教養としての決済 の商品レビュー
日々行われている決済の裏側は壮大な世界と様々な思惑があることがわかった。 仕事で海外送金することがあるのでSWIFTの成立ちや信用状の面倒さは納得。 支払方法は国ごとに好みが異なることは興味深い。 そもそも決済とは、 負債を免除する方法。 決済の特性は、 リスク、流動性、慣習...
日々行われている決済の裏側は壮大な世界と様々な思惑があることがわかった。 仕事で海外送金することがあるのでSWIFTの成立ちや信用状の面倒さは納得。 支払方法は国ごとに好みが異なることは興味深い。 そもそも決済とは、 負債を免除する方法。 決済の特性は、 リスク、流動性、慣習により影響を受ける。 非接触型、無摩擦決済は支払の心理的ハードルを下げるもしくは無くしてしまう。 決済の意味するもの、 現金という現物からデータへ移行することで勝者総取りの可能性がでてきた。 決済データ、技術は安全保障上武器にもなる。 決済方法の進化を見ると決済データが巨大テック企業に一極集中することは危うい。 他国の決済サービスに依存することは安全保障上の脅威となりデータを握るものがすべてを手にすることにも。 決済データまでもがSNS同様ソーシャルなものになることは一抹の不安を感じ、暗号通貨がリアル通貨に取って代わる時、国家はどうなるのだろうか。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館新刊コーナーから。 「多分難しい本だろうな」と思いつつ、頭の体操に借りてみた。 割と最近にSNS関係の本と地政学関係の本を読んだためか、「決済方法は他にどれだけ多くの利用者がいるかにかかっている」というところと、「(決済方法の発展は)既存の基盤を利用し、それぞれが発展の方向性を左右した」というところは納得しながら読めた。 使えるところ・使っている人がいないと広まらないのは、SNSもそうだし、他の多くのこともそうだよなぁ。 発展方法に土地柄が出るのも、とても興味深い。 日本はしばらく現金決済が残っていくのかな。 後半はあまり興味が持てなくて読み飛ばしたけれど、他の知識を付けてからであれば、また楽しく読めるのだろう。
Posted by
すごく面白く勉強になりました。 日常生活の裏側にこれほど広大な決済の世界があることを知り驚きました。ロシア銀行のスウィフト除外や、中国、ケニアのモバイル化など、これまで点でしか見えなかった世界が、決済の全体像や歴史的背景を通して、線として理解することができました。ただやはり、個々...
すごく面白く勉強になりました。 日常生活の裏側にこれほど広大な決済の世界があることを知り驚きました。ロシア銀行のスウィフト除外や、中国、ケニアのモバイル化など、これまで点でしか見えなかった世界が、決済の全体像や歴史的背景を通して、線として理解することができました。ただやはり、個々のパートでは、「理解出来ていないなあ」と思えるところも所々あり、今後、ニュース等で関連する出来事があれば都度振り返り、理解を深めていきたいと思いました。 本書は、【世界は決済で回っている】ことを実感できるバイブル的一冊だと思います!!
Posted by
強烈な内容量を持った本である。貨幣の起源に始まり、1950年代アメリカに始まる決済方法変遷の歴史とその仕組み、国ごとの決済習慣とそれらをネットワークする国際決済の仕組み、デジタル通貨をめぐる巨大テック企業や中央銀行の野望…あまりにトピックが豊富すぎて、一度で全てを消化するのが難...
強烈な内容量を持った本である。貨幣の起源に始まり、1950年代アメリカに始まる決済方法変遷の歴史とその仕組み、国ごとの決済習慣とそれらをネットワークする国際決済の仕組み、デジタル通貨をめぐる巨大テック企業や中央銀行の野望…あまりにトピックが豊富すぎて、一度で全てを消化するのが難しい。一番効率の良いのは、日常で疑問が生じた都度、当該部分を参照するという読み方になろうが、索引がついていないのと、書き振りが冗長なので辞書的な使用がしにくいのが残念。 ともあれ本書を読むにつけ感じるのは「国家のような権力主体が決済システム(≒通貨、金融)を成立させるのではなく、決済システムこそがそれを持つ主体に権力を生じさせるのだ」ということ。だとすると、巷間かまびすしい暗号通貨についてユーフォリックな一部の層が抱く「非中央集権国家的金融システムの可能性」という陶酔に、明白な定義矛盾が含まれていることになる。今次の仮想通貨取引所FTXをめぐる騒動を見ても、一部の人間に権力が集中しガバナンスも機能しなかったことが問題の核心であったことがわかる。やはり通貨、ひいては決済それ自体が必然的に権力を内包するシステムなのであり、権力を伴わない通貨などあり得ないということなのだろう。
Posted by
決済についての概要、歴史、エピソードで全体像を紹介した本だが、SWIFTの元CEOだけあって、極めて優れた類書でも第一に取る本になっていると感じる。 ほんとによく分かっている人の書いた本は、明晰で解りやすいという法則がこの本でも実感できた。
Posted by
なぜ今決済が成り立っているのか、決済を取り巻く課題と取り組みが何かの基礎がしっかりまとまっている本。
Posted by
「決済」というキーワードを中心に、現金やクレジットカードという馴染み深い決済手段の歴史、決済手段の地域性、決済ネットワークの構造、暗号資産など、多岐にわたる情報を網羅した本。 一度読んだだけでは全内容を取り込みきれないが、決済に関する情報を集めたいときには役に立ちそうな1冊。
Posted by