生命式 の商品レビュー
狂ってるなぁと思いながらも、短編でここまですっと設定が入ってくるのは文章力がすごいんだろうな。最後の孵化は、自分もそういうとこあるかもなと少し共感した。この本を読みながら、少し考え方も変わったのかな…
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自分にとっての普遍的な生活が覆されるように感じた。 無きにしも非ずな主人公の生活に圧倒される。 まだまだ理解しにくい感情が多かったため、また年月を重ねてから読み直したい。
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村田沙耶香さんは「コンビニ人間」しか読んだことないけど、これもすっごい独特の世界観だった、、、! 個人的に好き(得意)ではない世界観なんだけど、独特の生々しさと残酷さと気持ち悪さがクセになる。怖いんだけど可笑しい。 「素晴らしい食卓」がいちばん好きだった!
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自分の倫理観がねじ曲げられそうな12篇。 最初は拒絶反応を示していた設定も最後には「これはこれで…」と受容できてしまう。 異常に思えた他者の正常に感化されて、自身の正常が揺らいでいく。 ちょっとした恐怖すら感じるけれど、物語としては面白い。 嫌だなあと顔をしかめながら読んでしまっ...
自分の倫理観がねじ曲げられそうな12篇。 最初は拒絶反応を示していた設定も最後には「これはこれで…」と受容できてしまう。 異常に思えた他者の正常に感化されて、自身の正常が揺らいでいく。 ちょっとした恐怖すら感じるけれど、物語としては面白い。 嫌だなあと顔をしかめながら読んでしまった。
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ここにはないけどどこかにありそうな世界とここにはいないけど壁1枚隔てた向こうには存在しそうな人々。ぞわっ。 ありえないことが当たり前に描かれているのってなんかいいですよね…
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「人間のことが好きか嫌いか」と問われれば、恐らく作者は「嫌い」と答える部類の人だ。だが、生態としての人間は好きなのではないか、とも思う。 また、「世間のことが好きか嫌いか」と問われても、恐らく「嫌い」と答えるような気がした。だが、私が想定する「世間」とはすなわち「社会」のことで...
「人間のことが好きか嫌いか」と問われれば、恐らく作者は「嫌い」と答える部類の人だ。だが、生態としての人間は好きなのではないか、とも思う。 また、「世間のことが好きか嫌いか」と問われても、恐らく「嫌い」と答えるような気がした。だが、私が想定する「世間」とはすなわち「社会」のことであり、作者が想定する「世間」が別のもの……例えば「自分が見えている世界」として受け止められれば、その答えは変わってくるようにも思う。 陳腐な言葉で彩られた感想など出ないのが常だ。だが、この本を読んで、自然に湧き上がってきた言葉がある。 綺麗に生きていきたいね。 綺麗って、なんだろうね。
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表題作のインパクトが強くて、他の作品の印象が薄く感じるのが残念。 ラストの「孵化」で笑ってしまって、本を閉じた後、なんだか落ち着かない
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正常とは、この世で唯一許される発狂 自分のオールタイムベスト小説候補「コンビニ人間」と比べて遜色ない世間への冷めた眼差しに完全にやられてしまった 世間なんて薄皮一枚捲ればグロテスクな本質があらわになることは明らかで、皆そこから目を背けて生活してるんだよな 以下、特に食らった作...
正常とは、この世で唯一許される発狂 自分のオールタイムベスト小説候補「コンビニ人間」と比べて遜色ない世間への冷めた眼差しに完全にやられてしまった 世間なんて薄皮一枚捲ればグロテスクな本質があらわになることは明らかで、皆そこから目を背けて生活してるんだよな 以下、特に食らった作品をあげる 「生命式」・・・少子化する近未来の世界で、食人とフリーセックスの文化が常識にすり替わる物語 「正常とは、この世で唯一許される発狂」というセリフ、心に刺さって離れない 「素敵な素材」・・・動物由来の衣類を身につけることへの抵抗感がほとんどない日本において、この問題設定の鋭さはすごい 死んだ人間の素材を再利用することが弔いという価値観は意外とすんなり理解できそうな理屈なだけに足元の常識が大きく揺らぐ感覚があった 「魔法のからだ」・・・自分の性体験って本来神聖なものなのに、「下ネタ」として消費するのが普通みたいな雰囲気あるよね 自分もそうやって私的体験をオープンにすることがコミュニケーションの正しい在り方なのかと思っていたけれど、性のことを開けっぴろげにすることが不可逆な行為なのだとしたら今後もそれをネタとして消費し続けるのが良いのか立ち止まらせてくれた 「孵化」・・・ペルソナを使い分ける「普通の人」と、多重人格ってグラデーションの問題で、バレないようにやってるかどうかってだけで二者を呼び分けてるのかな
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感想 食が隣り合う領域に侵入する時の薄気味悪さ。本能に裏付けされつつも人工的な要素を多分に含んだ人間の食事。意識されない薄皮が一枚剥がれていく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『素晴らしい食卓』と『孵化』が印象に残った。高い物の方がよい物のように感じたり、人によって接し方を変えるのは多くの人に思い当たるのではないかと思ったからだ。読んでいると「えっ…⁉︎」となって二度見してしまうシーンがあり、食べ物の描写はなかなか気味が悪かった。でもクセになるおもしろさで、他の作品も読んでみたくなった。
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