入れ子細工の夜 の商品レビュー
ノンシリーズ短編集。 ハードボイルド調やバカミスっぽい話などそれぞれテイストが違って楽しめた。著者のミステリ愛が炸裂している。 ベストは大学入試で犯人当ての問題を出したらという突拍子もない話の「二〇二一年度入試という題の推理小説」。
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楽しかった!に尽きる短編集でした。 コロナ禍を取り入れた作品、結構増えてきたなと感じていましたが、なるほど。作者様たちも、この突然流行り出した怒りのぶつけようのないものへの不満を、作品という形で昇華しているのですね。 4作品全ての作品で、コロナが流行ってからの作品だと分かるように...
楽しかった!に尽きる短編集でした。 コロナ禍を取り入れた作品、結構増えてきたなと感じていましたが、なるほど。作者様たちも、この突然流行り出した怒りのぶつけようのないものへの不満を、作品という形で昇華しているのですね。 4作品全ての作品で、コロナが流行ってからの作品だと分かるようになっています。バラエティ色のある作品集だから、全く違和感や蛇足を感じません。 『危険な賭け〜私立探偵・若槻晴海〜』 『二〇二一年度入試という題の推理小説』 『入れ子細工の夜』 『六人の激昂するマスクマン』 4作品ともテイストが違って、楽しめました。 一つめはハードボイルド風の雰囲気を纏った探偵もの…のようですが、それよりも作者の阿津川さんの本の知識が凄すぎてすごい(語彙力)。 二つめはコロナ禍と入試という問題にスポットを当てた…笑えるようで笑えない(というのも実際コロナが流行り出して振り回された学生さんたちが大変だっただろうと思うと)作品。犯人当てが楽しめます。 三つめの表題作は、演劇ミステリー。入れ子細工、マトリョーシカな感じの構成に、作者が映画やドラマに馳せる思いが込められているそうですが、私は無知なので、手のひらの上で転がされながら読みました。 最後のタイトル、ふざけ具合、学生のノリに笑えて一番好きです。マスクマンとはプロレスのだろうなとは思っていたのですが、特にプロレスが好きとかではないんです。ないんですが、ところどころで笑ってしまうほどに楽しめました。雰囲気もイメージしやすくて、でも、ちゃんとミステリー。 短編の最後のお話として、すっきり終わって「あー楽しかった」と本を閉じることができます。 珍しく長々と感想を書きました…阿津川さんは紅蓮館、蒼海館に続く3冊めですが、読む本ごとに楽しさが違って、まだまだ読みたい作家さんです。
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❇︎ 危険な賭け〜私立探偵・若槻晴海〜 2021年度入試という題の推理小説 入れ子細工の夜 6人の激昂するマスクマン 背景各所にコロナ禍の社会情勢を反映させた ちょっと変わった推理短編集。 遊び心と推理小説愛が随所に見られる ストーリー展開です。 古典、コメディー、現代風...
❇︎ 危険な賭け〜私立探偵・若槻晴海〜 2021年度入試という題の推理小説 入れ子細工の夜 6人の激昂するマスクマン 背景各所にコロナ禍の社会情勢を反映させた ちょっと変わった推理短編集。 遊び心と推理小説愛が随所に見られる ストーリー展開です。 古典、コメディー、現代風、どんな話も 楽しめるストライクゾーンが広い方に オススメかも知れません。 シリアスなのにコメディータッチで どろどろしない読後が軽快でした。
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短編集でも満足!! 阿津川辰海の本はミステリー好きにはワクワクが止まらない。作中に出てくる本とか、ベタベタな本格ミステリーっぽい演出が好き。 タイトルになってる入れ子細工の夜がやっぱりいちばんドキドキした、形勢逆転の連続。でも犯人当て入試で自分の回答が大学の正式回答で、「一番ありがちでつまらない」って書いてあったのはつらすぎる笑
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※このレビューにはネタバレを含みます
【収録作品】危険な賭け/二〇二一年度入試という題の推理小説/入れ子細工の夜/六人の激昻するマスクマン あとがきより 「基本方針は、 ・ノンシリーズ作品集を目指して、いろんな形式でやってみること。 ・どんな形式であっても、心は本格ミステリーであること。 ・一作で完結させるつもりで、その舞台・キャラクターの魅力を最大限に引き出すこと。 ・全4編を通じて、私達がいま生きている世界のありさまを刻印しつつ、といって、堅苦しくはしないこと。」 ということで、バラエティー豊かな作品集となっている。 面白かったのは「危険な賭け」。古書店と古書の描写が楽しい。 「二〇二一年度入試…」は、皮肉が効いている。 「入れ子細工の夜」は、読んでいてごちゃごちゃしてきた。 「六人の…」は、「六人の熱狂する日本人」のセルフパロディー(あとがき)とのことで、メンバーはプロレスサークルの大学生。あちらも苦手なノリだったが、こちらはもっと苦手だったので、苦笑い。
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阿津川さんの短編集第二弾!!! コロナを反映した世界観で書かれた4作品。 鮮やかな伏線の回収、どんでん返しとテンポ良く読める作品。ミステリではあるんだけど、クスッと笑ってしまうコントのような作品もあって、ミステリ苦手な人にも読みやすい作品集になっていると思います。
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どれもコロナ禍の影響をもろに受けた状況をうまく取り入れた短編集で、それぞれ風変わりで違った味わいを楽しめた。「危険な賭け」が一番はまった。「入試という題の推理小説」は今までになかった構成が面白い。表題作と「マスクマン」は、まるでドタバタ大騒ぎおコントのような勢い。
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やっぱり阿津川辰海はめちゃんこ面白い。特に短編はテンポもいいし、一気に読んでしまう。 透明人間〜も良かったけど、こちらもいろんな作品のオマージュになっていて愉しい。 最近は、5分後にどんでん返し、みたいなわかりやすいYAが多いので、令和のミステリとして最適だと思う。 また元ネタ...
やっぱり阿津川辰海はめちゃんこ面白い。特に短編はテンポもいいし、一気に読んでしまう。 透明人間〜も良かったけど、こちらもいろんな作品のオマージュになっていて愉しい。 最近は、5分後にどんでん返し、みたいなわかりやすいYAが多いので、令和のミステリとして最適だと思う。 また元ネタも最近のものが多くて、古典すぎずそれも嬉しい。
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どの話も現代的なもので、文章も読みやすく楽しませてもらいました。 特に入れ子細工の夜の、どんどん攻守が入れ替わる感じは新鮮でした。 短編でなく、次は◯◯館の殺人の長編も読んでみたいと思います!
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楽しく読みました。 表題作は最後の方、こんがらがってきてしまった。 「危険な賭け」が良かった。古本屋さんいいですね。『病める巨犬たちの夜』『マンハンター』が気になります。 「六人の激昂するマスクマン」も面白かった。
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