名探偵のいけにえ の商品レビュー
1970年代、アメリカで活動し、その後中米奥地に逃げるように自治組織を確立したカルト宗教団体。行方不明の助手を探しに乗り込んだ探偵大塒(おおとや)が遭遇する不可解な殺人。 評判通り、何度もどんでん返しをする手の込んだ本格ミステリであり、ラストで明らかとなるある"意味&q...
1970年代、アメリカで活動し、その後中米奥地に逃げるように自治組織を確立したカルト宗教団体。行方不明の助手を探しに乗り込んだ探偵大塒(おおとや)が遭遇する不可解な殺人。 評判通り、何度もどんでん返しをする手の込んだ本格ミステリであり、ラストで明らかとなるある"意味"のインパクトが絶大だった。 ただ、ロジカル過ぎる部分は好みが分かれるかも。
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白井智之さん、初読でした。 本書の読了感想は、緻密に考え抜かれ、畳み掛けるような推理劇に「凄い!」の一言に尽きます。 人・立場・視点が変わると、事象や世界の見え方がこうも変わるものでしょうか? 理詰めの思考で推理を展開し、終わったと思ったら、そこから続くどんでん返し! 「...
白井智之さん、初読でした。 本書の読了感想は、緻密に考え抜かれ、畳み掛けるような推理劇に「凄い!」の一言に尽きます。 人・立場・視点が変わると、事象や世界の見え方がこうも変わるものでしょうか? 理詰めの思考で推理を展開し、終わったと思ったら、そこから続くどんでん返し! 「疲れた」という気持ちと「え、次はどうなる」という期待の連続で、(よい意味で)どっと疲れました。 カルト集団における「奇蹟」を信じる人々と、「現実」を生きる人々との認識の相違が、多くの伏線と回収の仕方の違いによる多重解決を、複雑にかつ面白くさせているのでしょう。 人がたくさん死ぬのですが、心理描写の妙からか、あまりドロドロ感がなく読めるのもいいです。 面白いと言いながら、私たちが暮らす現実世界にも、正義の違い、洗脳などがあり、恐ろしさを感じる側面もありました。 探偵・大塒のみならず、読者諸氏にも「りり子崇拝」が広がったりして‥。(それこそカルトか!) いやはや、内容と構造、最後に明かされるタイトルの意味など、計算し尽くされた作品で、恐れ入りました!
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推理披露が終わったと思ったら、また推理、更に推理…。どんでん返しに次ぐどんでん返し!タイトルの回収も見事で、すごく面白かったです!とにかく伏線が散りばめられていて、もう一度読み返したくなる様な作品です!!
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面白くなかった。 高校生の書いたミステリーを読まされたような感想。細かく書くとネタバレになってしまうので控えますが、私には苦痛しかなかった。
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とても面白かったです。 解決編が圧巻です。この設定だからこそのトリック、序盤の伏線の鮮やかな回収。衝撃の結末も。 究極の2択を提示する探偵・大塒を刮目せよ!
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面白かった。 見えている世界が違うことがなかなか整理できず混乱しっぱなしでした。 挙げ句の果てのぐるっと回って最後はタイトルへ着地。 量刑ってそんなもんなのかしら、知らんけど。
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2022.12.1読了。 帯にもある通り、150ページの解決編は読みごたえ抜群。 ラストのタイトル回収シーンも鳥肌ものでした! いつものグロ描写も少なめなので、苦手な方にも安心しておすすめできる良作です。
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2022年このミス2位獲得 韓国の統一教会と自民党が強力に結びついていることが明らかとなった今、同じキリスト教系カルト教団と戦う探偵大塒とその超優秀な助手りり子の物語はタイムリーだった。 この小説、なんと後半1/3が全て解決推理編となっていて、この多重推理という論理的に矛盾しない...
2022年このミス2位獲得 韓国の統一教会と自民党が強力に結びついていることが明らかとなった今、同じキリスト教系カルト教団と戦う探偵大塒とその超優秀な助手りり子の物語はタイムリーだった。 この小説、なんと後半1/3が全て解決推理編となっていて、この多重推理という論理的に矛盾しない複数の謎解きが面白い趣向となっている。カルト教団を妄信する信者の設定が事件のカギを握る所も新鮮だった。ラストあの子がFBIを袖にして来日するのも泣かせる。 完全に架空の神という概念を共通的に信じることが出来るのはサピエンスだけであり、それが現人類が地球を支配している大きな理由であるとサピエンス全史で述べられていた。現在では神は国家やマネーにその姿を変えてきているが、まだまだ純粋な宗教観も日本や中国以外では重要視されているようだ。だから世界中で新興カルトにはまる人も後を絶たないのであろう。これはもうサピエンスとしての本能的なものかもしれない。金の有る人は壺を買い、無い人は聖教新聞を配達する。何が楽しいか知らんが…
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ミステリー書評 読書レベル 中級 ボリューム 416頁 ストーリー ★★★★★ 読みやすさ ★★★ トリック ★★★ 伏線・展開 ★★★★★★! 知識・教養 ★★★★ 読後の余韻 ★★★★★ 一言感想: 振り回されるのが大好きな方、ロジック重視の方にオススメの作品です。『方舟(...
ミステリー書評 読書レベル 中級 ボリューム 416頁 ストーリー ★★★★★ 読みやすさ ★★★ トリック ★★★ 伏線・展開 ★★★★★★! 知識・教養 ★★★★ 読後の余韻 ★★★★★ 一言感想: 振り回されるのが大好きな方、ロジック重視の方にオススメの作品です。『方舟(夕木春央著)』は最後までストレート勝負を貫く作品でしたが、『名探偵のいけにえ』は多彩な変化球で振り回された挙句、最後はとっておきの決め球勝負といった感じでした。参考文献から実在した事件を基盤とした上で緻密な論理を構築して完成させた本作品は、類い稀な存在です。
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エログロが控えめでファンには物足りないかもしれませんが、アメリカで実際に起きたカルト宗教の集団自殺事件を題材にした特殊設定の取り入れ方がユニーク。特にカルト宗教の肝になる部分「奇蹟」の使い方が秀逸です。 また、一度犯人を指摘しているのに霞んでしまう解決編の多重推理は圧巻ですし、タ...
エログロが控えめでファンには物足りないかもしれませんが、アメリカで実際に起きたカルト宗教の集団自殺事件を題材にした特殊設定の取り入れ方がユニーク。特にカルト宗教の肝になる部分「奇蹟」の使い方が秀逸です。 また、一度犯人を指摘しているのに霞んでしまう解決編の多重推理は圧巻ですし、タイトルに繋がる着地の鮮やかさも印象的です。間違いなく代表作の一つなり得る快作だと思います。
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