教養としての決済 の商品レビュー
決済をめぐる30のトピックについて。 クレジットカード発展の歴史や国際決済の高コストの理由、ドルの優位性と、勉強になる点もあった。ただ、一般向けに分かりやすく解説しようとしているせいか、全体的に帯に長く襷に短しの中途半端な印象。
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図書館で借りた。 歴史的背景を踏まえつつ、最新のフィンテックなども触れ、犯罪などの側面も語り、決済を総合的にまとめ上げる本だ。元が洋書であり、日本人にはちょっと分かりにくく感じる文章も少しあった印象。 イマイチつかみにくい面もあるが、広く決済とは何たるかを学ぶことができた気がす...
図書館で借りた。 歴史的背景を踏まえつつ、最新のフィンテックなども触れ、犯罪などの側面も語り、決済を総合的にまとめ上げる本だ。元が洋書であり、日本人にはちょっと分かりにくく感じる文章も少しあった印象。 イマイチつかみにくい面もあるが、広く決済とは何たるかを学ぶことができた気がする。
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決済市場は二百ヵ国以上で2.5万の銀行が携わるが、国際取引は15の銀行だという。 「決済とは法律上負債を免除する方法」 冒頭の定義紹介で、まず止まる。自分のペースで言葉を噛み締め、物理的にその文章を行ったり来たり。それこそ読書の醍醐味。そんな感情を改めて感じながら、よくよく考え...
決済市場は二百ヵ国以上で2.5万の銀行が携わるが、国際取引は15の銀行だという。 「決済とは法律上負債を免除する方法」 冒頭の定義紹介で、まず止まる。自分のペースで言葉を噛み締め、物理的にその文章を行ったり来たり。それこそ読書の醍醐味。そんな感情を改めて感じながら、よくよく考える。 なるほど、お金は負債。商品やサービスの対価であり、お金を持つ事で他者の労力を購入する権利を持つのだから。で、先に商品やサービスを受ければ負債が生じるが、お金を払い決済される事で債務は免除されると。で、いつもの癖で思考を広げる。この負債の免除という考えは面白い。お金とは、労働の負債。今あるお金は全て「負債貨幣」であり、誰かの支払い義務を象徴するもの。ちなみに、承認とは、責任の負債。 ジュリアンアサンジのウィキリークスもポルノハブも決済ブロックの対象に。決済をデジタル化すれば、管理統制がし易くなる。そのため、マネーロンダリングや犯罪に使われ易い高額紙幣を見直す動きもある。また、現金にはコストがかかる。輸送、ATMの補充、監視、カウント、集計、分配。金庫やカメラ、装甲に警備。 スウェーデンではコンタントゥプロレット、現金の反乱という、現金存続を主張する組織があり、有事の決済システム停止により国の機能が混乱せぬようアナログとしての現金を保全する法律が施行。しかし、結局ATMが機能しなければ現金も役立たず。ATMもデジタル決済である事を見逃しているのだ。 現金派?電子通貨派?上述からは、電子通貨の方が良さそうだが、どうしても国に好き勝手管理されたり、システム不具合の不安感があり、完全にどちらか、とは言えない。
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前提知識が必要。 銀行や決済ビジネスに関して 内部事情やビジネスモデルを語れるレベルの見識があって さらにそこを掘り下げる骨太本。 ただ、一般教養としても十分に読める内容も多く 特にクロスボーダー取引や暗号通貨に関しては 一般社員レベルで知っておいて損はない知識・教養と思う。
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**ダイジェスト・気になったポイント** - 決済が対処すべき課題は3つある - ①リスク。決済リスクや詐欺のリスク - ②流動性。紙幣や通貨という形で流動性を必要とする。 - ③慣習。決済の仕組みは人々が受け入れて初めて有用なものとなる。暗黙の合意など...
**ダイジェスト・気になったポイント** - 決済が対処すべき課題は3つある - ①リスク。決済リスクや詐欺のリスク - ②流動性。紙幣や通貨という形で流動性を必要とする。 - ③慣習。決済の仕組みは人々が受け入れて初めて有用なものとなる。暗黙の合意など。 - クレジットカードの決済について - 4コーナーモデルによって、インターチェンジフィーやマークアップや加盟店手数料が買い手には訴求されないことでカード利用のインセンティブにつながっている(が、その分は結局のところ加盟店が決める物品・サービス価格の値上げという形で転嫁されている) - 決済の地理性 - どのような決済手段が選ばれるかは、その地理性の制約を受ける。レガシーとネットワーク。 - 同じ進歩を辿ることはまずない。一度確立されるとなかなか変わりにくいし、最適な進み方にはなりにくい。 **所感** - なかなか専門的で理解できなかった部分も多くあった。あと、洋書の翻訳はやはり表現が気になって頭に入らないことも。 - 決済というものを、3つの要素から捉える目を知れたのはよかった。 - 暗号通貨等、デジタル技術によって可能になったことやメリットだけではなく、現実的に解決できていない部分(リスクや流動性)についてアンテナが立つようになった気がする。
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ビジネスで大事な事としてよく言われんのは、ヒト、モノ、カネ。 そのカネの部分のディープな一般教養的な一冊。 法律的な省略証言では決済とは負債を免除する方法である。どういう意味?と最初は思ったが、少し考えてみると何かわかった気がした。
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決済に関する見識を広げることができる。 朧げながら決済の世界の広さ、深さ、複雑さが垣間見え、その過程でいろいろな気づきがあった。 ・ビットコインは世界の通貨になり得ない。なぜなら世界に通用する決済が直面する「善悪に基づいた締め出し」にビットコインは無力だから。 ・決済の世界...
決済に関する見識を広げることができる。 朧げながら決済の世界の広さ、深さ、複雑さが垣間見え、その過程でいろいろな気づきがあった。 ・ビットコインは世界の通貨になり得ない。なぜなら世界に通用する決済が直面する「善悪に基づいた締め出し」にビットコインは無力だから。 ・決済の世界が対峙する課題は大きく分けて二つではなかろうか。 一つはマネロン、賄賂、租税回避といった善悪の悪を懲らしめる(決済させない、してもバレる )こと。 もう一つは決済金額、決済スピード、決済頻度、地理的スケールの拡大という難題を叶えながら決済システムの靱性、回復力をも含めて安定させること。 ーーーー ・ビットコインのような決済プロセスをトラストレスにする技術は決済リスクを抑えることはできても、犯罪リスクはコントロールできない。言い換えれば、決済に対する善悪の価値観を一切持たないし持てない。 ・金融システムは超巨大な鉄道網。幹線・支線があり、ターミナル駅・ローカル駅があり、車両がある。ネットワーク。一箇所の故障がダイヤ全体を乱す(ある銀行の破綻が全体に波及) ・ただし鉄道というほど、標準化は進んでない。各国や地域がそれぞれの慣習や経路依存性などに基づいてボトムアップで作り上げた金融システムを節目節目のゲートウェイ(ターミナル駅)でコストをかけて変換して無理やり繋いでいる感じ (スウィフトは除く) ・クレカの決済モデル 4コーナーモデル PayPalやストライプはこのモデルの中で優位なポジションを築き、一大フィンテック企業に。 ・オープンか、クローズドが 企業が儲けるにはシステムはクローズドであったほうが都合が良い(アリペイ、ウィーチャットペイ、グーグル、Facebook 、VHS vs ビデオテープ、アプリストア ) ーーーーー お金、文字、宗教 先史時代の部族の規模を超えて機能することを可能にしたもの デジタル・アナログ、グローバル・ローカルの二軸 国境を越える決済のほとんどは15の銀行のいずれかが携わっている(N=25000) ウィキリークス →法で捌かれた訳でもないのに民間企業(PayPal、VISA、マスターカード)が寄付の経路を封鎖。 法律上での"決済" →負債を免除する方法 価値の移転につきまとう3つの課題 リスク、流動性、慣習 決済リスク→支払い先が倒産して商品を受け取れない 詐欺リスク→なりすまし、踏み倒し等 決済の主役の推移 銀行と現金→クレカ会社とクレカ→フィンテックとモバイルウォレット あらゆる決済手段の中で、現金は圧倒的に犯罪者に好まれる 中央銀行の貨幣増量 ・印刷している訳ではない ・商業銀行から預かった準備金を増やしている(帳簿への追記) 現金容認派の意見 ・デジタルシステムの停止リスク ・金融システムへのアクセシビリティの低下(銀行口座、端末、ネットワーク...) 4コーナーモデル ・カード使用者 ・加盟店 ・カード発行銀行 ・加盟店銀行 →4つのアクターのプロセスでクレジット決済が実現。カード発行銀行、加盟店銀行はそれぞれ手数料を受け取る カード発行銀行の儲けのおこぼれ →空港ラウンジ、ポイントシステム、キャッシュバック等等 国際送金 ・コルレス銀行 ・実際にお金が国境を跨いでいる訳ではない ・各領域内で、銀行同士がコミュニケーションをとって帳尻合わせしている。 ・帳尻合わせには異国の通貨が必要→外国為替の実需 スウィフト ・専用のスウィフト端末がある ・1日3000万通ものメッセージ 無摩擦決済 →痛みがなければ支出は増える。UIUXを洗練させ、人々の支払っている感をとことん減らす。 例:ウーバー、ワンクリック購入、ゼロクリックサブスク更新 CBDC ・民間銀行の流動性を奪う "決済の未来をめぐる競争はすでにはじまっており、誰しもビリにはなりたくない。中央銀行は主導権を握りたいし、銀行は利益を上げたいし、テクノロジー企業は成長したいと願っている" 航空会社のロイヤリティプログラム(マイル) ・必要マイル数を増やしてインフレ→航空会社の負債をなくす ・失効済ポイント=丸儲け ・顧客はプログラムを続けるか、やめるかの二択しかない ・マイルはクローズドな通貨システム EU : 数多の規制、規制当局が多過ぎて銀行は決済ビジネスの開拓に苦労。 決済の元締めは武器になる。 金融制裁、スウィフトからの締め出し 決済ができない→お金のやり取りができない→ビジネスができない→経済の停滞 基軸通貨ドルの"強さ"
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全体としては、決済をめぐる銀行、テック企業、国家、地下経済、先進国、途上国、等々のそれぞれの事情やせめぎあいがあることが具体的な例でもって示され興味深い。そうした中で各国(特にヨーロッパ)の銀行が置かれている苦境とか、米ドルの覇権について書かれたⅦ部が特に面白かった。ただ、Ⅳ~Ⅵ...
全体としては、決済をめぐる銀行、テック企業、国家、地下経済、先進国、途上国、等々のそれぞれの事情やせめぎあいがあることが具体的な例でもって示され興味深い。そうした中で各国(特にヨーロッパ)の銀行が置かれている苦境とか、米ドルの覇権について書かれたⅦ部が特に面白かった。ただ、Ⅳ~Ⅵ部はややこしくて話についていくのが難しかった。
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『#教養としての決済』 ほぼ日書評 Day661 この邦題は良い!(ほとんどの場合、意を唱えることが多いのだが) 原題は"The Pay Off : how changing the way we pay changes everything"、いわば「...
『#教養としての決済』 ほぼ日書評 Day661 この邦題は良い!(ほとんどの場合、意を唱えることが多いのだが) 原題は"The Pay Off : how changing the way we pay changes everything"、いわば「我々が支払う方法を変えたが故に、いかに多くのことが変わったか」、余りにも無味乾燥なタイトルだ。 本書の内容を、すべて事細かに理解する必要はない(と思う)。が、決済(要はお金のやり取り)のやり方にどんな歴史があり、どんな明暗があり、それがどんな歴史的事件を引き起こしてきたのかを概観することは、まさに現代を生きる我々にとって、欠かすことのできない「教養」になるだろう。 https://amzn.to/3VdPtSU
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かなり骨太な内容だった 2.決済の歴史 3.決済の地理学 4.決済の経済学 は面白い 思えば昔より現金を使う機会が減っている クレカ、○○ペイなど 数十年後には現金の消滅もあり得るか?
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