夜の道標 の商品レビュー
【正解】とは時代と共に変わっていく概念だ…。 一生懸命に生きているからこそ選ぶ選択肢を間違えてしまうことがある…。 4人の視点で物語は進んでいく。 その4人がどのように関わっていくのか、そして、なぜ殺人は起こったのか… 高校生や大学生で読むのと大人になって読むのとでは感想が全く違...
【正解】とは時代と共に変わっていく概念だ…。 一生懸命に生きているからこそ選ぶ選択肢を間違えてしまうことがある…。 4人の視点で物語は進んでいく。 その4人がどのように関わっていくのか、そして、なぜ殺人は起こったのか… 高校生や大学生で読むのと大人になって読むのとでは感想が全く違うのではないだろうか!! 色々な人生の段階で読んでいきたい作品だった!!
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感想 複数の物語が一つへ収束する巧みさ。それと同時に描写の鮮やかさ。人物の呼吸さえ聞こえてきそうな繊細で詳細な描写。空気の匂いや温度も感じる。
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「神の悪手」で初めて芦沢作品が面白いと思い、現時点ベストと感想を書いたが、それの遥か上をいく大傑作。ミステリーとしてのプロットは上手いと思っていたが、失礼ながらここまで心情描写が確りと紡げるとは思っていなかったので、読後の驚きと喜びで評価:6にしたいほど。こういう作品に直木賞でも...
「神の悪手」で初めて芦沢作品が面白いと思い、現時点ベストと感想を書いたが、それの遥か上をいく大傑作。ミステリーとしてのプロットは上手いと思っていたが、失礼ながらここまで心情描写が確りと紡げるとは思っていなかったので、読後の驚きと喜びで評価:6にしたいほど。こういう作品に直木賞でも本屋大賞でもいいので取らせてあげて、芦沢作品が広く読まれることを願うばかり。。
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桜介、波瑠、豊子、正太郎、登場人物ごとに物語は描かれていて進んでいく。しばらくは点と点であり、それぞれの日常や人柄などを知っていく。その間にも桜介のひたむきさや波瑠の諦念、豊子の揺れる想い、正太郎の正義などが発する言葉や行動から鮮明になっていく。そして、いよいよ真相に近づき線に繋...
桜介、波瑠、豊子、正太郎、登場人物ごとに物語は描かれていて進んでいく。しばらくは点と点であり、それぞれの日常や人柄などを知っていく。その間にも桜介のひたむきさや波瑠の諦念、豊子の揺れる想い、正太郎の正義などが発する言葉や行動から鮮明になっていく。そして、いよいよ真相に近づき線に繋がった時の衝撃は読後にジワジワと増している。お恥ずかしながら近年にも実際に訴訟があったことも知らず、この物語の時代設定にも納得がいきました。 物語の中の人物たちはちょっとした仕草も細かに描かれており、感情の起伏がはっきり伝わってくる。それは自分自身でも判別できない感情の存在なども含まれていて、非常に人間らしい部分のように感じた。だからこそ、物語の真相を知って忘れらない記憶になった。読み終えて、もっと知ろうと思う。
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読み終えてどうしてこの題名がついたのだろうとか考えたと同時にもう一度プロローグから読み直し、ああそうかと気がついた。いろいろな登場人物がいるが主人公は2人に集約されていたんだ。二度読みして面白い小説となった。
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あなたの大切な人はだあれ… 心情描写が素敵すぎる名作! 涙があふれる悲憤慷慨な社会派ミステリー ■レビュー 切ねぇ! そして腹立たしい! 登場人物ひとりひとりが、様々な思いを胸に人生を歩んでいます。 もうね、思いが深すぎるのよ。そして心情描写がうますぎるの。もう涙なしでは読め...
あなたの大切な人はだあれ… 心情描写が素敵すぎる名作! 涙があふれる悲憤慷慨な社会派ミステリー ■レビュー 切ねぇ! そして腹立たしい! 登場人物ひとりひとりが、様々な思いを胸に人生を歩んでいます。 もうね、思いが深すぎるのよ。そして心情描写がうますぎるの。もう涙なしでは読めません。 そして芦沢先生は相変わらず日本語が綺麗! すごく和風。読んでて心地いいんです。 テーマとなっている社会問題についても、私は全くの勉強不足でした。 ついこの前まで現存していた日本の闇で、本質的には今も解決は至っていないでしょう。ただ薄っぺらいヒューマニズムや正義感で簡単に語れないこともわかっています。本作でしっかりと胸に刻ませていただきました。 私の今の仕事においても、学生に対してより良い人生を送るための講習を行うことがあります。過去の経験や知識、今ある様々な情報を選りすぐり、ベストと思ったことをお話しています。 旗を振って人生の手引きを説くということ、それに伴うリスクや責任。そして簡単に発信できる情報化社会… 様々なことを思い起こさせる作品でした。 ■推しポイント 芦沢先生はいつも親子の関係性や愛情を描くのがとてもお上手で、毎度毎度 魂を奪われちゃっているんですが、本作も強烈! 親は子供が可愛いし、愛おしい。子供は親を信じる、頼るのが「普通」。 この「普通」が何らかの事情によって歪んだときの深層心理描写。これがスゴイのよ。 余計なことは書かず、シンプルな一言や一文で激しく読者に伝えてきます。 本作では先生のお得な人間の業というより、犠牲という言葉がしっくりきました。 まさに先生の真骨頂で圧倒的でした、楽しませていただきました。
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有名な作家さんですが、初読みです。 ある塾の講師が教え子から殺される。2年経っても犯人は見つからず、動機も不明で…。 主に桜介、波留、正太郎、豊子4人でそれぞれの視点から、一章につき5つの物語が展開していきます。 特にはるが本当に可哀想で…。 最近、ネグレクトされる子どものお話をよく読む気がします…。どうか救われてほしいと願いながら読んでいました。 犯人である阿久津の視点はありませんが、阿久津がどういう人物なのか、読み進めていくうちに知る構成になっていて、この登場人物たちがどう繋がって、事件の真相は何で、どのように終演していくのか、気になり読む手が止まりませんでした。 芦田先生がどうしても書きたかった物語ということで。無視された人権、全てを均等としようとする社会。昔は当たり前だったこと。 時代が進んだからこそ気がつける、許されないこと。でも、あの頃はそれが当たり前で、誰も何も疑問に思わないようにしていたこと。 時代が進むからこそ変わる価値観と、変わらない人の思い。そこへの勇気、みたいなものを色々と考えさせられました。 最後、泣きました。は〜ずるいよなぁ、こういうのは。泣いちゃうよ。
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p.192まで読んだ感想。長尾豊子が阿久津を殺せば、阿久津からご飯を貰っていた橋本波留が生きていけなくなる。息子である橋本波留がいなくなれば、その父もまた生きていけなくなる。豊子の行動によって、3人の人生が大きく左右される。 読み終えて。その当時、正しい道標であると思っていたものが、現代になって否定される。倫理観は変わり続ける。 大きな決断をするときに、自分で考えるのが恐くなり、他者に意見を求め、その意見に無防備に同調するのは危険である。
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どんな言葉で表現したらいいのか。言いたい事は沢山あるのに、自分の語彙力の乏しさにもどかしくなる想いに駆られる。 願いたくなる。祈りたくなる。その想いが綺麗で純粋で、なのに至ってしまった結果が切なくて悲しくて。そして愛おしくもあって、尊い。 それぞれの心の描写があまりにも丁寧で、一...
どんな言葉で表現したらいいのか。言いたい事は沢山あるのに、自分の語彙力の乏しさにもどかしくなる想いに駆られる。 願いたくなる。祈りたくなる。その想いが綺麗で純粋で、なのに至ってしまった結果が切なくて悲しくて。そして愛おしくもあって、尊い。 それぞれの心の描写があまりにも丁寧で、一人一人に入り込んでしまう。じわりとじくりと緩慢に締め付けられていくような苦しさに逃げたくなる。 そして中心である『彼』の魅力がとんでもなかった。紡ぐ言葉、行動一つのどれもに目が離せなくて引き込まれる。 こんなにも傷つけられているのに。それなのに、泣きたくなるほど優しく柔らか。 終盤、眼の奥が熱くなって痛くなって、溢れ出しそうな涙を堪えながらそれどころじゃないと、一気に終わりまで読み続けた。 エピローグで感情が沸き上がり、タイトルの意味、そして表紙を見直して再び揺さぶられる感情が起こる。 だからこそ、縋る気持ちにも似た想いで祈りたくなる。どうか、と。そんな胸に響く物語でした。余韻、凄かった。とてもとても大好きです。 多くの方に読んでもらいたいなと思いました。
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真っ暗な中、手探りで進むとき、自分の選ぶべき正しい道を教えてくれる光があれば、きっと間違わない。そう思っていた光の標。生きていく力となる道標。それを信じ従う安心と、その安心を背負う重さを想う。 障害を持っていたり、集団生活になじめなかったり、そういう子どもたちを救い続け、誰からも慕われる塾の教師が殺された。容疑者として指名手配された元教え子、それを匿う女、半ば忘れられたようなその事件を追う刑事。事件の全容がわからないまま、父親に虐待されている少年の話も進んでいく。 なぜ、何のために塾の教師は殺されたのか。その謎が分らないまま、真っ暗闇の中を進んでいく。 とある二人の接点。そこにある、正しくはないけれど間違ってはいない関係。 胸に刺さった小さなとげが少しずつ傷を広げていくのを感じた。読みながら自分自身も「正しくはないけれど間違ってはいない」道を指し示したくなる。そして正しく間違う道を進みたくなってしまう。 どうか、どうか、と祈るようにページをめくりたどり着いた場所。 この先にある困難を乗り越える光をください、と、喉の奥から声が漏れる。泣きたくはない。この小説を読んで簡単に泣きたくはないのだ。
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