想像もつかない奇妙な殺人現場に相対して、仮説を立てるだけでもものすごい推理力が必要なのに、裏をかいてそのまた裏をかいて... と解決編は驚きの連続だった。 この手の「トリックありき」な推理小説はあまり好きではないのだが、ここまで突き抜けると見事と言うしかない。 真相の説明が、キルヒアイスを失ったラインハルトの心理を解説したオーベルシュタインだったのには苦笑。 面白かった。

Posted byブクログ

2024/05/04

特殊設定やトリックの難解さ、残忍さから大衆受けはしないのだろうが個人的には傑作。 白井氏の作品の中では(残忍さという観点で)間口が広いのかもしれない。

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2024/05/08

本当の謎解きを始めよう 探偵が語ることを 鵜呑みにしちゃう傾向があるので 推理が二転三転すると 自分の洞察力の無さにちょっと悲しく でも探偵小説の雰囲気が好きだから 宗教、奇跡を信じる人の真実と そうでない人の真実 面白い対比でした

Posted byブクログ

2024/05/02

タイトルの意味がわかった瞬間震えた… 構成も映画のようで、読み終わって間もない今はただただ圧倒されている。 白井智之さんの作品は初めてだったけど、仕事中も常に続きが気になってしまうほど隙があれば読んでいて夢中になれたから、おもしろい作品に出会えたという達成感がすごい

Posted byブクログ

2024/04/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

信仰とそれに対する齟齬、という概念が様々な出来事の底流になっている。 トリックとしては微妙だが、どんでん返しもあり、楽しめる。個人的には宗教の奇蹟を認めたらなんでもありだなぁと思ったのと、最後にきちんとタイトルの意味が回収されたのはスッキリした。 フレーズ 「悪いことには二種類ある。やったらいけないことと、見つかったらいけないことだ。警察はやったらいけないことをしたやつを捕まえる。おれは見つかったらいけないことをしたやつを見つける。警察がやってるのが鬼ごっこなら、おれがやってるのはかくれんぼだ」

Posted byブクログ

2024/04/19

なんということでしょう? こんな結末があるのか? 最初に結末があって、どう物語が展開していくのか?ワクワクしながら読み進めていた。 でもなあ、登場人物が多すぎて、中断するごとに、訳分からなくなってた。 単なる謎解き?連続殺人事件? いやいや、真実の行方は? 2転3転する世...

なんということでしょう? こんな結末があるのか? 最初に結末があって、どう物語が展開していくのか?ワクワクしながら読み進めていた。 でもなあ、登場人物が多すぎて、中断するごとに、訳分からなくなってた。 単なる謎解き?連続殺人事件? いやいや、真実の行方は? 2転3転する世界観。 最後の最後でしてやられた。

Posted byブクログ

2024/04/18
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とっても好感をもって活躍を期待してた探偵役がまさか殺されちゃうなんて! そんな感じで驚いてるうちに怒涛の解決編を一気読み。 特殊な環境設定における謎解きでしたが、わかりやすく解かれて読みやすかったです。 ラストのラストで、このタイトルにつながったときの感動は言葉に表せないものがありました。 素晴らしいミステリ小説です。

Posted byブクログ

2024/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

よく出来ている。すべて読み終わってみると、タイトルからプロローグから最初の事件から要所要所で用いられるモチーフや台詞から、あらゆる要素が伏線として機能しており、どうしたらこのような話を「設計」できるのかと、そちらの方が気になってくるくらいだ。 大筋の流れは、カルト教団が生活している集落の調査に赴いた探偵たちが次々に殺されるという、日本を舞台としたミステリー版『ミッドサマー』のような設定。探偵業を営む大塒は、助手であるりり子を連れ戻すために集落に乗り込むが、そこで生活する教団の信者たちの多くは身体になんらかの「欠損」を抱えているものばかりだった――。 本作で初めから最後までずーっと言われている台詞として「探偵が加害者になりうる」というものがある。この言葉はある種の「予感」として読者の中に仕舞われ、そのまま終盤くらいまではよく見かける「密室ミステリー」を解き明かしていくという展開となる。謎解きの答えを「奇蹟を信じている信者たちに寄った」推理と、「奇蹟を信じていない余所者にとっての」推理、ふたつを用意し、それぞれで景気よく「辻褄合わせ」をーーいわゆる「多重解決」をサクサク行っていく。よくまあこうネタを思いつくもんだと思うのだけど、手際がいいのはそこだけではなく、異なるパターンの推理を用意し、どちらを「選択」させるかという展開も見どころとなる。ミステリー小説における「推理」がどこまで正しいものなのか、という問題だけではなく、それを選び取る側を用意することで、被害者や加害者のみならず、「聴衆」たちもまた事件に加担している者のひとりとなり、犯人も探偵も聴衆も、如何様にも変化することをまざまざと見せつけられる。 私はそこまで多くのミステリー小説を読んできたわけではないので、信者たちが見えているものと「余所者」である探偵たちが見えているものが”違う”という点を活かしたトリックは面白いと感じたし、それらの伏線の配置の仕方はとてもフェアだと感じた。 どの探偵が死に、最後に誰が「事を終わらせるのか」、それは「探偵が加害者になりえる」という台詞からなんとなく予想は出来てしまう。しかしそれが分かっていたとしても、語り方やネタを明かす順番で面白さは保たれているし、動機や時間の飛び方からは、まるでピカレスク小説でも読んでいるようなカタルシスがあった。確かにこれは『名探偵のいけにえ』だ。これ以上に、この事件を表す言葉は無いだろう。

Posted byブクログ