夜の道標 の商品レビュー
自分が選んだわけではない道を歩かされてきた者たち。阿久津と波留のこの先の道は少しでも明るいといいなと思いました。
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すごい本を読んだ。 読んでいたが パソコンの前に座る元気がなかった コロナにやられてしまった ただただつらい一週間 まだだるくて喉が痛くて あーあ 活字中毒の私が全く本を読めなかった 〈それぞれに守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を見せていく――。〉 ストーリ...
すごい本を読んだ。 読んでいたが パソコンの前に座る元気がなかった コロナにやられてしまった ただただつらい一週間 まだだるくて喉が痛くて あーあ 活字中毒の私が全く本を読めなかった 〈それぞれに守りたいものが絡み合い、事態は思いもよらぬ展開を見せていく――。〉 ストーリー展開 構成がうまいなあ どうしようもない人物もいるが それぞれが懸命に生きて でも…… 二人の少年に光が差しますように 明るい道標がさししめられますように ≪ 先生の 指す方向へ 行っただけ ≫
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ラストは色んな感情で泣いてしまった。 阿久津の気持ち、阿久津の母の気持ち、波留の気持ち、岡野先生の気持ち、桜介の気持ち… これからの波留に楽しい事がたくさん訪れますように。心にいろんなものをしまっていけますように。
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息ができないような胸が詰まる思いで話が進む。 登場人物の描写が秀悦。 ストーリーの中で投げかけられるいくつかのテーマについて、いいのか悪いのか、たぶん悪いことではあるのだとは思うけれど、はっきりとした答えは思い浮かばない。
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久しぶりに心に刺さった作品だった!! ミステリーではあるがそこまで全面には押し出していないので真犯人やトリックを楽しみたい方は肩透かしを喰らうかも!? 時代設定も秀逸で重たい内容だが読んで置くべき1冊だ!!
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親から当たり屋をやらされて命の危険にさらされ痛い思いをして転校ばかりさせられ、友達との本当の友情を築けなかった波瑠。その事実を知った桜介との友情はずっと続いてほしい。波瑠には明るい未来が待っていますように。
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親の立場から考えさせられる内容でした。 読んで思ったのは、子供は親の支配下にある立場であるという事。 選択の自由を親にコントロールされているんですよね。 この描写が波留と阿久津を通して痛いくらいによく書かれていて、苦しくなてきました。 親は子供の可能性を広げる手助けをすること...
親の立場から考えさせられる内容でした。 読んで思ったのは、子供は親の支配下にある立場であるという事。 選択の自由を親にコントロールされているんですよね。 この描写が波留と阿久津を通して痛いくらいによく書かれていて、苦しくなてきました。 親は子供の可能性を広げる手助けをすることも、潰すこともできます。 後者の場合、親が子のためを思ってやってしまうこともあれば、親の私利私欲のためにやることもあります。 特に切ないのは、親が良かれと思って子のための選択をしたときなのではないでしょうか。 その選択を取った時は「よかった」と無事に終わったはずなのに、十年二十年経った時に、その選択が「間違っていた」となる。 長い人生の中で、その時々の選択の結果はすぐにわかることは少なくて。どちらかというと、数十年経った時に吉なのか凶なのかが分かることの方が多い。 「間違っていた」と気づいた時には、後悔しても後悔しきれなくて、取り返しのつかないことになっている。 そんなところに子育ての難しさを感じました。 下記、阿久津の母親の母親の言葉なのですが、親であることの責任が重くのしかかってきます。 ”一度子どもが生まれたら、親じゃなかった頃には戻れない。それから先の人生、一生、親で居続けなければならない。”(抜粋) このフレーズを読んだとき、私にもこの感覚あるな、と思いました。たぶん、子どもをもったら、この感覚から抜け出すことってできないと思う。 親と子は他人。 理屈では理解できるんです。 でも、感情面で腹落ち出来ないんですよね。 「この子が将来苦労しないように……」 親が信じた方法で子供の道標(みちしるべ)を作り、導く。 その方法(今やっている事)が良かったのか悪かったのか、今の私には知る由もありません。 なかなか考えさせられるストーリーでした。
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推理作家協会賞受賞ってことで。同時進行的に、いわゆる社会はミステリを読み進めてしまったせいもあり、ちょっと自分の中で内容がこんがらがってしまった部分があるんだけど、こういう系が好きだから問題なし。最初、それぞれがバラバラの物語が、視点人物を変えながら順次描かれていくんだけど、徐々に一つどころに収斂していく展開がスリリング。ただ、それだけなら同系統の諸作品と変わりないんだけど、優生保護法が背景という真実が明かされるにあたり、実に胸に刺さる。一方で、最後まで犯人の口からは真意が語られないままに物語が閉じるんだけど、殺意の向かう先が先生であった理由がいまひとつ分からない。慕っていた相手だけに、国家の代弁者としての姿をすら、先生の中に見た、っていう解釈?う~ん…。ま、エンタメ作だから全てをさらけ出さなければならないという決まりも無し、モヤッとしたままのラストも良いんだけど。
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ずっと読みたかった本。ようやく回ってきた。でも最初で波留が小学生ながら当たり屋をさせられてるのが辛すぎてしばらく読めなかった。でもその後は一気読み。1996年という私にとっては最近まで、優生保護法が生きていたのだ。ほんと、当時は全く知らなかった。割とそっち系の勉強をしていたのに。阿久津ぐらいの境界型というか、自閉のような、知的のようなはっきり診断がつかない人がいるというのを忘れそうになる。ついつい診断をつけちゃうというか。医者でもないくせに。医者でも人によって診断が変わるというのに。結局阿久津がなぜ先生を殺してしまったのか、そこがはっきりしなくてちょっともやもや。あと、最後の警察に囲まれる、というのが、「八月の蝉」を思い出しちゃうんだよな。これはもうしょうがないよね。でもおそらく正太郎と思われる人が波留に言った『阿久津は、自分で決めて外へ出てきたんだ。阿久津が君の願いを叶えたいと思ったのも、阿久津のわがままだ』には涙。
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複数の人間の視点で物語が進んでいく。 バスケットに熱中する小学生男子。 その子のバスケチームメイトで高身長でバスケが上手な小学生男子。 2年前の殺人事件の犯人を追う刑事。 お惣菜店で働くバツイチの女性。 軸になるのは、2年前に発生した個人指導塾の講師が殺された事件。 様々な障害...
複数の人間の視点で物語が進んでいく。 バスケットに熱中する小学生男子。 その子のバスケチームメイトで高身長でバスケが上手な小学生男子。 2年前の殺人事件の犯人を追う刑事。 お惣菜店で働くバツイチの女性。 軸になるのは、2年前に発生した個人指導塾の講師が殺された事件。 様々な障害などにより学校生活や学習に馴染めない子ども達に、学びの場や個性にあった方法で導いてきた人格者は、なぜ殺されたのか。 犯人とされる元教え子は、本当に犯人なのか?私は、本当は犯人ではない、何か事情があって、誰かをかばっているとか…と想像していたけど、この本はフーダニットではなくホワイダニットだった。 ホワイ?は、よくニュースで耳にする社会問題(この本の時代は1990年代で、当時は合法だった)に発展していく。 あのニュースを耳にするたび、わたしは「当時はなぜそんな人権侵害が許されたのか?そんな法律が通ったのか?」と疑問に思ったし、きっと同じように思う人は多いはず。 当時の時代背景や、国が推奨してたんじゃないですか!という亜久津弦の母の叫び。 今私たちの前にある制度だって、国が推奨するものだって、数十年後も正しいことだったかどうかはわからないのだ。 亜久津が、なぜ戸部先生を殺したのかは、最後まで丁寧な説明はなかった。 私は、もしかしたら戸部先生自身も、手術を受けた人だったのかな?と思った。 この作家さんは、すごく筆力、読ませる力があると思う。よくよく考えると「んー?」と思うところもあるんだけど、隙があるのに読後満足感が強い。 ホラーミステリーが売れている(話題になっている)と思うけど、こういう社会派ミステリーもすごく良い。
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