発注いただきました! の商品レビュー
朝井リョウ初めて読む。若い人向けの作家さんかなーと思って遠慮してたけど、この本は小説家のお仕事垣間見れてすごく面白かった!小説家も個人事業主なんだなーと、ほんの少し身近に感じられる、お仕事本。
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企業とのタイアップや他の作品とのコラボで書いた文章集。発注内容→作品→コメント という構成が19本+新作短編。 超短編でも面白さあり。 個人的には朝井リョウさんにしては珍しい(?)恋愛テーマの「きっとあなたも騙される、告白の物語」が印象深い。 そして書き下ろしの「贋作」は朝井リョウさん味がすごい。切ないけど面白い。 そして毎回のごとく朝井リョウさんの本は書き留めておきたいフレーズが多いので、以下メモ。 ○蜜柑ひとつぶん外れて ーーーそうあるべきだと思われているルールから少し外れて、自分だけの楽しみ方を見つける。決められた道筋の通りに進むんじゃなくて、自分だけの歩き方を探し出す。私は、そういうふうに生きていたいんだ。 ○引金 ーーーこれまでは知らなかった自分のたくましさに触れることができて、感動さえしている。本当は二次会なんて行きたくないかもしれないけれど、二次会に行っている自分も味わってみたくて、ライターを握り締めつつ、どうにかあらゆることに参加してはやっぱり疲弊している自分を、応援したい。何かが変わったら変わったで、そんな自分をもっと愛せるようになるかもしれない自分に、期待すらしている。 ○介護の日 年金の日 ーーー生きていくこととはきっと、両てのひらに溢れていた自由を1つずつ、自分以外の誰かや何かに差し出し、無限にある選択肢を1つずつ減らしていくことなのだと思う。 ーーー自由を1つ差し出すたび、人はその空いたてのひらを守るべき何か、大切にしたい何かへ差し伸べている。 ーーー現在の自分を愛することはもちろん大切だ。だけど、現在の自分よりももっと愛することができる人やものに出会い、それらにいま手にしている自由や選択肢を差し出すの瞬間が、私はとても楽しみだ。 ○贋作 ーーー贋作ほど豪華な額縁に飾られるのは、仕方のないことかもしれない。程度の差はあれど、どんな人間だって膿んだ部分はあり、何かでそこを隠しながら生きている。もちろん自分だってそうだ。他人や社会から気に入られるよう装飾すること自体には、とやかく言うつもりはない。ただ、他者から何かを奪い取ってまで、自分の額縁を装飾しようとする行為ほど、浅はかなことはない。
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特異な場所で発表され、通常ではなかなかお目にかかれない小さな物語たちを集めるという構成自体がもう楽しい。 一つ一つの作品は短いけれど、全体ではかなりボリュームがあるので、途中で若干飽きそうになるのだけれど、やはりおもしろくて、あっという間に読み切った。 朝井さんの作品は、気になりながらも「桐島、部活やめるってよ」しか読んでいないので、他の作品も読んでみたくなる。
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装画が美川べるの氏だ。いかゴリラ氏とのコラボ漫画しか知らず、本業を初めて知る。 20作品の依頼された小説に作者本人のコメントがつくという一粒で二度美味しい仕様。 「はじめに」の大変がめつい考えというのに笑ってしまうが。 コンプリート癖がある自分にとっては、作品がこうやってまとめ...
装画が美川べるの氏だ。いかゴリラ氏とのコラボ漫画しか知らず、本業を初めて知る。 20作品の依頼された小説に作者本人のコメントがつくという一粒で二度美味しい仕様。 「はじめに」の大変がめつい考えというのに笑ってしまうが。 コンプリート癖がある自分にとっては、作品がこうやってまとめられるのは嬉しい。 作者べた褒めの角田光代氏の小説、もっと読んでみたい。 『蜜柑ひとつぶん外れて』 「あの人自身が何が好きなのかとか、何を考えているのかとか、そういうことを話したかったの。世間のルールを教えてもらうんじゃなくて。」 価値観が合わない、というのはこういうのを言うのだろうなぁ。。ハウツー本を好きな人とか確かにいたな。 『あの日のダイヤル』 「現代の人間が失ってしまった一番の感情は、待つ、という心だよ。」 「理不尽なルールや無茶な要求の中で失いがちになるものもたくさんあるけど」 「社会が失っているものを、俺たちも一緒に失ってちゃ、意味が無いんだ」 タブレットはすぐ起動できて便利、となったのが今はスマホで、寝る前すら観てしまうので、本当隙間時間すら無くなりつつある。。 逆に会社の効率化の結果などで空いた時間には新しい仕事が詰め込まれるので、結果適当にゆっくり進める人が増えていく環境もしんどい。。 『天空の城、ギンザ』 後書きに笑う。「銀座若菜」の漬物についても。 『十七歳の繭』 アイアムアヒーロー気になる。。 『贋作』 人気あったり、カリスマとされている人の周囲の人たちの中には「なんであんな奴が」ってなっている人もいるのだろうなぁ。。 作品と人となりは切り離して、というけれど今は特に善人が求められるので、この書道家がこのスタイルを貫き通せるのか、意地悪な視点で見届けたくなってしまった。。
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発注をうけて書いた作品集、というのがまず面白かった。商業なんだけど、さらに商業っぽさが香るというか。 アサヒの蜜柑ひとつぶん外れて・いよはもう、28なのに、が好みだった。各依頼に答える小説家の側面を見たのが楽しい一冊だった。そして作家の口福でもれなくお腹が空くまで。 ……贋作...
発注をうけて書いた作品集、というのがまず面白かった。商業なんだけど、さらに商業っぽさが香るというか。 アサヒの蜜柑ひとつぶん外れて・いよはもう、28なのに、が好みだった。各依頼に答える小説家の側面を見たのが楽しい一冊だった。そして作家の口福でもれなくお腹が空くまで。 ……贋作の重さ、なに? 新作としてこれをぶち込んでくる作者の恐ろしいこと。
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過去10年間に各企業から受けたお仕事小説を1冊の本にまとめたもの。 個人的にはアサヒビールのウイスキーの作品に登場する稲村君が素敵すぎるとなりました!自分の好きを楽しめる人に私もなりたい。各作品への感想戦も笑える
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これはダメだ。 気楽に短編で楽しめるのがいいかと思いきや、本当に過去の依頼仕事の作品をただ集めただけ。 コラボ作品は好きな人はいいのだろうが、そうでない私には面白さが理解できない。 変に捻った作品は理解しようとする気力も起きない。 昔のこち亀は好きだったが、コラボしてる頃のこち...
これはダメだ。 気楽に短編で楽しめるのがいいかと思いきや、本当に過去の依頼仕事の作品をただ集めただけ。 コラボ作品は好きな人はいいのだろうが、そうでない私には面白さが理解できない。 変に捻った作品は理解しようとする気力も起きない。 昔のこち亀は好きだったが、コラボしてる頃のこち亀は全然… 本当のファンなら楽しめるのかな? 作家は本が出せればそれでいいのか?
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企業とのタイアップで書かれた小説をまとめた本。 どんなテーマで書いたのかも書いてあるので、とても面白い。サクサク読めて楽しかったです!
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ブクログを彷徨っているときに知ったこちら。朝井リョウさんが企業様とタイアップされた作品集なのですが、一つひとつにご自身があとがきとしてツッコミをいれるという斬新なスタイル…!そのツッコミがおもしろい!との口コミを見て、購入しました。 朝井リョウさんは「少女は卒業しない」しか読んだ...
ブクログを彷徨っているときに知ったこちら。朝井リョウさんが企業様とタイアップされた作品集なのですが、一つひとつにご自身があとがきとしてツッコミをいれるという斬新なスタイル…!そのツッコミがおもしろい!との口コミを見て、購入しました。 朝井リョウさんは「少女は卒業しない」しか読んだことがなかったのですが、、こんなに正直でユーモアに溢れた方だったとは。とてもおもしろかったし、かなりボリュームもあって読み応えたっぷりでした。 タイアップ作品ということで、あの人気のお菓子が出てきたり、あのアーティストの歌の世界観だったり、あの有名な漫画だったり、、全然違うテイストの作品を1冊でぎゅっと楽しむことができます。
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色んな企業からの色んな要望に答えたお話がたくさん集まった短編集。短いものが多くて、比較的ライトなので、読みやすい。 でも、毎回ほっこりしたり、朝井さんならではの考えさせられるものがあったりで、1冊手元に置いておきたいと思える作品だった。
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