嘘と正典 の商品レビュー
文章の癖がなくて、とても読みやすい。謎解きの要素もあり、舞台や歴史も様々だが、違和感なく話が読み込める。表題やあらすじのインパクトから予想していたより、あっさりしている。
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最後の不良と嘘と正典はかなり面白くて夢中で読み進めた。 競馬の話や魔術師、島の話などやけに父親を絡めた題材が多く、ちょっと飽き飽きしてしまった。
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SFという道具を使い,歴史の再解釈を試みる短編集.物事を層として多角的に解釈し,その一思考を明文化しているように感じる.多角的な解釈は研究者のような側面を彷彿とさせるが,そうか博士課程で研鑽を積まれたのかと,妙に納得する.円城塔氏と似た匂いを感じる.
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巻末の解説ではジャンル横断的と書かれていたけれど、横断というほど何かを強い技術で混ぜているといった印象ではなく、さまざまな要素がそれと感じないほど自然に混ざって成立している作品群だった。
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小川哲さんは村上Radioで知ってはいたのだが読むのは初。何気なく手に取ったのだがどの話も完成度が高く面白く不思議なジャンルの小説だと思った。表題の嘘と正典が一番面白いのは間違いないけど、個人的にはムジカ・ムンダーナがお気に入り。
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短編集。歴史と小説のクロスオーバーだし、エンターテイメントでもある。楽しく読めました。 時の扉 「もし何かを変えられるとしたら、それは未来ではなく過去なのです。過去はすでに存在していて、すべての存在は変えることができるのです。」 小説と歴史の似ているところ。それはどちらも...
短編集。歴史と小説のクロスオーバーだし、エンターテイメントでもある。楽しく読めました。 時の扉 「もし何かを変えられるとしたら、それは未来ではなく過去なのです。過去はすでに存在していて、すべての存在は変えることができるのです。」 小説と歴史の似ているところ。それはどちらも過去に属していて、未来に対して書かれているということ。過去は小説も、歴史も「書き換えることができる」 嘘の正典 過去に帰って歴史を書き換えようとする人とそれを阻止しようとする人、それぞれの立場について、マルクスとエンゲルスのエピソードを使うのか。
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小川哲さん、直木賞受賞おめでとうございます。SF界から直木賞が出たのは、半村良以来の50年ぶりかもしれない。でも「雨やどり」はSFではないし、この頃から路線を変更してしまった。私の大好きな恩田陸はSF大好き人間だけど、ジャンルはSF作家ではない。とすると、小川哲さんは初めての純S...
小川哲さん、直木賞受賞おめでとうございます。SF界から直木賞が出たのは、半村良以来の50年ぶりかもしれない。でも「雨やどり」はSFではないし、この頃から路線を変更してしまった。私の大好きな恩田陸はSF大好き人間だけど、ジャンルはSF作家ではない。とすると、小川哲さんは初めての純SF作家としての受賞なのかもしれない。一方、芥川賞は結構いるようだ。 積読、すなわち現在所有している本は、本作品「嘘と正典」、「君のクイズ」、そして受賞作の「地図と拳」の3つだが、どれから読むか迷った。「君のクイズ」は帯の紹介文がうるさく、「地図と拳」は分厚いので、まずは本作品から読むことにした。直木賞候補作品でもあるし、短編集なので読み易いというのも選択した理由。 全体を通した感想は、SFの境界線、かろうじて境界線内に留まっているという位置付け。ならば、他の二冊も同じような感じなのだろうか。これから純文学の方に思いっきり舵を切るのだろうか。疑惑は深まる。 いずれの作品も人の心の動きを緻密に描いており、甲乙つけ難い六作品となっている。強いてベスト作品を選ぶなら、やはり時間SF、パラレルワールドの「噓と正典」だと思う。あと、どの作品か忘れたが、人は死んだら記憶を失ってまた他の人間に生まれ変わるという考え方、これは私が子供の頃に信じていたもの、そのものであり、ちょっとびっくりした。その亜流ではあるが、最近のテレビドラマ(ブラッシュアップライフ)でも人から人への輪廻を取り上げていた考え方。これは伴名練から借用したか?一方、手塚治虫の火の鳥では、様々な生物に生まれ変わるタイプの輪廻転生で最後に人間に戻るのだが、やはり実際?は人間のみで廻して欲しい。
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「地図と拳」で直木賞を受賞した著者の2019年、1回目の同賞候補作。時間や歴史が全編を通したテーマとなっているが、解説にもある通り、まさに「ジャンル越境的」な魅力の詰まった6編。とても濃厚な短編集だった。何と言っても「魔術師」と「嘘と正典」の歴史改変ものが出色。短いけれど、流行を...
「地図と拳」で直木賞を受賞した著者の2019年、1回目の同賞候補作。時間や歴史が全編を通したテーマとなっているが、解説にもある通り、まさに「ジャンル越境的」な魅力の詰まった6編。とても濃厚な短編集だった。何と言っても「魔術師」と「嘘と正典」の歴史改変ものが出色。短いけれど、流行を皮肉った「最後の不良」も面白かった。小川哲氏に従来の「SF作家」のイメージを重ねるのはもうやめようと思う。
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#最後の不良 アパレル時代を思い出した。 30ページ弱やけど、これ読む為だけでも買える1冊。 #嘘と正典 面白い。600ページにしてくれても良い。 共産主義が生まれなかった世界線を考えさせられる。
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SFはあまり読まないが、最初の『魔術師』から引き込まれた。タイトルにもなっている『嘘と聖典』も面白かったが、音楽が通貨になっている島の伝説『ムジカ・ムンダーナ』が好き。『ゲームの王国』『地図と拳』も読みたい。
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