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窓辺の愛書家 の商品レビュー

3.7

25件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2024/09/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好きなところ 主人公のハービンダーが、時に脇役になったり、傍観者になる(でしゃばらない!頭も良い!) 登場人物が魅力的(シリーズ通して) いつも犬が大活躍 ここがあんまり、、、なところ 前作ですごく好きだったゴシックミステリ作中作をなくしてしまった 推理小説として淡白 前作の作中作『見知らぬ人』がすごく好きだったから、作中作のタイトルでシリーズ化するのかと思ってた…。ホロヴィッツが今現在その手法でシリーズ化してるからなのか…。でもゴシックミステリの短編っていう点で差別化出来てるし、個人的に本当に好きだったから勿体ない。『断食して神に感謝せよ』とか概要だけでも面白そうだったし、タイトルも良いのに。 あと、ロシア・ウクライナ情勢後に読んだから、背景理解がすごく自然に出来た。

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2024/09/19

〈殺人コンサルタント〉の名刺を持つペギーという名の老婦人が死んだ。 ナタルカ、エドウィン、ベネディクト 生前関わりのあった三人が犯人を探す。 謎解きのなかに、年齢も育ちも全く違う女一人男二人のロードノベルのような爽やかさがスパイスされている。 この輪に入って、ハービンダー刑事...

〈殺人コンサルタント〉の名刺を持つペギーという名の老婦人が死んだ。 ナタルカ、エドウィン、ベネディクト 生前関わりのあった三人が犯人を探す。 謎解きのなかに、年齢も育ちも全く違う女一人男二人のロードノベルのような爽やかさがスパイスされている。 この輪に入って、ハービンダー刑事は前の事件よりなんだか随分と心を開くようになった。 前作『見知らぬ人』には無かった味だ。 導入部はとても興味深い描写だったのにそのあと少しまわりくどさをかんじた。 それも束の間、途中からギア一段上がって加速し、最後まで引き込まれた。 読後感が柔らかいのがとてもいい。

Posted byブクログ

2024/05/13

なかなか面白かった 外国名は時に混乱するけれど 人物表を確認しながら 楽しくよめた 事件の解決は 最後の最後まで気が抜けない 不思議なところを何も残さず 綺麗に終わった所も 読了感がよくてスッキリ 本が絡むミステリほど ワクワクするものはない!

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2023/07/20

高齢者向け共同住宅に住む 90才のペギーは自然死したと思われた。 担当介護士のナタルカは違和感を感じて 刑事のハービンダーに相談するが 事件としては扱ってもらえない。 そこで彼女は、なじみのカフェ店員ベニーと 同じ施設に住むペギーの友人 エドウィンとともに調べることにする。 実...

高齢者向け共同住宅に住む 90才のペギーは自然死したと思われた。 担当介護士のナタルカは違和感を感じて 刑事のハービンダーに相談するが 事件としては扱ってもらえない。 そこで彼女は、なじみのカフェ店員ベニーと 同じ施設に住むペギーの友人 エドウィンとともに調べることにする。 実はペギーは推理小説マニアで ミステリ作家にアイデアをさずけたりしていた。 その作家のひとりに話を聞いたところ 彼は殺されてしまい…。 単純なミステリとしてもおもしろいけど ハービンダーやエドウィンはLGBTで 元修道士のベニーは信仰に悩み ナタルカはウクライナ出身と それぞれのキャラの抱える問題が 事件にどう関わってくるのか つかず離れずで語られるのも読みどころ。 『殺しへのライン』同様 文芸イベントが描かれていて 作家のみなさまは大変ね〜。

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2023/07/20

面白かった!前作よりははるかに好みの展開。登場人物も興味深くて。ドキドキ感の割に最後の謎解きがもう一歩という感じではあったけれど、満足の一冊でした。

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2023/08/05

ミステリとしては微妙。推理とかトリックを求めるものではなく、情報を順番に公開していって自動的に結論が出る昨今のヨーロッパのミステリによくあるタイプ。登場人物の多くがひねくれていてイギリスっぽいなと思いながら読んだが、途中から本筋とは関係ない彼らの心情描写がノイズに感じ始める。国際...

ミステリとしては微妙。推理とかトリックを求めるものではなく、情報を順番に公開していって自動的に結論が出る昨今のヨーロッパのミステリによくあるタイプ。登場人物の多くがひねくれていてイギリスっぽいなと思いながら読んだが、途中から本筋とは関係ない彼らの心情描写がノイズに感じ始める。国際情勢、出版界、人種的、性的マイノリティ、などかなり幅広い要素を含むので事件に集中できないところもある。ただ最後には事件をともに経過してきた彼らの変化やこれからの関係にほっこりする部分もあった。この作者の作品は初めて読んだのでどのような作風なのかはわからないが少なくとも今作は事件よりもそれを取り巻く人間関係、イギリスの風土とツーリズムを楽しむ群像劇的作品だと思う。 文芸的な要素が強いから原文で読めたらなおいいのかもしれない。

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2023/05/14

ハービンダー・カーシリーズ第2弾。 前作同様、架空の小説や小説家が生み出した物語が鍵を握る本作。 推理作家にアイデアを提供していた老婦人のペギーが、心臓発作により亡くなった。ペギーの死を不審に思った介護士のナタルカが、ハービンダーに相談しつつ、友人でコーヒーショップを営むベネディ...

ハービンダー・カーシリーズ第2弾。 前作同様、架空の小説や小説家が生み出した物語が鍵を握る本作。 推理作家にアイデアを提供していた老婦人のペギーが、心臓発作により亡くなった。ペギーの死を不審に思った介護士のナタルカが、ハービンダーに相談しつつ、友人でコーヒーショップを営むベネディクト、老人のエドウィンと共に事件解決に乗り出すが、その後も殺人事件が起きて……というお話。 読者が真相に辿り着くためのヒントがあらゆる場面に散りばめられており、フェアな犯人当て作品と言える。

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2023/03/20

読み始めでは前作に比べて腕をあげたな、とおもいましたがらやっぱり終盤は上手くない←超偉そう。バタバタと終わった感があり、とっても勿体無く思いました。いろいろ詰め込みすぎなのでは。ブライトンに近いショアハムや、アバディーンの雰囲気、イギリス出版界と介護の現状を垣間見られたのはよかっ...

読み始めでは前作に比べて腕をあげたな、とおもいましたがらやっぱり終盤は上手くない←超偉そう。バタバタと終わった感があり、とっても勿体無く思いました。いろいろ詰め込みすぎなのでは。ブライトンに近いショアハムや、アバディーンの雰囲気、イギリス出版界と介護の現状を垣間見られたのはよかったです。

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2023/03/20

介護士のナタルカが尋ねた時には犯罪小説好きの老婦人ペギーが自宅で息を引き取っていた。不審に思ったナタルカはカー刑事に相談して友人2人と勝手に捜査を開始する。本と小説家を巡る事件の真相とは?個性的なキャラが魅力なシリーズ二作目→ 謎解きとしても面白いんだけど、とにかくキャラクター...

介護士のナタルカが尋ねた時には犯罪小説好きの老婦人ペギーが自宅で息を引き取っていた。不審に思ったナタルカはカー刑事に相談して友人2人と勝手に捜査を開始する。本と小説家を巡る事件の真相とは?個性的なキャラが魅力なシリーズ二作目→ 謎解きとしても面白いんだけど、とにかくキャラクターがいい! 前作から引き続きのハービンダー・カー刑事はインド系の同性愛者で30代で実家住まい。 ヒロインのナタルカはウクライナ出身の20代で謎多き美人介護士。 友人のベネディクトは元修道士でカフェのオーナー。しかもかわいい嫁さんが欲しい→ 80歳のエドウィンは元BBC勤務でオシャレに気を使う気のいい老人。 この4人だけでも楽しいのに、ここにハービンダーの家族やペギーが繋がっていた小説家たちもキャラが濃くて、みんながワイワイしているのを読むだけでも楽しい。 オチもしっかり驚いた。これは楽しい! 次作の翻訳も待ってます!! (以下、読後すぐのツイート) 前作(見知らぬ人)がわたし的にハマらなかったので、期待値低めで読んだんだけど…… めちゃくちゃ面白いじゃないかエリー・グリフィス(窓辺の愛書家) 後半最高にいい。というか、読み進めるとどんどん面白くなる系のお話。じわじわくる感じ? はぁ。楽しかった! 私は元気な高齢者が楽しく過ごすミステリが好きなんだよな。 歳を重ねても自分を大事に日々を生きているキャラがいるだけで引き込まる。

Posted byブクログ

2023/02/28

海辺のシニア用共同住宅で、90歳のペギーが心臓発作で亡くなる。当然自然死と思われたが、介護士のナタルカは「殺人コンサルタント」なる肩書きがついたペギーの名刺と、部屋にあるミステリー小説の献辞にペギーの名前がいくつもでてくることを見つけ、警察に相談する。話を聞いたハービンダー刑事部...

海辺のシニア用共同住宅で、90歳のペギーが心臓発作で亡くなる。当然自然死と思われたが、介護士のナタルカは「殺人コンサルタント」なる肩書きがついたペギーの名刺と、部屋にあるミステリー小説の献辞にペギーの名前がいくつもでてくることを見つけ、警察に相談する。話を聞いたハービンダー刑事部長は捜査を開始するが、ナタルカもまた、生前のペギーと親しかったエドウィンとベネディクトを巻き込み、ペギーに献辞を捧げた作家たちに会いに行ってしまう。素人探偵団と刑事たちの群像ミステリー。 面白かった!くっちゃべりながらメシ食って、旅行気分で調査するコージーミステリー。表紙のおどろおどろしくオールドスクールな印象とはまったく違い、メインキャラクター4人の視点を細かく切り替えるめちゃくちゃ今っぽい語り口でサクサク読めるし、会話がとにかくうまい。 私にとってはなによりも群像劇として魅力にあふれた小説だった。メインキャラだけでもウクライナからの移民であるナタルカ、元修道士で今はカフェを営むバリスタのベネディクト、定年前はTV局員をしていたゲイのエドウィン、インドからの移民2世でレズビアンのハービンダーと生まれも育ちもばらばら。三人称小説だが、「視点が変われば偏見も変わる」というのを利用して饒舌に垂れ流されるそれぞれの思考の流れを読むだけで面白い。ミステリーとしても視点操作で巧みに情報コントロールされていると思う。 この物語のテーマは「すべての人の人生は謎だ」なんじゃないかと思う。ただのミステリー好きのおばあちゃんと思われていた女性が広大なバックグラウンドを持っていて、遂にそのすべてが明かされることはない。ジョーン、ヴェロニカ、シーラについても。だが、”出窓仲間”たちの姿をナタルカたち4人と重ね合わせて、彼女たちの友情のありようを想像してみることはできる。 読んでいて連想したのはルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』だった。故郷から遠く離れて暮らし、人生の段階ごとにまったく異なるいくつもの「私」を持っている人たちがこの小説にはたくさんでてくる。ナタルカがさらりと客室掃除係をやっていたと言うところや、出版エージェントのジェリが介護士や軍人の経験もあると語るシーンは印象に残る。読み終えて人生賛歌のメッセージを感じるのは、こういうさりげないバックグラウンドの書き込みの力でもあると思う。 最初のほうに「彼女は親友だった。この年で新しい友だちを作るのはむずかしいからね」「いくつでもむずかしいですよ」というエドウィンとベネディクトのやりとりがある。ナタルカたちの旅をラストまで見届けたあとには思いださずにいられないセリフだ。大人しかでてこない、しかもシニア用共同住宅が舞台の作品なのに、青春小説を読んだようなのだ。作中でも「居心地のいい犯罪[コージー・クライム]か。矛盾した表現だな」と自己言及的なセリフがあるけど、とても利己的な連続殺人の真相が明らかになっても、読後感はどこまでも爽やか。読むとブラウニーとショートブレッドがほしくなる。

Posted byブクログ