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優等生は探偵に向かない の商品レビュー

4.3

224件のお客様レビュー

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    89

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2022/10/17

――  向いてたい。  ピッパ・フィッツ・アモービ三部作の二作目、と書くのが正しいと思う。もしくはもう、上中下巻の中巻とするか。それくらい前作との関わりも濃く、ネタバレにもなっているので、気になっている方は前作、『自由研究には向かない殺人』が必読です。本当に、絶対そのほうが...

――  向いてたい。  ピッパ・フィッツ・アモービ三部作の二作目、と書くのが正しいと思う。もしくはもう、上中下巻の中巻とするか。それくらい前作との関わりも濃く、ネタバレにもなっているので、気になっている方は前作、『自由研究には向かない殺人』が必読です。本当に、絶対そのほうが面白いから!  前作の感想で探偵の全能感やその危うさ、と書いたけれど、そのテーマは引き続き。ただ今回は大きく打ちのめされる形で、けれど、その中には探偵すること、あるいはもっと単純に、行動することへの礼賛が確かにあって。  また前作にも増して、SNSへの向き合い方、もっと単純に情報への心構えみたいな部分を、より現実的に(それは良いことも悪いこともある、という意味で)描くようになっていて、キツい分重厚でもあった。誰もがヒーローになれる、なってしまう、その力で、何が出来て何をすべきで、何をしてはいけなくて何がされてしまうのか。  さて事件が起きたとき、自分自身はどの役回りを演じるのだろう。本当に、軽蔑すべきあのキャラクタの動きをするんじゃないだろうか。そうまでしても、登場人物のひとりになりたがるのじゃないだろうか。  そのあたりは、ジャーナリズムをどう掲げるか、というのと似ているのかも。  自分は探偵になにを求めているのだろう、と思うところもある。  真実も司法も警察も当事者にとって、まるで救いにならない中で、  ただその真相と、畏れ無く向き合う探偵のみが、  救えるものがあるのだと、信じているんだけれど。  その探偵を救うのは、同じく向き合える当事者たちなのだなぁ、とか今更感動したり。  友人の失踪事件を中心に、三作目に向けて大きく変化していくリトル・キルトンそのものや、ピッパの周囲、もちろん彼女自身から目が離せない。そして名探偵には欠かせない宿敵の登場 (多分)。同質にして正逆、と云うことばが成る程当て嵌まる相手を前に、探偵が当事者になってしまうのか。  楽しみ。☆3.8

Posted byブクログ

2022/10/10

天才ストーリーテラー、ホリー・ジャクソン。 この続編では、それを痛感した 前作同様まるでNetflixのドラマを観てるかのように読ませてくれ(服部京子さんの翻訳も素晴らしいのだろう)、やはりSNSを活用し真相を探っていくのだが、まさに今を象徴するあるアイテム!の登場はお見事! こ...

天才ストーリーテラー、ホリー・ジャクソン。 この続編では、それを痛感した 前作同様まるでNetflixのドラマを観てるかのように読ませてくれ(服部京子さんの翻訳も素晴らしいのだろう)、やはりSNSを活用し真相を探っていくのだが、まさに今を象徴するあるアイテム!の登場はお見事! このネット社会、SNS世代のストーリーなのに、ドラッグ、銃社会、犯罪被害者の人生といった普遍的な問題が根底にあり、どの世代も胸を打つラストになっている。 この3部作の3作目は来年刊行予定、期待大!

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2022/10/04

「自由研究には向かない殺人」続編。それはそれは懇切丁寧に(笑)前作の真相がオールネタバレされているので、前作を先に読んでおくことをお勧めします。 一躍有名になったものの、前回の事件に関わったことの苦悩を抱えるピップ。二度と探偵をすることはないと決めたはずなのに、友人の兄ジェイミー...

「自由研究には向かない殺人」続編。それはそれは懇切丁寧に(笑)前作の真相がオールネタバレされているので、前作を先に読んでおくことをお勧めします。 一躍有名になったものの、前回の事件に関わったことの苦悩を抱えるピップ。二度と探偵をすることはないと決めたはずなのに、友人の兄ジェイミーの失踪に対して警察が頼りにならないことを知り、調査を開始することに。人脈とSNSを駆使し、着実に情報を集めていくもののジェイミーの行方はつかめず、焦燥感ばかりが募る中で刻々と日にちばかりが過ぎていくのが、読者としても耐えられません。本当につらい。もしかしてもう彼は死んでいるのでは、と何度も思わされますが、しかしそれはつらすぎるし、そうだったときにピップが味わう苦悩もまた想像したくないし。なんとしても生きていてほしいという思いでいっぱいでした。 SNSに寄せられる心無いコメントや謎の女の影に振り回されながらもピップたちが至った真相は、これまたとんでもないもので。すべてが平穏無事な解決というわけにはいかず、またしても新たな苦悩を抱え込むことになってしまったピップが心配です。だけれど他者を救うため、「いい人」であることもかなぐり捨てて突き進むことを決めたピップの姿には力強さも感じました。きっと彼女は大丈夫。心強い味方に囲まれ、さらに強く素敵な人間になって、新たな事件に挑んでくれるはずです。

Posted byブクログ

2022/10/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ポッドキャストという新たなメディア媒体を通して進む失踪したジェイミーの捜索。前作ではただの学生のピップが蔑ろにされながらも情報を取りに行くそのメンタルに感心したが、今回は前作の功績から情報も多く、それに伴い増えていくアンチの声に崩れそうになる彼女が印象的だった。 前作の裁判判決も出て、法が正義ではないのなら何を信じればよいのか見失ってしまったピップを励ましてくれた優しい隣人ってお前が犯人かい! でも個人的報復に走ってしまったピップはちょっと怖いと思った。器物損壊、オーディオデータのアップロード、首締め、ボード叩き割り。いや怒る気持ちはわかるけど落ち着け。それが自分だとしてもやりすぎだ。 強いて言うなら謎解きって感じではないよね、読者が解くには後出し情報が多すぎる。どちらかというと、一緒に展開をみている感じ。そこは好み分かれると思った。

Posted byブクログ

2022/10/01

前作よりかなりスピード感があって、面白かったのですが、最後の方は衝撃的すぎて、これまで時間をかけて読んできた内容が飛んでいき、感想が思い浮かびません。もう次回作の続編も刊行予定されているみたいなので、翻訳されるのを待とうと思います。海外ミステリーも楽しめるようになってきたぞー

Posted byブクログ

2022/09/30

続編と聞いてわくわくで読みました。 もしかして最初から3部作のつもりで書いたんですかね・・・? すごい・・・。 行方不明の友人の兄を探すため、ポットキャストやらアプリやらフェイスブックやらを駆使するピッパ。時代だなあ。

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2022/09/30

「自由研究には向かない殺人」の後日談と、友人の兄の失踪の調査。先日読んだ「かくて彼女はヘレンとなった」や「復讐法廷」と同様、司法の不平等さや、一握りの人が世間の声の代表者になっている現実にやりきれなさを感じた。 ポッドキャストやSNSを駆使して行方不明者を助けようとする描写もとて...

「自由研究には向かない殺人」の後日談と、友人の兄の失踪の調査。先日読んだ「かくて彼女はヘレンとなった」や「復讐法廷」と同様、司法の不平等さや、一握りの人が世間の声の代表者になっている現実にやりきれなさを感じた。 ポッドキャストやSNSを駆使して行方不明者を助けようとする描写もとてもリアルだった。内容は前作のが好きだった。

Posted byブクログ

2022/09/28

巻末の阿津川さんの解説にもあるが、本作は前作の続編というよりは第二部にあたる。ピッパの鼻につく優等生ぶりは少しおさまったが、独善的な話の進行はやはり好きではない。

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2022/09/21

「自由研究には向かない殺人」に続く第二作。ソーシャルメディアを駆使しながら(ポッドキャストとかよく分からないまま読む)、真相を暴き出す。明るく楽しいばかりでなく、司法の理不尽さや、罪とはなにか向き合っていく苦しさ。三作目も楽しみにしています。

Posted byブクログ

2022/09/21

CL 2022.9.18-2022.9.21 前作からの続編。思いっきり前作のネタバレから始まるので未読の人は要注意。前作をやや忘れていたわたしには優しい設定だけど。 どうやらわたしはピップに正義や倫理を求めすぎるているんだろうなあ。 ポッドキャストにこれほど容赦なくプライバシ...

CL 2022.9.18-2022.9.21 前作からの続編。思いっきり前作のネタバレから始まるので未読の人は要注意。前作をやや忘れていたわたしには優しい設定だけど。 どうやらわたしはピップに正義や倫理を求めすぎるているんだろうなあ。 ポッドキャストにこれほど容赦なくプライバシーをアップしていくことや、司直に任せられないとはいえ許されない暴挙がわたしにはちょっと受け入れ難いので高評価にはならない。 でも、この作品多くの人が絶賛していて、この作品に限らず最近わたしの感覚と合わないことが多くて悩ましい。

Posted byブクログ