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教養としての決済 の商品レビュー

3.6

27件のお客様レビュー

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2023/04/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

決済とは、法律上の表現によると「負債を免除する方法」ということになる。それは基本的にリスキーで、誰かがお金や商品を受け取れないかもしれないというリスクをはらんでおり、それ故、手数料は正当化される。 我々の身近にあるものとしてはクレジットカードで、日本と米国では若干事情が異なっているのだろうけど、4コーナーモデルというものが買いせるされる。 クレジットカードの利点は決済の痛みを軽減することである。実験によるとクレジットカードで1ドルを支払う心理的コストは50セントに過ぎない。 ウーバーのアプリはさらにすごくてタクシーを降りた瞬間に支払いが完了している。このようにフィンテックにはフィンテックの長所があると認めてはいるが、著者が銀行業界の人のためか、銀行よりの意見にやや強引に持っていくような論調が目立った。 ・CBDCもマイナス金利を科すことができる点は大きな利点。現金に対してはこんなことはできない。 ・決済をおこなうためには、適切な種類の、適切な場所にあるお金が必要である。船や城を所有することはすばらしいが、それを店での支払いに使うことはできない。流動性が鍵なのだ ・クレジットカードに磁気ストライプが搭載されたときには、ストライプにふくまれる情報はエンボス加工でカードに記された文字と同じであることをすばやく突き止めた。それゆえかれらは、引き続きゴミ箱から古いカーボン紙の伝票を回収し、偽のカードの磁気ストライプにそのデータを入力するだけでよかった。対策として、カード会社は三桁のCVV(カード照合値)コードを磁気ストライプ──カードそのものではなく──に追加した。これは店頭では機能したが、電話越しではうまくいかなかった。ユーザーは自分のカードの番号と有効期限を伝えることはできたが、CVVコードはわからなかったからだ。そこでカードネットワークは二つ目の三桁のコード、CVV2を追加しなければならなくなった。CVV2はカードの裏面に印刷された。これによってCVV2のカードを持っている人は自分のコードを販売店に伝えることができるようになったが、そのコードはエンボス加工されていなかったのでカーボン紙の写しには表示されなかった。 ・実店舗をもつ銀行は、銀行の座をねらう新参者に比べると堅苦しく見えるかもしれないが、依然として最高の顧客基盤を抱えている。貯蓄が多く、銀行を変えることが少ない、高齢の顧客たちである。対照的に、モバイルバンキングを利用する顧客の多くは、価格に敏感な若者が多く、銀行にとってもっとも収益性の高いお得意様とはいいがたい。全体として流動性が増しているとはいえ、「人は銀行より配偶者を変えることの方が多い」ということわざにはまだ一理あるのだ。 ・お金の移動にはリスクがともない流動性が必要になる。テクノロジーがどれだけ錬金術のごとき力を発揮しても、この二つの要素を魔法で消すことはできない。流動性とリスクはこれからも決済の、とりわけ大口決済のあり方を左右するものであり続けるだろう。大きなお金の移動(小さな決済の集積から生じるものもふくむ)は、かなりの流動性を必要とし、大きなリスクをともなう。その金額の途方もない大きさを考えると、銀行のバランスシートと十分な規制の恩恵がない状態でこの事業をあつかうことを、国や中央銀行が容認するとは考えにくい。したがって、銀行は決済の燃料となる口座や預金は維持していくだろう。しかし、実際の決済サービスを提供する銀行の役割──およびそれらが生み出す収益──は明らかに危機に瀕している。ノンバンクのプロバイダーは、銀行がおこなっていたこと(あるいはおこなえたこと、おこなうべきだったこと)をよりうまくおこなっている。

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2023/04/05

決済とは何か?をまとめた本。400ページ強と多く、専門的な内容も多かったため、読み切るのにかなり苦労した。理解出来た部分は少なかったものの 、序章の決済の仕組み、考え方は分かりやすく、この部分だけでも理解が進んでとても良かった。

Posted byブクログ

2023/03/23

決済ビジネスのテクノロジー方面の今後を知りたかったのだけど、読んでみてわかったのは、結局、決済テクノロジーとは、銀行やカード会社がやってたことをデジタルで早く即時にグローバルにやってるだけ(とはいえ、取引処理やクラウドなど技術の発展あってこそだろうけど)で、ビジネス自体は規制のあ...

決済ビジネスのテクノロジー方面の今後を知りたかったのだけど、読んでみてわかったのは、結局、決済テクノロジーとは、銀行やカード会社がやってたことをデジタルで早く即時にグローバルにやってるだけ(とはいえ、取引処理やクラウドなど技術の発展あってこそだろうけど)で、ビジネス自体は規制のあるなしとネットワーク効果が重要ってことくらいなんだな。現金がなくなることも、多分、当面はない。あと、暗号通貨のテクノロジーも多分いらない。 ヨーロッパはクレジットカードの手数料が規制があって安いというのもへーという感じ。 「決済が武器になるとき 金融制裁と地政学」の章がおもしろかった。国際貿易でも世界の準備通貨としても米ドルが使われてるので、米国が特権的にそれを利用しているという話。犯罪組織(マネーロンダリング)や独裁政権に関係する企業、国、組織を名指しし、そこと取引があるとドルの扱いから仲間はずれにして締め出す…という制裁。今、人民元がそれを脅かしてるのかな、もしかして。 まあでもなんか読みにくい文章だった。 銀行や会計の歴史知っとくともっとわかりやすいのかな。

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2023/03/20

決済の歴史 仕組み クレジットカードからブロックチェーンまで 400ページくらいあり全部を読むのは根気がいった

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2023/02/10

世界の仕組みを少し知った気になれ、誰かに話したくなる話が多い。この本に限った話ではないけど、邦訳で教養としてのって付けたのは余計。浅く見えるからこういうタイトル早く廃れてほしい。

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2023/02/05

レビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12787811000.html

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2023/02/04

決済ってのは要はどういう商売なのよっていう主に銀行を中心とした話とか、種類とか、歴史とか、犯罪とか、もろもろまつわる話を詰め込んだ本という印象。 SwiftとかB2Bの話はあんまり興味持てなかったけど、クレジットカード、デビットカード、QR決済、現金決済、電子マネーとかのリテール...

決済ってのは要はどういう商売なのよっていう主に銀行を中心とした話とか、種類とか、歴史とか、犯罪とか、もろもろまつわる話を詰め込んだ本という印象。 SwiftとかB2Bの話はあんまり興味持てなかったけど、クレジットカード、デビットカード、QR決済、現金決済、電子マネーとかのリテールの話は少し興味を持った。一見手数料がかかってないように見えても、どこかで手数料が発生して決済というビジネスは成り立っているのだということを意識してみるとよいのかも。 クレジットカードは加盟店手数料取るうえに、入会金・年会費取るとかなかなかなやつなんだなと認識を新たにした。

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2023/01/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者は元マッキンゼーでSWIFTのCEOも努めたゴットフリート・レイブラント氏と、ジャーナリストのナターシャ・デ・テラン氏。 詳しくない分野ですが、たまには、と思って読んでみました。 感想。重厚感あり。一つ一つしっかり解説してくれています。帯の通り「世界を動かすお金の裏側」「支払の歴史・仕組・未来」に400ページほど。 特に、 ①便利な決済方法を消費者側は無料で使えていると思っているかもしれないけど、巡り巡って商品価格に転嫁されて、しっかり負担してるよという指摘や、 ②クレジットカードビジネスの奥深さ、 は面白かったです。 文量多くてだいぶ読み飛ばしました。 備忘録。 ・決済とは「負債を免除する方法」。 ・リスク、流動性、慣習。この3つが決済を取り巻く状況に大いに影響する。 ・決済は国や文化によって大きな違いがある。例えば買い物全体に占める現金の割合は、スウェーデンは13%、アルバニアは96%とか。米国では小切手がいまだに使われるとか。 クレジットカードについて。 ・当たり前だけど驚き、クレジットカードのサイズは世界共通。しかも、キャッシュカードやデビットカードも。 ・手数料がどこで発生しているかの4コーナーモデルはわかりやすい。 ・カード決済は遠隔決済と高相性。そのぶん、詐欺や不正のリスクがつきまとう。 ・「単一通貨ユーロ経済圏」と言いつつも、それを実現してるのはVISAや MasterCardといった米国企業のカード決済が席巻している。中国はアリペイやウィーチャットペイなどのQR決済。 ・APIを使うことで決済に革命が起きた。 ・アメリカでは「決済は手数料がかかるもの」、欧州では「決済は公共事業で無料で然るべき」と考えられている。欧州では、実際に手数料無料の決済が主流だが、何らかの形で、しっかりビジネスにされている。 ・フィンテックは、なぜいまだに銀行を廃業に追い込んでいないのか。①まだ始まったばかり、②新興勢は低い手数料による差別化から入ることぎ多いが、銀行よりコストが低いからそれご出来るとしても、薄利過ぎているケースが多い、③銀行のスイッチングコストは高い(「人は銀行より配偶を帰ることの方が多い」ということわざあり)。 ・銀行を脅かし始めているのはむしろクレジットカード会社では。と著者。 ・クレジットカードによる支払や借入リスクの研究はたくさんあり、知らず知らずに借金を増やしてしまう人を守るように政府や規制当局は動いている。最近ではカード融資に変わって「今買ってあとで払うBNPL」を提供し始めた企業が増えてきた。クラーナわ、クリアペイ、レイバイなど

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2023/01/09

タイトル通り、決済についての本。 お金のやりとりというのは、現代社会にとってかかせないことではあるけど、裏ではいろいろ複雑な仕組みになってるのだなということが分かった(正確には複雑すぎて分からなかったのだけど…)。 決済の種類についてもいろいろ書いてあったけど、もし日本人が書いて...

タイトル通り、決済についての本。 お金のやりとりというのは、現代社会にとってかかせないことではあるけど、裏ではいろいろ複雑な仕組みになってるのだなということが分かった(正確には複雑すぎて分からなかったのだけど…)。 決済の種類についてもいろいろ書いてあったけど、もし日本人が書いていたら、おサイフケータイなどの非接触型決済についてもっとページを割いていただろうなと思う。そういうこともあって、ちょっと期待していた内容とは違ったような気もする(日本人向けに書かれたわけではないので当たり前だけど)。 後半は、決済の話というより、決済をからめた地政学についての話だよなと思った。 聖書の一節に「For the love of money is the root of all evil」、「金銭を愛することは、すべての悪の根である」なんて言葉があるということを初めて知った。そういや、聖書には利子も禁止していたそうだし、お金にたいしていいイメージが無かったんだろうな。 今は資本主義社会だけど、キリスト教の人はどう解釈してるのだろう。 スウェーデンでは現金を使わなくなっているという話の後に、ABBAの代表曲の『マネー、マネー、マネー』は今でも非常によく聴かれていると書かれてあってちょっと笑った。お金の曲といえばこの曲だよね。 インドの即時決済システムの「UPI」というものを初めて知った。世界で最も成功しているとのこと。APIが提供されてるとあって、インドはIT立国といわれるだけあるなと思った。 そしてこの本を読んで改めて「ドル」は最強の通貨なのだろうなと思った。ドルを使え無くされたら、困窮する国は多いのだろうな。北朝鮮とかどうやってるのだろう。 2018年にファーウェイの最高財務責任者がカナダで逮捕されたことについて触れられてきたけど、訳注によると2021年9月に和解が成立して釈放されたらしい。よく分からないのだけど、これは無罪だったということなのか? さすがにアメリカのでっちあげではないと思うのだけど…。

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2022/12/21

特に国をまたぐ取引について説明されている。 真正面から説明されているように思うので、知らない分野については分かりやすいとは言いづらいものの調べながら読める範囲か。

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