カヨと私 の商品レビュー
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文章のうまさに感心するが読みすすめるにつれてヤギを溺愛する姿がやり場のない母性の発露にしか見えず気味が悪くなる。完全に毒親タイプだよなあ。でもまあ人の毒親程度では野生を制御することはできないということか。気持ち悪くなったので後半は未読。
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内澤さんのカヨに対する愛情が爆発しててずっと幸せな気持ちだつた 里子に出した雄ヤギのチャメが再会した時には黒ミサに出てくるパフォメットになってしまってたのに声出して笑った 内澤さんの文章はユーモラスで面白い 挿絵がいっぱい入ってて素敵な本でした
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小豆島でヤギと暮らす、「プラテーロとわたし」のように…。そんなつもりで始まったヤギとの暮らし。発情期とともに交配し子どもが生まれ、成長すると又子どもが…。最大7匹のヤギを飼うことになった著者とヤギたちの生きざまをイラストをつけて記す。雑誌「母の友」に連載していたもの。 ヤギたちと...
小豆島でヤギと暮らす、「プラテーロとわたし」のように…。そんなつもりで始まったヤギとの暮らし。発情期とともに交配し子どもが生まれ、成長すると又子どもが…。最大7匹のヤギを飼うことになった著者とヤギたちの生きざまをイラストをつけて記す。雑誌「母の友」に連載していたもの。 ヤギたちとのノンビリした田舎暮らし、みたいなものを想像して読んだが、生き物を飼うとか、生き物と共存するということの厳しさを感じさせらりた。
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表紙を見てヤギとののどかな暮らしを描いた本か、癒されそう、と思って読んだら完全に裏切られました(笑)。ヤギに限らず動物というものは、生きるために駆け引きはするとしても人間のように傲慢ではないのだろうと勝手に思い込んでいたのですが、この本に登場するヤギは気任せで、奔放で、時に残酷で...
表紙を見てヤギとののどかな暮らしを描いた本か、癒されそう、と思って読んだら完全に裏切られました(笑)。ヤギに限らず動物というものは、生きるために駆け引きはするとしても人間のように傲慢ではないのだろうと勝手に思い込んでいたのですが、この本に登場するヤギは気任せで、奔放で、時に残酷です。人間も含めて動物ってこういうものなんだ、と少し安心しました(笑)。ただ、人間の都合のいいように動かない動物だからこそ惹かれるところがあるのかなとも思います。
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文筆家・イラストレーターの内澤旬子のエッセイ。 小豆島でヤギと暮らす日々のあれこれである。 田舎の島で動物と暮らすというと、牧歌的なイメージを受けるが、本書はやや異なるように思う。 著者は『世界屠畜紀行』という著書もあり、自身、わな猟免許・狩猟免許も持つ。(こちらは私は未読なの...
文筆家・イラストレーターの内澤旬子のエッセイ。 小豆島でヤギと暮らす日々のあれこれである。 田舎の島で動物と暮らすというと、牧歌的なイメージを受けるが、本書はやや異なるように思う。 著者は『世界屠畜紀行』という著書もあり、自身、わな猟免許・狩猟免許も持つ。(こちらは私は未読なのだが)実際に豚を飼って食べる肉にして食べるまでのルポ『飼い喰い』も書いている。 この時点で、単なる動物好きというのとはいささか違う。 本書の主役たるヤギのカヨは、食べるために飼っているわけではなく、家の周りの草を食べさせるために飼い始めている。ではドライな関係になるのかと読み進めると、その予想も外れていく。 何だかカヨの方が主導権を握っているように見えてくるのだ。 ペットとか愛玩動物というのともまた違い、1頭と1人の間に徐々にのっぴきならない関係性が生じていくようで、牧歌的というよりはむしろスリリングでさえある。 何せヤギのカヨは要求が多く、草の好き嫌いも多い。また、発情期があり、それが21日周期と相当頻繁である。そのたびに鳴いて騒ぐので、考えあぐねた著者は、島外のヤギ牧場まで行ってそこの雄ヤギとカヨを交配させる。すったもんだの挙句、無事妊娠して出産。それでめでたしめでたしかと思えば、ある程度子育てが終わればまた発情してしまうのが生き物の性。 他所にもらわれていった雄の子ヤギと久しぶりに再会したら、その子はカヨを見て発情。その場は収まったが、やがて発情期を迎えたカヨは、「私をあの男(=自分の子)のところに連れて行きなさい」と著者に“命令”するのである。 畜産や競走馬の世界では親子間の交配も珍しくはないという。結局のところ、カヨは自分と息子の間の子供を産む。そしてさらに、また次の子供も。 ヤギの欲情のまま、際限なく増やし続けるわけにはいかない。発情期のたびに子を産んでいたらヤギだらけになってしまう。世話も追いつかない。 とはいえ、著者が一番に心配するのは、カヨの身が持たないのではないかということ。 息子の去勢をし、カヨには何とか納得してもらうしかないのである。 関係性としてはまるで、女王様(カヨ)と下僕(著者)である。 ヤギなら皆かわいいかというとそうではない。カヨは著者には特別なのだ。カヨの子供たちの面倒も見、かわいがりもするけれど、カヨに比べるとどこか「薄い」。息子の去勢に複雑な思いは抱くものの、他の選択肢はありえない。ともかくカヨが一番なのだ。 そして築かれる、カヨが統べるヤギの国。 その顛末にのけぞりもし、またおかしさも感じるのだが。 とはいえ、他人のことを笑ってもいられない。 我が身を顧みれば、家の犬と同じベッドで寝ているが、人によっては眉を顰めるだろう。数か月前に別の犬を亡くした時は、親が死んだ時より泣いた。 誰か・何かと深く関わる時、そこに生まれる関係性は「個」と「個」のものであって、他人のうかがい知れない部分というのは出てくるものではないだろうか。 何だかそんなことまで考えさせてしまう。 だからこの本は「カヨと私」なのだ。 「ヤギと人間」ではなく。
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表紙のやさしいヤギのイラストからは、想像できない生々しさだ。 ヤギというか、正しくは、著者が感情移入してしまったヤギだけど、飼うって大変なのがよくわかった。 このヤギ「カヨ」が雌ってとこもポイントかな。たまに、著者が女性の自分と重ねて考えるのが、こちらも考えさせられる。 そ...
表紙のやさしいヤギのイラストからは、想像できない生々しさだ。 ヤギというか、正しくは、著者が感情移入してしまったヤギだけど、飼うって大変なのがよくわかった。 このヤギ「カヨ」が雌ってとこもポイントかな。たまに、著者が女性の自分と重ねて考えるのが、こちらも考えさせられる。 それにしても、草を集めたり、放し飼い用の柵を作ったり、ほぼ女一人でやってしまう、この人何者?って、巻末の著者紹介を見たら、1667年生まれ、同年代! これまでの作品タイトルが、『世界屠畜紀行 』『飼い食い』『ストーカーとの七〇〇日戦争』 など、どんな人生だった!? あとがきで、『プラテーロとわたし』(石井洋子訳、中央法規)でスペイン、モゲールでロバと暮らす詩人ヒメネスの話しが、カヨと暮らすきっかけになったと。こちらも気になる。
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ヤギの生態をほとんど知らなかったので、発情期の具合とか、へぇーと興味深く読んだ。 ヤギへの依存度高めな『私』の七転八倒ぶり、わがままな好きな子に振り回されている感じで、なかなか味わい深かった。 静かな本。(他の著作に手を出したら、テンションの違いにびっくりした。。)
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話は面白い。 はじめは、キズナや心地よさを堪能することができる。 時間を経て変化が生じ、運命・事情が絡み合い、勝手に進み出して変えようとしてもどうしようもできなくなってしまう。 その中での葛藤が重く感じられるので、単に面白かったで済む内容ではない。 人や周りにいる生き物との関わり、大切にしたい気持ちを考えさせられる1冊。
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自然豊かな小豆島でのヤギたちとの暮らしを綴る、エッセイ。 雑草除去としてやってきた、ヤギのカヨ。 初めてのヤギ飼い、初めて一匹で飼われるヤギ。 日を経るにつれて、少しずつお互いが寄り添ってゆく。 それは、著者とカヨの信頼と愛情の日々。 だがカヨが妊娠して子育てを繰り返す、その様子...
自然豊かな小豆島でのヤギたちとの暮らしを綴る、エッセイ。 雑草除去としてやってきた、ヤギのカヨ。 初めてのヤギ飼い、初めて一匹で飼われるヤギ。 日を経るにつれて、少しずつお互いが寄り添ってゆく。 それは、著者とカヨの信頼と愛情の日々。 だがカヨが妊娠して子育てを繰り返す、その様子への葛藤。 仔は増えて成長するし、個々の個性もばらばら。 何と言っても本能の凄まじさ。まさに命が行動している! 発情、交配、出産、誕生、成長、別離、去勢、死など、 ヤギたちに振り回される日々は、命に向き合う日々でもある。 オロオロしながらも命に立ち向かってゆく、著者の姿が逞しい。 成長したカヨとその家族を愛し、見守る著者の眼差しも良かった。 あとがきの「カヨと私とプラテーロ」も著者の心情を 垣間見た感じ。著者とカヨとの関係性が何とも愛おしいなぁ。 挿絵のヤギたちの絵がステキで、特に月を仰ぐカヨの姿が好き。
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感想 存在をかけてヤギと生活する。懐いてくれなくても暮らしの中に混ぜてくれればそれで良い。でも時々向こうから寄り添ってくれる。それが嬉しい。
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