Iの悲劇 の商品レビュー
地方自治体の現実と限界からなる悲劇が描かれていた。日常ミステリー好きとしては、ちょうど良い謎を楽しめた。ただ、もう少し自分に発想力があれば解けたのではないかと悔やむ。 最も印象に残ったのは第5章。唯一謎解きがなかった章だ。地方と都会について考えさせられた。この小説は物語と現実を...
地方自治体の現実と限界からなる悲劇が描かれていた。日常ミステリー好きとしては、ちょうど良い謎を楽しめた。ただ、もう少し自分に発想力があれば解けたのではないかと悔やむ。 最も印象に残ったのは第5章。唯一謎解きがなかった章だ。地方と都会について考えさせられた。この小説は物語と現実をリンクさせてしまう力があった。みんな何かを擦り減らして生活している気がしてならない。現実世界では消耗する人と土地に救いがあればいいな。
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移住しようとしてきた人達からしたら、いい迷惑だよな…素直にお詫びして企画をやめればいいのに…って、現実的なコメント。(笑)
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万願寺の見せ場がないまま終わってしまったのが今ひとつだった。なんとなく結末が見えていたこともあり、西野課長と観山の背景ももう少し知りたかった。
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なぜか集落に移住者が居付かない。奇妙な物語。 でも結論は、すごく現実的だった。 掴みどころが無い感じが、っぽくて好きでした。
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話の構成が黒牢城に似てますかね。 いくつかのプチミステリーをこなして大枠の話が進んでいくような展開が。 そのプチミステリー部分ですが、何故か冴えてて本の話以外はカラクリがだいたい分かっちゃいました。 なんかテレビの突破ファイルに出てきそうな感じですね。 ★3だなー、と思って読...
話の構成が黒牢城に似てますかね。 いくつかのプチミステリーをこなして大枠の話が進んでいくような展開が。 そのプチミステリー部分ですが、何故か冴えてて本の話以外はカラクリがだいたい分かっちゃいました。 なんかテレビの突破ファイルに出てきそうな感じですね。 ★3だなー、と思って読んでましたが、最後のオチの所は全くの予想外で、かつこの国の現状を鋭く指摘してて非常によかったです。気づかなかった伏線もたくさんあって「ほほぉー」となりました。 やはり田舎暮らしなんてのは、その利便性の低さに勝る郷土愛や人との繋がりみたいなもんがないと無理ですわなー。 そもそもIターンというか自治体の移住促進施策には前から懐疑的です。人口減少が止まらないこの国で、税金注ぎ込んで残ったパイの取り合いしてなんの意味があるのか、と。 産業や暮らしも変わり行く中で、居住地としての需要がなくなる土地ができるのは自然な淘汰であり、金使ってその波に逆らっても無理があるだろう。 IってIターンのことだったんですね。 てかIターンてターンしてなくない?
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読了後は、全体を通してなるほどな、と思うこともあったけど、ミステリー色よりも、深刻な地方の過疎問題に気を取られてしまいました。面白くなかったわけではないのですが、のめり込むほどでもなかったので、今回は星三つ。でも、ダラダラ読んだわけではなく、一つ一つの物語はすっと入ってくる内容で...
読了後は、全体を通してなるほどな、と思うこともあったけど、ミステリー色よりも、深刻な地方の過疎問題に気を取られてしまいました。面白くなかったわけではないのですが、のめり込むほどでもなかったので、今回は星三つ。でも、ダラダラ読んだわけではなく、一つ一つの物語はすっと入ってくる内容でした。
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ミステリーの要素を含みながらも限界集落を抱える地方自治体の本質を描いているような作品で、ラストの答え合わせはなかなかに考えさせられた。 地方出身の自分にとっては、帰省の度に元気がなくなっていく故郷と重ねて少し考えさせられたりもしたけど、それでも個性豊かな移住者に振り回されつつ問...
ミステリーの要素を含みながらも限界集落を抱える地方自治体の本質を描いているような作品で、ラストの答え合わせはなかなかに考えさせられた。 地方出身の自分にとっては、帰省の度に元気がなくなっていく故郷と重ねて少し考えさせられたりもしたけど、それでも個性豊かな移住者に振り回されつつ問題を解決していくストーリー展開や、万願寺と観山の掛け合い、西野課長のやる気なさそうで実は要所要所で何か裏でやってそう感とかライトな部分でも十分に楽しめたな。 登場人物のキャラが立ってて、シリーズ化したら面白そうだなと思いつつ、ラストの展開を考えるとちょっと難しいかな…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
無人となった集落に新しく移住者を募って村を再生させようという市役所のプロジェクトを巡るお話。 やる気の薄い西野課長と現代っ子の新人・観山の間で奮闘する市役所職員の万願寺だが、それぞれ曰くがある移住者たちとの間で次々とトラブルに見舞われる。 小火、鯉の盗難、子供の失踪、バーベキューでの食中毒、仏像の祟り…、過疎に悩む地方都市の姿がしっかり描かれてもいるが、メインはこれらのトラブルにまつわる謎解き。 一件落着した後で明かされる、その発端にある人間の心理にこの作者らしいビターさが楽しめる。 終章、積み重ねられた話が、トラブルとは関係ない過疎を巡っての兄弟のやりとりだった第5章も含めて、うまいこともうひと捻りされたが、ここまで、やる気がなさそうな課長と観山がいつも万願寺を差し置いてどうしてあんなに鋭いのかという気もしていたので、あぁそうだったのね、という感じも。 明日から1週間ほど入院するので本はたくさん読めそうに思うが、感想を書くのが溜まってしまう…。
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最終章の情景描写がとても素敵なところへ持って来ての、この後味の悪さよ(嫌いではない)万願寺くんに幸あれ!
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最後はユーモラスに無人化してしまった村。 冒頭のプロローグ部分で少し笑いそうになりましたが、その無人化した村に人が住みつき、再び繁栄させようと、Iターンで人を集めて住み着いてもらおうという政策に携わる公務員の主人公視点から描かれる、無人村再生プロジェクトの悲劇。 描かれている...
最後はユーモラスに無人化してしまった村。 冒頭のプロローグ部分で少し笑いそうになりましたが、その無人化した村に人が住みつき、再び繁栄させようと、Iターンで人を集めて住み着いてもらおうという政策に携わる公務員の主人公視点から描かれる、無人村再生プロジェクトの悲劇。 描かれている内容の根底あるものはなかなかごもっともなことで、こういう無人村を再生することのメリット、デメリットがあるということも含め、今各地で行われているIターンプロジェクトの是非は物凄く考えさせられる話です。 ただ、ミステリーとして読む分には、おや?っと思うところも大きく、ガチガチのミステリー、特に作者の日常の謎的なミステリーを期待するとやや拍子抜けするかもしれません。 ミステリーという意味では、個人的には作者にしては中途半端な気もしなくはないなと思う反面、こういうのもミステリーかと思うくらいには納得した作品でございました。
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