1,800円以上の注文で送料無料

ほどなく、お別れです の商品レビュー

3.6

46件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    22

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2023/04/26

坂東会館で働き始めた美空は葬祭ディレクターの漆原らと共に日々仕事に励んでいる。慌ただしい中で納得して見送ることは、残された人の願いだと思う。美空や僧侶の里見が、逝った人の気持ちに寄り添えるというのは、とても羨ましくなった。誰にもわかってもらえず凄まじい亡くなりかたをした奈緒さんが...

坂東会館で働き始めた美空は葬祭ディレクターの漆原らと共に日々仕事に励んでいる。慌ただしい中で納得して見送ることは、残された人の願いだと思う。美空や僧侶の里見が、逝った人の気持ちに寄り添えるというのは、とても羨ましくなった。誰にもわかってもらえず凄まじい亡くなりかたをした奈緒さんが、最後によかったと思える旅立ちでほっとした。

Posted byブクログ

2023/04/15

お葬式小説。 あぁ、泣けます! 実際にもこんなに温かい 葬祭ディレクターがいるといいなあ。 美空のお姉ちゃんとおばあちゃんのお話は つらくて悲しくて… 全ての登場人物に 感情移入してしまいます。 美空ちゃん、漆原さん、里見さん この3人の今後が気になる! 早速続編も読み始...

お葬式小説。 あぁ、泣けます! 実際にもこんなに温かい 葬祭ディレクターがいるといいなあ。 美空のお姉ちゃんとおばあちゃんのお話は つらくて悲しくて… 全ての登場人物に 感情移入してしまいます。 美空ちゃん、漆原さん、里見さん この3人の今後が気になる! 早速続編も読み始めました!

Posted byブクログ

2023/04/10

死と向き合ってはじめて精一杯生きなきゃと思うことが多い。グリーフケアという言葉は知っていても、なんだか怖くて避けがちだった。死が穢れであるという価値観を一切感じなくて、とてもよかった。(主人公の職業選択の際の家族の言葉など) p.125 このまま式を進めていけば、だんだんと納...

死と向き合ってはじめて精一杯生きなきゃと思うことが多い。グリーフケアという言葉は知っていても、なんだか怖くて避けがちだった。死が穢れであるという価値観を一切感じなくて、とてもよかった。(主人公の職業選択の際の家族の言葉など) p.125 このまま式を進めていけば、だんだんと納得していけると思います。結局はね、生きている人の心の中の問題なのですよ。どうしを認めるか。頭諦めるか。ご遺族の気持ちに区切りがつくことで、たいていは死者も納得するものです。 p.146 「それだけ、あいつが敏感で優しいと言うことだと思う」里見さんの邪気のない優しさが伝わるからこそ、動物や子供に好かれ、すぐになつかれると言うことなのだろう。 p.167 「昨日、喪主様から私にお話がありました。これは、ひなちゃんからお母様へのプレゼントとして、今後もずっと大切に持っていってもらいたいと。ひなちゃんが、泣いているお母様に泣き、止んでほしくて、プレゼントしようとした品なのだからと、それを伝えて欲しいとおっしゃいました。これは、まだ深い悲しみに暮れるお母様に、また一方踏み出す気持ちを持ってほしいと言う喪主様の願いでもあります。ひなちゃんはぶるちゃんとなって、これからも2人と一緒にいます。今はまだ光が見えなくても、これからもひなちゃんのことを思いながら、支えあって、一緒に生きていこうと言う、喪主様から奥様へのメッセージです。それを私から伝えさせていただきます」「やっぱり、生きている人って強いね」 p.180 「このような業界にお嬢さんが就職することに、不安になる気持ちもあると思います。もっと明るい職場で働いてほしいと思われるって入るかもしれません。ですが、決して希望のない仕事では無いのです。大切な家族をなくし、大変な状況に置かれたご遺族が、元に接するのが我々です。一緒になって、その気持ちを受け止め、鍵となる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする、やりがいのある仕事でもあるのです。しかし、ときには感情をむき出しにされた後、ご遺族と接し、辛い思いを味わうこともあります。結局は、人間が好きでないと務まらない仕事なのです。私は美空さんの仕事ぶりを拝見していますが、十分にその素質があると思っています。このような暖かなご家族で育ったためでしょうか、彼女には、親身になって、相手を思いやることもできる優しさがあります」 p.266 人を送る仕事をしているうちに、いつの間にか気づいていた。次は特別なものではなく、自分の近くにも必ず訪れるものだと言うことに。どんなにつなぎ止めたくても、するりと指の間を通り抜けてしまうんだと言うことも。その時が迫っているのなら、私にはどうすることもできない。ただ穏やかに旅立たせてあげるのが、大好きな祖母のためにできる。ただ1つのことなのだ。 p.277 解説 洗える物語は、それに触れた人の、内なる死の衝動を止めるために存在するのではないだろうか。コロナ禍となり、死が以前より身近に感じられるようになった世界で、どれほどの人々が小説や漫画を読み、映画やNetflixのドラマを見ることで、転がり落ちそうになる気持ちにストップをかけたことだろうかと思う。もちろん、近松門左衛門の「曽根崎心中」やゲーテの「若きウェルテルの悩み」など、獅子をモチーフにしたことで、受け手の希死念慮を誘発してしまったとされる作品も存在する。しかし、結果的に不幸な事例を招いてしまったとしても、作り手自身は作品に一切そのような意図を込めてはいなかったはずだ。むしろ、自死言う選択の無意味さを示すことで、その選択を忌避する気持ちを呼び起こそうと作品ではなかったか。

Posted byブクログ

2023/03/24

別れの方法は一つではなくて、想い続けることも忘れることもその一つ。 大切なのは別れから目を逸らすのではなくて、しがみつくことでもなくて別れを受け入れること。 手放さなければならなかったものがある方に、読んでいただきたい本。

Posted byブクログ

2023/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

葬儀場が舞台のお話。死がテーマということもあり、毎話泣いてしまった。自分も故人と対話できたらいいのにと、ファンタジー要素はあるが、温かく、漆原のキャラクターも素敵だなと思った。ドラマで見てみたい。

Posted byブクログ

2023/02/05

「3+1回泣ける!」的な帯に惹かれて購入。 とある葬儀屋で働く女子大学生の物語で、いわゆる「お仕事」系の仕事かなと思ったら、主人公には霊的なものがみえるという設定でびっくりした。 辻村深月さんの『ツナグ』、小川糸さんの『ライオンのおやつ』が面白かったというには刺さるのかも。 ...

「3+1回泣ける!」的な帯に惹かれて購入。 とある葬儀屋で働く女子大学生の物語で、いわゆる「お仕事」系の仕事かなと思ったら、主人公には霊的なものがみえるという設定でびっくりした。 辻村深月さんの『ツナグ』、小川糸さんの『ライオンのおやつ』が面白かったというには刺さるのかも。 ただ、自分にはあまり刺さらなかった。 死者とのやりとりを描いた作品のメッセージって結構一辺倒で、「死はつらいけど、せめて死後の世界はやさしいものであってほしい」という考え方は素敵なのだけど、綺麗すぎるというか、宗教書を読んでいるような気分になった。

Posted byブクログ

2023/01/22

葬儀社で働くのは切なくて大変だけどとてもやり甲斐がありますというお仕事小説 ありがたいことです みんないい人達だから…

Posted byブクログ

2022/12/24

初読みの作者さん。少し前のほんやだワンさんのレビューに惹かれて買ってみた。 葬儀社でアルバイトする霊感を持った女子大生(その後、そのままそこに勤めることになる)のお話だが、仕事柄たくさんのご葬儀に参列してきて、多くの喪主様やそのご家族、葬儀を取り仕切る人々を見てきたので、冬にな...

初読みの作者さん。少し前のほんやだワンさんのレビューに惹かれて買ってみた。 葬儀社でアルバイトする霊感を持った女子大生(その後、そのままそこに勤めることになる)のお話だが、仕事柄たくさんのご葬儀に参列してきて、多くの喪主様やそのご家族、葬儀を取り仕切る人々を見てきたので、冬になれば毎週のように葬儀に参列したことや働き盛りで亡くなった従業員のこと、子どもに先立たれた親御さんのことなどが思い出された。 お話は、お仕事小説っぽくもありミステリーっぽくもありファンタジーっぽくもあり、悪く言うと今ひとつ焦点が定まらない感じがあったり、主人公の描き方も物足りないところがあったりと、小説としてはやや生硬さを感じるのだが、それでも話の内容にはとても惹かれるものがあった。 物語の中では、いずれも若くして(一人は幼くして)思いがけなくこの世を去った人々が描かれるが、ある種の“気”を感じ取り死者と話が出来る主人公・美空と僧侶の里見、二人のような能力はないが優れた観察力と対応力で現の出来事を収めていく葬祭ディレクターの漆原を通して、先立たれた人たちの悲しみだけでなく、当の亡くなった人がこの世に残した思いまでが切実さをもって表現されていて、読んでいてこちらまで胸が痛くなった。 加えて、『亡くなった人をちゃんと見送ってあげたい』とか『一緒になってそのお気持ちを受け止め、区切りとなる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする』といった言葉を美空や漆原に語らせることで、そうした場に立ち会う者としての矜持にも触れることが出来る。 解説を読めば、作者の言葉として『亡くなった主人に対して、生前にこんなことを言ってあげればよかった、彼からの問いかけにこう答えればよかったという思いが強く残っていました』『漆原のセリフは、主人の看病をしながら生と死について、ずっと考え続けていたことが如実に反映されています。私自身、誰かに言ってもらいたいと言葉だったと思います』ということが書かれていて、この物語を貫くその切実さのわけに触れたのだった。 「グリーフケア」(身近な人を亡くして悲嘆に暮れる人に寄り添い、立ち直るまでの道のりをサポートする遺族ケア)という言葉を初めて知った。

Posted byブクログ

2022/12/22

じわっとくるお葬式小説です。「ある能力」とか「綺麗事」とか気になるところはありましたが、葬祭の仕事への各々の心意気が伝わり、好感が持てました。将来はこんな葬儀社にお願いしたいです。

Posted byブクログ

2023/10/15

娘のいる20~40代女性は涙が止まらなくなる一冊。職場で読むと泣いた(泣きそうな)状態で仕事をすることになるので家で読むことをおすすめします。ひなちゃんやお姉ちゃんのようにこの世にはいなくてもいつまでも家族という気持ちを大切にしていきたいと思わされました。また、あまり馴染みのない...

娘のいる20~40代女性は涙が止まらなくなる一冊。職場で読むと泣いた(泣きそうな)状態で仕事をすることになるので家で読むことをおすすめします。ひなちゃんやお姉ちゃんのようにこの世にはいなくてもいつまでも家族という気持ちを大切にしていきたいと思わされました。また、あまり馴染みのない葬儀場の仕事について学べるのもとても興味深かったです。 ●みんなこういう風にわかってもらえればいいのに 旅立つべきなのに旅立ってない人が見えてしまう登場人物。最終的にはどの話も安心した状況で旅立てるのですが、ここで現実と比べてしまうのがわたしの悪い癖です。現実は分かってもらえないまま、思いを伝えられないまま亡くなることも多いのではないでしょうか。普通の人には見ることができないからこそ普段から想いは小出しにしておくことが大事です。 ●ひなちゃんのお父さんの行動はとても参考になります。 幼い娘を亡くしたお母さんと死を受け入れられないひなちゃんの描写がつらくてつらくて・・。そこでお葬式で行動したお父さんの温かさは娘を亡くすという大きな出来事を乗り越える大きな力となると思いました。実際のお葬式で急にこういう行程変更はできるのか気になりました。 ●偶然、本書と同時に「死後の世界はない」という内容の本を読んでいたのですが・・ 本書では霊が見えるのもあって相反する内容で興味深かったです。霊が見えないわたしたちは満足するまでその方の死を悼み、忘れないことが一番現実的な方法だと思います。「霊が見えて話ができたらいいのにな」というアイディアは見えないからこそ思うのかもしれません。 ちなみに、同時に読んでいたのは 「「前向きに生きる」ことに疲れたら読む本/南直哉」

Posted byブクログ