家裁調査官・庵原かのん の商品レビュー
乃南アサさんの本は久々に読んだ気がします。 家裁調査官が主人公の短編連作。 やっぱりさすが…冒頭は家裁調査官の説明で少し入り込みにくかったですが、進むにつれ惹き込まれました。 最近重めのストーリーは疲れるので…読む前はタイトルから陰鬱なストーリーだとしんどいなと思っていました...
乃南アサさんの本は久々に読んだ気がします。 家裁調査官が主人公の短編連作。 やっぱりさすが…冒頭は家裁調査官の説明で少し入り込みにくかったですが、進むにつれ惹き込まれました。 最近重めのストーリーは疲れるので…読む前はタイトルから陰鬱なストーリーだとしんどいなと思っていましたが、7つの短編連作が良かったのか(内容はそれぞれ大きな問題はありますが)それぞれのケースが淡々と描かれていて、思っていたより読みやすかったです。 現実はここまで甘くないと思いますが…『傾聴』は大事ですね。 ひたむきに少年少女と向き合って良い方向に導く主人公、庵原かのんもさわやかでしたが、動物飼育員のクリリンが要所要所で良い味出してました。
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少年犯罪、貧困、毒親、虐待、障害……様々な理由で問題を起こし、家裁を訪れる少年少女や保護者たち。 少年係調査官である庵原かのんの仕事は「臨床の専門家」として、彼らの“声なき声”に耳を傾けること。 家庭や学校、社会が抱える問題にぶつかりながら、かのんはどんな人間に対しても諦めず、生...
少年犯罪、貧困、毒親、虐待、障害……様々な理由で問題を起こし、家裁を訪れる少年少女や保護者たち。 少年係調査官である庵原かのんの仕事は「臨床の専門家」として、彼らの“声なき声”に耳を傾けること。 家庭や学校、社会が抱える問題にぶつかりながら、かのんはどんな人間に対しても諦めず、生きる力を信じて正面から向き合う――。 一人の若き調査官を通して〝家庭〟の在り方を問い、救済を描く感動作! 小説とは言え酷い親の多いこと! 一人の人間を育て上げるのは大変だと改めて思う。 ゴリラ飼育員の彼氏が良い味出している
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家裁調査官の庵原かのんの活躍を描く連作短編集。 ・自転車泥棒 ・野良犬 ・沈黙 ・かざぐるま ・パパスの祈り ・アスパラガス ・おとうと の7編収録。 長編ではないのでひとつづつの事件への関わり方がわりとあっさり描かれていますが、それが正しいか悩む姿は好感が持てました。 基本、...
家裁調査官の庵原かのんの活躍を描く連作短編集。 ・自転車泥棒 ・野良犬 ・沈黙 ・かざぐるま ・パパスの祈り ・アスパラガス ・おとうと の7編収録。 長編ではないのでひとつづつの事件への関わり方がわりとあっさり描かれていますが、それが正しいか悩む姿は好感が持てました。 基本、少年事件関連を担当しているようで、お仕事小説としてはその他の家裁案件が出てこなかったのが残念です。 著者にしては重い展開にはならないのが良くもあり物足りなさもありという感じです。 主人公よりも周りの登場人物が個性的なのが印象的でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
家裁調査官の庵原かのん(イオハラ)は、 現在、福岡家裁北九州支部で働いている。 更生のため、聞くことが第一。 少年犯罪なので親に話を聞くが、その時、出産時、乳幼児の様子を必ず聞いている。通常の犯罪と決定的に違うのはここだと思う。 「パパスの祈り」が好き。 両親は互いに別の言語を話し、子どもの話す言葉はまた別。どうやって親子のためコミュニケーションを取るのか、確かに疑問。その想いを子に伝えないといけないと、かのんは各言語の通訳を呼び、親子の気持ちを伝え合う手伝いをする。 実際に家裁調査官と接した経験から、そこまでしてくれるとは思えないが、フィクションなのでまあいいかな。 こんな調査官ばかりだったらいいな。
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家裁調査官として働く庵原かのんが受け持った7人の少年の物語。事件を起こして家庭裁判所へ送られてきた少年を巡る家族と少年を観察するかのんの物語。「パパスの祈り」は父親は日系ペルー人、母親はフィリピン人である15歳のミゲル。 学校でも優等生である日本語も堪能な彼の苦悩。 普段外国籍の...
家裁調査官として働く庵原かのんが受け持った7人の少年の物語。事件を起こして家庭裁判所へ送られてきた少年を巡る家族と少年を観察するかのんの物語。「パパスの祈り」は父親は日系ペルー人、母親はフィリピン人である15歳のミゲル。 学校でも優等生である日本語も堪能な彼の苦悩。 普段外国籍の子供達と接しているだけにとても身近な問題と感じた。「アスパラガス」は最近増加傾向にある発達障害の少年の話。 いかに生きづらいかと想像される。
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※ 九州を舞台に家裁調査官・庵原花音が、 少年たちの心の声に耳を傾け、問題の根っこを 探り出そうと全力で奔走する物語。 登場人物たちの息遣いを感じる生き生きした 町の描写、九州の美味しい食べ物と少年たちを ひたむきに支える人たちの存在が、言い表せない 悲しみやもどかしさを抱えた...
※ 九州を舞台に家裁調査官・庵原花音が、 少年たちの心の声に耳を傾け、問題の根っこを 探り出そうと全力で奔走する物語。 登場人物たちの息遣いを感じる生き生きした 町の描写、九州の美味しい食べ物と少年たちを ひたむきに支える人たちの存在が、言い表せない 悲しみやもどかしさを抱えた少年たちに物語を 温かみを与えてくれます。
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家裁調査官は、刑事や医者のようにドラマ化しやすい職業の一つのだがあまり知られていないと思われる。ドラマ化しやすいと言ったのは、ドロっとした人間関係や個人の心の襞に触れる機会が多い職業だからで、この作品でもドラマを見ているような感覚だった。本当にありそうなぐっとくる話が続き、一番気...
家裁調査官は、刑事や医者のようにドラマ化しやすい職業の一つのだがあまり知られていないと思われる。ドラマ化しやすいと言ったのは、ドロっとした人間関係や個人の心の襞に触れる機会が多い職業だからで、この作品でもドラマを見ているような感覚だった。本当にありそうなぐっとくる話が続き、一番気に入ったのは最後の「おとうと」だった。2023.4.22
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子供の非行や犯罪って 結局のところ 全部周りの大人たちが悪いってなってしまう。 まずその大人をサポートできる 世の中にならんとな~。
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聞き馴染みのない職業ですが、裁判所に努めていて主に少年犯罪に関する聞き取りや、生活環境の調査をするようです。 犯罪行為を犯してしまった少年たちが正しい道を進めるかを見守る話で、結構題材としては地味な感じがしますが、あえて感動のドラマみたいなものをそんなに盛り込まない辺りがやはり上...
聞き馴染みのない職業ですが、裁判所に努めていて主に少年犯罪に関する聞き取りや、生活環境の調査をするようです。 犯罪行為を犯してしまった少年たちが正しい道を進めるかを見守る話で、結構題材としては地味な感じがしますが、あえて感動のドラマみたいなものをそんなに盛り込まない辺りがやはり上手いなあと感じました。 淡々としているので初速は冴えませんが、読み終わってみると地味というより滋味のある物語だなあと。 少年たちが必ずしも全員いい方向に行くわけでは無いし、そもそも彼らは要所要所で話を聞いて軌道修正する人たちなので、もっと具体的に非行少年に関わる人たちの方が、ドラマは生まれやすいはず。しかも更生した後会うわけでもないので、また犯罪でもして再会しない限りは会う事も無い。結構報われない職だなとも思います。 こういう目立たないけれど重要な仕事ってこういう本で知ること多いです。
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犯罪を犯した少年たちは背景に生きることの困難を抱えていて切ない。一話完結で一話ごとに地域や季節を楽しむ食べ物が出てきて和むシリーズもののドラマのよう。 けれど「大変なあっち側と平穏なこっち側」感が否めない。
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