掬えば手には の商品レビュー
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とんでもなく嫌味で横柄な店長が出てきたと思ったら、読み進めるうちに変わってきた。これって実は他人の気持ちを理解して、大切にする梨木くんのおかげなんだろうな。登場人物がみんないい人なのは、主人公が人を理解しようとしているかどうかってこととイコールかもしれないと気付かされた。 切なさで終わってしまうのかと思ったら、清々しい読後感でした。やっぱり瀬尾さんは読者に優しいなぁ 笑
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ほんわか優しくあたたかい。 平凡であることに悩む大学生の青年と、バイト先で出会った辛い過去を抱える女性の物語。 ひょんなことから自身には人の気持ちがよめる能力があると思い込んだ青年。お節介とも言える勇気ある行動が、女性の心を開いていき、奇跡を起こしていく。 青年の真っ直ぐな心が愛おしく、ほっこり。 人の気持ちはわからない。だからこそ、わかろうと努力する。その心が尊いと思う。 相手の気持ちを察することができても、その後に何らかの行動に移すことができるかどうか。その差はかなり大きい。 もし思い違いだったらどうしよう。余計なお世話だったらどうしよう。そんな風にあれこれ考えて踏み込めない。勇気を出せない。私自身もそう。 だから、相手の為にかっこ悪いとか構わず行動に移せる青年はかっこ良いと思った。 それぞれの思いや事情は抱えながらも、優しさと思いやりに満ちており、行動する勇気と未来への希望をくれた。
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装丁から、内容まで、全てがステキでした。 自分の事や、周りにいてくれる人の事、改めて、繋がりを大切にしようって思った。 ちょっとファンタジーで、あったくて、やさしくて、登場人物みんな、素敵でした。
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ファンタジーとリアルのぎりぎりを突いた世界観。 平凡、凡庸。 大半の人はそうだと分かっていても、 自分にも何かあるのではないかと すがりたくなる。 そんな主人公の梨木くんに、 作者である瀬尾さんは、とても優しい。 つまり、瀬尾さんは、読者に優しい。 瀬尾さん、好きだ。
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とても良かった。 何もかも「普通」な梨木くんにとって唯一特別なものは人の心を読めるという特殊能力。それを使って人に笑顔になってもらうことに喜びを感じている。 お節介と親切のギリギリのところを「特殊能力」を使って渡り歩いて、人を救う(掬う)ためにひたすら一生懸命に行動する彼を、いつ...
とても良かった。 何もかも「普通」な梨木くんにとって唯一特別なものは人の心を読めるという特殊能力。それを使って人に笑顔になってもらうことに喜びを感じている。 お節介と親切のギリギリのところを「特殊能力」を使って渡り歩いて、人を救う(掬う)ためにひたすら一生懸命に行動する彼を、いつのまにかぐっと拳を握って応援しつつ、笑ったり泣いたり忙しかった。 君、全然「普通」じゃないからね。 河野さんの梨木くんへのことなら何でもわかる特殊能力、凄いぞ。 登場人物みんなが愛おしくて。また彼らに会いたいな。
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いたって普通、平均的、平凡・・・そんな悩みを抱える梨木はある日、相手の気持ちが分かる能力があることが分かり… とにかく優しい気持ちになれる物語でした。 登場人物全員の悩みや葛藤は思春期時代の自分を投影しているような(特に梨木君)感覚でした。 特別な何かが欲しい、何か秀でているもの...
いたって普通、平均的、平凡・・・そんな悩みを抱える梨木はある日、相手の気持ちが分かる能力があることが分かり… とにかく優しい気持ちになれる物語でした。 登場人物全員の悩みや葛藤は思春期時代の自分を投影しているような(特に梨木君)感覚でした。 特別な何かが欲しい、何か秀でているものが欲しい、自分のオリジナルな部分を生かしたい・・・ 模索して、悩んで、それでもハッキリしたものが今も見つからないまま。 でも他の人から見たらそんな自分でもきっと何かがある、と思ってくれているのかもしれない。 周りは見えていても、肝心な自分の姿は見えていない、梨木君は平凡なんかじゃないよ。と思いながら読んでいました。 自分を受け入れてくれる人がいること、支えているつもりでいても実は支えられていたこと、そんな人を大切にしていきたいと改めて感じることができました。 とにかくオムライスが食べたくなりました。
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生きづらくても生きていい。好きな人との別れも辛いけどそればっかりじゃない。 美味しいご飯は正義。 泣ける本。
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主人公はめちゃめちゃ好い人なんだけど、何か好きになれず、大学生という感じもしないし、ファンタジーな内容で、子供向けの本みたいな印象だった。 最後はめでたしめでたしかな。
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家族には一芸秀でたところがあるのに、自分には何もない。ただただ平均な男。なのに名前は匠。自分には何かあると信じたくて、人の心が読めると思い込んで? その力を活かして中学時代も不登校の女の子を助けたり、高校でも人気な男子を助けたり、、、 そんな主人公がバイト先で出会った常磐さん。全く感情の読めない彼女から不思議な声が聞こえてきて、、、。 ストーリーとしては少し無理のあるところを感じた。バイト先で体調を崩した常磐さんの住所を聞いて家に行くところはんー?となった。普通すぎてつまらない!という主人公にも。ただ、相手のことを考えてその人を見つめていれば考えていることはわかるよねっていうのは納得。 常磐さんから聞こえてくる秋音の声の正体にはそうだったのか〜とはなったけど、なんかそこまでスッキリ!ではなかった。 文章は読みやすくてサクサク読めた。
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『じんわり優しい瀬尾ワールド』 超能力のように相手の気持ちがなんとなく読めちゃう主人公・匠。そんな彼でもまったく心が読めないバイト仲間の常盤さん。ちょっと心を開いて、自分のことを誰かに話してみようと思える、じんわり優しい物語。さすが瀬尾先生。 匠は自分が平凡だと悩むけれど、相...
『じんわり優しい瀬尾ワールド』 超能力のように相手の気持ちがなんとなく読めちゃう主人公・匠。そんな彼でもまったく心が読めないバイト仲間の常盤さん。ちょっと心を開いて、自分のことを誰かに話してみようと思える、じんわり優しい物語。さすが瀬尾先生。 匠は自分が平凡だと悩むけれど、相手のために行動を起こすことができる優しい人物であり、愛されるお節介。超能力でもなんでもなく、ただ観察力が高く、感受性が豊かで、自分の資質に気付いていないだけのようにも読み取れます。また読み返したい素敵な一冊。
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